産科ポイント
・妊娠中期は4M~7M(「死なないで」)、4Mは胎動自覚
・排卵→24h以内に膨大部で受精→7日目に胚胞(胚盤胞)となり着床
・胚胞は胎芽胚葉と栄養胚葉
・胎芽胚葉は胎児、栄養胚葉(トロホブラスト)は胎盤になる。
・卵膜:羊膜、絨毛膜は胎児由来、脱落膜は母体由来、羊膜は外胚葉、絨毛膜は中胚葉
・胎盤
臍帯は胎盤の側方付着
胎盤は繁盛絨毛膜と脱落膜から成る
16週で完成、500g,直径20cm,厚さ3cm
内側は細胞性栄養膜層(ラングハンス細胞層、24週には消失)
外側は合胞体栄養膜層(シンチウム細胞層)→hCG分泌(10週10万ピーク、妊娠黄体の持続)、hPL分泌(正常は4-10、胎児への糖供給)、E/P分泌
・胎児副腎のDHEA-S→胎児肝、胎盤で代謝されE3→母体血中へ、正常は20-30、胎盤機能、胎児成熟度を反映、妊娠末期にピーク
・hCGは10週、10万がピーク
胎盤がとりあえずhCGを分泌→卵巣の月経黄体を妊娠黄体にしてE,Pを分泌促進→妊娠維持→胎盤が完成すると妊娠黄体は必要がないのでhCGも減少
・つわり:morning sickness、5週に始まる、始まりは個人差なし、終わりは個人差あり、重症化すると妊娠悪阻→5%ブドウ糖+B1輸液→無効ならIVH(妊娠初期の高血糖→奇形を防ぐためインスリン併用)
・尿中hCG>200で妊娠反応+、妊娠の半確徴
・子宮底長=3×(月数+1)、35cm以上ならCPD、月数よりも低いならIUGR、羊水過少
胎嚢(GS:gestational sac)=週数-4(cm)
頭臀長(CRL:crown rump length)cm=週数-7(cm)
大横径(BPD:biparietal diameter)cm=週数÷4(cm)
・胎児発達:心拍5週、四肢運動10週、呼吸様運動15週、聴覚形成20週(紳士はこっち!)
・胎児染色体検査:絨毛10週、羊水16週、臍帯血18週(ジュウ毛10週、イヨー水、採血嫌がる)
・NT(nuchal translucency):10週頃に胎児頚部浮腫(3mm以上)あればダウン症疑い→出生後頚部リンパ浮腫
・10ヶ月で3000g、2ヶ月前は2分の1、さらに3ヶ月前は3分の1
・PRL作用:乳汁産生、Eで腺管発達、Pで腺房発達、EもPも乳房発育
・オキシトシン作用:平滑筋作用→子宮収縮、腺葉から腺管へ射乳、EでOxy感受性↑、PでOxy感受性↓
・胎児循環:胎盤→1本の臍静脈→門脈orArantius管を介してIVC→RA→卵円孔→LA→LV→脳→SVC→RA→RV→Bottalo管→Ao(左鎖骨下Aより末梢)→2本の内腸骨A→2本の臍動脈→胎盤
・羊水
羊水過多:800ml以上、羊水スポット8cm以上→切迫早産、起座呼吸あれば羊水穿刺する
羊水過少:200ml以下、羊水スポット2cm以下→胎児肺低形成、関節拘縮、手足顔面奇形(子宮壁にへばりつくため)、分娩時の臍帯圧迫(変動一過性徐脈)
AFI(羊水指数):4ヶ所の羊水ポケットの合計、正常5~20cm
羊水量は7Mがピーク、700ml
・羊水診断は中絶可能な22週より前で羊水が十分量になる16~18週以降
・羊水による成熟度判定→出生後は胃液で判定(∵羊水嚥下)
肺surfactant:Shakeテスト(2倍希釈でも泡)、マイクロバブルテスト(20個/mm3以上)、L/S比(2以上)→肺surfactantは28週で合成スタート34週で完成
羊水Cr:2以上
脂肪細胞:20%以上
△OD450:0.02以下
AFP:陰性
・NST:30週以前は意味がない、30週以降は60%、34週以降は100%で陽性
妊娠中に行う、胎動に伴って頻脈になるのが正常、胎児心拍数は140±40bpmを超えると異常(正常は140±20)
反射完成が30週頃→30週以降は覚醒睡眠が各20分→最低20分は検査すること、基線細変動は5bpm以上→non-reactiveならさらに20分→音刺激→BPS
一過性頻脈が20分で2回以上ならreactive
sinusoidalは100bpm以下かつ基線細変動消失
・BPS:呼吸様運動、躯幹運動、筋トーヌス、羊水量、NST、8点以上が正常、4点以下はtermination
・CTG
CTGは分娩開始時に装着する、陣痛に伴って徐脈になるのが正常
早発一過性徐脈:子宮収縮ピークと徐脈ピークのtime lagが25秒以下、児頭圧迫だが正常、児頭圧迫→ICP↑→Cushing現象
遅発一過性徐脈:子宮収縮ピークと徐脈ピークのtime lagが25秒以上、胎児機能不全(早剥など)
変動一過性徐脈:徐脈と収縮のタイミングがバラバラ、羊水過小→臍帯圧迫、胎児と臍帯の位置関係によっては圧迫がないのでバラバラになる
・テンカウント法:胎動10回感じるのにかかった時間→20分以内で正常
・胎児機能不全→帝切、吸引分娩
児頭採血でpH<7.15、サイヌソイダルパターン、基線細変動5bpm以下、遅発一過性徐脈が15分以上、変動一過性徐脈60bpm以下が60秒以上、臍帯動脈RI↑(RI=抵抗)、中大脳動脈RI↓(脳血流↑)
・胎児感染:母体の炎症所見(CRP)、子宮圧痛、羊水悪臭、NSTで持続性頻脈(180bpm以上)
・妊娠子宮は右に傾きやすい→仰臥位低血圧症候群、腰椎麻酔時に筋弛緩でIVC圧迫、右尿管圧迫で水腎症
・妊娠中のショック→エフェドリン、輸液
・Bishopスコア(2倍して反対にして60で合格)
0 1 2 3
頚管開大度(cm) 0 ~2 ~4 ~6
下降度(sp) -3 -2 -1 +1
展退度 ~30 40~50 60~70 80~
硬さ 鼻翼 口唇 マシュマロ
8点以上で分娩誘発できる、子宮収縮薬はPG、オキシトシン(麦角アルカロイド=エルゴメトリンは弛緩出血の予防治療薬)
展退度100%でも全開大とは限らない
初産婦は展退→外子宮口開大、経産婦は外子宮口開大→展退
・胎児の位置
胎位:頭位、骨盤位、横位
胎向:第1は児背が母体右、第2は児背が母体左(母体左は肝臓があるのでスペースがない→第1が多い)
胎勢:
屈位:先進部は小泉門=後頭部、最大通過径は小斜径
反屈位は前頭位、額位、顔位
前頭位:先進部は大泉門=前頭部、最大通過径は前後径
額位:先進部は額部、最大通過径は大斜径
顔位:先進部は顔(顎が母体前を向くのはオトガイ前方顔位、顎が母体後ろを向くのはオトガイ後方顔位)
・分娩開始:10分に1回の規則的な分娩陣痛
・産道:入口部1cm→闊部4cm→坐骨棘→狭部2cm→出口部2cm、先進部がsp0cmなら最大経はsp-5~-4で固定、先進部がsp+1なら陥入
・分娩機転
第1期:陣痛周期10分~子宮口全開大、固定は38週頃でsp0、第1回旋(横を向く)でsp+1
第2期:胎児娩出、第2回旋(肛門を見る)→sp+1~+3、第3回旋(エビ反り)→sp+3~+4、第4回旋(肩を出す)、第1前方後頭位(第1胎向、先進部は後頭部=小泉門、先進部が母体の前に移動)が正常
第3期:ダンカンは前から、シュルツは後ろから胎盤がはがれる、出血は500ml以下、胎盤剥離徴候(アフェルドは臍帯が下降、クストナーは恥骨上縁圧迫で臍帯下降、シュレイダーは子宮底が上昇し右に傾く)
・産瘤:たんこぶ、仙骨と反対側、第1胎向で右、縫合を越える(第1胎向は背中が左)
・頭血腫:骨膜下血腫、仙骨でこすれる、第1胎向で左、縫合を越えない
・回旋異常
第1回旋の異常:前頭位、オトガイ前方顔位では経膣分娩可能(恥骨が支点)
第2回旋の異常:
後方後頭位:逆回転、臍を見る向き→自然治癒しなければ吸引分娩
高在縦定位:下降なしで第2回旋→児頭浮遊→帝切
低在横定位:第2回旋なしで下降(sp+2なのに小泉門9時)→吸引分娩
・吸引分娩の適応:子宮口全開大、sp+2以上、CPDなし、破水してること
・児頭骨盤不均衡(CPD):全妊娠の5%、原因は狭骨盤か頭位拡大、CPD疑いは38週以降も浮遊,ザイツ法(触診で児頭が恥骨より上),子宮底長35cm以上,身長150cm以下、診断はガットマン法、エコーで産科的真結合線-児頭大横径<1cmまたは産科的真結合線が9.5cm未満、治療は帝王切開
・妊娠7週までは1/3が骨盤位、末期には3%
・骨盤位:全妊娠の3%、臀位が70%、足位が30%、膝位が1%、臀位は予後良好、足位は予後不良、先進部の臀部、足に産瘤
・足位は予後不良:前期破水→臍帯脱出→予後不良、足娩出→臍帯血管収縮→頭部子宮内→低酸素血症、足分娩後はブラート、バイトスメリ、横8などの方法で頭を素早く娩出、現在は帝切
・第1期は12h、第2期は2h、第3期は20分→計15h(経産婦は半分)
・遷延分娩は正常の2倍以上
・微弱陣痛
第1期では周期が6分以上、発作時間は30秒以下
第2期では周期が初産婦4分/経産婦3.5分以上、発作時間は30秒以下(正常娩出期陣痛は周期2分、持続1分、内圧は50±5mmHg)
原因は①子宮が収縮しない:双胎、羊水過多、筋腫、子宮奇形、高齢妊娠、②胎児が出ない:CPD(狭骨盤、巨大児)、回旋異常
治療は通過障害/胎児仮死がなければ経過観察、頚管熟化なら陣痛促進剤、通過障害/胎児仮死があれば帝王切開
・過強陣痛:周期1分30秒以内(子宮口4~6cm)以降は1分以内、Bandle収縮輪が臍高、原因は陣痛促進剤乱用、産道抵抗大、治療は陣痛抑制(塩酸リトドリン)、麻酔
・子宮復古:3日で3横指上がる→臍高→10日で10横指下がる→恥骨
・悪露:赤(3d)→褐(2w)→黄→白(1M)
・産褥期は感染性静脈血栓が好発→産褥0日から早期離床
・初乳:生後5日目まで、乳白色、IgA、蛋白、塩類、ラクトアルブミンが多い
成乳:出生後2週以降、乳白色、乳糖、ラクトアルブミン、不飽和脂肪酸が多い、ミネラル、ビタミンKが少ない、ほぼ等張
・妊娠初期の不正性器出血
①切迫流産:GS周囲に絨毛膜下血腫→echo free space、下腹部痛、陣痛
②胞状奇胎:つわり+++
③外妊:下腹部痛、破裂で出血性ショック
・妊娠中期以降の不正性器出血
①切迫早産:頚管無力症が多い
②前置胎盤:警告出血、痛みなし
③早剥:腹部板状硬、激痛
・流産:全妊娠の15%、22週未満の胎児の娩出、分類は、完全流産(胎児+胎盤が娩出、8週までに多い)、不全流産(一部が子宮内に残る)、進行流産(頚管開大、陣痛開始)、切迫流産(頚管開大なし、妊娠継続可能、頸管粘液中好中球エラスターゼ+)、稽留流産(死亡胎芽胎児が子宮内留まる、流産徴候なし、放置するとDIC起こす)、原因は胎児染色体異常(妊娠初期)、子宮奇形、頚管無力症、抗リン脂質抗体症候群(妊娠中期以降)
・習慣性流産:3回連続の流産、原因は①抗リン脂質抗体症候群、②子宮奇形(中隔子宮にはヒステロスコピー下切除、双角子宮にはStrassmann手術)、③頚管無力症:妊娠中期に流産徴候なく無痛性の流産、治療は胎盤完成~20週に頸管縫縮術(シロッカー:膣前壁からアプローチし内子宮口を縫縮、マクドナルド:外子宮口を縫縮、マクドは安い外食)、分娩時に抜糸
・早産:全妊娠の5%、22週~37週未満の胎児の娩出、原因は絨毛膜羊膜炎,多胎妊娠,前置胎盤、子宮頚管長短縮(正常40mm以上、25週25mm以下は危険)、頸管粘液中顆粒球エラスターゼ+、治療は塩酸リトドリンで子宮収縮抑制(PIHや子癇起こしやすい時はMgSO4→即効性はない)、絨毛膜羊膜炎には抗菌薬、胎児仮死があれば急遂分娩、母体ステロイド投与で胎児肺成熟促進
・リトドリンの副作用:β刺激→頻脈→CO↓→肺水腫、横紋筋融解(CK測定すること)、BS↑
・絨毛膜羊膜炎:発熱38℃以上、母体頻脈100以上、WBC15000以上、羊水悪臭、頸管粘液中顆粒球エラスターゼ+、治療は抗菌薬投与、リトドリン、硫酸Mgでしのぐ、胎児仮死あればtermination(1000g以下は分娩に耐えられない→帝切)
・前期破水(PROM):陣痛前の破水、破水後48hで90%に子宮内感染、児頭未固定なら臍帯脱出で変動一過性除脈、羊水過少で肺成熟↓、関節拘縮、手足顔面奇形
・卵管妊娠:膨大部70%、峡部30%、破裂前ならMTX卵管注入か腹腔鏡下卵管切開で卵管温存、破裂時はダグラス窩にecho free space→開腹し卵管切除、特にクラミジアが原因による卵管妊娠は対側にも起こるのでできる限り卵管温存
・頚管妊娠:だるま型子宮、内診は大出血、MTX血管内注入→小さくしてから核出術、無理なら単純子宮全摘
・破水の診断:シダ状結晶、AFP、BTBで青変(アルカリ)
・妊娠高血圧症候群(PIH):全妊娠の10%、20週以降に初めて140/90以上(160/110以上なら重症)で分娩12週に正常化→胎盤血流↓→早剥/羊水過少(変動一過性徐脈)/胎児仮死、高血圧により子癇(=脳浮腫→T2high,DWI low,梗塞はDWI high)、脳出血、血管内脱水と循環血漿量↓、妊娠後半期の500g以上の体重増加は要注意、重症型はHELLP症候群(hemolysis,elevated liver enzyme,Low platelet count)、治療は低カロリー1800kcal、塩7g、蛋白70g、降圧剤(ヒドララジン、αメチルドパ、28週以降はCaブロッカーが1st choice)、MgSO4(抗痙攣、降圧、Mg中毒で呼吸停止に注意)、帝切、子癇は妊娠、分娩、産褥全てで起きる
・対称性IUGR:奇形、染色体異常、子宮内感染(妊娠前半期の異常)
非対称性IUGR:胎盤機能不全、妊娠高血圧症候群(頭は大きく体は小さい→頭はOK∴妊娠後半期の異常)
・前置胎盤:突然、就寝中の無痛性警告出血(外出血)、頚管の立方上皮に胎盤が入り込んで癒着胎盤、内診禁忌→経膣エコー、診断は20週以降(20週以前は子宮腫大とともに胎盤移動)、原因は頻回の出産や中絶、治療は自己血保存の上、37週まで経過観察、胎児仮死や出血量増加あれば急遂分娩
・常位胎盤早期剥離:全妊娠の1%、胎盤後出血(内出血)→DIC/shock、板状硬、強い腹痛、胎盤血流↓→胎児仮死、羊水過少、原因は妊娠高血圧症候群、腹部打撲、急激な羊水内圧減少、治療はDIC/shockに輸液輸血、ヘパリン、胎児仮死あれば急遂分娩、早剥後5hで胎児死亡
・胎児仮死:胎動減少、羊水過少、NSTで胎児心拍140±40を超える、CTGで遅発一過性徐脈、変動一過性徐脈、超音波パルスでMCA-RI(resistanse index)低下、胎児血pH7.15以下、BPS2点以下、
・妊娠糖尿病(GDM):妊娠中DMだが産後1ヶ月後には正常化、産褥1週/4週に診断する
・糖尿病合併妊娠:DMの人が妊娠
胎児合併症:催奇形性、巨大児(肩甲難産)、低Ca(副甲状腺未熟)、低血糖、高bil(肝臓未熟)、IRDS(肺未熟)
母体合併症:妊娠高血圧症候群、羊水過多
診断:BS92/180/153(空腹時/75gOGTT1h/2h)のうち1項目
治療:インスリン(経口血糖降下剤は禁忌)でFBS100/OGTT2h120以下にする、カロリーは妊娠初期+50/中期は+250/末期は+450/授乳期は+350kcal
・バセドウ合併妊娠:プロピオチルウラシル、自己抗体がIgGだから起きる
・SLE合併妊娠:少量プレドニゾロンで寛解なら妊娠OK、新生児一過性ループス(皮疹、AVblockはSS-A抗体+で多い)
・子宮筋腫合併妊娠:分娩継続、分娩障害あれば帝王切開とともに筋腫核出術(妊娠中は核出術しない)
・子宮頸癌合併妊娠:異形成、CISは分娩後に円錐切除、浸潤癌は頚癌治療しつつ22週以降帝王切開
・尿路結石合併妊娠:ESWLは禁忌、尿管ステントや輸液で妊娠継続、痛みがあってもNSAIDは禁忌(動脈管収縮でIUGR)
・てんかん合併妊娠:抗てんかん薬は妊娠中も継続、バルプロ酸は二分脊椎起こす
・心不全合併妊娠:妊娠8ヶ月が循環血漿量最大
・腎不全合併妊娠:GFR<50、Cr>1.5で妊娠中絶
・Rh不適合妊娠:胎児水腫、核黄疸(CP)、診断は直接Coombs(臍帯血中抗D測定)、間接Coombs(母体の抗D測定)、羊水△OD450(羊水中bil測定)、治療は母Rh-,父Rh+で感作前なら72h以内に母に抗D-Ig、感作後なら胎児輸血、交換輸血、光線療法
・トキソプラズマ:水頭症、脳内石灰化、網脈絡膜炎
・サイトメガロ:水頭症、黄疸、血小板減少
・風疹:白内障、PDA、感音性難聴、妊娠初期の風疹ワクチン接種は禁忌
・GBS:分娩間近になれば膣内検査→分娩開始とともにPCG点滴静注、生後1週以内に肺炎、髄膜炎発症は予後不良(early onset type)
・HSV:ヘルペス脳炎、母体血中IgG-なら経膣分娩は禁忌、再発1週、初発1Mは帝切
・HBV:母がe抗原+なら児は95%がs抗原+のキャリア、治療はHBIG投与、その後出生2,3,5MにHBワクチン
・HIV:妊娠中からのHAART+無血帝切+分娩後児への抗HIV薬投与+授乳禁止で垂直感染2%
・一卵性双胎:遺伝性なし、胎盤が1個(1絨毛膜性)なら必ず1卵性、しかし胎盤2個だと1卵性で別々に着床したか2卵性か分からない、胎盤1個(1絨毛膜1羊膜、1絨毛膜2羊膜)→TTTS→吻合血管をレーザーで焼く、TTTSは受血児の方が予後不良、妊娠が進むと隔壁が薄くなるため膜性診断は妊娠初期にする
・二卵性双胎:遺伝性あり、胎盤2個、羊膜、絨毛膜、脱落膜すべて2枚
・分娩時のショック:子宮破裂、羊水塞栓、軟産道裂傷
・子宮破裂:CPD、回旋異常、過強陣痛、帝切既往、前兆は収縮輪が恥骨上10cmに上昇、破裂時の激痛と内出血によるショック、破裂すると児は出てこない、漿膜側不全破裂の場合はDouglas窩に血液貯留、治療は輸液輸血、緊急開復術、DIC治療、帝切ではsilent rapture(痛み少ない)
・頚管裂傷:子宮収縮良好→分娩直後で子宮底は臍下2横指、鮮紅色の外出血、痛み少、治療は縫合術
・会陰裂傷:子宮収縮良好→分娩直後で子宮底は臍下2横指、鮮紅色の外出血、痛み少、不十分な会陰保護、6時方向が多い、1度は皮下限局で自然治癒、2度は筋層に及ぶ、3度は肛門括約筋に及ぶ、4度は肛門粘膜に及ぶ、治療は2度以上はすぐに縫合術
・弛緩出血:子宮収縮不良→分娩直後なのに子宮底が臍上(正常は臍下2横指)、暗赤色の外出血、痛み少、治療は子宮収縮薬、分娩後出血の90%を占める、原因は陣痛促進薬で子宮疲労、巨大児、多胎妊娠、羊水過多、長時間分娩、速すぎる分娩、多産、極端な若年、高齢出産、胎盤遺残、副胎盤
・子宮内反:胎盤娩出時の急激な腹圧、臍帯牽引、激痛を伴う出血、ショック、治療は全身麻酔下で用手整復、無理なら開腹整復
・産褥熱:胎盤剥離面からの感染、産褥10日までに2日以上の38℃以上、起炎菌はGNR(昔は溶連菌、黄ブ菌)、治療は抗菌薬(嫌気性菌はクリンダマイシン)、子宮内膜炎、骨盤結合織炎、付属器炎、腹膜炎、感染性静脈血栓(左下肢の浮腫、疼痛、熱感が多い)
・産褥期の発熱→産褥熱、腎盂腎炎(子宮が尿管圧迫)、DVT(∵安静臥床)
・うっ滞性乳腺炎:乳汁うっ滞による疼痛、感染や炎症所見なし、感染がないので授乳はOK、治療は搾乳、乳頭清拭
・急性化膿性乳腺炎:うっ滞性乳腺炎+黄ブ菌、感染があるので授乳NG、治療は抗菌薬、切開排膿、ブロモクリプチン
・静脈血栓症:高リスク(帝切、肥満、高齢、APS、前置胎盤等による長期臥床)には産後に予防的ヘパリン投与→母乳栄養OK(移行少ない)
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