<コンタクト診療>
☆点眼処方例
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●痛み
処方例)クラビット点眼1.5% 右眼1日4回1本 [保険病名:角膜炎、麦粒腫]
SPKs/o。CL中止。2−3日たっても改善ないときは一般眼科へ。
●目やに
処方例)クラビット点眼1.5% 右眼1日4回1本 [保険病名:角膜炎、麦粒腫]
目やに。改善しないときは一般眼科へ。
●異物感、ゴロゴロする、ドライアイで点眼希望
処方例)ヒアレイン点眼0.1% 両眼1日4回1本 [保険病名:点状表層角膜炎]
処方例)ヒアルロン酸NaPF点眼0.1% 両眼1日4回1本 [保険病名:ドライアイ]
処方例)ジクアス点眼3% 両眼1日6回1本 [保険病名:ドライアイ]
異物感。改善しないときは一般眼科へ。
●かゆみ、花粉症で点眼希望
処方例)アレジオン点眼0.05% 両眼1日4回1本 [保険病名:アレルギー性結膜炎]
処方例)ネオメドロールEE軟膏 1日1−2回 [保険病名:眼瞼皮膚炎]
結膜充血。改善しないときは一般眼科へ。
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☆5mlの点眼薬を1日4回両眼点眼する場合、約2週間はもつ。
☆CL装用中の点眼
アレジオン、ヒアレイン、ジクアスはCL装用中でも点眼OK。
☆妊婦への点眼
クラビット、アレジオンは有益性がリスクを上回る場合。
ジクアス、ヒアレインは記載なし。
→クラビット、アレジオン、ジクアス、ヒアレインは妊婦への点眼OK。
☆防腐剤
・ベンザルコニウム塩化物(BC):陽イオン性界面活性剤(マイティア人工涙液)→CL中止
・パラベン類(PB):パラオキシ安息香酸エステル類
・クロロブタノール(CB):アルコール類
・ベンゾドデシニウム臭化物(BD):陽イオン性界面活性剤
・クロルヘキシジングルコン酸塩(CH):陽イオン性界面活性剤(ジクアス点眼、ヒアレイン点眼)
・ソルピン酸、デヒドロ酢酸ナトリウム等:有機酸及びその塩類
・ホウ酸:等張化剤や緩衝剤(アレジオン点眼)
☆防腐剤とレンズ
・「含水性のソフトコンタクトレンズ×塩化ベンザルコニウム(BAC)」→レンズに吸着したBACが角膜障害の原因となる。
・「ポリビニルアルコールレンズ(PVA)×ホウ酸」→レンズを変形させる
☆アレジオン点眼液
変更前)2014.11まで「ソフトコンタクトレンズを装用している場合には、点眼前にレンズを外し、点眼5分以上経過後に再装用すること」
変更後)2014.12から「アレジオン点眼液が、コンタクトを装用したままの点眼が可能」に変更。
アレジオン点眼液も発売当初は、ベンザルコニウムが成分として含まれていたため、コンタクト装着時の使用はNGだったが、2014年の12月から防腐剤をリン酸水素ナトリウムとホウ酸に変更し、コンタクトを装着したままでも点眼が可能になった。
cf) https://inoue-kodomo-clinic.jp/topics01.html
☆ヒアレイン点眼
ヒアレイン点眼液0.1%と0.3%は防腐剤にベンザルコニウム塩化物が含まれていたため添付文書には、「ソフトコンタクトレンズを装用したまま使用しないよう指導すること。」と注意書きがあった。
しかし、2018年10月出荷分(予定)より防腐剤がクロルヘキシジングルコン酸塩液に変更となり、「ソフトコンタクトレンズを装用したまま使用しないよう指導すること」という注意書きが添付文書から削除された。
cf) https://pharmacista.jp/contents/skillup/academic_info/ophthalmology/3273/
☆血管収縮剤
塩酸ナファゾリン、塩酸テトラヒドロゾリン、塩酸フェニレフリンなどは血管を収縮させ、充血を抑える作用があるが、血管を拡張させて血行を促し、疲労を回復する働きを阻害することもあるので、使い過ぎには注意。
☆ドライアイ点眼薬の使い分け
・ヒアルロン酸:傷修復作用あり。眼表面に20分しか滞留せず、涙液量を増やす効果なし。ベトつき感あり、空気中の浮遊物がくっつき、アレルギー性結膜炎の時期の使用は要注意。化粧品のヒアルロン酸で感作され、防腐剤無添加のヒアレインミニで接触性皮膚炎あり。
・人工涙液:頻回に点眼し過ぎると涙液中の有効成分を流すので注意。アレルギーの洗眼薬として使用する。
・ジクアス:水分量を増やす効果と乾きを防ぐ為のムチンという物質を増やす。2、3時間効果が持続し、中等度以上のドライアイに使う。最初はしみて、メヤニが多くなるが1週間程度で収まる。メヤニは涙液中のムチンが増えたため。気になる場合は点眼回数を減らす。防腐剤はソフトコンタクトレンズに吸着し難い物を使用しており、コンタクトレンズを装用したまま点眼する事ができる。
・ムコスタ:元々胃潰瘍を治療する為の内服薬だったため、粘膜の炎症を抑える効果あり。防腐剤フリーのため、コンタクトレンズ装用中でも点眼可。