腎臓ポイント
・膀胱は内縦、中輪、外縦(胃は内斜、中輪、外縦)
・腎門部→L1
・被膜は内から、繊維→脂肪→筋膜
・糸球体基底膜はⅣ型コラーゲン
・メサンギウム領域に4個以上の有核細胞=メサンギウム増殖
・ACEI、ARBは輸出細動脈を拡張→濾過圧↓→腎保護作用
・収縮期圧が80以下→濾過圧↓→尿量↓
・レニン分泌刺激:RBF↓、Cl↓、交感神経β刺激
・Posm=2(Na+K)+BS/18+BUN/2.8→実測と計算値の差があれば血中に浸透圧差物質あり→AG↑なら有機酸(ケトン体、乳酸)、尿毒症はBUN↑なので差なし
・Posmへの影響が大きいイオン→Na、Cl(Kではない!)
・NaClの分子量は58.5→1g=1/58.5mol=17mmol=17mEq
・尿量→1.5±1L/日、尿pH→平均6
・乏尿→20ml/hr以下、無尿→10ml/hr以下、多尿→100ml/hr以上、利尿がつく→1ml/kg/hr以上
・尿比重:1.002~1.033(血漿比重は1.010)、尿浸透圧:50~1500(血漿浸透圧は290)
・多尿:
高浸透圧性多尿:糖尿病、浸透圧性利尿薬
等浸透圧性多尿:K↓、Ca↑、CRF、間質性腎炎、慢性腎盂腎炎
低浸透圧性多尿:尿崩症、心因性多飲
・腎炎、膀胱炎、尿道炎は発熱なし(管腔臓器の炎症は発熱なし)
・CVAtenderness→急性腎盂腎炎、尿管結石
・尿蛋白:最も鋭敏なのはスルホ、しかしトルブタミド、ヨード造影剤で偽陽性
試験紙法はBenceJones蛋白で偽陰性、+1は0.5g/日、+2は1.0g/日
・肉眼的血尿:尿1L中血液1ml、顕微鏡的血尿:赤血球5個/400倍視野
・糸球体からの出血→赤血球円柱、尿管以上からの出血→赤血球変形大、膀胱以下からの出血→赤血球変形小
・PAHは糸球体、尿細管で全て分泌→RPF
イヌリンは糸球体で完全に濾過→GFR
・BUN/Cr20以上(正常は10):高蛋白食、消化管出血、脱水、異化亢進(熱傷、ステロイド)
・クレアチニンブラインド領域:Crが正常範囲内でもGFRが低下
・β-MG、シスタチンC→近位尿細管で再吸収(シスタチンCはCrブラインドがない)
NAG→近位尿細管上皮細胞の逸脱酵素
・Fishberg尿濃縮試験→1.022以上ならOK
・RTAの検査
RTA1型(遠位型)→NH4Cl負荷、尿pHが5.5以下になれば正常
RTA2型(近位型)→重曹負荷
・血液透析:維持透析は週3回、1回4hr、アシスト透析は週1回、1回2hr、ヘパリン化(活性化凝固時間120-150sに調節)、ヘパリン長期投与でHIT(血小板↓)、DryWeight(浮腫なし、高血圧なし、CTR50%以下、ANP50以上)が目標、導入開始時のみ不均衡症候群(ICP↑)
・LDL、自己抗体、エンドトキシン、ベロ毒素は吸着療法で除去(HD単独では無理)、もしくは血漿交換
・透析導入基準:(BUN,Cr,K)or臨床症状(羽ばたき振戦、肺水腫)
ARF→60,6,5.5
CRF→100,10,6.5
・長期透析の合併症:腎性異栄養症、多嚢胞性腎萎縮、腎癌、透析アミロイドーシス(正中神経麻痺→猿手)、高脂血症→動脈硬化、皮膚色素沈着、腹膜透析ではDM、高脂血症、低蛋白血症(糖液で還流、蛋白通過性大)
・ARFの鑑別:尿中Na(mEq/L)、FENa(CNa/Ccr)、浸透圧
腎前性→20以下、1%以下、尿>血漿、Uosm>600
腎性→40以上、1%以上、尿<血漿、Uosm<300
・腎性の原因:Mb、HUS、βラクタム系、アミノ配糖体(ストマイ、カナマイ、ゲンマイ)、ストレプトマイシン、バンコマイシン、シクロスポリン、シスプラチン、アンホテリシンB、出血性ショックの回復期(∵虚血)
・CRFの非代償期の目安→Cr>3=GFR<20
・CRF症状:腎性異栄養症(帯状角結膜炎、関節、皮膚に石灰沈着)、AG上昇の代謝性アシドーシス、肺水腫、高血圧で網膜症、尿毒症症状(末梢神経障害、出血傾向→消化管出血、血性心膜炎)、ホルモン蓄積(ガストリン→消化性潰瘍、PRL→乳汁漏出無月経、インスリン→インスリン投与量減少)、EPO↓で正球性貧血(RBC↓Hb↓Ht↓よりMCV↓MCH↓MCHC↓)
・CRFの電解質異常治療→Ca↓にはビタミンD、K↑には陽イオン交換樹脂、グルコース+インスリン
・腎移植:8割が死体腎、左腎摘出、右腸骨窩後腹膜腔に移植、腎Aは内腸骨A、腎Vは外腸骨Vにつなぐ
・ネフローゼ症候群の必須条件:蛋白尿3.5g/日以上、低蛋白血漿TP<6、Alb<3(小児→早朝第1尿300mg/dl以上or0.1kg/日以上)
・ネフローゼ症候群で上昇する蛋白→フィブリノーゲン、コリンエステラーゼ、LDLコレステロール(→血液濃縮とともに脳梗塞、AMIの原因)
・補体低下:SLE,MRA,MPGN,AGN,AIHA,蛋白漏出性胃腸症protein losing gastroenteropathy(SMAP)と肝硬変
・○○糸球体腎炎、IgA腎症→血尿中心(蛋白尿もある)それ以外はネフローゼ症候群中心(血尿は稀)
・FGS、MN、IgA腎症は慢性経過
・AGN:A群β溶連菌の扁桃炎から2週間、眼瞼浮腫、ASO,ASK↑、C↓、ICによるものなのでステロイド無効、全体的な富核、治療は高血圧に対してCaブロッカー、フロセミド(どちらもRAA抑制せず腎血流を維持する)、βブロッカー/サイアザイド/ACEIはRAAを抑制するので禁忌、発熱あってもボルタレンも禁忌(PG↓~GFR↓)
・RPGN:Goodpasture、Wegener(cANCA)、MPA(pANCA)、AGNの増悪、ボーマン嚢上皮増殖→細胞性半月体
・IgA腎症:上気道感染から2日で肉眼的血尿or学校検尿で発見、予後不良因子は蛋白尿(1g/日以上)、高血圧、GFR80以下、血尿は予後不良因子ではない、メサンギウム領域にIgA沈着とメサンギウム細胞増殖、血中IgA上昇は50%、治療はステロイドパルス、ACEI、血栓予防にアスピリン
・MC:小児ネフローゼ8割、成人ネフローゼの3割、光顕で正常像、電顕で足突起癒合、急性の全身性浮腫→尿中Na↓FENa↓(体内にNaあるから浮腫になれる、浮腫性疾患は全て尿中Na↓FENa↓)
・MN:成人ネフローゼの1/4、PAM染色でspike(IgGのIC)、HBV、SLE、癌、金製剤、Dペニシラミン、基礎疾患の治療で治る
・アミロイド腎症:Congored染色でアミロイド沈着(べたっとしたピンク色結節)、MM/RA/長期透析→ネフローゼ
・MPGN:PAM染色で2重膜、C↓、HCV→クリオグロブリン血症→MPGN、C3NeF陽性例は予後不良
・FGS:皮質髄質境界部のネフロン、PASでDM様のべたっとしたピンク色結節、IgMの斑状沈着、しかし血中IgMは正常、ステロイド抵抗性でCRFへ、HIVが原因になる
・糖尿病性腎症:過剰濾過、腎腫大→微量アルブミン尿(スポット尿で30-300mg/Cr1g、試験紙法-)→次第にネフローゼへ、結節性糸球体硬化症、血圧管理(130/80)、減塩(6g/日)、蛋白制限(0.8g/kg/日)、ACEI
・ループス腎炎:ⅠMC、Ⅱメサンギウム増殖、ⅢFGS、Ⅳ半月体形成、ⅤMN、Ⅵ硬化性腎症、Ⅳ型が予後不良、活動性の指標は蛋白尿と補体価
・Alport症候群:XD、男が重症化、4型コラーゲン異常→糸球体基底膜障害→CRF、両側感音性難聴、白内障、網膜色素変性症
・Fanconi症候群:近位尿細管での全ての再吸収がちょっとずつ低下。原因はWilson、MM、vonGierke、Sjogren、Cd中毒、水俣病。主な症状はくる病、骨軟化症
・Sjogren腎病変:間質、尿細管へのリンパ球浸潤→等張性多尿、RTAⅠ型、Fanoconi
・通風腎:間質に尿酸塩沈着→等張性多尿、末期までGFR低下なくネフローゼも稀
・RTAⅠ型:遠位尿細管でH排泄障害、NH4Cl負荷で尿pH5.5以上
①RAA亢進で低K→周期性四肢麻痺(朝動かず昼治る)、等張性多尿
②H+HCO3→CO2+H2OがH+↑で右へ進む⇒HCO3↓(代アル)⇒Cl↑(陰イオン一定のため)⇒AG正常の代謝性アシドーシス
③H↑⇒Alb-↓⇒freeCa↑⇒Ca濾過↑⇒尿路結石、腎石灰化、血中Ca↓でPTH↑⇒骨軟化症、くる病
・RTAⅡ型:近位尿細管でHCO3再吸収障害、しかしアシドーシスは軽く尿酸性化能は保たれる、原因は原副甲亢進、Fanconi、MM、Sjogren
・RTAⅣ型:DM→レニン↓→Ald↓→H排泄↓→代謝性アシドーシス
・AG=Na-(Cl+HCO3)、正常8~16
AG正常→RTAと下痢(Cl↑)、AG上昇→乳酸アシドーシス、DKA、尿毒症、サリチル酸中毒
・間質性腎炎:慢性では血尿稀。原因はβラクタム、アミノ配糖体、NSAID、Ca、Cd、尿酸、放射線、慢性腎盂腎炎。症状はRTA、等張性多尿、無菌性膿尿(死菌が抗体に覆われるため)、白血球円柱
・腎盂腎炎:造影CTでくさび形のlow density
・RAA↑なのに血圧正常→Batter(小児発症)、偽性Batter(浮腫性疾患、利尿剤下剤乱用)、Gitelman(低Ca尿症、低Mg血症)
・Batter:RAA↑だが高血圧、浮腫なし、小児発症、JGA過形成、ループ利尿薬過剰状態、治療はK補充、インドメタシン(PG↓)
・Gitelman:RAA↑だが高血圧、浮腫なし、成人発症、低Ca尿症、低Mg血症、サイアザイド過剰状態、治療はMg補充、インドメタシン(PG↓)
・偽性Batter:原因は利尿薬の常用や浮腫性疾患、RAA↑だが高血圧、浮腫なし
・Liddle:Ald過剰状態
・RAA↑:①K↓症状は周期性四肢麻痺、尿濃縮力低下 ②H↓症状はfreeCa低下でテタニー
・腎血管性高血圧:原因→繊維筋性異形成(末梢、若年女性、脳動脈瘤合併多い)、大動脈炎症候群/動脈硬化/大動脈解離(近位部)。所見は上腹部連続性血管雑音、両側腎静脈レニン活性測定(レニン↑があった側の狭窄腎Aが原因だと判断できる)
・腎硬化症:高血圧→腎Aの動脈硬化→自覚症状ないままGFR低下へ
・アテローム塞栓性腎疾患:カテーテル検査が原因、好酸球↑、補体↓、他にAMI、脳塞栓、末梢動脈塞栓
・成人型多嚢胞性腎:AD、40代発生、CRF(ただし腎臓腫大)、脳動脈瘤、尿路結石
・Potter症候群:両側腎無形成→尿作れない→羊水過少→肺低形成、関節拘縮、顔面手足の奇形(子宮壁にへばりつくため)
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