膠原病ポイント
・1次リンパ組織:骨髄、胸腺
・1次免疫反応は初回免疫応答で時間かかるし抗体産生少ない、2次免疫応答は短時間で抗体産生多い
・抗原提示細胞:Mφ、樹状細胞(皮膚ランゲルハンス細胞、バーベック顆粒+、単球由来)、B細胞
・smIg:B細胞膜表面のIg、抗原と反応して形質細胞に分化しIg産生、smIgを介して抗原と貪食し抗原提示
・NK細胞:自然免疫(抗原感作なしに癌細胞やウィルス感染細胞を攻撃)、CD3-,CD16,56+、末梢血中に5-15%、IL-2で活性化(通常の抗原感作による免疫は獲得免疫)
・補体:IgG,IgMのFc部分に結合、ウィルス中和、貪食促進(オプソニン化)、白血球遊走、アナフィラトキシン(アナフィラキシーの原因)、溶菌、溶血
・補体活性化経路:1→4→2→3→5→6→7→8→9、1から始まるのが古典経路で免疫複合体によって開始、3から始まるのが副経路で菌体成分などで開始
・補体低下→SLE,MRA,MPGN,AGN,AIHA,蛋白漏出性胃腸症protein losing enteropathy(SMAP),肝硬変
・インターロイキン:IL1→発熱、IL2→T,NK↑、IL-3→単球↑、IL-4→B,IgE↑、IL-5→好酸球↑、IL6→CRP,γ-G↑
・血清IL-6は心房粘液腫、Castleman病、髄液IL-6は中枢神経ループスで↑(感度、特異度高い)
・可用性IL-2受容体→悪性リンパ腫、ATL、血球貪食症候群で↑
・IgAは間にsecretary componentを挟んで2量体を形成、IgMは5量体
・IgG4はアナフィラキシー、自己免疫性膵炎(主膵管の狭窄)に関与
・IgDはB細胞の膜表面にあるが役割は不明
・MHCクラスⅠ:全ての細胞に発現、CD8陽性細胞障害性T細胞はMHCクラスⅠ+抗原を認識
MHCクラスⅡ:抗原提示細胞に発現、CD4陽性ヘルパーT細胞はMHCクラスⅡ+抗原を認識
・赤沈亢進:貧血、フィブリノーゲン↑、γ-G↑、正常値は1±0.5cm/hr
・CRP:肺炎球菌のC多糖体と結合する蛋白、肝合成、炎症があるとすぐに↑、収まるとすぐに↓、SLEやウィルス感染では反応が弱い
・Ⅰ型アレルギー:RIST→IgE総量測定(Ⅰ型かどうか)、RAST→特異的IgE測定(Agを特定)、皮膚反応(プリック、スクラッチ)、好酸球増加(∵ヒスタミン分解酵素を放出)、好塩基球は~、ただし、RAST高値でもそれが原因抗原とは限らない
Ⅱ型アレルギー:AIHAにはCoombs試験
Ⅲ型アレルギー:血清免疫複合体測定(Ⅲ型かどうか)、沈降抗体反応(オフタロニー法、Agを特定)
Ⅳ型アレルギー:貼布試験、類上皮肉芽腫の生検
・Ⅰ型:アトピー、喘息、アナフィラキシーショック、ペニシリンショック、造影剤ショック
Ⅱ型:異型輸血による溶血、ITP、AIHA、Goodpasture、リウマチ熱、SLE
Ⅲ型:過敏性肺臓炎、MRA、血清病、糸球体腎炎、SLE
Ⅳ型:ツ反、接触性皮膚炎、移植免疫、腫瘍免疫、過敏性肺臓炎、サルコイドーシス
・皮膚反応の判定:15分後に膨疹5mm/2倍以上、発赤15mm以上
・皮内反応:Ⅰ(15分後),Ⅲ(6hr後),Ⅳ(48hr後)、ツ反も皮内反応で48hr後に発赤10mm以上で陽性
・減感作療法:抗原を皮下注射(∵長時間曝露)→IgGに属する遮断抗体↑→抗原を取り囲んでIgEへの結合を阻止
・抗アレルギー薬:肥満細胞の脱顆粒抑制、クロモグリク酸(DSCG、インタール)、ケトフェチン(ザジデン、第2世代抗ヒスタミン薬)
抗ヒスタミン薬:第1世代はクロルフェニラミン、ジフェンヒドラミン、第2世代はケトフェチン(ザジデン)、レボセチリジン(ザイザル)、副作用は眠気、抗コリン作用
・喘息にはβ刺激薬、鼻アレルギーにはα刺激薬、アナフィラキシーショックにはアドレナリン
・アレルギー性鼻炎:鼻汁中の好酸球増加、下鼻甲介蒼白、アレルギー性結膜炎合併多い
・食物アレルギー:食物抗原→皮膚/消化管/気道粘膜の浮腫(蕁麻疹、胃腸炎、喘息)、乳児期発症は耐性できやすいが、成人発症はできにくい
・OAS(口腔アレルギー症候群):花粉症と共通抗原のリンゴ、キウイ、ナッツ→口腔気道の浮腫→呼吸困難
・ラテックスフルーツ症候群:ゴム手袋と共通抗原のバナナ、メロン→蕁麻疹、アナフィラキシーショック
・食物依存性運動誘発アナフィラキシーFDEIA:小麦、エビ摂取後、運動→アナフィラキシーショック(通常、迷走神経反射は運動では起きないので特殊)
・薬剤性過敏症症候群DIHS:原因薬物中止後も高熱、臓器障害、皮疹、HHV6再活性化、原因薬剤はカルバマゼピン、フェニトイン、アロプリノール
・HANE(Quincke浮腫):C1inhibitor欠損→真皮の深いところの浮腫∴痒み少ない、喉頭浮腫による吸気性呼吸困難、消化管浮腫による腹痛嘔吐下痢
・先天性免疫不全
T↓:DiGeorge:胸腺、副甲状腺の発生異常、TGA、TOF。CATCH22の一部(22q欠失、cardiac defects,abnormal facies,thymic hypoplasia,cleft palate口蓋裂,hypocalcemia)
B↓:Bruton:XR、母由来のIgGがなくなる3~6ヶ月に発症、IgA単独欠損では輸血後アナフィラキシーショック
T,B↓:
SCID:代表はADA欠損症(AR)、輸血後にGVHDが重篤化
Wiskott-Aldrich:XR、血小板↓、IgM↓だがIgA,IgE↑、難治性湿疹、悪性リンパ腫
Louis-Barr:AR、眼球結膜毛細血管拡張症、小脳性運動失調、気道の反復感染(∵IgA↓)
好中球異常:
慢性肉芽腫症:XR、NADPHオキシダーゼの異常、殺菌能の異常、ブ菌反復感染、好中球NBT還元能-
Chediak-Higashi:XR、遊走能殺菌能の異常、部分的白子症、好中球にPO陽性巨大顆粒
・抗dsDNA抗体、抗Sm抗体→SLE
抗Scl-70抗体(抗トポイソメラーゼ1抗体)、抗セントロメア抗体→SSc
抗Jo-1抗体、抗ARS抗体→PM/DM
抗SS-A抗体、抗SS-B抗体→Sjogren
抗U1-RNP抗体→MCTD
・抗核抗体染色で辺縁型(抗dsDNA抗体)、均一型(抗ヒストン抗体)はSLEに特異的、他は斑紋型
・HLA-B27:強直性脊椎炎、Reiter症候群(強直性脊椎炎+結膜炎+尿道炎)、乾癬性関節炎
HLA-B51:ベーチェット、Felty症候群(RA+脾腫+汎血球減少症)
HLA-B54:DPB
HLA-DR4:RA、自己免疫性肝炎
・RF→RA80%、MRA,Sjogrenは100%で陽性、強直性脊椎炎,TA,JRA,乾癬性関節炎では陰性
・Raynaud症状→SSc,MCTDは100%、SLE,PMDMは30%、Sjogren,MRA,CAD
・間質性肺炎→PMDM、SSc、Sjogren、RA(→血清KL-6、SP-A、SP-D上昇)
・PMDM,MCTD,AGAは腎病変は稀
・心臓病変:SLEは心外膜炎とLibman-Sacks心内膜炎(ステロイドにより発症することは稀)、PMDMは心筋障害、SScは伝導障害
・再発性口腔内潰瘍:ベーチェットは有痛性、SLEは無痛性
・蝶形紅斑→SLE、伝染性紅斑
環状紅斑→Sjogren
輪状紅斑→リウマチ熱
網状皮斑→PN、APS(抗リン脂質抗体症候群)
・結節性紅斑:結核、サルコイドーシス、Wegener、内臓悪性腫瘍、ベーチェット、Crohn病、UC(今朝は鍋食うかい?結構)
・DIP関節(遠位指節間関節)はOA(Heberden結節)、乾癬性関節炎。PIP、MP関節はRA。MP関節はDupuytren拘縮。
・嚥下障害:PMDM、SSc(GERDも合併)
・ステロイド:リン脂質→アラキドン酸を促進するホスホリパーゼA2を阻害。力価はヒドロコルチゾン1、プレドニゾロン4、デキサメタゾン25、デキサだけ鉱質作用なし、ステロイド無効→免疫抑制療法→血漿交換療法
・ステロイド以外が1st choice→JRA、RA、SSc、川崎病
・RA:MP,PIP、RFはIgGのFc部分に対する自己抗体(通常はIgM型、MRAはIgG型)、少なくとも3ヶ所以上の左右対称性関節炎、胸膜炎(胸水中の糖著減)、RFは80%で+、WBCは正常、朝のこわばりは活動性の指標(ACRコアセット、DAS)、MMPは関節破壊の指標、早期診断に抗CCP抗体(抗環状シトルリン化ペプチド抗体、シトルリンはアミノ酸)、MRI、治療はDMARD(MTX→MTX関連リンパ腫,MTX中止で治癒、金製剤、Dペニシラミン)、痛みにはNSAID、ステロイド、重症例にはインフリキシマブ(抗TNFα抗体)、エタネルセプト(可溶性抗TNFα受容体抗体)、滑膜切除
・MRA:RAの1%、RA+血管炎、RF(IgG型)は100%で+、血管炎(多発単神経炎、皮膚潰瘍、心筋梗塞、腸梗塞)、胸膜炎、強膜炎、C1↓、血管炎なので好酸球↑/血小板↑、WBC↑、fib↑、血管炎にはステロイド
・RAは関節液中でIC↑、MRAは血中でもIC↑
・JRA:RFは-、Still病、多関節型、少関節型。Still病は幼児で全身炎症の後に多発関節炎、多関節型は年長児で5個以上の大関節、顎関節障害、少関節型は学童女児、4個以下の大関節炎、虹彩毛様体炎合併により失明。治療はNSAID(ステロイドは成長障害なので避ける)、心膜炎や虹彩毛様体炎あればステロイド
・Still病:幼児と成人女性、スパイク状の弛張熱、発熱に一致するリウマトイド疹、EBV伝単/溶連菌様症状(発熱、咽頭痛、肝脾リンパ節腫大)、全身症状の後の多関節痛、血清フェリチン著増、RF-
・強直性脊椎炎:HLA-B27、RF-、HLA-B27とクレブシエラは交叉抗原、仙腸関節、脊椎突起関節の関節炎、背部のこわばり、虹彩毛様体炎、AAE、UC、Crohn
・乾癬性関節炎:HLA-B27、RF-、尋常性乾癬の5%、乾癬の消長に一致して変化する、DIP関節の関節炎
・Sjogren:100%でRF+、抗SS-A、SS-B抗体、汎血球減少、点状表層角膜炎(rose bengal)、う歯、間質性肺炎、間質性腎炎、無酸症、慢性膵炎、RTA、悪性リンパ腫、PBC、橋本病
・SLE:活動性の指標は抗dsDNA抗体/補体↓(Ⅱ,Ⅲ)IC↑(Ⅲ)/赤沈亢進/汎血球減少(CRPは指標にならない∵ステロイド使用なので)、生物学的偽陽性(Wassermann+、STS+、TPHA-)、抗SS-A抗体+の妊婦の児は3度のAVblockおこす、胸膜炎/心膜炎(外、内)、中枢神経症状(鬱、統失、麻痺、舞踏病)や腎障害(4型びまん性増殖腎炎)があれば難治性、死因は日和見感染、表皮真皮境界部にIg沈着(ループスバンドテスト)、治療はプレドニゾロン(皮膚病変のみは20mg/日、内臓病変ありは40mg/日、神経/腎病変は60mg/日orパルス1.5g/日)
・薬剤誘発性ループス:ヒドララジン、αメチルドパ、プロカインアミド、フェニトイン。神経、腎病変は稀、抗ssDNA抗体+(抗dsDNA抗体は陰性)
・抗リン脂質抗体症候群:抗リン脂質抗体=抗カルジオリピン抗体(カルジオ=子牛の心臓、リピン=脂肪),lupus anticoagulant(抗8因子抗体)、生物学的偽陽性(Wassermann+、STS+、TPHA-)、APTT延長なのに血栓形成、妊娠後半に多い習慣性流産、脳血管障害、TIA、腸間膜動脈血栓症、Budd-Chiari、血栓性静脈炎とDVT(下肢の有痛性腫脹)、肺高血圧、治療はヘパリン注射、ワーファリン経口(催奇形性)、血漿交換(劇症型)
・SSc:ソーセージ様指腫大、舌小帯短縮、仮面様顔貌、Raynaud症状、指先のpitting scarと末節骨の骨吸収、肺線維症、嚥下障害と逆流性食道炎、強皮症腎(悪性腎硬化症)、抗Scl-70抗体(抗トポイソメラーゼ1抗体)は内臓病変あり、抗セントロメア抗体は内臓病変なし、治療はNSAID、ステロイド、シクロホスファミド、Dペニシラミン、ACEI、PG、Caブロッカー
・CREST:SScだが内臓病変(腎、肺病変)なし→抗セントロメア抗体+、calcinosis,Raynaud,esophgeal disfunction,sclerodactylia,telangiectagia(毛細血管拡張)
・PMDM:下肢から始まる近位筋萎縮、嚥下障害、しゃがみ立ち不能、上肢挙上不能、ヘリオトロープ疹、Gottron徴候、多形皮膚萎縮、10代と40代にピーク、中年は半分に癌合併、間質性肺炎、Jo-1抗体、抗ARS抗体、筋原性酵素(アルドラーゼ,CK,AST,LDH)、腎病変まれ、治療はステロイドでCKの改善を指標
・PN:血管造影レベルの全身の中小血管に動脈瘤、腎動脈、冠動脈、血管炎症状として、網状皮斑、多発性関節痛、高血圧、RPGN、多発性神経炎、皮膚潰瘍
・MPA:p-ANCA+(MPO-ANCA)、RPGN+PN
・AGA:p-ANCA+(MPO-ANCA)、PIEの1つ、移動性肺野浸潤影、喘息、好酸球↑、IgE↑、腎病変なし
・Wegener:c-ANCA+(PR3-ANCA)、c-ANCAは活動性の指標、60%はRF+、壊死性副鼻腔炎→眼球突出や難聴、空洞形成性肺炎、RPGN、治療はステロイドとシクロホスファミドを併用しないとよくならない
・側頭動脈炎(巨細胞性動脈炎):側頭動脈の炎症、索状肥厚、拍動減少、巨細胞性動脈炎、眼動脈閉塞で失明、50%にリウマチ性多発筋痛症(PMR)を合併、RFなど自己抗体は陰性、治療は眼動脈病変にはステロイド大量投与
・PMR:筋の痛み○+筋破壊×+炎症所見○。近位筋の痛み、朝の筋のこわばり。筋萎縮はなし、筋原性酵素(CK,LDH,AST,アルドラーゼ)は上昇せず。炎症所見(赤沈、CRP)のみ。
・線維筋痛症:筋の痛み○+筋破壊×+炎症所見×。全身の筋肉、関節が痛いが検査所見は全て正常→うつ病
・MCTD:抗U1-RNP抗体、SLE+SSc+PM/DM、ソーセージ様手指の腫大、Raynaud、肺高血圧症、治療はステロイド、肺高血圧にはPGやエンドセリン受容体拮抗薬
・ベーチェット:有痛性再発性口腔内アフタ、結節性紅斑(有痛性、伸側)、外陰部潰瘍、虹彩毛様体炎と前房蓄膿、回盲部潰瘍、大動脈瘤とSVC症候群/Budd-Chiari、中枢神経症状(髄膜炎、運動感覚麻痺、精神症状)、HLA-B51+、針反応+、治療はまずコルヒチン、虹彩毛様体炎にはアトロピンとシクロスポリン、神経型にはステロイド、重症例にはインフリキシマブ(レミケード、抗TNFα抗体)
・ベーチェットの小症状は英語3つ→enteroBechet,neuroBechet,vasculoBechet
・川崎病:4才以下、5日以上続く発熱、手足の硬性浮腫と回復期の膜様脱落、結膜充血、苺舌、非化膿性リンパ節腫大、冠動脈瘤(発症15日目が頻度大、5人に1人)、BCG接種部位の発赤、治療は急性期はγ-G大量投与とアスピリン、冠動脈病変にはアスピリン長期投与、致命率は1%以下
・硬性浮腫(non-pitting edema):乳癌手術後のリンパ浮腫、甲機能低下の粘液浮腫、川崎病、猩紅熱
・シクロスポリン:ベーチェットの眼病変、重症再生不良性貧血、赤芽球癆、臓器移植の拒絶反応
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