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2014年7月29日火曜日

腎生検の注意点

☆抗血小板薬、抗凝固薬を使っていないか。
☆腎臓に腸管がかぶっていないかCTで確認する。
☆血腫吸収で発熱する。
☆生検後の流れ
①生検前日21時以降は食事禁止(水、お茶はOK)、排便は生検前に済ませておく
②生検後2時間はバルーン留置しベット上安静
③エコーで血腫増大や出血ないことを確認
④血腫増大なければ片膝ずつ挙げてもよい
⑤さらに3時間後にエコー確認
⑥問題なければ生検側を下にした状態で側臥位をとっても良い(食事は寝ころんだままでも食べられるおにぎり食にする)
⑦翌朝採血でHbが生検前と比べて2g/dl以下の差ならOK、2g/dl以上なら造影CT
⑧OKならバルーン抜去し、安静解除
十二指腸穿孔、胃十二指腸動脈瘤膵頭部急性膵炎と間違いやすい。アミラーゼ上昇ないときは要注意。

血管炎について

☆血管炎の分類
・大型血管炎:高安病、側頭動脈炎
・中型血管炎:バージャー病、PN、川崎病
・小型血管炎:(ANCA関連血管炎)MPA、Wegener、アレルギー性肉芽腫性血管炎
         (IC血管炎)HSP、本態性クリオグロブリン血症、MRA
☆症状
・原因不明の発熱:38-39℃、スパイク状
・全身症状:体重減少、全身倦怠感
・臓器症状
 大中型血管炎:
       総頚動脈:眩暈、頭痛、失神
       顎動脈:咬筋跛行
       眼動脈:霧視、複視、失明
       鎖骨下動脈:上肢のしびれ、冷感、易疲労感、上肢血圧左右差、脈なし
       腎動脈:高血圧、腎機能障害
       腸間膜動脈:虚血性腸炎
       冠動脈:AP、MI
       肺動脈:咳、血痰、呼吸困難
 小型動脈炎:
       皮膚:網状皮斑、皮下結節、紫斑、皮膚潰瘍
       末梢神経:多発単神経炎
       筋肉:筋痛
       関節:関節痛
       腎臓:半月体形成性糸球体腎炎
       消化管:消化性潰瘍、消化管出血
       心臓:心筋炎、不整脈
       肺:肺胞出血
       漿膜:心膜炎、胸膜炎
       眼:網膜出血、胸膜炎

☆治療合併症
・カリニ肺炎
 50歳以上で、
 PSL1.2mg/kg/day以上orPSL0.8mg/kg/day以上+免疫抑制剤併用or免疫抑制剤使用+末梢血リンパ球数500/μL以下のいずれかを満たすときは、ST合剤(バクタ)を予防投与する。バクタ1g/日~2gを週2回~4gを週2回投与
・骨折予防
 YAM80%未満、初期大量使用時はTスコアに限らず、活性型ビタミンD3、ビスホスホネートを使う。歯科疾患があればビスホスホネートは使えない。

☆血管炎診断のアプローチ
大型、中型:血管造影CT→バージャー病、高安病、側頭動脈炎
小型:
 IC陽性→IgA上昇ならHSP、クリオグロブリン上昇ならクリオグロブリン血症、RF強陽性ならMRA
 IC陰性→MPO-ANCA陽性ならMPA/AGA、PR3-ANCA陽性ならWG
・ネオーラル(シクロスポリンA)の腎障害の副作用はAUC0-4hrが上昇すれば発生しやすいため、AUC0-4hrを1500-2000に入るように増減する。AUC0-4hrはC2(投与2時間後の血中濃度)とよく相関することが分かっている。トラフ値(内服直前、C0)とC2からAUCを計算する。

2014年7月18日金曜日

造影剤腎症(CIN)

・造影剤投与後72時間以内にCrが0.5mg/dlもしくは25%以上上昇したもの。
・7~14日で軽快する場合が多いが、ARFに至るものもある。
・最大造影剤投与量(ml)=5×体重(kg)/Cr(mg/dl)
 *ヨード含有量370mg/mlの造影剤を使用した場合
 *最大投与量は300mlとする
・CIN予防には検査前6時間、検査後12時間に生食を1ml/kg/hrで投与する。
・緊急の場合は300mlの生食をボーラス投与する。心不全がある場合150mlにする。
 *2000ml/day投与群とCIN発症率に優意差はなかった。
・dynamicCT(動脈相、門脈相、平衡相)では600mg/kgつまり2ml/kgの造影剤が必要。CTangiography(大動脈の造影)では300mg/kgつまり1ml/kgの造影剤が必要。
 *ヨード含有量が300mg/mlの造影剤を使用した場合

2014年7月4日金曜日

・下血(melena):黒色便を排泄する現象。上部消化管出血(胃、十二指腸、上部小腸)。鉄剤や大量の肉食後でも見られる。
・血便(hematochezia):赤色、暗赤色の便、便の表面に血液が付着する現象。下部消化管出血(下部小腸、大腸)。大量の上部消化管出血でも見られる。

例)
・「お尻から赤い血が出た」は下血や”新鮮血下血”ではなく血便となる。
・「黒い便が出た」は下血となる。
・吐下血は上部消化管出血。
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