消化管ポイント
・消化器系は内胚葉由来で卵黄嚢、原始腸管(4-8週)ができる
・前腸は食道、胃、気管、肺、肝胆膵。中腸はSMA支配腸管、後腸はIMA支配腸管
・直腸:S3~歯状線、恥骨直腸筋付着部
・迷走神経:右が後、左が前で食道裂孔を通る
・食道の血行支配
頚部食道:下甲状腺A,V
胸部食道:気管支A、奇静脈
腹部食道:下横隔膜A、胃冠状V、短胃V
・胃噴門部=胃底部=穹隆部:噴門腺→粘液産生
胃体部:胃底腺(固有胃腺)→主細胞(ペプシノーゲン)、副細胞(粘液)、壁細胞(内因子とHCl→ヒスムスガスで分泌)
胃幽門部=胃前庭:幽門腺→粘液産生、G細胞(ガストリン)
・十二指腸:球部→下行部→水平部→上行部、Treitz靭帯まで、Kerckringの襞、Brunnel腺が粘液産生
・小腸:空腸:回腸=2:3、Kerckringの襞、Lieberkuhn腺(粘液、酵素)、孤立リンパ節、回腸にはPeyer板
・結腸:ハウストラ、杯細胞(粘液)、下部直腸は内腸骨A支配
・避腸栄養:IVH
経管栄養:ED(成分栄養)は胃管でVaterより後部に投与(→膵酵素分泌させたくないとき)、流動食は胃管やPEG(内視鏡的胃瘻造設)で胃内に投与
・ガストリン:幽門部のG細胞が分泌→胃液↑、胃蠕動↑、LES圧↑
セクレチン:十二指腸内のpH↓で分泌→膵液中のHCO3↑、ガストリン↓、LES圧↓
CCK-PZ:脂肪酸が十二指腸を刺激→壁から分泌→胆汁↑、膵酵素↑
VIP:小腸壁から分泌→小腸蠕動↑、胃蠕動↓
・Z-E→ガストリノーマ、水様性下痢、難治性潰瘍、診断はBAO/MAO>0.6、空腹時ガストリン↑、セクレチン負荷でガストリン↑
・WDHA→VIPoma、水様性下痢、低K、無酸症
・食道は左主気管支の後方、胸部大動脈の左前方を下行
・小腸→ケルクリングのひだ
大腸→ハウストラ(結腸ヒモでたぐりよせられてできる)
・十二指腸、上行結腸、下行結腸、直腸→腸間膜はなく動けない
空腸、回腸、盲腸、横行結腸、S状結腸→腸間膜があり動ける
・腹腔動脈の枝→総肝動脈、左胃動脈、脾動脈
脾動脈の枝→短胃動脈、左胃大網動脈
総肝動脈の枝→固有肝動脈、右胃動脈、胃十二指腸動脈
胃十二指腸動脈の枝→右胃大網動脈、上膵十二指腸動脈
・Zencker憩室:仮性、圧出型、咽頭食道移行部
Rokitansky憩室:真性、気管分岐部リンパ節瘢痕化→牽引型憩室
Meckel:真性、卵黄腸管の遺残、腸間膜付着部反対側、回盲部より50cm口側、異所性胃粘膜→小児(3yo-)下血、99mTcO4-シンチ(甲状腺、唾液腺、胃粘膜に集積)
胃憩室:真性
十二指腸憩室:仮性、Vater乳頭部近傍、Lemmel症候群=十二指腸憩室+胆石+胆汁うっ滞
大腸憩室:仮性、右側結腸に多い、腸内細菌で憩室炎が多い、造影でtear drop(バリウムの溜り)、多発
・持続痛:実質臓器の被膜進展による内臓痛(肝炎)
疝痛:蠕動する臓器の圧上昇による内臓痛(機械的イレウス、尿管結石、胆石)
体性痛:腹壁
関連痛:右は右、左は左
・十二指腸潰瘍は空腹時、胃潰瘍は食事で痛みが増強
・Treitz靭帯より上からの出血→吐血(コーヒー残渣様)orタール便(メレナ)
・便秘→ヒルシュ、甲キ↓、抗コリン薬、脱水、低K、高Ca
・悪心嘔吐:ケトン体、つわり、尿毒症、酒、抗癌剤、ジキタリス、モルヒネ、低Na、高Ca。治療は抗ドパミン薬(クロルプロマジン、メトクロプラミド)、5HT3拮抗薬
・消化管穿孔やイレウスではバリウム経口投与は禁忌(∵雑菌、刺激性でイレウス悪化)
・グル音:腸管内に液体+ガスがあるとき、聴診器の膜型で聴取、機械的イレウスで増強、麻痺性イレウスで減弱
・消化管穿孔:Xpで横隔膜下のfree air、背臥位で肝濁音界消失,肺肝境界消失(∵正常は肺は鼓音→肝は濁音→腸管の鼓音となるが、腹壁下にairがたまって肺肝腸管全て鼓音、劇症肝炎でも+)、汎発性腹膜炎(板状硬→感度、特異度高い、Blumberg徴候)、腹部CTの方が検出率が高い
・消化管出血:静脈路確保、直腸診、胃洗浄
・単純Xpの正常ガス像:胃泡、十二指腸球部、大腸。胃泡だけはsingle bubbleで先天性肥厚性幽門狭窄(無胆汁性嘔吐)、胃泡と十二指腸球部だけはdouble bubbleで先天性十二指腸閉鎖(胆汁性嘔吐)
・超音波内視鏡EUS:粘膜下病変の検出→粘膜下腫瘍、潰瘍癌の進達度
・内視鏡の前処置:食事は前日夕食まで、ブスコパン、グルカゴン(前立腺肥大、緑内障)
・小腸は内視鏡が届かない→小腸の出血は血管内カテーテル塞栓
・脂肪便はSudanⅢ染色(脂肪を染める染色)
・米のとぎ汁用→コレラ、WDHA
膿粘血便→赤痢、UC、カンピロバクター、腸重積
白色便→ロタウィルス
トマトジュース様下痢→薬剤性腸炎
・Dキシロース吸収試験:小腸で吸収され尿中排泄量をみる
・α1アンチトリプシン試験:蛋白漏出試験(α1ATはキモトリプシン等を阻害、酸で分解→十二指腸以降の蛋白漏出で便中α1AT↑、急性期炎症反応物質でもある)
・低蛋白血症→ネフローゼはChol↑、蛋白漏出性胃腸症ではChol↓
・緊急手術:消化管穿孔、絞扼性イレウス、卵管妊娠破裂
・食道の上は横紋筋、下は平滑筋(Auerbach神経叢)、漿膜なし
・食道の狭窄部位
第1狭窄部位→輪状甲状軟骨部
第2狭窄部位→左主気管支分岐部(Th4)
第3狭窄部位→食道裂孔(Th11)
・LES圧→正常10~40mmHg
・胃食道逆流症(GERD):胸やけ+食道内pH低下で逆流症、内視鏡で炎症あれば逆流性食道炎、LES圧は低下、造影で滑脱型食道裂孔ヘルニアを探す、内視鏡でLosAngels分類/ルゴール染色(正常が染まる)、24時間食道内pHモニタ(pH<4が10hrs以上)、抗コリン薬は禁忌(∵蠕動↓→胃に食物がとどまる→胃酸↑)、治療はsemi-Fowler体位、H2blocker、PPI、抗D(プリンペラン、メトクロプラミド→蠕動↑)
・GERD→Barrett上皮→食道腺癌の発生母地
・食道モニリア症:カンジダ、鵞口瘡から進展、原因はHIV,DM,悪性リンパ腫,PPI、嚥下時痛、造影で網目状、アムホテリシンB経口投与
・食道裂孔ヘルニア:横隔膜ヘルニア中最多、滑脱型>傍食道型、混合型、GERDで胸焼け,貧血、造影でECJが横隔膜より上→滑脱型、治療はNissen手術
・Saint3徴:肥満女性では、食道裂孔ヘルニア+胆石+大腸憩室が起こりやすい
・マロリーワイス:嘔吐→ECJの胃粘膜表層裂創→新鮮血の吐血、自然に止血する、アノレキや妊娠悪阻が原因になることもある
・ブールハーベ:飲酒後の嘔吐,内視鏡→食道破裂(下1/3、左後方)→縦隔洞炎、膿気胸(重篤)、早期診断早期治療しないと死ぬ、造影剤は水溶性を使う(バリウム禁忌)
・食道癌:食道中部に好発、早期癌はm癌で転移の有無は関係なし(早期胃癌大腸癌はm,sm癌で転移の有無は関係なし)、ルゴールで不染性、飛び石転移、治療はm1m2はESD,EMR(粘膜筋板にかかるとm3)、右開胸開腹で食道全摘,胃管(胸骨前/胸骨後/後縦隔)で再建,3領域リンパ節郭清(頚/胸/腹部)、化学療法はシスプラチンや5-FU、対症療法はステント留置、PEG、IVH、食道気管支瘻は手術適応外
・アカラシア:下部食道アウエルバッハ神経叢の変性→LES弛緩不全→LES圧上昇→上部は拡張,下部はpig tail、冷たい食物で誘発、食道内圧検査でLES圧上昇(正常は10-40mmHg),入口部~吻合部までの同期収縮、食道癌合併(5%)、メコリル試験、治療はバルーンが1st choice、Caブロッカー、ボトックス、ヘラー手術(筋層切開)
・先天性食道閉鎖:羊水過多、生後すぐにカニ泡状流涎、ネラトンカテーテルでcoil up、Gross分類→胃泡があればC、なければA
・食道静脈瘤破裂:内視鏡でred color signあれは危ない
出血時:緊急内視鏡、輸液、酸素、バソプレッシン(ピトレッシン)、バルーン圧迫、EIS(硬化療法)、EVL(結紮療法)(クリッピング、エタノール局注、トロンビン塗布は胃潰瘍)
出血予防:EIS、EVL、PTO(経皮経肝食道静脈瘤塞栓術)、TIPS(経頚静脈的門脈肝静脈短絡術)、BRTO(バルーン閉塞下逆行性胃静脈瘤塞栓術)、Hassab手術(副血行路郭清)、食道離断、脾静脈腎静脈吻合、短絡術はやりすぎると肝性脳症
・AGML:幽門前庭部全体の病変、吐血はコーヒー残渣様、内視鏡Sydney systemで診断、治療はPPI、H2ブロッカー、PG。CMV、内視鏡、TAEが原因になることあり。ストレス+NSAID+酒+感冒など条件が重なって起こる→再発稀。表皮の損傷なので基底細胞が増殖し修復→瘢痕化稀(潰瘍は再発、瘢痕化好発)
・慢性胃炎:
A型:胃体部、悪性貧血、壁細胞抗体+(壁細胞は胃体部)、胃癌の原因
B型:幽門部、大部分の消化性潰瘍、加齢とピロリ
・メネトリエル病:巨大肥厚性胃炎、giant fold、蛋白漏出性胃腸症(壁細胞や主細胞消失、副細胞増加→胃酸↓、粘液↑、α-AT試験+)、ピロリ菌とは無関係
・潰瘍:粘膜筋板を超えた上皮粘膜(m,sm)の欠損、造影Xpでニッシェ(陥凹)、タッシェ(クローバー状陥凹)、ハンプトン線、出血,穿孔,狭窄あれば緊急手術
胃潰瘍:50~60才、胃角部小弯側、老人になると胃体上部へ、食後腹痛
十二指腸潰瘍:30~50才、球部前壁、空腹時腹痛
治療はピロリ除菌、PPI、H2ブロッカー、PG、出血には内視鏡的治療(じわじわ出血にはエタノール局注、HES局注、拍動性出血にはクリッピング、レーザー)、穿孔は十二指腸球部前壁潰瘍に多い、立位Xpで横隔膜下free air、肝濁音界の消失、麻痺性イレウスで腸雑音消失、治療は緊急開腹手術
・ヘリコバクターピロリ:G-桿菌、AGML、急性/慢性胃炎、潰瘍、MALTリンパ腫、胃ポリープ、胃癌、ITP、治療はOMC療法(オメプラゾン(PPI)、アモキシリン(AMPC)、クラリスロマイシン(マクロライド系))、クラリスロマイシン耐性菌にはメトロニダゾール、除菌するとGERDは増悪する、診断は尿素呼気試験、内視鏡生検査でウレアーゼ活性みる、血中ピロリ抗体
・胃癌:0>3>2>4>1、A>M>C、小弯>後壁>大弯>前壁、0=早期癌(m,sm癌、転移は問わず)、早期胃癌(0型)はⅡc>Ⅱc+Ⅲが最多、印環細胞癌や硬癌は低分化腺癌で3、4型が多い、4型は造影で胃角開大、伸展不良、印環細胞癌はKruckenberg腫瘍、硬癌はDIC合併が多い
・Borrmann分類:1腫瘤限局、2潰瘍限局、3潰瘍浸潤、4びまん浸潤
・早期癌:Ⅰ隆起、Ⅱa表面隆起、Ⅱb表面平坦、Ⅱc表面陥凹、Ⅲ陥凹
・胃癌は3,Ⅱc、大腸癌は2,Ⅰが多い
・潰瘍の悪性所見:先細り、棍棒状肥大、融合、突然の中断、辺縁不整(癌は痛くないし健康診断で見つかる、画像が汚い)
・Krukenberg腫瘍:腹膜播種で両側卵巣に転移、Borrmann4型(印環細胞癌)に多い、DIC起こしやすい
・胃癌治療:
高分化で転移のないm癌はESD(EMRより良いが穿孔)、EMR(2cmまで、潰瘍だめ→ESD)
幽門側亜全摘(A,M)、胃全摘(漿膜浸潤があるC、4型胃癌)、術中迅速診断でセンチネルリンパ節転移あればR2隔清、何十年もたってから癒着性イレウス起こすことあり
再建は亜全摘後はBillrothⅠ(十二指腸伸ばせる時)Ⅱ(十二指腸伸ばせないから空腸を持ってくる)、全摘後はルーワイ吻合(十二指腸と食道を各々空腸につなぐ)
再発は癌性腹膜炎(血性腹水)→腹水穿刺で細胞診
切除不能でPS0-2にはシスプラチン、5-FU
・胃切除後症候群:早期ダンピング(消化できてない食物が水を引き込む→循環血漿量↓)、晩期ダンピング(急激なBS↑→インスリン過剰分泌→食後低血糖)、輸入脚症候群(BillrothⅡ法、胆汁性嘔吐)、盲係蹄症候群(盲係蹄で腸内細菌増殖→B12欠乏、吸収不良)、GERD(ルーワイ吻合)、骨粗鬆症、鉄欠乏性貧血、巨赤芽球性貧血(5年以上経過でB12欠乏)、術後膵炎、縫合不全は保存的治療で軽快、壊疽性胆嚢炎(血流障害)
・胃ポリープ:過形成性>腺腫性、腺腫性は癌化あり、大腸ポリープは腺腫性が多い
・胃粘膜下腫瘍:GIST(80%)、平滑筋腫、迷入膵(生検でラ氏島)、カルチノイド腫瘍(索状配列、ロゼット)、MALTリンパ腫(B細胞系、NHL、ピロリ、低悪性度)、神経鞘腫、リポーマ。所見は辺縁平滑、bridging fold、中心臍窩(delle)
・GIST:消化管平滑筋ペースメーカーのカハール介在細胞由来、紡錘状の核を有する腫瘍細胞、平滑筋マーカー(SMA)陰性、KIT蛋白の異常(CD117+)→イマニチブ(分子標的薬)、2cm以上は腹腔鏡下手術(2cm以下は良性、5cm以上は悪性)
・胃肉腫:70%が悪性リンパ腫、30%が平滑筋肉腫、悪性リンパ腫では巨大皺襞
・クローン病:口~肛門に飛び飛びに全層性に非乾酪性類上皮肉芽腫、増悪と寛解、特に回盲部(B12と胆汁酸欠乏)、縦走潰瘍、敷石像、穿孔狭窄、口腔内アフタ、難治性痔瘻(肛門陰窩に細菌感染)、癌化は稀、強直性脊椎炎,PSC,ぶどう膜炎の合併、治療はIVH、EDでbowel rest、サラゾピリン、5-アミノサリチル酸、ステロイド、免疫抑制薬、出血穿孔狭窄あれば緊急手術
・腸管ベーチェット:回盲部、下掘れ型で穿孔しやすい、難治性
・腸結核:回盲部、老人、乾酪性肉芽腫、輪状潰瘍、瘢痕狭窄、便中結核菌+で診断
・UC:直腸から上行、潰瘍なので粘膜病変、増悪と寛解、2週間で自然消退する膿粘血便や腹痛を繰り返す、時に中毒性巨大結腸→穿孔→敗血症、陰窩膿瘍、偽ポリポーシス、ハウストラ消失、血管透見像消失、10年以上経過で10%が癌化(特に全大腸型)、壊疽性膿皮症,結節性紅斑,強直性脊椎炎,PSC,ぶどう膜炎を合併、重症は発熱37.5℃以上/下痢便6回以上/血便3+/頻脈90以上/Hb10以下/赤沈30以上、治療はサラゾピリン、5-アミノサリチル酸、ステロイド、免疫抑制薬、PSL1万mg/中毒性巨大結腸/出血穿孔狭窄/癌化では全大腸切除
・RA、クローン、UC、ベーチェットの重症例には抗TNFα抗体(インフリキシマブ)も使う
・虫垂炎:カタル性(単純性、粘膜限局)、蜂巣炎性(全層)、壊疽性(発赤腫脹)。McBurney、Lanz、Rovsing(左下腹部圧迫で右下腹部疼痛)、Rosenstein(左側臥位でMcBurney増強)、穿孔しやすいが大網がカバーするので汎発性腹膜炎にはなりにくい→限局性の反跳痛やBlumberg徴候はある、診断はエコー,CT、単純性は絶飲絶食と抗菌薬投与
・偽膜性腸炎:老人に広域抗生剤→菌交代でClostridium difficile↑→外毒素(トキシンA)→下痢、腹痛、発熱。内視鏡で偽膜、便中トキシンA,クロストリジウム抗原で診断、治療はバンコマイシン、メトロニダゾール、MRSAによる腸炎は緑色下痢便
・薬剤性腸炎:ABPC投与後、菌交代でKlebsiella oxytoca↑、トマトジュース様の血性下痢
・セリアックスプルー:グルテンが原因、小腸壁へのアレルギーで絨毛萎縮→全ての栄養吸収障害
・家族性大腸腺腫症(FAP):若年、AD、APC遺伝子、全大腸に腺腫性ポリーポーシス、治療は癌化するので20代前半までに全大腸切除
・Gardner:FAPと同一疾患、若年、AD、APC遺伝子、全大腸に腺腫性ポリポーシス、下顎骨腫、類皮膿疱、治療は20代前半までに全大腸切除
・Turcot:若年、AR、全大腸に腺腫性ポリポーシス、中枢神経腫瘍
・Peutz-Jeghers:若年、AD、全消化管に過誤腫性ポリポーシス、四肢や口唇のメラニン沈着、卵巣、子宮、肺に癌
・Cronkhite-Canada:中年、非遺伝性、炎症性ポリポーシス、蛋白漏出性胃腸症、皮膚色素沈着、爪変形、脱毛、浮腫
・大腸ポリープ:腺腫性>過形成性、腺腫性には絨毛状or腺管状、直腸、S状結腸に好発、絨毛状腺腫や2cm以上は癌化あり、1cm以下は内視鏡的ポリペクトミー、1cm以上は外科手術
・大腸癌:危険因子は家族歴、FAP、HNPCC、UC、痔瘻。高分化型腺癌、1/3強が直腸、1/3弱がS状結腸にできる、早期癌はm癌で転移問わない、早期癌はⅠ型、進行癌は2型が多い、右半結腸は貧血,腫瘤、左半結腸は出血,イレウス,腸重責で発見、CEAやCA19-9は経過観察に使う、apple core sign(2型)、Dukes分類B(壁貫通+、リンパ節転移-)、上部直腸は肝転移、下部直腸(腹膜翻転部より下)は肺転移、肛門癌(歯状線より下)は鼠径部リンパ節転移、直腸癌は局所再発多い、治療はm癌はEMR、歯状線より5cm上なら肛門括約筋温存直腸切除術、下なら腹会陰式直腸切断術(Miles)+人工肛門、単発性肝転移では肝切除、術後は排尿障害やED、
・Lynch症候群:遺伝性非ポリポーシス大腸癌HNPCC、AD、ミスマッチ修復遺伝子の異常、ポリポーシスのない大腸癌、他の癌(胃癌、卵巣癌、子宮体癌、乳癌)も合併
・消化管カルチノイド:Kultschitzky細胞由来、気管支、性腺、虫垂、胃、直腸に発生、尿中5-HIAA↑、肝転移でカルチノイド症候群(皮膚紅潮、下痢、TR、喘息)、治療はリンパ節郭清を伴った摘出、残存はソマトスタチンアナログ
・イレウス:経口バリウムは禁忌(∵刺激性、雑菌多い)、小腸イレウスはstep ladder,herringbone
単純性:金属性グル音↑、他のイレウスではグル音↓
絞扼性:単純性から続発、腸管壊死から穿孔し腹膜炎、原因は腸重積、腸軸捻、ヘルニア、単純性がのグル音が減弱し、WBC↑,LDH↑,CK↑が見られたら絞扼性
麻痺性:腹膜炎、低K、ビンクリスチンやDMによる自律神経障害、動脈閉塞
痙攣性:鉛中毒
治療は絶飲絶食、乳酸リンゲル輸液、イレウス管で消化管内容吸引、絞扼性は緊急開腹術
・腸軸捻:S状>盲腸、老人、coffee bean、S状が長い、治療はブジー、待機的にS状結腸切除
・腸重積:3ヶ月~2才、上気道感染→回盲部Peyer板腫脹→離乳期で固形物→通過障害→回腸が上行結腸に進入→蠕動で間欠的啼泣→粘血便、Dance徴候(右下腹部空虚)、target sign,pseudokidney、注腸で蟹爪を確認してバリウム高圧浣腸、開腹して押し戻す(Hutchinson手技、引っ張るのは禁忌)、成人の腸重責は大腸癌が原因
・ヘルニア
外鼠径ヘルニア:男児、右側に多い、腹膜鞘状突起の閉鎖不全、下腹壁AVの外側、陰嚢内腫瘤、silk sign、ヘルニア嚢の高位結紮、反対側にもすること
内鼠径ヘルニア:成人男性、下腹壁AVの内側、鼠径部突出、押すと元に戻る、鼠径管の補強
大腿ヘルニア:高齢多産婦、大腿管を通って鼠径靭帯直下の卵円窩から脱出、嵌頓が多い
臍ヘルニア:出ベソ、低出生体重児の出生数日後に起きる、成人では腹水など腹圧亢進で起きる、成人例は嵌頓が多い
・虚血性大腸炎:老人、動脈硬化→左半結腸の虚血→可逆性の粘膜表層の炎症、腸管膜付着部の反対側は虚血になりやすい→縦走潰瘍、拇指圧痕像、一過性で可逆性なので血管造影では明らかな閉塞血管なし、保存的治療(輸液、抗菌薬)で軽快、多くは一過性で再発しない
・腸間膜動脈閉塞症:Afによる塞栓、動脈硬化による血栓でSMA、IMAの閉塞→広範囲の腸管壊死、穿孔、緊急手術の適応(虚血性大腸炎と違って重篤)
・過敏性腸症候群:体重減少なし、腹痛、下痢、便秘のみ
・裂肛:6時に好発、慢性化で見張りいぼ(sentinel skin tag)
・痔核:座り仕事、門脈圧亢進、妊婦
内痔核:歯状線より上、3,7,11時に好発、肛門脱、嵌頓しなければ疼痛なし
外痔核:歯状線より下、疼痛あり、血栓性静脈炎あれば激痛
・痔瘻:肛門腺(肛門陰窩)の炎症が悪化しておきる、若年性やクローン病合併は自然治癒稀→大腸癌の原因、乳幼児(オムツかぶれ)は自然治癒
・直腸脱:高齢者、肛門挙筋括約筋の弛緩、疼痛なし、腰椎麻酔下に括約筋補強
・腹膜偽粘液腫:卵巣、虫垂の粘液腫が破裂→ムチン性物質が腹腔内貯留→イレウス
・悪性の目安:胆嚢ポリープ、大腸ポリープは2cm以上、GISTは5cm以上
・略語
PTO=percutaneous transhepatic obliteration(経皮経肝副血行路塞栓術)
TIPS=transjugular intrahepatic postsystemic shunt(経頚静脈的肝内門脈体血管短絡術)
BRTO=balloon occluded retrograde transverse obliteration(バルーン下逆行性経静脈的塞栓術)
PTBD=percutaneous transhepatic biliary drainage(経皮経肝胆管ドレナージ)
PTCD=percutaneous transhepatic cholangio drainage(経皮経肝胆管ドレナージ(PTCD=PTBD))
ENBD=endoscopic nasobiliary drainage(内視鏡的経鼻胆管ドレナージ)
TAE=transcatheter arterial embolization(経カテーテル動脈塞栓術)
PEIT=percutaneous ethnol injection therapy(経皮的エタノール注入療法)
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