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2012年12月26日水曜日

ICUブックまとめ(30章)


30章
・代謝性アルカローシスとはPaCO2低下を伴わないHCO3の上昇
・HCO3の調節は、①近位尿細管でのH+HCO3→CO2+H2OでCO2が膜を通して再吸収されて代わりにClが再分泌、②遠位尿細管でAld支配下にClとHCO3の交換
・代アルの原因
 ①胃液喪失:Clを失うためHCO3再吸収促進
 ②利尿薬:NaがClを引き連れて失うためHCO3再吸収促進
 ③循環血漿量不足:Aldポンプ上によりCl喪失HCO3再吸収促進
 ④低K血症:Kが細胞外に移動し、Hが細胞内に移動する
 ⑤有機陰イオン:乳酸Na、酢酸Na、クエン酸Na
 ⑥慢性CO2貯留:HCO3再吸収を促進する→高CO2血症を急激に補正すると代アシになる
・代アルの臨床症状
 ①神経症状:意識レベル低下、全身痙攣、手足の攣縮→代アルよりも呼アルで起こりやすい(呼アルの方が中枢神経の酸塩基平衡に影響しやすい)
 ②低換気:代アシはすぐに呼吸刺激、しかし代アルはすぐには呼吸抑制は起きない、代アル時のPaCO2予測値=0.7×[HCO3]+21±2によると、PaCO2予測値が46mmHgになるにはHCO3が34-38になる必要があり、代アルがかなり進行しないと呼吸抑制が起きないことがわかる
 ③全身の酸素化の低下:アルカローシスではAlb-+H→AlbHが左に進み、できたAlb-がCa2+と結合するため遊離Caが低下し広範囲な血管収縮が起きる、アルカローシスはHb酸素解離曲線を左に移動させるためHbからO2が遊離しない、細胞内のアルカローシスは解糖系を亢進させるため酸素需要は増やす→酸素供給を減らし酸素需要を増やす
・塩素反応性代アル(HCO3↑でCl↓):尿中Clが15mEq/L未満、原因は胃酸消失、利尿薬投与、循環血漿量不足、高CO2血症に対する腎性代償
・塩素抵抗性代アル(HCO3↑だがCl↓しない):尿中Clが25mEq/L以上、原因はミネラルコルチコイド過剰、重症K欠乏
・塩素反応性代アルには生食補充が良い(Cl欠乏と循環血漿量両方を改善する)
 補充量は、Cl不足量[mEq/L]=体重×0.2×(100-[Cl])、生食投与量[L]=塩素不足量[mEq]÷154mEq1/L(生食のCl濃度)

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