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2011年10月31日月曜日

Q:MSとSLEではともにステロイドが再発予防に有用である。

A:×


MSの再発予防はβインターフェロン、ガンマグロブリン静注。ステロイド(パルス)や血漿交換療法はMSの急性期治療。
SLEではステロイドを再発予防に使う。
Q:Alzheimer病とLewy小体病の鑑別にはMIBGシンチグラフィーが有用である。

A:○

パーキンソン病とLewy小体病では心臓のMIBG集積が低下する。パーキンソン症候群やアルツハイマーでは低下しない。
心臓交感神経の障害のため。
ALSでは前角細胞が障害されるが、障害されていない前角細胞の神経伝導は正常なので神経伝導速度は正常。
しかし、残存神経が複数の筋を発火させるので、発火間隔は長くなり、いったん発火すると複数の筋が一度に発火するので高振幅になる。
したがって、ALSの診断には針筋電図の方が神経伝導速度測定より有用。
神経伝導速度はニューロパチーで行う。

2011年10月30日日曜日

Q:毛髪塊がある卵巣腫瘍が急激に増大するとCEAの上昇が見られる。

A:×

毛髪があるのは成熟奇形腫で良性、CA19-9が上昇。稀に皮膚成分が癌化すると扁平上皮癌となりSCCが上昇してくる。


Q:チョコレート嚢胞が癌化することはない。

A:×

40歳以上、4cm以上のチョコレート嚢胞は癌化することがある。明細胞腺癌か類内膜腺癌になる。
Q:筋腫分娩に対してはGnRHアゴニストが有効である。

A:×

筋腫分娩は出血量が多く、GnRHによるフレアアップが起こると危険なのでしない。ヒステスコピーで摘出する。

2011年10月29日土曜日

MSやGBSでは髄鞘が破壊されるので神経伝導速度が遅延する。ALSでは細胞体と軸索の障害なので、伝導速度は遅延しない。ではなぜ軸索障害であるポリニューロパチーでは伝導速度が遅延するのか?

2011年10月26日水曜日

Q:粟粒結核で、結核菌を検出するには血液培養が最も感度が高い。

A:×

肝生検が最も感度が高い。あとは骨髄穿刺。


Q:加齢によりBEは増加する。

A:×

過呼吸によりPaCO2は一定→pH,HCO3,BEも一定


Q:気管挿管時は甲状軟骨を圧迫しながら行う。

A:×

甲状軟骨は後ろが開いているので食道を圧迫できない。輪状軟骨を圧迫しながら行い、食道挿管を防ぐ。


Q:V/Q不均等では酸素投与でもSpO2は改善しない。

A:×

ある程度改善する。シャントによる低酸素血症は酸素投与では改善しない。


Q:自己免疫性肝炎やミクリッツ病ではIgG4が上昇する。

A:×

自己免疫性肝炎ではなく自己免疫性膵炎、ミクリッツ病、間質性肺炎で上昇する。


Q:ARの大動脈造影でジェット流が強いほど予後良好である。〇か×か。

A:〇


Seller分類Ⅰ、Ⅱにあたる。
ジェット流があるということは逆流が少ないことを意味する。
Q:母体免疫により百日咳は新生児期には感染しない。〇か×か。

A:×


百日咳はDPTワクチン接種前の新生児、乳児期に好発する。母体免疫では防げない。
Q:AGNでは急性期のステロイド投与が有効である。〇か×か

A:×

いったん作られた免疫複合体にはステロイドは無効


Q:AGNで血圧が上がってきた。Crは1.4mg/dlである。ACEIよりもβブロッカーの方がよい。〇か×か

A:×


発症時にCrが正常でも、どんどんと上がってくるので、
GFR低下時にACEIはよくない。
βブロッカーはマクラデンサでのレニン分泌刺激を抑制するのでよくない。
Caブロッカーを使う。


Q:IgA腎症で血圧が上がってきた。Crは1.4mg/dlである。ACEIよりもβブロッカーの方がよい。〇か×か

A:×

どちらもよい。Crが2.5を超えたらどちらもよくない。
GFRが低下していない段階では、ろ過圧を下げて糸球体保護を行う。
Q:PCI後6日目に尿潜血3+、クレアチニン上昇が見られた。腎梗塞により血清好酸球が増加している。〇か×か。

A:〇

アテローム塞栓では好酸球増加、補体低下が見られる。
PCIでのアテローム片が冠動脈を逆流し、腎動脈に塞栓を起こした。
Q:血性乳頭分泌を認めるが腫瘤を触知しないときに最も考えられるのは浸潤性乳管癌である。〇か×か。

A:×

浸潤性乳管癌では、血性乳頭分泌が出てくる頃にはかなり腫瘍増大していて、腫瘤を触知するはず。
血性乳頭分泌+で腫瘤触知-なら管内乳頭腫を考える

2011年10月23日日曜日

・再生不良性貧血の体験談
http://tatujin.net/taiken1.html

・IgA腎症の体験談
http://www.igaueno.jp/food-restriction.html

2011年10月21日金曜日

感染ポイント

感染ポイント

・亜急性:2週~半年→結核、真菌
・1~4類は直ちに、5類は7日以内に保健所長に通知(保健所長は知事に通知)
・1類:南米の1番えらいペットは熊(南米出血熱、エボラ、ラッサ、ペスト、痘瘡、クリミアコンゴ、マールブルグ)
・2類:鳥の時差ボケ(H5N1、ジフテリア、SARS、ポリオ、結核)
・3類:赤いチ○コ(細菌性赤痢、チフス、O157、コレラ)
・4類は動物がベクター、5類はSTDなど1~4類以外
・新興感染症:1970年以降、レジオネラ、O157、ピロリ、HIV、HTLV1、SARS、H5N1、HHV6,8、西ナイルウィルス、エボラ出血熱、プリオン病
・人畜共通感染:サルモネラ(ミドリガメ)、抗酸菌と赤痢(サル)は注意
・経皮感染:ワイル病、日本住血吸虫、糞線虫、アメリカ鉤虫
・接触感染:流行性角結膜炎、MRSA、疥癬、VRE、緑膿菌
・空気感染:麻疹、水痘、結核
・咳、くしゃみ→水しぶき(飛沫感染)→半径1m以内→水分が蒸発→エアロゾル→空気中を何ヶ月も漂う→空気感染
・標準予防対策:マスク、手袋、ガウン、ゴーグル、手洗い、リキャップ禁止
・空気感染はN95マスクや陰圧個室管理で予防。帯状疱疹は再活性化なので標準予防対策
・子宮内感染
風疹:小頭症、白内障、心疾患(妊娠初期12週以内の初感染、不顕性,顕性問わず)
CMV:脳内石灰化、白内障、網膜症、感音性難聴、新生児肝炎
トキソプラズマ:脳内石灰化、網脈絡膜炎
梅毒、HIV、ヒトパルボウィルスB19、HSV
・ウィルス:DNAまたはRNA(3~200の遺伝子)+カプシド+エンベロープ
・DNAウィルス:パヘパヘポア(パルボ、ヘルペス、パポバ、ヘパドナ、ポックス、アデノ)
パポバ→HPV、JCV、ポックス→天然痘、伝染性軟属腫、ヘパドナ→HBVのみ、ヘルペス→HSV1,2、VZV、CNV、EB、HHV6,8
・パピローマウィルス:尖圭コンジローム(6,11、STD)、喉頭乳頭腫(産道感染)、子宮頚癌(16,18)
・EBV:上咽頭癌、バーキットリンパ腫(染色体異常は?)、NK細胞腫
・エンドトキシン:リルムステストで検出、ショック、DIC
・グラム染色(青は陽性、赤は陰性)
陽性球菌:溶連,ブ菌,肺球,腸球,ペプトコッカス(嫌)
陽性桿菌:ジフテリア,リステリア,クロストリジウム(嫌)(ボツリヌス、ガス壊疽、破傷風、偽膜性大腸炎)
陰性球菌:髄膜炎菌,淋菌、モラクセラ
陰性桿菌:その他
・培地:インフル桿菌、淋菌→チョコ、寒天、レジオネラ→BCYE、百日咳→Bordet-Gengou、サルモネラ、赤痢→SS、真菌→サブロー、結核→液体、小川、マイコプラズマ→PPLO、カンピロバクター→スキロー培地
・血液培養は1時間ごとに3回採血、5%の血液を入れる
・培養不能:らい菌、梅毒、クラミジア、リケッチア、カリニ
・検体の保存:髄液だけ室温、後は常在菌増殖防ぐため冷蔵
・免疫学的検査
抗体価:ペア血清で1~2週間後に4倍以上なら現在の感染、IgM抗体があれば現在の感染または再活性化
交差反応:マイコプラズマ(寒冷凝集素反応)、伝単(Paul-Bunnel反応)→患者血清が赤血球を凝集、リケッチア(Weil-Felix反応)→患者血清がプロテウス株を凝集させる
抗原測定:尿中レジオネラ抗原、フルチェック、アデノチェック
・PCR:死菌でも陽性
・真菌:β-Dグルカン(クリプトコッカスは陰性∴ミカファンギン無効)、PAS染色(M6でも染まる)、Grocott染色
・微熱は37℃台、高熱は38.6℃(100F)
・熱が1℃上がると脈拍は10上昇、比較的徐脈はサルモネラ(チフス)、クラミジア、レジオネラ、髄膜炎
・悪寒、戦慄は菌血症
・SIRS:敗血症は菌血症による高サイトカイン状態→臨床症状をSIRS(①-36℃,38℃-②WBC-4000,12000-③HR>90④呼吸数>20,PaCO2<32mmHg)、SIRSの原因は菌血症、外傷、熱傷、急性膵炎、ARDS、血球貪食症候群
・出席停止期間:インフルエンザ(解熱後2日)、麻疹(解熱後3日)、ムンプス(耳下腺消失)、風疹(発疹消失)、水痘(全ての発疹が痂皮化するまで)
・水泡を伴う発疹:VZV、HSV、伝染性軟属腫、手足口病、ヘルパンギーナ
・全身リンパ節腫脹:伝単、風疹、トキソプラズマ、ブルセラ、野兎病
・PCG、セフェムはG+、ABPC、第3世代セフェムはG-(G+には弱い)
・ペニシリンアレルギーにはエリスロマイシン
・伝単にペニシリン系は発疹誘発
・βラクタム、バンコマイシンはマイコプラズマには無効(マイコプラズマには細胞壁がないため)
・カルバペネム:ペニシリン耐性肺炎球菌
・バンコマイシン:MRSA、偽膜性腸炎、骨髄移植時の消化管殺菌、副作用は腎障害、red neck syndrome
・アミノ配糖体:ストマイ、カナマイ、ゲンマイ、副作用は内耳障害、腎障害、NMJの障害
・嫌気性菌にアミノ配糖体は無効(ペプトコッカス、クロスリジウム、バクテロイデス→"PBC"、消化管常在菌)
・テトラサイクリン:ミノサイクリン、テントを張ったらマリコを暗闇に→(マ)イコプラズマ、(リ)ケッチア、(コ)レラ、(オ)ウム病、(クラ)ミジア
・マクロライド系:エリスロマイシン、クラリスロマシン、まい子のクレジットカードは百日有効→(マイコ)プラズマ、(ク)ラミジア、(レ)ジオネラ、(ジ)フテリア、(カ)ンピロバクター、(百日)咳
・NQは濃度依存性(1日3錠なら3回に分けるより1度に飲む)、NSAID併用で痙攣
・クロラムフェニコール:腸チフス、再生不良性貧血、gray baby syndrome
・アンホテリシンB:作用強く耐性菌もないが副作用が強い、副作用は腎障害、低K血症、高熱(ステロイド使う)
・5-FC(フルシトシン):髄液移行性が高い→クリプトコッカス髄膜炎に使う
・ミカファンギン:β-D-グルカン合成阻害、クリプトコッカスとムコールはβ-D-グルカンを持たないので無効
・アゾール系:~コナゾール、安全性も高く、抗真菌作用も強い→第一選択
・多剤耐性緑膿菌:多剤耐性=カルバペネム,アミノ配糖体,NQに耐性、最も強力なものがNDM-1(インド、パキスタン)
・多剤耐性アシネトバクター:
・乳児期の予防接種:ポリオ、DPT(ジフテリア、百日咳、破傷風)、BCG、HBV(HBVは3ヶ月以内、それ以外は免疫不全がないかが確認できる3ヶ月以降)
・生ワク:無風の進歩の結果です(ムンプス、風疹、麻疹、ポリオ、結核、水痘)→このうちムンプスと水痘は任意の予防接種、麻疹水痘は2回接種、生ワクは4週間あけること
・針刺し事故
HBV:s抗原もs抗体も陰性なら48hr以内にHBIg注射
HIV:抗HIV薬と2hr以内に投与
・アマンダジン:インフルエンザウィルスA
・ノイラミニダーゼ阻害薬(オセンタミビル、ザナミビル):インフルエンザウィルスAB、妊婦にもOK
・伝単:発熱、咽頭痛、全身リンパ節腫大、肝脾腫(A群β溶連菌と類似)、EBVがB細胞に感染→T細胞が活性化されすぎて異型化、成熟リンパ球↑(伝単、CML、百日咳)、Paul-Bunnel反応(羊赤血球を凝集)、IgM-VCA(診断に使う、カプシドに対する抗体)→EA(再活性化では既に↑)→EBNA(慢性期、EBV-DNA抗原、再活性化では既に↑)
・慢性活動性EBV感染症:蚊アレルギー+、血球貪食症候群、悪性リンパ腫、MOF、可溶性IL-2受容体高値
・CMV:細胞性免疫不全で間質性肺炎、肝炎、腎炎、網脈絡膜炎。治療はガンシクロビル、胎児感染で先天性巨細胞封入体症(脳内石灰化、白内障、網膜症、感音性難聴、核内封入体→フクロウの目)、新生児肝炎
・輸血後単核球症:CMV抗体陰性の人がCMV感染者からの輸血で起こる
・VZV:幼児期に全身に水泡(水ぼうそう)→老人や癌で細胞性免疫低下→片側性の有痛性帯状疱疹→postherpetic neuralgia(治療は交感神経節ブロック)。RamsayHunt(耳介の有痛性水疱、7,8障害)、髄膜炎、ADEM、Reye症候群、妊娠初期の初感染で先天性水痘症候群(四肢低形成、皮膚瘢痕、水頭症)
・HSV:小児期に初感染し歯肉口内炎。脳炎(出血性側頭葉炎)、樹枝状角膜炎、アトピーにカポジ水痘様発疹、外陰部有痛性びらんと水泡→産道感染で新生児ヘルペス(脳炎、肝炎、ITP)、IgG-HSV陰性母には帝切
・突発性発疹:HHV6、6ヶ月~2才、3日の発熱(熱性けいれん)→解熱後に体幹に発疹、永山斑(口蓋垂起始部粟粒大隆起)
・Kaposi肉腫:HHV8、AIDSで発症、血管内皮由来の腫瘍
・アデノウィルス:adeno(腺)=リンパ節に親和性、咽頭、結膜、気道のリンパ節で増殖
3型:咽頭結膜熱(プール熱)、一部は7型で肺炎合併重症化、腸重責合併も
8型:流行性角結膜炎(はやり目)、急性濾胞性結膜炎→角膜炎、耳前リンパ節腫脹とくればこれ
11型:出血性膀胱炎、小児
・ヒトパルボウィルスB19
小児:伝染性紅斑(りんご病)、顔面の蝶形紅斑、四肢のレース状皮疹(掻痒感±)
妊婦:初感染→胎盤介して胎児に感染→赤芽球破壊→貧血→hyperdynamic heart failure→胎児水腫
慢性貧血患者:HS患者に感染して無形成クリーゼ
・HPV1,2,3:尋常性疣贅
 HPV6,11:尖形コンジローマ
 HPV16,18:子宮頚癌(異形成→CIS→浸潤癌)、未感染者にはワクチン有効
・手足口病:コクサッキーA16、エンテロ71、夏、頬粘膜に潰瘍性発疹→手足に有痛性の水痘様発疹、症状消失後も糞便中にウィルス排出、髄膜炎の合併
・ヘルパンギーナ:コクサッキーA群、軟口蓋に有痛性の水疱→痛くて食べない、痛みは手足口病よりひどい
・心膜炎、心筋炎:コクサッキーB群、胸痛、冠動脈支配に一致しないST変化
・急性出血性結膜炎:エンテロ70
・ポリオ:夏、急性脊髄前角細胞炎→下位運動ニューロン障害(弛緩性麻痺)
・流行性耳下腺炎:有痛性耳下腺腫大(片側、両側)、片側性の感音性難聴、髄膜炎、膵炎、精巣炎、耳下腺腫大なくなるまで学校出席停止、妊婦に感染しても胎児影響少ない
・麻疹(はしか):強毒ウィルスで1~2週の潜伏期、発熱+カタル症状→Koplik斑(頬粘膜の白色発疹)→発熱+色沈と融合を伴う全身性発疹、ツ反陰転化、中耳炎、喉頭炎、難聴、巨細胞性肺炎、脳炎、数年後にSSPE
・修飾麻疹:大学生になる頃、ワクチン効果低下で発症、Koplik斑、発疹は融合がない
・風疹(3日はしか):3日の微熱とともに全身性発疹、発疹は色沈や融合がない、頚部から耳介のリンパ節腫脹、ITP
・ノロウィルス、HAV:生カキ→利尿がつくまでKを含まない低張輸液(Na90,Cl70,乳酸20)、患者数最多の食中毒(発生率で多いのは、卵のサルモネラ>夏のビブリオ、発熱のない黄ブ菌)
・ロタウィルス:冬期乳児白色便下痢症、嘔吐下痢で高張性脱水→利尿がつくまでKを含まない低張輸液(Na90,Cl70,乳酸20)
・RSウィルス:冬、乳児、急性細気管支炎、呼気できないので気腫状、鼻汁中RSV抗原で診断、酸素テントとネブライザー加湿
・SARS:重症急性呼吸器症候群、新型コロナウィルス、高熱の後次第にARDS
・高病原性鳥インフルエンザウィルス:鳥のA型インフルエンザのH5N1が人に感染、ヒト-ヒト間の感染はない、ワクチンはないがノイラミニダーゼ阻害剤は有効
・AIDS:CD4<500→エイズ関連症候群(微熱、下痢、やせ、中枢神経症状、関節炎)、CD4<200→エイズ(日和見感染→カリニ肺炎、CMV肺炎、CMV網膜炎、HHV8カポジ肉腫)、CD4<350またはRNA>55000copy/mlでHAART(逆転写酵素阻害薬×2、プロテアーゼ阻害薬)開始、治療開始時に一過性に増悪(IRS:immune reconstitution syndrome)、STDがあると性器粘膜にWBC集積→HIV感染しやすい
・ブ菌:PCG、PCG耐性にはメチシリン、MRSAにはバンコマイシン
ブ菌性肺炎:乳児、老人、DM、気管支肺炎→肺化膿症→膿気胸、空洞形成
小児の急性骨髄炎(長管骨骨幹端)、DMの急性化膿性関節炎、治療は関節持続洗浄、全身抗菌薬投与
食中毒:外毒素、食前加熱無効、発熱なし、潜伏期短い(3~6時間)
SSSS:乳幼児、アトピー+ブ菌で起こる、口周囲から全身へ、表皮剥離毒素、Nikolsky陽性(こするとはがれる)、水疱に菌なし、毒素なので発熱なし→発熱あれば菌血症
・MRSA:mecA遺伝子変異、医療従事者の数%が鼻前庭に保有、病原性は強くないが多剤耐性なのでcompromised hostで発症、治療はバンコマイシン、市中肺炎でも増加中
・A群β溶連菌:扁桃炎、咽頭炎、肺炎、猩紅熱(苺舌、口囲蒼白、出血性皮疹)、丹毒(真皮感染、顔面の有痛性紅斑性腫脹)、産褥熱、AGN、リウマチ熱、診断はASO(antistreptoriginO,IgG)は感染後1週から上昇し2-5週でピーク
・劇症型A群溶連菌(溶連菌毒素性ショック症候群):DM、癌に合併、壊死性筋膜炎→循環不全→MOF、ペニシリン、切開排膿、デブリドマン
・緑連菌:D群α溶連菌、口腔内常在菌、弁膜症/先天性心疾患+歯科処置orカテーテル留置→IE
・腸球菌:D群αβ溶連菌、尿路感染、人工弁やTUR後の感染性心内膜炎、バンコマイシン耐性もあり(VRE)、ABPC(アミノベンジルペニシリン、アンピシリン)
・肺炎球菌:咽頭常在菌→診断は好中球貪食像、大葉性肺炎(肺膿瘍は稀)、急性中耳炎や副鼻腔炎→髄膜炎、PCG耐性にはカルバペネム、肺炎球菌ワクチンは5年間有効
・ペプトコッカス:咽頭常在菌、慢性アル中や意識障害の誤嚥性肺炎、PCG
・ヘモフィリスインフルエンザ:咽頭常在菌、気管支拡張症、DPBの急性増悪、急性中耳炎や副鼻腔炎→幼児の髄膜炎、チョコレート寒天培地(血液寒天培地)、治療はABPC+βラクタマーゼ阻害薬、予防にHibワクチン
・破傷風:Clostridium tetani、発熱後→外毒素→上位ニューロン障害→開口障害(牙関緊急)、後弓反張、呼吸困難。意識障害や感覚障害はなし、治療は暗室管理、βラクタム系、抗破傷風ヒト免疫グロブリン(トキソイドは抗体産生まで時間がかかるため×)、ジアゼパム、呼吸管理
・ボツリヌス:Clostridium botulinum、外毒素→Ach遊離障害→眼瞼下垂、複視、散瞳、嚥下障害、構音障害、呼吸困難。嘔吐、下痢はない、毒素なので抗毒素血清、受容体に結合するくらいで蛋白なので食前加熱有効。
・乳児ボツリヌス:ハチミツ内の芽胞が大腸内で増殖し毒素産生
・ガス壊疽:Clostridium perfringens、皮膚黒色、悪臭の強い膿、握雪音、治療は高圧酸素、デブリドマン、βラクタム
・髄膜炎菌:幼児の髄膜炎、Waterhouse-Friedrichsen(菌血症→DIC→ショック→出血性急性副腎不全)、髄液は室温保存する、PCG
・淋菌:排尿時疼痛灼熱感、尿道から膿汁分泌、PCG耐性にはセフェム系、NQ
・モラクセラ:G-双球菌、老人、冬、肺炎、COPDの急性増悪、第3セフェム+βラクタマーゼ阻害薬
・百日咳:ワクチン接種前の新生児に感染(母体免疫は無効)、潜伏期間は1-2週、カタル期→痙咳期、乳児は無呼吸発作、百日咳脳症、DPTワクチンで予防、末梢成熟リンパ球増加(伝単、百日咳、CML)、小児なのでマクロライド系
・腸チフス:Salmonella typhi、東南アジア、下痢下血はない
第1週:回腸から侵入→比較的徐脈、バラ疹、肝脾腫
第2週:菌血症で稽留熱、チフス顔貌、意識障害→血液培養で検出
第3週:徐々に解熱とともに腸穿孔→便培養で検出
第4週:回復するが胆嚢内潜伏(慢性キャリアー)→便培養で検出
比較的徐脈、白血球数減少(特に好酸球0)、治療はNQ、ST合剤、クロラムフェニコール(耐性菌あり)、予防は経口弱毒生ワクチン(4回接種、3年有効)
・サルモネラ:Salmonella enteritidis、汚染された卵から感染、潜伏期間は6-72hr、食中毒、血便あり、食中毒なので発熱、嘔吐、下痢、治療はNQ
・コレラ:Vibrio cholerae、小腸粘膜に接着→コレラ毒素→cGMP↑→米のとぎ汁様下痢、コレラ様顔貌、血中には入らないので発熱や腹痛はなし、まず乳酸リンゲル液、NQ、テトラサイクリン
・腸炎ビブリオ:Vibrio enteritidis、潜伏期間は12-24hr、夏に海産魚類から感染、腸粘膜に接着し障害→水様性下痢、NQ、テトラサイクリン
・ビブリオバルニフィカス:海産魚類や創傷からの海水流入、肝硬変患者や免疫不全時に劇症型溶連菌様症状
・緑濃菌:好中球減少時、compromised hostに抗菌薬投与→菌交代現象、コンタクトによる角膜炎(輪状潰瘍、周辺はスリガラス状)、NDM-1はメタロβラクタマーゼ産生で多剤耐性(=カルバペネム,AG,NQに耐性)、菌血症起こすとエンドトキシンショックになりやすい、治療はピペラシリン、カルバペネム、アミノ配糖体、NQ
・バクテロイデス:腸内細菌で最多、消化管穿孔による腹膜炎、嫌気性菌なのでアミノ配糖体は無効、治療はリンコマイシン、クリンダマイシン
・セラチア:コロニーが赤い
・プロテウス:ウレアーゼ産生、尿路にサンゴ状結石
・カンピロバクター:鳥肉、生乳による食中毒、ギランバレー起こす(抗GM1ガングリオシド抗体)、便中に運動性のコイル状桿菌、エリスロマイシン
・赤痢:東南アジア旅行者or男性同性愛者、発熱、腹痛、膿粘血便、テネスムス、A型(シゲラ・ジデンテリー)が志賀毒素産生、80%はD型(シゲラ・ゾンネイ)
・野兎病:パスツレラ、兎だけでなくネコ、イヌ、ブタの爪に常在、日和見傾向
・ブルセラ病:家畜類に常在(牛、豚、ヤギ、羊)、骨軟骨炎、胃腸症状、呼吸器症状、神経症状、診断に骨髄培養、血液培養
・梅毒:ワッセルマン反応(抗カルジオリピン抗体)、TPHA陽性
1期:陰部、口腔に無痛性の硬性下疳→潰瘍、鼠径部リンパ節腫張
2期:3ヵ月後に全身リンパ節腫大、発熱など炎症症状(3ヶ月後)
3期:3年後に皮膚、筋、骨にゴム腫(3年後)
4期:10年後に神経梅毒(性格異常、認知症)、脊髄ろう(後索障害→Charcot関節)
3,4期の病変部位には梅毒は検出されない、PCG、Jarish-Herxheimer反応(治療開始後に一過性急性増悪)
・先天梅毒:骨軟骨炎(痛くて動かさないのでパローの仮性麻痺という)→角膜実質炎、ハッチンソン歯、難聴、神経梅毒
・ライム病:マダニ(24hr以上の持続吸血)を介してボレリア感染、局所の慢性遊走性紅斑、インフルエンザ症状、AVblock、髄膜炎、慢性関節炎、北海道に多い、テトラサイクリン
・ワイル病(黄疸出血性レプトスピラ症):ネズミ尿からレプトスピラが感染、症状は胆汁うっ滞性黄疸、血小板減少による出血傾向、髄膜炎、筋破壊による急性腎不全、PCRでレプトスピラを検出、治療はストレプトマイシン、テトラサイクリン、予防接種がある
・ツツガムシ病:ツツガムシ(ダニ)に咬まれてリケッチアが感染(グラム陰性桿菌)、一ヶ所の刺し口、発熱、発疹、全身リンパ節腫脹、テトラサイクリン
・クラミジア:テトラサイクリン、エリスロマイシン、NQ
psittaci:オウム病、間質性肺炎、比較的徐脈、肝脾腫、鳥から感染、時に髄膜炎、ARDS合併
pneumoniae:咽頭痛、気管支肺炎(オウム病より軽症)、冠動脈硬化
trachomatis:封入体性角結膜炎、反復瘢痕化でトラコーマ、STD(水様帯下、後淋菌性尿道炎、子宮卵管炎、不妊、フィッツヒューカティス)、産道感染(出生後1週間、新生児結膜炎、新生児肺炎)
・結核:4剤併用(INH,RFP,EB,PZA)6ヶ月、ツ反陽性でも感染とは限らない→クォンティンフロン(γIFN検出)で診断、DOTS(directly observed treatment short course)、まず塗抹染色(Ziehl Neelsen)→抗酸菌+なら陰圧個室→PCRで結核か非定型かを鑑別→結核なら陰圧個室のまま医療従事者はN95マスクで結核治療、非定型なら普通病室へ戻し非定型治療(クラリスロマイシン)
・非定型抗酸菌:常在菌、日和見、皮膚病変、MACが最多、クラリスロマイシン
・ハンセン病:らい菌、乳児期からの濃厚接触でないと感染しない、潜伏期は数年~数十年と長い、類結核型は末梢神経障害、らい型は皮膚病変や失明、培養不能、リファンピシン、ダブソン
・放線菌:アクチノミセス、土にいる、菌塊、サルファグラニュール、治療はPCG
・ノカルジア:土にいる、日和見、サルファ剤
・赤痢アメーバ:イチゴゼリー状粘血便、右下腹部痛、アメーバ肝膿瘍(単発右葉)、肝膿瘍から続発するのは少ない、メトロニダゾール
・ジアルジア:ランブル鞭毛虫、インドの生水から感染、急速に下痢腹痛、診断は便中に栄養体や嚢子を検出、治療はメトロニダゾール
・マラリア:ハマダラカ、卵型、三日熱、四日熱、熱帯熱(重症、不定期発熱→肝脾腫→大量の血管内溶血→黒水病→急性腎不全)、クロロキンは網膜症を起こす→耐性にはST合剤、ワクチンはなく予防には抗マラリア薬
・クリプトスポリジウム:原虫、塩素抵抗→上水道汚染→住人が水様性下痢、免疫不全患者では重篤化
・鉤虫:ズビニ鉤虫、アメリカ鉤虫、小腸粘膜で吸血し鉄欠乏性貧血、PIE症候群、治療はパモ酸ピランテール
・蟯虫:盲腸に寄生、夜中に雌が肛門に這い出て産卵、スコッチテープ法、パモ酸ピランテール
・糞線虫:HTLV1と合併感染
・顎口虫:ドジョウ、ライギョ、皮膚は行症
・有鉤条虫:豚、消化器症状、神経症状、貧血、プラジカンテル、沖縄に多い
・無鉤条虫:牛、消化器症状、神経症状、貧血、プラジカンテル
・広節裂頭条虫(サナダムシ):サケ、マス、B12欠乏起こす、プラジカンテル(頭が裂けてます)
・アニサキス:胃粘膜に噛み付いて急性腹症、小腸に入り込むと開腹して取り出すかアニサキスが死ぬのを待つ
・トキソプラズマ:豚肉や猫糞から経口感染、網脈絡膜炎、妊婦初感染で胎児トキソプラズマ、日和見
・疥癬:感染後4~6週で発症、ヒゼンダニ自身による感染、疥癬トンネル、日和見で大量感染(ノルウェー疥癬)、イオウ外用薬、イオウ入浴剤

2011年10月20日木曜日

Q:妊娠初期の風疹初感染でも、不顕性感染であれば先天性風疹症候群の危険性はない。〇か×か。

A:×

胎芽、胎児が風疹ウィルスに感染することが問題なので、母体が不顕性でも初回感染では、
子宮内感染を起こし先天性風疹症候群の危険性がある。

2011年10月16日日曜日

2011年10月12日水曜日

膠原病ポイント

膠原病ポイント

・1次リンパ組織:骨髄、胸腺
・1次免疫反応は初回免疫応答で時間かかるし抗体少ない、2次免疫応答は短時間で抗体多い
・抗原提示細胞:Mφ、樹状細胞(皮膚ランゲルハンス細胞、単球由来)、B細胞
・smIg:B細胞膜表面のIg、抗原と反応して形質細胞に分化しIg産生、smIgを介して抗原と貪食し抗原提示
・補体:IgG,IgMのFc部分に結合、ウィルス中和、貪食促進(オプソニン化)、白血球遊走、アナフィラトキシン(アナフィラキシーの原因)、溶菌、溶血
・補体活性化経路:1→4→2→3→5→6→7→8→9、1から始まるのが古典経路で免疫複合体によって開始、3から始まるのが副経路で菌体成分などで開始
・補体低下→SLE,MRA,MPGN,AGN,AIHA,蛋白漏出性胃腸症protein losing enteropathy(SMAP),肝硬変
・インターロイキン:IL1→発熱、IL2→T,NK↑、IL-3→単球↑、IL-4→B,IgE↑、IL-5→好酸球↑、IL6→CRP,γ-G↑
・血清IL-6は心房粘液腫、Castleman病、髄液IL-6は中枢神経ループスで↑(感度、特異度高い)
・可用性IL-2受容体→悪性リンパ腫、ATL、血球貪食症候群で↑
・IgAは間にsecretary componentを挟んで2量体を形成、IgMは5量体
・IgG4はアナフィラキシー、自己免疫性膵炎(主膵管の狭窄)に関与
・IgDはB細胞の膜表面にあるが役割は不明
・MHCクラスⅠ:全ての細胞に発現、CD8陽性細胞障害性T細胞はMHCクラスⅠ+抗原を認識
 MHCクラスⅡ:抗原提示細胞に発現、CD4陽性ヘルパーT細胞はMHCクラスⅡ+抗原を認識
・赤沈亢進:貧血、フィブリノーゲン↑、γ-G↑、正常値は1±0.5cm/hr
・CRP:肺炎球菌のC多糖体と結合する蛋白、肝合成、炎症があるとすぐに↑、収まるとすぐに↓、SLEやウィルス感染では反応が弱い
・Ⅰ型アレルギー:RIST→IgE総量測定(Ⅰ型かどうか)、RAST→特異的IgE測定(Agを特定)、皮膚反応(プリック、スクラッチ)、好酸球増加(∵ヒスタミン分解酵素を放出)
 Ⅱ型アレルギー:AIHAにはCoombs試験
 Ⅲ型アレルギー:血清免疫複合体測定(Ⅲ型かどうか)、沈降抗体反応(オフタロニー法、Agを特定)
 Ⅳ型アレルギー:貼布試験、類上皮肉芽腫の生検
・Ⅰ型:アトピー、喘息、アナフィラキシーショック、ペニシリンショック、造影剤ショック
 Ⅱ型:異型輸血による溶血、ITP、AIHA、Goodpasture、リウマチ熱、SLE
 Ⅲ型:過敏性肺臓炎、MRA、血清病、糸球体腎炎、SLE
 Ⅳ型:ツ反、接触性皮膚炎、移植免疫、腫瘍免疫、過敏性肺臓炎、サルコイドーシス
・皮膚反応の判定:15分後に膨疹5mm/2倍以上、発赤15mm以上
・皮内反応:Ⅰ(15分後),Ⅲ(6hr後),Ⅳ(48hr後)、ツ反も皮内反応で48hr後に発赤10mm以上で陽性
・減感作療法:抗原を皮下注射→IgGに属する遮断抗体↑→抗原を取り囲んでIgEへの結合を阻止
・抗アレルギー薬:肥満細胞の脱顆粒抑制、クロモグリク酸(DSCG、インタール)、ケトフェチン(ザジデン、第2世代抗ヒスタミン薬)
 抗ヒスタミン薬:第1世代はクロルフェニラミン、ジフェンヒドラミン、第2世代はケトフェチン(ザジデン)、レボセチリジン(ザイザル)、副作用は眠気、抗コリン作用
・喘息にはβ刺激薬、鼻アレルギーにはα刺激薬、アナフィラキシーショックにはアドレナリン
・アレルギー性鼻炎:鼻汁中の好酸球増加、下鼻甲介蒼白、アレルギー性結膜炎合併多い
・食物アレルギー:食物抗原→皮膚/消化管/気道粘膜の浮腫(蕁麻疹、胃腸炎、喘息)、乳児期発症は耐性できやすいが、成人発症はできにくい
・OAS(口腔アレルギー症候群):花粉症と共通抗原のリンゴ、キウイ、ナッツ→口腔気道の浮腫→呼吸困難
・ラテックスフルーツ症候群:ゴム手袋と共通抗原のバナナ、メロン→蕁麻疹、アナフィラキシーショック
・食物依存性運動誘発アナフィラキシーFDEIA:小麦、エビ摂取後、運動→アナフィラキシーショック
・薬剤性過敏症症候群DIHS:原因薬物中止後も高熱、臓器障害、皮疹、HHV6再活性化、原因薬剤はカルバマゼピン、フェニトイン、アロプリノール
・HANE(Quincke浮腫):C1inhibitor欠損→真皮の深いところの浮腫∴痒み少ない、喉頭浮腫による吸気性呼吸困難、消化管浮腫による腹痛嘔吐下痢
・先天性免疫不全
T↓:DiGeorge:胸腺、副甲状腺の発生異常、TGA、TOF。CATCH22の一部(22q欠失、cardiac defects,abnormal facies,thymic hypoplasia,cleft palate口蓋裂,hypocalcemia)
B↓:Bruton:XR、母由来のIgGがなくなる3~6ヶ月に発症、IgA単独欠損では輸血後アナフィラキシーショック
T,B↓:
 SCID:代表はADA欠損症(AR)、輸血後にGVHDが重篤化
 Wiskott-Aldrich:XR、血小板↓、IgM↓だがIgA,IgE↑、難治性湿疹、悪性リンパ腫
 Louis-Barr:AR、眼球結膜毛細血管拡張症、小脳性運動失調、気道の反復感染(∵IgA↓)
好中級異常:
 慢性肉芽腫症:XR、NADPHオキシダーゼの異常、殺菌能の異常、ブ菌反復感染、好中球NBT還元能-
 Chediak-Higashi:XR、遊走能殺菌能の異常、部分的白子症、好中球にPO陽性巨大顆粒
・抗dsDNA抗体、抗Sm抗体→SLE
 抗Scl-70抗体(抗トポイソメラーゼ1抗体)、抗セントロメア抗体→SSc
 抗Jo-1抗体、抗ARS抗体→PM/DM
 抗SS-A抗体、抗SS-B抗体→Sjogren
 抗U1-RNP抗体→MCTD
・抗核抗体染色で辺縁型、均一型はSLEに特異的
・HLA-B27:強直性脊椎炎、Reiter症候群(強直性脊椎炎+結膜炎+尿道炎)
 HLA-B51:ベーチェット、Felty症候群(RA+脾腫+汎血球減少症)
 HLA-DR4:RA、自己免疫性肝炎
・RF→RA80%、MRA,Sjogrenは100%で陽性、強直性脊椎炎,TAで陰性
・Raynaud症状→SSc,MCTDは100%、SLE,PMDMは30%、Sjogren,MRA,CAD
・間質性肺炎→PMDM、SSc、Sjogren、RA→血清KL-6、SP-A、SP-D上昇
・PMDM,MCTD,AGAは腎病変は稀
・SLEは心膜炎とLibman-Sacks心内膜炎、PMDMは心筋障害、SScは伝導障害
・再発性口腔内潰瘍:ベーチェットは有痛性、SLEは無痛性
・蝶形紅斑→SLE
 環状紅斑→Sjogren
 輪状紅斑→リウマチ熱
 網状皮斑→PN、APS(抗リン脂質抗体症候群)
・結節性紅斑:結核、サルコイドーシス、Wegener、内臓悪性腫瘍、ベーチェット、Crohn病、UC(今朝は鍋食うかい?結構)
・DIP(遠位指節間関節)→OA(Heberden結節)、乾癬性関節炎。PIP、MP→RA
・嚥下障害:PMDM、SSc(GERDも合併)
・ステロイド:リン脂質→アラキドン酸を促進するホスホリパーゼA2を阻害。力価はヒドロコルチゾン1、プレドニゾロン4、デキサメタゾン25、デキサだけ鉱質作用なし
・ステロイド以外が1st choice→JRA、RA、SSc、川崎病
・RA:MP,PIP、RFはIgGのFc部分に対する自己抗体(通常はIgM型、MRAはIgG型)、少なくとも3ヶ所以上の左右対称性関節炎、胸膜炎(胸水中の糖著減)、RFは80%で+、WBCは正常、朝のこわばりは活動性の指標(ACRコアセット、DAS)、MMPは関節破壊の指標、早期診断に抗CCP抗体(抗環状シトルリン化ペプチド抗体、シトルリンはアミノ酸)、MRI、治療はDMARD(MTX、金製剤、Dペニシラミン)、痛みにはNSAID、ステロイド、重症例にはインフリキシマブ(抗TNFα抗体)、エタネルセプト(可溶性抗TNFα受容体抗体)、滑膜切除
・MRA:RAの1%、RA+血管炎、RF(IgG型)は100%で+、血管炎(多発単神経炎、皮膚潰瘍、心筋梗塞、腸梗塞)、胸膜炎、強膜炎、C1↓、血管炎なので好酸球↑/血小板↑、WBC↑、血管炎にはステロイド
・JRA:RFは-、Still病、多関節型、少関節型。Still病は幼児で全身炎症の後に多発関節炎、多関節型は年長児で5個以上の大関節、顎関節障害、少関節型は学童女児、4個以下の大関節炎、虹彩毛様体炎合併により失明。治療はNSAID(ステロイドは成長障害なので避ける)
・Still病:幼児と成人女性、スパイク状の弛張熱、発熱に一致するリウマトイド疹、EBV伝単/溶連菌様症状(発熱、咽頭痛、肝脾リンパ節腫大)、全身症状の後の多関節痛、血清フェリチン著増、RF-
・強直性脊椎炎:HLA-B27、RF-、HLA-B27とクレブシエラは交叉抗原、仙腸関節、脊椎突起関節の関節炎、背部のこわばり、虹彩毛様体炎、AAE、UC、Crohn
・乾癬性関節炎:HLA-B27、RF-、尋常性乾癬の5%、乾癬の消長に一致して変化する、DIP関節の関節炎
・Sjogren:100%でRF+、抗SS-A、SS-B抗体、汎血球減少、点状表層角膜炎(rose bengal)、う歯、間質性肺炎、間質性腎炎、無酸症、慢性膵炎、RTA、悪性リンパ腫、PBC、橋本病
・SLE:活動性の指標は抗dsDNA抗体/補体↓/赤沈亢進/汎血球減少(CRPは指標にならない∵ステロイド使用なので)、生物学的偽陽性(Wassermann+、STS+、TPHA-)、抗SS-A抗体+の妊婦の児は3度のAVblockおこす、胸膜炎/心膜炎(外、内)、中枢神経症状(鬱、統失、麻痺、舞踏病)や腎障害(4型びまん性増殖腎炎)があれば難治性、死因は日和見感染、表皮真皮境界部にIg沈着(ループスバンドテスト)、治療はプレドニゾロン(皮膚病変のみは20mg/日、内臓病変ありは40mg/日、神経/腎病変は60mg/日orパルス1.5g/日)
・薬剤誘発性ループス:ヒドララジン、αメチルドパ、プロカインアミド、フェニトイン。神経、腎病変は稀、抗ssDNA抗体+(抗dsDNA抗体は陰性)
・抗リン脂質抗体症候群:抗リン脂質抗体=抗カルジオリピン抗体(カルジオ=子牛の心臓、リピン=脂肪),lupus anticoagulant(抗8因子抗体)、生物学的偽陽性(Wassermann+、STS+、TPHA-)、APTT延長なのに血栓形成、妊娠後半に多い習慣性流産、脳血管障害、TIA、腸間膜動脈血栓症、Budd-Chiari、血栓性静脈炎とDVT(下肢の有痛性腫脹)、肺高血圧、治療はヘパリン注射、ワーファリン経口(催奇形性)、血漿交換(劇症型)
・SSc:ソーセージ様指腫大、舌小帯短縮、仮面様顔貌、Raynaud症状、指先のpitting scarと末節骨の骨吸収、肺線維症、嚥下障害と逆流性食道炎、強皮症腎(悪性腎硬化症)、抗Scl-70抗体(抗トポイソメラーゼ1抗体)は内臓病変あり、抗セントロメア抗体は内臓病変なし、治療はNSAID、ステロイド、シクロホスファミド、Dペニシラミン、ACEI、PG、Caブロッカー
・CREST:SScだが内臓病変(腎、肺病変)なし→抗セントロメア抗体+、calcinosis,Raynaud,esophgeal disfunction,sclerodactylia,telangiectagia(毛細血管拡張)
・PMDM:下肢から始まる近位筋萎縮、嚥下障害、しゃがみ立ち不能、上肢挙上不能、ヘリオトロープ疹、Gottron徴候、多形皮膚萎縮、10代と40代にピーク、中年は半分に癌合併、間質性肺炎、Jo-1抗体、抗ARS抗体、筋原性酵素(アルドラーゼ,CK,AST,LDH)、腎病変まれ、治療はステロイドでCKの改善を指標
・PN:血管造影レベルの全身の中小血管に動脈瘤、腎動脈、冠動脈、血管炎症状として、網状皮斑、多発性関節痛、高血圧、RPGN、多発性神経炎、皮膚潰瘍
・MPA:p-ANCA+(MPO-ANCA)、RPGN+PN
・AGA:p-ANCA+(MPO-ANCA)、PIEの1つ、移動性肺野浸潤影、喘息、好酸球↑、IgE↑、腎病変なし
・Wegener:c-ANCA+(PR3-ANCA)、c-ANCAは活動性の指標、60%はRF+、壊死性副鼻腔炎→眼球突出や難聴、空洞形成性肺炎、RPGN、治療はステロイドとシクロホスファミドを併用しないとよくならない
・側頭動脈炎(巨細胞性動脈炎):側頭動脈の炎症、索状肥厚、拍動減少、巨細胞性動脈炎、眼動脈閉塞で失明、50%にリウマチ性多発筋痛症(PMR)を合併、RFなど自己抗体は陰性、治療は眼動脈病変にはステロイド大量投与
・PMR:筋の痛み○+筋破壊×+炎症所見○。近位筋の痛み、朝の筋のこわばり。筋萎縮はなし、筋原性酵素(CK,LDH,AST,アルドラーゼ)は上昇せず。炎症所見(赤沈、CRP)のみ。
・線維筋痛症:筋の痛み○+筋破壊×+炎症所見×。全身の筋肉、関節が痛いが検査所見は全て正常→うつ病
・MCTD:抗U1-RNP抗体、SLE+SSc+PM/DM、ソーセージ様手指の腫大、Raynaud、肺高血圧症、治療はステロイド、肺高血圧にはPGやエンドセリン受容体拮抗薬
・ベーチェット:有痛性再発性口腔内アフタ、結節性紅斑(有痛性、伸側)、外陰部潰瘍、虹彩毛様体炎と前房蓄膿、回盲部潰瘍、大動脈瘤とSVC症候群/Budd-Chiari、中枢神経症状(髄膜炎、運動感覚麻痺、精神症状)、HLA-B51+、針反応+、治療はまずコルヒチン、眼病変にはシクロホスファミド、神経型にはステロイド、重症例にはレミケード(抗TNFα抗体)
・川崎病:4才以下、5日以上続く発熱、手足の硬性浮腫と回復期の膜様脱落、結膜充血、苺舌、非化膿性リンパ節腫大、冠動脈瘤(発症15日目が頻度大、5人に1人)、BCG接種部位の発赤、治療は急性期はγ-G大量投与とアスピリン、冠動脈病変にはアスピリン長期投与、致命率は1%以下
・Doctors Blog
http://blog.m3.com/
・初歩から始める超音波検査室
http://www.ususus.sakura.ne.jp/index.html

2011年10月10日月曜日

血液ポイント

血液ポイント

・寿命:赤血球→120日、血小板→10日、顆粒球→数h、リンパ球→数h~数年
・造血部位:
 胎生6週まで(胎芽期)→卵黄嚢
 胎生6週~6ヶ月→肝脾
 胎生6ヶ月以降→骨髄(扁平骨の赤色髄)
・骨髄線維症→髄外造血、脾で造血なので巨脾
・クローン性増殖
 白血病:AML、ALL、CML、CLL、MDS
 骨髄増殖性疾患:真性多血症、本態性血小板血症、CML、骨髄線維症
 リンパ増殖性疾患:ALL、CLL、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫
 その他:PNH
・赤芽球→網赤血球→赤血球
・網赤血球:ギムザ染色で大型多染性、超生体染色で網目状、末梢では1±0.5%、骨髄バリア障害や赤血球破壊亢進で↑
・グリシン+サクシニルCoA→δ-ALA→PBG→UPG→プロトポルフィリン→ヘム
・ヘモグロビン=ヘム+グロビン+Fe2+
・好酸球↑:Ⅰ型アレルギー、寄生虫、コルチゾール↓、CML、ホジキン病、PV、PN、AGA
・腸チフスで好酸球↓↓
・血液幹細胞→CD34+
・T細胞→CD3+
 helperT細胞→CD4+、HTLV1やHIVが感染する
 killerT細胞、suppressorT細胞→CD8+
・血小板の顆粒→アズール顆粒、α顆粒、ADP、エピネフリン
・リストセチン凝集能は粘着能を測定
・急性期反応性蛋白:肝で合成、CRP、α1-AT、ハプトグロビン、フィブリノーゲン、セルロプラスミン
・凝固因子:1,2,5,10は共通、7が外、他は内、6は欠番。K過剰では2,7,9,10が↑しかし拮抗するProteinS,Cも↑
・INR:international normalized ratio、試薬や温度で左右されやすいPTを標準化したもの、ワーファリン投与時は2-3にコントロール(出血傾向なく血栓予防)
・血液型判定:おもて試験は患者血液に抗A抗体(青い試薬)、抗B抗体(黄色い試薬)を入れる、うら試験はA,B,Oの赤血球に患者血清を入れる
・交差適合試験:輸血の安全性を見る、主試験はドナー血球を患者血清に入れる、副試験は患者血球にドナー血清を入れる。ABO同一なら副試験は省略可
・赤血球輸血はHb8以下でHt30、Hb8-10を維持する、血小板輸血は血小板2万以下で行う
・不適合輸血:発疹→胸部苦悶→ショック→意識消失、ARF、ARDS、MOF
・保存血大量輸血副作用:低Ca(∵クエン酸と結合)、高K(∵血球内のK漏出)、出血傾向(∵希釈で血小板濃度↓)、低体温、代謝性アシドーシス(∵クエン酸)、微小肺塞栓、肺水腫(∵水分過剰)、ヘモクロマトーシス
・Howell-Jolly小体:核の遺残がある赤血球、摘脾後、巨赤芽球性貧血で↑
・破砕赤血球(fragmentation)→赤血球破砕症候群(HUS、TTP、DIC)
 涙滴赤血球(tear drop cell)→骨髄線維症
 標的赤血球(target cell)→サラセミア
(破砕、涙滴、標的は1,2個くらいなら普通の貧血でも見られる)
・白血球分画:好中球→50%、リンパ球→30%、他は数%
・好中球過分葉(5葉以上)→巨赤芽球性貧血、MDS
・成熟リンパ球↑:百日咳、伝単、CML
・巨大血小板:MDS、骨髄増殖性疾患、Bernard-Soulier、ITP
・骨髄穿刺は上後腸骨稜、胸骨正中は骨折しやすい、乳幼児は脛骨上部内面
・骨髄穿刺液:NCC(有核細胞数)は30万/mm3以上、M/E比(白系/赤系)は2~3
・dry tap:白血病、癌の骨髄転移、骨髄線維症
・白赤芽球症:癌の骨髄転移、MF、粟粒結核、赤白血病(M6)
・紅斑:血管拡張→硝子圧法で消失
 紫斑:皮下出血=表在出血→硝子圧法で消失しない、血小板異常は点状出血、凝固因子異常は斑状出血
 深部出血:凝固因子の異常、関節内、筋肉内
・SLE、AIHA、ITP→互いに移行、合併する
・PNH、再生不良性貧血、白血病→互いに移行、合併する
・骨髄移植:
ドナー:全身麻酔下で200ヶ所の骨髄から採取、またはG-CSF投与(副作用は骨痛)で末梢血中の幹細胞増殖させ採取
レシピエント:全身放射線照射(1回2Gy×1日2回×3日)、またはシクロフォスファミドで前処置後、幹細胞を点滴静注
適応は悪性疾患は60才以下、良性腫瘍は50才以下、再生不良性貧血、白血病、悪性リンパ腫など
・骨髄移植→急性GVHD(10日)→サイトメガロウィルス(2ヶ月)→慢性GVHD(100日以降)
・急性GVHD:発熱、紅斑→黄疸、下痢→骨髄無形成→汎血球減少(腎障害はない)
 慢性GVHD:SjS(肝障害、間質性肺炎、唾液腺障害)、SSc、扁平苔癬様皮疹
・GVHDが起きやすいのは血縁者間移植や輸血でone way match、レシピエントの細胞性免疫低下時(骨髄移植)
・抗癌剤の副作用
 メトトレキセート:口腔粘膜潰瘍
 アドリアマイシン:心筋障害
 ビンクリスチン:末梢神経障害、イレウス、SIADH
 シクロホスファミド:出血性膀胱炎
・Wintrobeの赤血球指数
 MCV=Ht/RBC×10万、正常値は80~100
 MCH=Hb/RBC×10万、正常値28~32
 MCHC=Hb/Ht、正常値31~35
・乳児期、思春期、妊婦、高齢者はHb11以下で貧血、他は12以下で貧血
・小球性貧血→Hbの異常(鉄欠乏性貧血、サラセミア)
 大球性貧血→巨赤芽球性貧血のみ
・食事中の鉄1日10mg→胃酸でfreeFe3+→VitCでFe2+→十二指腸、上部空腸で1日1mg吸収
 体内鉄の2/3はHb内、残りの大部分は貯蔵鉄(フェリチン、ヘモジデリン)、残りがMb、チトクローム、血清鉄、組織鉄
・鉄欠乏性貧血:central pallorが赤血球直径の1/2以上、骨髄は赤芽球過形成(M/E↓)、鉄芽球減少、貯蔵鉄(ヘモジデリン、フェリチン)↓、貯蔵鉄が回復するまで鉄剤投与継続、成人女性では子宮筋腫、成人男性では胃癌を検索する、貯蔵鉄→血清鉄→Hb鉄→チトクロームの順に低下、Plummer-Vinson症候群(咽頭痛、嚥下障害、食道web)、spoon nail
・慢性炎症による貧血:網内系が鉄を取り込む→フェリチン↑、原因はRA、IE、癌
・無トランスフェリン血症:鉄はトランスフェリンTfと結合して骨髄に入り赤芽球表面のTf受容体を介して取り込まれる、血清鉄=トランスフェリンと結合した鉄を測定→血清鉄は0
・鉄芽球性貧血:MDS(RARS)、B6欠乏、INH(B6に拮抗)、鉛→ヘム合成障害→無効造血→間ビ黄疸+血清フェリチン増加+PIDT1/2↓+%RCU↓、小球性+正球性の2相性(異常幹細胞+正常幹細胞なので)、骨髄で環状鉄芽球
・巨赤芽球性貧血:
 B12↓:胃切、悪性貧血、クローン病、blind loop、広節裂頭条虫
 葉酸↓:アル中、フェニトイン、メトトレキセート、妊娠、溶血性貧血、癌、透析
 無効造血→間ビ黄疸+血清フェリチン増加+PIDT1/2↓+%RCU↓、Hunter舌炎、白髪、亜急性連合性脊髄変性症(後索、側索)、悪性貧血では胃癌や認知症合併、内因子+B12で改善ならSchilling試験陽性で悪性貧血、Howell-Jolly小体、好中球過分葉、汎血球減少、骨髄はM/E↓、巨赤芽球
・溶血性貧血→間ビ黄疸、血清ハプトグロビン低下、尿中ウロビリノーゲン陽性、LDH1増加
・溶血性貧血ではMCVが大球性貧血になることも(大型多染性の網赤血球が↑ため)
・血管内溶血:尿中Hb陽性→鉄欠乏
 血管外溶血:脾腫、胆石、HSとAIHA
・HS:AD、膜骨格蛋白異常→赤血球浸透圧抵抗低下→球状化→脾破壊、ADなので正常RBCと球状RBC(central pallor消失)の混在、小児期からの貧血、黄疸、脾腫、胆石(黒色石)、治療は摘脾、ヒトパルボB19で無形成性クリーゼ
・PK欠乏症:AR
・G6PD欠乏症:XR
・サラセミア:AR、β鎖がたくさん作れない→HbA2やHbFが出現、これだけ小球性、標的赤血球、無効造血
・鎌状赤血球症:AR、ヘテロは電気泳動上HbSのみで無症状、β鎖のグルタミンがバリンに置換→HbS→血管閉塞と溶血、胸痛、腹痛、関節痛、成長障害、HbSはマラリアに強い
・AIHA:温式抗体、IgG、Ⅱ型アレルギー、原因はSLE、CLL、ペニシリン、αメチルドパ、診断はCoombs試験、治療はステロイド
・CAD:寒冷凝集素、冷式抗体、IgM、原因はマイコプラズマ、EBV、経過観察
・PCH:冷式抗体、小児、梅毒感染者によるドナースランドスタイナー抗体が原因、治療は梅毒治療
・血球貪食症候群:サイトカインで活性化されたMφが血球を貪食→汎血球減少、原因はEBV(VAHS)、マイコプラズマ、RA、Still病、悪性リンパ腫(予後不良)、血清フェリチン著増(Still病とVHAS)、治療はステロイド、免疫抑制剤、血漿交換、骨髄移植
・PNH:幹細胞の後天的突然変異→膜アンカー蛋白異常→DAF(補体制御蛋白,CD55,59)↓→血管内溶血→早朝尿がコーラ色、NAP↓、RBCのChE↓、汎血球減少、血栓症(Budd-Chiariなど)、Ham試験(pH↓で溶血)、シュガーウォーター試験(イオン強度↓で溶血)、AMLや再生不良性貧血(AA-PNH症候群)を起こすことあり、治療は洗浄赤血球輸血
・再生不良性貧血:多能性幹細胞の障害→脂肪髄、汎血球減少(相対的リンパ球増多)、肝脾リンパ節腫大はない、骨髄穿刺でdry tapではない、胸腰椎骨髄がMRIT1,2でhigh、原因は特発性の他、放射線、ベンゼン、クロラムフェニコール、抗癌剤、AA-PNH症候群、ウィルス性肝炎、Fanconi貧血
・再生不良性貧血の治療:長期の免疫抑制療法でMDS、AML、PNHなどに移行する
 血小板5万以上→蛋白同化ステロイド
 血小板2万~5万→蛋白同化ステロイド、抗胸腺細胞グロブリン
 血小板2万以下→抗胸腺細胞グロブリン、シクロスポリン、45才未満なら造血幹細胞移植
・Fanconi貧血:先天的な再生不良性貧血、四肢や皮膚や腎の奇形、白血病が見られる
・赤芽球癆:赤芽球系幹細胞の異常、赤血球のみ↓(正球性貧血)、胸腺腫合併あり、原因はフェニトイン、伝単、ヒトパルボウィルスB19(一過性)、治療は慢性例ではシクロスポリン、ヒトパルボウィルスB19感染による無形成性クリーゼや胎児水腫には輸血
・Diamond-Blackfan症候群:先天性の赤芽球癆、胸腺腫はない、手指の異常、低身長
・腎性貧血:腎不全→EPO↓→骨髄赤芽球低形成→網赤血球低下→正球性貧血、治療はEPO補充
・真性多血症(PV):JAK2遺伝子の異常、RBC中心だが、全ての血球が↑、EPO↓、PaO2>92%、RBC量男36女32ml/kg、顔面紅潮、頭痛、高血圧、痒み、脾腫、血栓症なのに出血傾向、赤血球作りすぎて鉄欠乏、NAP↑、B12↑、高尿酸血症、治療は瀉血、血栓予防にアスピリン、抗癌剤のハイドロキシウレア(MDSに移行するのでしたくない)
・続発性多血症:チアノーゼ心疾患、COPD、MetHb血症、EPO産生腫瘍(小脳血管芽腫、腎細胞癌)
・NAP↑:PV、MF
 NAP↓:PNH、CML
・急性白血病→分化成熟障害+、骨髄芽球割合20%以上(正常は5%以下、5-20%はMDS)
 慢性白血病→分化成熟障害-
・急性白血病の分類
 ALL→ペルオキシダーゼ×(陽性3%以下)、エラスターゼ×
 AML→ペルオキシダーゼ○(陽性3%以上)、エラスターゼ×、ただしM0,M7はペルオキシダーゼ陰性
 AMoL(M4,5)→ペルオキシダーゼ○、エラスターゼ○
・M2>M1>M3>M4(M2以外は番号順)
・Down症ではM7かALLの合併が多い
・急性白血病の治療
ALL:VP療法(ビンクリスチン、プレドニゾロン)
AML:DCMP療法(ダウノマイシン、Ara-C、6-MP、プレドニゾロン)
Hodgkin病:ABVD療法(アドリアマイシン、ブレオマイシン、ビンブラスチン、ダカルバジン)
NHL:R-CHOP療法(B細胞性はリツキシマブ、)
補助療法:血小板輸血(5万以下)、赤血球輸血(Hb8以下)、広域抗菌薬、ヘパリン、FOY、G-CSF
寛解導入→地固め→維持→強化、完全寛解は骨髄芽球5%以下、末梢血に芽球なし
・Tumor lysis症候群:腫瘍細胞崩壊で高K、高尿酸、高乳酸→ループ利尿薬と輸液でwash out、アロプリノール、重曹で尿アルカリ化
・白血病の遺伝子異常
 M2:t(8:21)→AML/MTG8キメラ
 M3:t(15:17)→PML/RARキメラ
 M4:inv16
 L3:t(8:14)
 CML/ALLのPh染色体:t(9:22)→BCR/ABLキメラ
・M3(APL):アズール顆粒が多い前骨髄球↑、DIC起こしやすい(FDP↑、Dダイマー↑)、治療はATRA、抗癌剤、ヘパリン+AT3、FOY。ATRAで分化誘導すると好中球著増で血管透過性亢進→肺水腫(レチノイン酸症候群)→ATRA中止しステロイド
・M5(AMoL):核の切れ込み、歯肉腫脹、皮疹、血中尿中ムラミダーゼ(リゾチーム)活性上昇
・M6(DiGuglielmo症候群):赤芽球系の異常クローン、無効造血で貧血が著明、赤芽球過形成、PAS陽性の巨赤芽球
・ALL:L1→小児、L2→成人、L3→Burkittリンパ腫。1/5はPh染色体+、PAS陽性、中枢神経に入り込むと抗癌剤効かないのでメトトレキセート髄注で予防
・小児白血病のhigh risk群:1才以下10才以上、末梢白血球数2万以上、TorB細胞のマーカー陽性、縦隔腫瘍(胸腺由来のT細胞由来)
・ATL:HTLV-1、CD4+T細胞に感染、T細胞受容体は再構成されて細胞性免疫不全、九州に多い、母乳感染後0.1%に発症、肝脾腫、リンパ節腫大、紅皮症、皮疹、高Ca、LDH↑、血清中可溶性IL-2受容体↑(活動性の指標)、クローバー状の核(核の切れ込みはATLかM4,5)
・MDS:あらゆる血球形態異常(Perger-Huet核異常→レイバーンサングラス状核の好中球、好中球過分葉、巨大血小板、環状鉄芽球)、治療はhigh risk群は化学療法、55才以下なら骨髄移植
RA:芽球5%以下、治療抵抗性の貧血
RARS:芽球5%以下、環状鉄芽球+(=特発性鉄芽球性貧血)
RAEB:骨髄芽球5-20%
・慢性骨髄増殖性疾患:CML以外は全てJAK2遺伝子の異常
真性多血症:RBC↑↑↑、WBC↑、Plt↑、線維芽細胞↑
本態性血小板血症:RBC↓、WBC↑、Plt↑↑↑、線維芽細胞↑
慢性骨髄性白血病:RBC↓、WBC↑↑↑、Plt↑、線維芽細胞↑
骨髄線維症:RBC↓、WBC↑、Plt↑、線維芽細胞↑↑↑
・MF:JAK2遺伝子の異常、dry tap、髄外造血、巨脾、涙滴赤血球、巨大血小板、NAP↑、白赤芽球症
・CML:Ph染色体t(9:21)→チロシンキナーゼ型癌遺伝子の活性化、著名な白血球増加、血小板増加、巨脾、NAP↓、好塩基球増加で消化性潰瘍、診断後3.5年後で急性転化でAML、ALL、急性転化すると骨髄内芽球20%以上,NAP↑,dry tap,CRP↑、治療はabl蛋白結合チロシンキナーゼ阻害薬(イマニチブ、耐性にはダサチニブ)
・CLL:全て老人、B細胞由来→CD19,20陽性、成熟小型B細胞の単クローン性増殖→無痛性の肝脾リンパ節腫大、AIHA合併、急性転化はなく長期安定経過、治療は対症療法、CD20陽性にはリツキシマブ
・巨脾:CML、骨髄線維症、Banti、マラリア
・ホジキン病:頸部リンパ節無痛性腫大→隣接リンパ節に進展、無痛性リンパ節腫大、発熱(Pel-Ebstein型)、盗汗、飲酒後の痒み、体重減少、IL-2α受容体+、Reed-Steinberg細胞、好酸球増加
病理組織分類:リンパ球優位型>混合細胞型>結節硬化型>リンパ球欠乏型(予後不良)
・非ホジキン病:ワルダイエル輪から節外進展、濾胞性は良性、びまん性は悪性、B細胞性は良性、T細胞性は悪性、悪性リンパ腫の8割
・ホジキン病、非ホジキン病の病気分類と治療:
AnnArbor分類:Ⅰリンパ節1個、Ⅱリンパ節2個、Ⅲ横隔膜両側、Ⅳ肝臓,骨髄に進展、発熱,寝汗,体重減少あればBつける
治療:Ⅰ,Ⅱ放射線、ⅠB,ⅡB,Ⅲ,Ⅳ化学療法(HLはABVD,NHLはR-CHOP)
・MM:形質細胞の単クローン性増殖、形質細胞なので核偏在と核周囲明庭、分化してるので骨髄で腫瘤を作る→赤色髄のpunched out→腰痛や高Ca、電気泳動でγ分画が先鋭化かつ正常γ-G低下、Bence-Jones蛋白↑(pH4.9、56℃で白濁し100℃で再溶解)、β2-MG↑→骨髄腫腎、過粘稠度症候群、続発性アミロイドーシス、赤血球連銭、赤沈亢進、病期はⅠ期はAlb3.5以上+β2MG5.5以下、Ⅲ期はβ2MG5.5以上、治療はメルファラン、シクロホスファミド、サリドマイド、13番染色体異常は予後不良
・原発性マクログロブリン血症:IgM産生B細胞の単クローン性増殖→低分化なので骨髄の腫瘤作らない、無痛性の肝脾リンパ節腫大、過粘稠度症候群が中心(Raynaud現象、視力障害、頭重感、血栓症だが出血傾向)、骨病変なし
・MGUS:M蛋白血症だが正常免疫グロブリン産生は正常、高齢者
・Shonlein-Henoch紫斑病:先行感染→IgA免疫複合体→毛細血管炎→下腿伸側の紫斑、大関節痛、腸重積様の腹痛、IgA腎症様の血尿。RumpelLeede試験のみ+、13因子↓、IgA↑、好酸球↑、治療はNSAID、ステロイド、13因子
・ITP:血小板がPA-IgGで感作されて脾破壊亢進、小児は急性で風疹が原因で一過性、成人女性は慢性でⅡ型アレルギーでSLEやAIHAに合併で増悪と寛解、治療はピロリ除菌(OMC)、ステロイド、免疫グロブリン大量投与、摘脾(5才以下の摘脾後は肺炎球菌ワクチン)
・Evans=ITP+AIHA
・Bernard-Soulier症候群:AR、GPⅠ欠損→血小板はvWF,GPⅠで毛細血管壁に粘着、巨大血小板、粘着能低下(リストセチン凝集能)、出血時間延長
・血小板無力症(Granzman):AR、GPⅡ,Ⅲ欠損→血小板どうしの凝集障害、血餅退縮障害、出血時間延長
・vWF病:AD、vWFは8因子のキャリア蛋白なので8因子活性も↓、粘着能低下(リストセチン凝集能)、治療はDDAVP(vWF、8因子を放出させる)、無理ならvWF、8因子の補充、出血時間延長+APTT延長
・血友病:XRしかし3分の1は弧発例、血友病Aは8因子-、血友病Bは9因子-、活性25%以下で症状→治療目標は25%活性、症状が出るのは動き出す乳児期後半以降、治療は8,9因子補充、8,9因子インヒビター+なら7因子補充(バイパス療法)、血友病AにはDDAVP
・DIC:Borrmann4型、膵癌、APL、G-桿菌、Kasabach-Merritt、脱水、早剥。明らかな炎症があるのに赤沈が亢進しない、治療はヘパリン+ATⅢ、ダナパロイドナトリウム(10因子)、FOY(メシル酸ガベキサート、AT非依存性にトロンビン阻害)
・TTP:肝由来のvWF分解酵素(=vWF-CP=ADAMTS13)欠損→vWFマルチマー→赤血球破砕症候群。原因は重要肝不全、薬物、妊娠、HIV、癌。モスコビッチ5徴(紫斑、溶血性貧血、発熱、動揺性神経症状、腎不全)、治療は血漿交換療法、ステロイドパルス、血栓予防にアスピリン
・HUS:O157のベロ毒素→血栓→赤血球破砕症候群、神経症状、腎不全。止痢剤は禁忌、輸液と抗菌薬

2011年10月5日水曜日

消化管ポイント

消化管ポイント

・消化器系は内胚葉由来で卵黄嚢、原始腸管(4-8週)ができる
・前腸は食道、胃、気管、肺、肝胆膵。中腸はSMA支配腸管、後腸はIMA支配腸管
・直腸:S3~歯状線、恥骨直腸筋付着部
・迷走神経:右が後、左が前で食道裂孔を通る
・食道の血行支配
頚部食道:下甲状腺A,V
胸部食道:気管支A、奇静脈
腹部食道:下横隔膜A、胃冠状V、短胃V
・胃噴門部=胃底部=穹隆部:噴門腺→粘液産生
 胃体部:胃底腺(固有胃腺)→主細胞(ペプシノーゲン)、副細胞(粘液)、壁細胞(内因子とHCl)
 胃幽門部=胃前庭:幽門腺→粘液産生、G細胞(ガストリン)
・十二指腸:球部→下行部→水平部→上行部、Treitz靭帯まで、Kerckringの襞、Brunnel腺が粘液産生
・小腸:空腸:回腸=2:3、Kerckringの襞、Lieberkuhn腺(粘液、酵素)、孤立リンパ節、回腸にはPeyer板
・結腸:ハウストラ、杯細胞(粘液)、下部直腸は内腸骨A支配
・避腸栄養:IVH
 経管栄養:ED(成分栄養)は胃管でVaterより後部に投与(→膵酵素分泌させたくないとき)、流動食は胃管やPEG(内視鏡的胃瘻造設)で胃内に投与
・ガストリン:幽門部のG細胞が分泌→胃液↑、胃蠕動↑、LES圧↑
 セクレチン:十二指腸内のpH↓で分泌→膵液中のHCO3↑、ガストリン↓、LES圧↓
 CCK-PZ:脂肪酸が十二指腸を刺激→壁から分泌→胆汁↑、膵酵素↑
 VIP:小腸壁から分泌→小腸蠕動↑、胃蠕動↓
・Z-E→ガストリノーマ、水様性下痢、難治性潰瘍、診断はBAO/MAO>0.6、空腹時ガストリン↑、セクレチン負荷でガストリン↑
・WDHA→VIPoma、水様性下痢、低K、無酸症
・食道は左主気管支の後方、胸部大動脈の左前方を下行
・小腸→ケルクリングのひだ
 大腸→ハウストラ(結腸ヒモでたぐりよせられてできる)
・十二指腸、上行結腸、下行結腸、直腸→腸間膜はなく動けない
 空腸、回腸、盲腸、横行結腸、S状結腸→腸間膜があり動ける
・腹腔動脈の枝→総肝動脈、左胃動脈、脾動脈
 脾動脈の枝→短胃動脈、左胃大網動脈
 総肝動脈の枝→固有肝動脈、右胃動脈、胃十二指腸動脈
 胃十二指腸動脈の枝→右胃大網動脈、上膵十二指腸動脈
・Zencker憩室:仮性、圧出型、咽頭食道移行部
 Rokitansky憩室:真性、気管分岐部リンパ節瘢痕化→牽引型憩室
 Meckel:真性、卵黄腸管の遺残、腸間膜付着部反対側、回盲部より50cm口側、異所性胃粘膜→小児下血、99mTcO4-シンチ(甲状腺、唾液腺、胃粘膜に集積)
 十二指腸憩室:真性、Vater乳頭部近傍、Lemmel症候群=十二指腸憩室+胆石+胆汁うっ滞
 大腸憩室:真性、右側結腸、腸内細菌で憩室炎が多い、造影でtear drop(バリウムの溜り)
・持続痛:実質臓器の被膜進展による内臓痛(肝炎)
 疝痛:蠕動する臓器の圧上昇による内臓痛(機械的イレウス、尿管結石、胆石)
 体性痛:腹壁
 関連痛:右は右、左は左
・十二指腸潰瘍は空腹時、胃潰瘍は食事で痛みが増強
・Treitz靭帯より上からの出血→吐血(コーヒー残渣様)orタール便(メレナ)
・便秘→ヒルシュ、甲キ↓、抗コリン薬、脱水、低K、高Ca
・悪心嘔吐:ケトン体、つわり、尿毒症、酒、抗癌剤、ジキタリス、モルヒネ、低Na、高Ca。治療は抗ドパミン薬(クロルプロマジン、メトクロプラミド)、5HT3拮抗薬
・消化管穿孔やイレウスではバリウム経口投与は禁忌(∵雑菌、刺激性でイレウス悪化)
・グル音:腸管内に液体+ガスがあるとき、聴診器の膜型で聴取、機械的イレウスで増強、麻痺性イレウスで減弱
・消化管穿孔:Xpで横隔膜下のfree air、背臥位で肝濁音界消失,肺肝境界消失(∵正常は肺は鼓音→肝は濁音→腸管の鼓音となるが、腹壁下にairがたまって肺肝腸管全て鼓音)、汎発性腹膜炎(板状硬→感度、特異度高い、Blumberg徴候)
・単純Xpの正常ガス像:胃泡、十二指腸球部、大腸。胃泡だけはsingle bubbleで先天性肥厚性幽門狭窄(無胆汁性嘔吐)、胃泡と十二指腸球部だけはdouble bubbleで先天性十二指腸閉鎖(胆汁性嘔吐)
・超音波内視鏡EUS:粘膜下病変の検出→粘膜下腫瘍、潰瘍癌の進達度
・内視鏡の前処置:食事は前日夕食まで、ブスコパン、グルカゴン(前立腺肥大、緑内障)
・小腸は内視鏡が届かない→小腸の出血は血管内カテーテル塞栓
・脂肪便はSudanⅢ染色
・米のとぎ汁用→コレラ、WDHA
 膿粘血便→赤痢、UC、カンピロバクター、腸重積
 白色便→ロタウィルス
 トマトジュース様下痢→薬剤性腸炎
・Dキシロース吸収試験:小腸で吸収され尿中排泄量をみる
・αアンチトリプシン試験:蛋白漏出試験
・低蛋白血症→ネフローゼはChol↑、蛋白漏出性胃腸症ではChol↓
・緊急手術:消化管穿孔、絞扼性イレウス、卵管妊娠破裂
・食道の上は横紋筋、下は平滑筋(Auerbach神経叢)、漿膜なし
・食道の狭窄部位
第1狭窄部位→輪状甲状軟骨部
第2狭窄部位→左主気管支分岐部(Th4)
第3狭窄部位→食道裂孔(Th11)
・LES圧→正常10~40mmHg
・胃食道逆流症(GERD):胸やけ+食道内pH低下で逆流症、内視鏡で炎症あれば逆流性食道炎、LES圧は低下、造影で滑脱型食道裂孔ヘルニアを探す、内視鏡でLosAngels分類/ルゴール染色(正常が染まる)、24時間食道内pHモニタ(pH<4が10hrs以上)、抗コリン薬は禁忌(∵蠕動↓→胃に食物がとどまる→胃酸↑)、治療はsemi-Fowler体位、H2blocker、PPI、抗D(プリンペラン、メトクロプラミド→蠕動↑)
・GERD→Barrett上皮→食道腺癌の発生母地
・食道モニリア症:カンジダ、鵞口瘡から進展、原因はHIV,DM,悪性リンパ腫,PPI、嚥下時痛、造影で網目状、アムホテリシンB経口投与
・食道裂孔ヘルニア:横隔膜ヘルニア中最多、滑脱型>傍食道型、混合型、GERDで胸焼け,貧血、造影でECJが横隔膜より上→滑脱型、治療はNissen手術
・Saint3徴:肥満女性では、食道裂孔ヘルニア+胆石+大腸憩室が起こりやすい
・マロリーワイス:嘔吐→ECJの胃粘膜表層裂創→新鮮血の吐血、自然に止血する
・ブールハーベ:飲酒後の嘔吐,内視鏡→食道破裂(下1/3、左後方)→縦隔洞炎、膿気胸(重篤)、早期診断早期治療しないと死ぬ、造影剤は水溶性を使う(バリウム禁忌)
・食道癌:食道中部に好発、早期癌はm癌で転移の有無は関係なし(早期胃癌大腸癌はm,sm癌で転移の有無は関係なし)、ルゴールで不染性、飛び石転移、治療はm1m2はESD,EMR(粘膜筋板にかかるとm3)、右開胸開腹で食道全摘,胃管(胸骨前/胸骨後/後縦隔)で再建,3領域リンパ節郭清(頚/胸/腹部)、化学療法はシスプラチンや5-FU、対症療法はステント留置、PEG、IVH、食道気管支瘻は手術適応外
・アカラシア:下部食道アウエルバッハ神経叢の変性→LES弛緩不全→LES圧上昇→上部は拡張,下部はpig tail、冷たい食物で誘発、食道内圧検査でLES圧上昇(正常は10-40mmHg),同期収縮、食道癌合併(5%)、メコリル試験、治療はバルーン、Caブロッカー、ボトックス、ヘラー手術(筋層切開)
・先天性食道閉鎖:羊水過多、生後すぐにカニ泡状流涎、ネラトンカテーテルでcoil up、Gross分類→胃泡があればC、なければA
・食道静脈瘤破裂:内視鏡でred color signあれは危ない
出血時:緊急内視鏡、輸液、酸素、バソプレッシン(ピトレッシン)、バルーン圧迫、EIS(硬化療法)、EVL(結紮療法)
出血予防:EIS、EVL、PTO(経皮経肝食道静脈瘤塞栓術)、TIPS(経頚静脈的門脈肝静脈短絡術)、BRTO(バルーン閉塞下逆行性胃静脈瘤塞栓術)、Hassab手術(副血行路郭清)、食道離断、脾静脈腎静脈吻合、短絡術はやりすぎると肝性脳症
・AGML:幽門前庭部全体の病変、吐血はコーヒー残渣様、内視鏡Sydney systemで診断、治療はPPI、H2ブロッカー、PG。CMV、内視鏡、TAEが原因になることあり。
・慢性胃炎:
A型:胃体部、悪性貧血、壁細胞抗体+(壁細胞は胃体部)、胃癌の原因
B型:幽門部、大部分の消化性潰瘍、加齢とピロリ
・メネトリエル病:巨大肥厚性胃炎、giant fold、蛋白漏出性胃腸症(壁細胞や主細胞消失、副細胞増加→胃酸↓、粘液↑、α-AT試験)
・潰瘍:粘膜筋板を超えた上皮粘膜(m,sm)の欠損、造影Xpでニッシェ(陥凹)、タッシェ(クローバー状陥凹)、ハンプトン線、出血,穿孔,狭窄あれば緊急手術
胃潰瘍:50~60才、胃角部小弯側、老人になると胃体上部へ、食後腹痛
十二指腸潰瘍:30~50才、球部前壁、空腹時腹痛
治療はピロリ除菌、PPI、H2ブロッカー、PG、出血には内視鏡的治療(エタノール局注、HES局注、クリッピング、レーザー)、穿孔は十二指腸球部前壁潰瘍に多い、立位Xpで横隔膜下free air、肝濁音界の消失、麻痺性イレウスで腸雑音消失、治療は緊急開腹手術
・ヘリコバクターピロリ:G-桿菌、AGML、急性/慢性胃炎、潰瘍、MALTリンパ腫、胃ポリープ、胃癌、ITP、治療はOMC療法(オメプラゾン(PPI)、アモキシリン(AMPC)、クラリスロマイシン(マクロライド系))、クラリスロマイシン耐性菌にはメトロニダゾール、除菌するとGERDは増悪する、診断は尿素呼気試験、内視鏡生検査でウレアーゼ活性みる、血中ピロリ抗体
・胃癌:0>3>2>4>1、A>M>C、小弯>後壁>大弯>前壁、0=早期癌(m,sm癌、転移は問わず)、早期胃癌(0型)はⅡc>Ⅱc+Ⅲが最多、印環細胞癌や硬癌は低分化腺癌で3、4型が多い、4型は造影で胃角開大、伸展不良、印環細胞癌はKruckenberg腫瘍、硬癌はDIC合併が多い
・Borrmann分類:1腫瘤限局、2潰瘍限局、3潰瘍浸潤、4びまん浸潤
・早期癌:Ⅰ隆起、Ⅱa表面隆起、Ⅱb表面平坦、Ⅱc表面陥凹、Ⅲ陥凹
・胃癌は3,Ⅱc、大腸癌は2,Ⅰが多い
・潰瘍の悪性所見:先細り、棍棒状肥大、融合、突然の中断
・Krukenberg腫瘍:腹膜播種で両側卵巣に転移、Borrmann4型(印環細胞癌)に多い、DIC起こしやすい
・胃癌治療:
高分化で転移のないm癌はESD(EMRより良いが穿孔)、EMR(2cmまで、潰瘍だめ)
幽門側亜全摘(A,M)、胃全摘(漿膜浸潤があるC、4型胃癌)、術中迅速診断でセンチネルリンパ節転移あればR2隔清、
再建は亜全摘後はBillrothⅠⅡ、全摘後はルーワイ吻合(十二指腸と食道を各々空腸につなぐ)
再発は癌性腹膜炎(血性腹水)→腹水穿刺で細胞診
切除不能でPS0-2にはシスプラチン、5-FU
・胃切除後症候群:早期ダンピング(消化できてない食物が水を引き込む→循環血漿量↓)、晩期ダンピング(急激なBS↑→インスリン過剰分泌→食後低血糖)、輸入脚症候群(BillrothⅡ法、胆汁性嘔吐)、盲係蹄症候群(盲係蹄で腸内細菌増殖→B12欠乏、吸収不良)、GERD(ルーワイ吻合)、骨粗鬆症、鉄欠乏性貧血、巨赤芽球性貧血(5年以上経過でB12欠乏)、術後膵炎、縫合不全は保存的治療で軽快、壊疽性胆嚢炎(血流障害)
・胃ポリープ:過形成性>腺腫性、腺腫性は癌化あり、大腸ポリープは腺腫性が多い
・胃粘膜下腫瘍:GIST(80%)、平滑筋腫、迷入膵(生検でラ氏島)、カルチノイド腫瘍(索状配列、ロゼット)、MALTリンパ腫(B細胞系、NHL、ピロリ、低悪性度)。所見は辺縁平滑、bridging fold、中心臍窩(delle)
・GIST:消化管平滑筋ペースメーカーのカハール介在細胞由来、KIT蛋白の異常→イマニチブ(分子標的薬)、2cm以上は腹腔鏡下手術
・胃肉腫:70%が悪性リンパ腫、30%が平滑筋肉腫、悪性リンパ腫では巨大皺襞
・クローン病:口~肛門に飛び飛びに全層性に非乾酪性類上皮肉芽腫、増悪と寛解、特に回盲部(B12と胆汁酸欠乏)、縦走潰瘍、敷石像、穿孔狭窄、口腔内アフタ、難治性痔瘻(肛門陰窩に細菌感染)、癌化は稀、強直性脊椎炎,PSC,ぶどう膜炎の合併、治療はIVH、EDでbowel rest、サラゾピリン、5-アミノサリチル酸、ステロイド、免疫抑制薬、出血穿孔狭窄あれば緊急手術
・腸管ベーチェット:回盲部、下掘れ型で穿孔しやすい、難治性
・腸結核:回盲部、老人、乾酪性肉芽腫、輪状潰瘍、瘢痕狭窄、便中結核菌+で診断
・UC:直腸から上行、潰瘍なので粘膜病変、増悪と寛解、2週間で自然消退する膿粘血便や腹痛を繰り返す、時に中毒性巨大結腸→穿孔→敗血症、陰窩膿瘍、偽ポリポーシス、ハウストラ消失、血管透見像消失、10年以上経過で10%が癌化、壊疽性膿皮症,結節性紅斑,強直性脊椎炎,PSC,ぶどう膜炎を合併、重症は発熱37.5℃以上/下痢便6回以上/血便3+/頻脈90以上/Hb10以下/赤沈30以上、治療はサラゾピリン、5-アミノサリチル酸、ステロイド、免疫抑制薬、PSL1万mg/中毒性巨大結腸/出血穿孔狭窄/癌化では全大腸切除
・虫垂炎:カタル性(単純性、粘膜限局)、蜂巣炎性(全層)、壊疽性(発赤腫脹)。McBurney、Lanz、Rovsing(左下腹部圧迫で右下腹部疼痛)、Rosenstein(左側臥位でMcBurney増強)、穿孔しやすいが大網がカバーするので汎発性腹膜炎にはなりにくい、診断はエコー,CT、単純性は絶飲絶食と抗菌薬投与
・偽膜性腸炎:老人に広域抗生剤→菌交代でClostridium difficile↑→外毒素(トキシンA)→下痢、腹痛、発熱。内視鏡で偽膜、便中トキシンA,クロストリジウム抗原で診断、治療はバンコマイシン、メトロニダゾール
・薬剤性腸炎:ABPC投与後、菌交代でKlebsiella oxytoca↑、トマトジュース様の血性下痢
・家族性大腸腺腫症(FAP):若年、AD、APC遺伝子、全大腸に腺腫性ポリーポーシス、治療は癌化するので20代前半までに全大腸切除
・Gardner:FAPと同一疾患、若年、AD、APC遺伝子、全大腸に腺腫性ポリポーシス、下顎骨腫、類皮膿疱、治療は20代前半までに全大腸切除
・Turcot:若年、AR、全大腸に腺腫性ポリポーシス、中枢神経腫瘍
・Peutz-Jeghers:若年、AD、全消化管に過誤腫性ポリポーシス、四肢や口唇のメラニン沈着、卵巣、子宮、肺に癌
・Cronkhite-Canada:中年、非遺伝性、炎症性ポリポーシス、蛋白漏出性胃腸症、皮膚色素沈着、爪変形、脱毛、浮腫
・大腸ポリープ:腺腫性>過形成性、腺腫性には絨毛状or腺管状、直腸、S状結腸に好発、絨毛状腺腫や2cm以上は癌化あり、1cm以下は内視鏡的ポリペクトミー、1cm以上は外科手術
・大腸癌:危険因子は家族歴、FAP、HNPCC、UC、痔瘻。高分化型腺癌、1/3強が直腸、1/3弱がS状結腸にできる、早期癌はm癌で転移問わない、早期癌はⅠ型、進行癌は2型が多い、右半結腸は貧血,腫瘤、左半結腸は出血,イレウス,腸重責で発見、CEAやCA19-9は経過観察に使う、apple core sign(2型)、Dukes分類B(壁貫通+、リンパ節転移-)、上部直腸は肝転移、下部直腸は肺転移、肛門癌は鼠径部リンパ節転移、直腸癌は局所再発多い、治療はm癌はEMR、歯状線より5cm上なら肛門括約筋温存直腸切除術、下なら腹会陰式直腸切断術(Miles)+人工肛門、単発性肝転移では肝切除、術後は排尿障害やED、
・Lynch症候群:遺伝性非ポリポーシス大腸癌HNPCC、AD、ミスマッチ修復遺伝子の異常、ポリポーシスのない大腸癌、他の癌(胃癌、卵巣癌、子宮体癌、乳癌)も合併
・消化管カルチノイド:Kultschitzky細胞由来、気管支、性腺、虫垂、胃、直腸に発生、尿中5-HIAA↑、肝転移でカルチノイド症候群(皮膚紅潮、下痢、TR、喘息)、治療はリンパ節郭清を伴った摘出、残存はソマトスタチンアナログ
・イレウス:経口バリウムは禁忌(∵刺激性、雑菌多い)、小腸イレウスはstep ladder,herringbone
単純性:金属性グル音↑、他のイレウスではグル音↓
絞扼性:単純性から続発、腸管壊死から穿孔し腹膜炎、原因は腸重積、腸軸捻、ヘルニア、単純性がのグル音が減弱し、WBC↑,LDH↑,CK↑が見られたら絞扼性
麻痺性:腹膜炎、低K、ビンクリスチンやDMによる自律神経障害、動脈閉塞
痙攣性:鉛中毒
治療は絶飲絶食、乳酸リンゲル輸液、イレウス管で消化管内容吸引、絞扼性は緊急開腹術
・腸軸捻:S状>盲腸、老人、coffee bean、S状が長い、治療はブジー、待機的にS状結腸切除
・腸重積:3ヶ月~2才、上気道感染→回盲部Peyer板腫脹→離乳期で固形物→通過障害→回腸が上行結腸に進入→蠕動で間欠的啼泣→粘血便、Dance徴候(右下腹部空虚)、target sign,pseudokidney、注腸で蟹爪を確認してバリウム高圧浣腸、開腹して押し戻す(Hutchinson手技、引っ張るのは禁忌)、成人の腸重責は大腸癌が原因
・ヘルニア
外鼠径ヘルニア:男児、右側に多い、腹膜鞘状突起の閉鎖不全、下腹壁AVの外側、陰嚢内腫瘤、silk sign、ヘルニア嚢の高位結紮、反対側にもすること
内鼠径ヘルニア:成人男性、下腹壁AVの内側、鼠径部突出、押すと元に戻る、鼠径管の補強
大腿ヘルニア:高齢多産婦、大腿管を通って鼠径靭帯直下の卵円窩から脱出、嵌頓が多い
臍ヘルニア:出ベソ、低出生体重児の出生数日後に起きる、成人では腹水など腹圧亢進で起きる、成人例は嵌頓が多い
・虚血性大腸炎:老人、動脈硬化→左半結腸の虚血→可逆性の粘膜表層の炎症、腸管膜付着部の反対側は虚血になりやすい→縦走潰瘍、拇指圧痕像、血管造影では明らかな閉塞血管なし、保存的治療で軽快
・腸間膜動脈閉塞症:塞栓、血栓でSMA、IMAの閉塞→腸管壊死、穿孔、緊急手術の適応
・過敏性腸症候群:体重減少なし、腹痛、下痢、便秘のみ
・裂肛:6時に好発、慢性化で見張りいぼ(sentinel skin tag)
・痔核:座り仕事、門脈圧亢進、妊婦
内痔核:歯状線より上、3,7,11時に好発、肛門脱、嵌頓しなければ疼痛なし
外痔核:歯状線より下、血栓性静脈炎なければ疼痛なし
・痔瘻:肛門腺(肛門陰窩)の炎症が悪化しておきる、若年性やクローン病合併は自然治癒稀、乳幼児(オムツかぶれ)は自然治癒
・直腸脱:高齢者、肛門挙筋括約筋の弛緩、疼痛なし、腰椎麻酔下に括約筋補強
・腹膜偽粘液腫:卵巣、虫垂の粘液腫が破裂→ムチン性物質が腹腔内貯留→イレウス

2011年10月2日日曜日

肝胆膵ポイント

肝胆膵ポイント

・肝円索:臍静脈の遺残
・肝機能
①蛋白合成:アルブミン、ハプトグロビン、2/7/9/10因子、フィブリノーゲン、ChE、補体、CRPの合成
②脂質代謝:chol、VLDL合成、LCAT
③糖代謝:グリコーゲン合成&分解、ガラクトース代謝
④尿素回路、CYP450による解毒、VitD活性化、E不活性化
・肝予備能:Alb,Bil,ICG,PT
・胆汁→胆汁酸(コール酸、ケノデオキシコール酸)、chol、直ビ、レシチン、ALP
・胆汁酸は回腸末端で95%が回収、体内に3g、1日10回腸肝循環する
・解剖学的分類:肝鎌状間膜で右葉と左葉を分ける
 臨床分類:Cantlie線(下大静脈と胆嚢を結ぶ線)で右葉と左葉を分ける
 右葉は前と後、左葉は肝鎌状間膜で内と外に分かれる
 Couinaud分類:S1→尾状葉、門脈を中心に反時計回りにS1~S7、S8は上、S1~4は右葉、S5~S8は左葉
・門脈はCouinaud区域の中心を走行、肝静脈は区域間を走行
・肝臓の血流→1/4が肝動脈、3/4が門脈
・腹腔動脈(Th12)の枝→総肝動脈、左胃動脈、脾動脈
 脾動脈の枝→短胃動脈、左胃大網動脈
 総肝動脈の枝→固有肝動脈、右胃動脈、胃十二指腸動脈
 胃十二指腸動脈の枝→右胃大網動脈、上膵十二指腸動脈
・肝小葉:グリソン鞘(小葉間結合組織)によって六角形構造に分けられる、頂点はportal triad(肝動脈、門脈、胆管、リンパ管)、中心は中心静脈
・Kupffer細胞はMφ由来(門脈経由で入った腸内細菌を貪食)、Pit細胞はNK細胞由来
・肝星細胞(伊東細胞):類洞の血流調節、肝硬変で線維産生、ビタミンA貯蔵
・肝細胞のミクロゾーム分画にあるチトクロームP450で解毒、代謝
・左右の肝管があわさって総肝管、総肝管と胆嚢管があわさって総胆管
・胆嚢→肝床部では漿膜を欠く、粘膜筋板がないのでRokitansky-Aschoff洞を作る、単層立法上皮
・胆嚢腺筋腫症:Rokitansky-Aschoff洞の増生
・Oddi括約筋:迷走神経で弛緩、モルヒネで収縮
・セクレチン:膵重炭酸増加
 CCK-PZ:膵酵素増加(pancreozymin=pancreas+enzyme)
 ともに十二指腸壁から血中に内分泌
・膵臓→鈎部、頭部、体部、尾部、頭部に門脈、体部に脾動脈が走行
・膵頭部の血流:上部→CA由来の上膵十二指腸動脈、下部→SMA由来の下膵十二指腸動脈
 膵体尾部の血流:脾動脈
・主膵管(Wirsung管)が総胆管と合流しVater乳頭部に開口、副膵管(Santorini管)は主膵管の2cm頭側に開口
・黄疸→総ビが2以上で顕性、総ビ正常は1以下
・胆道から排泄された直ビが腸内細菌でウロビリノーゲンになり再び血中へ→直ビ排泄↑(溶血性貧血)で尿中UBG+、直ビ排泄↓(閉塞性黄疸)で尿中UBG-(正常尿中UBGは±)
・胆汁うっ滞:総Chol↑、リポ蛋白X↑、血清銅↑、脂溶性ビタミン吸収↓
・体質性黄疸:AST,ALT,LDH,ALP,LAP,γGTPは正常
 間ビ:Gilbert(軽症),Crigler-Najjar(重症→核黄疸)→フェノバルビタールで軽減
 直ビ:Rotor(幼児),Dubin-Johnson(思春期)
・ICG,BSPが延長するのはRotorのみ、Dubin-Johnsonは黒色肝とBSP再上昇、1人名はAD、2人名はAR
・肝不全=肝性昏睡=肝性脳症:高度の黄疸、腹水、出血傾向、精神神経症状。アンモニア増加、Fisher比低下(=BCAA/AAAの低下、BCAAはバリン、ロイシン、イソロイシン、AAAはチロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、AAAはBBBを通過して偽性神経伝達物質になる、BCAAはAAAのBBB通過を阻害)、chol/ChE/Alb低下、PT延長。エコーで腹水を伴った肝萎縮、脳波で三相波。誘引は高蛋白食、消化管出血(→NH3↑)、大量腹水除去、利尿薬(→肝血流↓)、低K/アルカローシス(利尿薬で起こしやすい、NH3がBBB通過しやすい)、便秘(→腸内細菌↑→NH3↑)。肝性昏睡Ⅰ度は睡眠覚醒リズム逆転、Ⅱ度は見当識障害、羽ばたき振戦、指示に従う、Ⅲ度はせん妄、羽ばたき振戦、指示に従わない。治療は劇症肝炎と同じ。
・劇症肝炎:急性肝炎による肝不全→肝炎発症8週以内、肝性昏睡2度以上、PT活性40%以下、急性型は10日以内に脳症、10日以降に発症する亜急性型の方が予後不良、AST,ALTは5000以上、間ビ優位の黄疸20以上(∵肝細胞全て破壊で抱合できない)
・劇症肝炎の検査:AST,ALT,LDHが急上昇のあと低下、にもかかわらず黄疸増強
・Child分類B:総ビ→2~3、Alb→3~3.5、腹水は治療可、意識障害軽度、栄養良好(Child-Pughでは栄養状態の代わりにPT活性40-70%)、Cでは肝切除しない
・Courvoisier徴候→膵頭部領域癌による無痛性胆嚢腫大、膵頭部領域癌=膵頭部癌、Vater乳頭部癌、下部総胆管癌
・門脈と肝動脈が合流→類洞→肝静脈→IVC
・肝前性/前類洞性門脈圧亢進:Banti、門脈塞栓、小児の門脈形成不全
 後類洞性門脈圧亢進:肝硬変
 肝後性門脈亢進:Budd-Chiari
・肝前性/前類洞性ではWHVP正常、後類洞性、肝後性ではWHVP上昇(WHVP=類洞圧)、WHVP上昇=WHVPがIVC圧より4mmHg高い
・小児では肝前性のものが多く、海綿状血管増生(側副血行)
・Banti(特発性門脈圧亢進症):原因は門脈域の線維化、CaputMedusae、診断は肝生検。治療は対症療法(食道静脈瘤、摘脾)
 Budd-Chiari:IVC閉塞、先天性は膜様閉鎖、後天性は腫瘍塞栓、APSによる血栓。上行性腹壁静脈怒張、ICG延長、下大静脈造影でSVCとIVCの離断、治療は経心房性用手的破砕術、カテーテル開通術
・Traube三角:第6肋骨、肋骨弓、前腋窩線で囲まれた場所。脾腫があるとTraube三角の胃泡鼓音が消失。正中線を越えて触知した場合も脾腫大
・LDH1,2→心臓と赤血球、LDH3→肺間質と結腸、LDH4,5→肝と骨格筋
 ALP1,2→肝、ALP3→骨、ALP4→胎盤、ALP5→小腸
 LAP(ロイシンアミノペプチダーゼ)→胆道系、胎盤
 γ-GTP→胆道系、飲酒
・腫瘍マーカー:AFP→肝細胞癌、肝芽腫、胎児性癌、奇形腫、無脳児、妊娠で↑、PIVKAⅡ→ビタミンK欠乏、肝細胞癌で↑
・肝線維化マーカー:血小板、Ⅳ型コラーゲン、ヒアルロン酸
・ICG延長(15分値10%以上)→肝硬変(40%超えると非代償性)、Budd-Chiari、Rotor
・排泄性胆道造影は閉塞性黄疸では無駄
・直接的胆道造影:PTC→肝内胆管拡張時、ERCP→合併症は膵炎、穿孔、胆道感染(∴急性膵炎では禁忌)、MRCP→非侵襲的
・胆道ドレナージ:PTBD→経皮経肝(閉塞性黄疸で肝内胆管拡張あるとき)、ENBD→経鼻内視鏡(閉塞性黄疸で肝内胆管拡張ないとき)、PTGBD→経皮経肝胆嚢ドレナージ
・門脈造影:腹腔動脈造影の門脈相、経皮経肝門脈造影(PTP)
・肝生検で確定診断→慢性肝炎、肝硬変、脂肪肝、Reye症候群(脂肪変性)、PBC(CNSDC)
・急性ウィルス性肝炎の症状:発熱、全身倦怠感、悪心嘔吐→症状軽快する頃に顕性黄疸、直ビ優位の黄疸(∵抱合はまだ余裕、肝細胞腫大で毛細胆管閉塞)、AST,ALTが1000以上、TTT,ZTT↑、ただし、肝性昏睡2度以上、PT活性40%以下が出てくると劇症化の可能性、治療は安静、高カロリー食、高蛋白食、ビタミン剤など。抗ウィルス薬は適応なし!
・劇症化:B、妊娠末期のE、A、D(要するにC以外は劇症化あり)
 慢性化(キャリア化):C、B(B型肝炎の慢性化はHBVのgenotypeAに多い、STDで増加傾向)
・肝炎合併症→再生不良性貧血(未知の肝炎ウィルス)、HBVキャリアでは膜性腎症、PN(HBsAb+HBsAgのIC→Ⅲ型アレルギー)、Gianotti症候群(小児のHBV水平感染で皮疹)
・B型肝炎:s抗原→e抗原→c抗体→e抗体→s抗体(s抗体+は症状出てから3ヶ月以降)。STD、針刺し、刺青、透析で成人に急性一過性、時に劇症化、しかし慢性化(キャリア化)はない、だがGenotypeAでは慢性化、肝硬変、肝細胞癌もある、日本に多いのはGenotypeC。HBVキャリア母から産道感染すると無症候性キャリア化、成人期に免疫が完成すると数%は慢性肝炎、肝硬変、肝細胞癌、HBVウィルスが変異すると劇症化もある。
・HBVキャリアからの新生児/針刺し:s抗原-なら、まずHBIg(=s抗体)、その後HBワクチン(HBVキャリア児は生後3ヶ月以内)
・C型肝炎:輸血、フィブリノーゲン製剤、凝固因子製剤、針を変えない予防接種で感染し、慢性化(キャリア化)し、肝硬変、肝細胞癌になる、HCVの現感染はHCV抗体ではできない→HCV-RNAをPCRで検出する、genotype1a1%、1b70%、2a20%、2b10%。
・慢性ウィルス性肝炎:6ヶ月以上持続する門脈域を中心とする持続性炎症→piece meal necrosis,bridging necrosis→線維化(F0-4)、活動性(A0-3)で分類、血小板が10万切るとF4(肝硬変)
・慢性ウィルス性肝炎の治療
 HBV:インターフェロン、エンテカビル、ラミブジン(逆転写酵素阻害剤、抗HIV薬、耐性ウィルス多い)
 HCV:PEGインターフェロン、リバビリン、瀉血(しゃけつ)で50%が有効(IFN単独ではgenotype1bでは20%しか有効でなかった)
・HCVインターフェロン治療が効かない→HCV-RNA量↑(100kIU/ml以上)、HCV遺伝子1b型、線維化強い(F4)
・肝硬変:肝全体の線維化、再生結節による偽小葉、肝機能低下と門脈圧亢進と肝細胞癌、エコーで腹水,表面凸凹著明,内部不均一、血小板10万以下ではF4、神経症状出れば非代償期で肝臓は小さく硬くなる、特発性細菌性腹膜炎(肝硬変による腹膜炎は浸出性なのに腹水所見は漏出性)
・肝硬変の腹水→フロセミド+スピロノラクトン(∵低K低Hでは肝性脳症誘発)+アルブミン輸液しながら腹水除去(1Lまで)
・特発性細菌性腹膜炎→肝硬変非代償期の感染源不明の細菌性腹膜炎。腹水中は好中球増加だが蛋白1g/dl以下(∵肝硬変)
・胃静脈瘤:バルーン閉塞下逆行性胃静脈瘤塞栓術(BRTO)→経皮経肝的に胃静脈にカテーテル挿入し硬化薬で塞栓、内頚静脈経由で胃静脈が腎静脈に流入している場所をバルーンで閉塞し、硬化薬が腎静脈に入らないようにする
・アルコール性肝障害:禁酒でγ-GTP↓、脂肪肝(禁酒で治る)→アルコール性肝炎or肝線維症(不可逆)→肝硬変
・アルコール性脂肪肝:ChE↑、bright liver、肝腎コントラスト、深部エコー減衰、病理でTG蓄積で肝細胞が空砲変性
・アルコール性肝炎:大酒飲みの酒量増加時、派手な急性肝炎症状(発熱、腹痛、悪心嘔吐、腹水、黄疸)、IgA↑、PT延長、肝生検で好中球浸潤、マロリー小体(ピンク色硝子体)、肝細胞のバルーニング、脂肪肝所見
・アルコール性肝硬変:均等な小結節(F型)、IgA↑、肝生検で脂肪肝所見+アルコール性肝炎所見+偽小葉、癌化はない
・脂肪肝:原因は酒、肥満、妊娠、DM、ステロイド、テトラサイクリン、クロロホルム、Reye症候群。アルコールはAST優位、肥満はALT優位
・NASH:過多栄養性脂肪肝は肝炎、肝硬変、癌化ないのに活性酸素で癌化するもの、治療はVitE、瀉血、サリドマイド(TNFα抑制)
・肝細胞障害型:αメチルドパ、イソニアジド、ハロセン→AST,ALT,LDH上昇
 胆汁うっ滞型:クロルプロマジン、プロピオチルウラシル、蛋白同化ステロイド→ALP,LAP,γ-GTP上昇
・肝細胞癌:原因はHBV、HCV、NASH、ヘモクロマトーシス、リンパ行性転移やVirchow転移は稀、門脈塞栓や肝静脈塞栓(Budd-Chiari)、被膜下肝癌は破裂して腹腔内出血によるショックおこす、肝硬変患者がALP↑、AFP↑(400以上)、PIVKAⅡ↑なら肝細胞癌、エコー所見はモザイクを取り囲む低エコー帯、腹腔動脈造影の門脈相で門脈塞栓ないか見る→TACEできるか判断
・肝癌治療
①ChildC、ICG>30%、総ビ2以上は肝区域切除ダメ
②門脈閉塞あればTACE(肝動脈化学塞栓、リピオドール+抗癌剤注入)、TAEダメ
③3cm,3個以内,単発5cm以内ならラジオ波(RFA)、マイクロ波(MCT)、アルコール局注(PEIT)OK
④肝動注化学療法はいつもOK
⑤3cm,3個以内,単発5cm以内,ChildC,肝外転移なし,他の治療ダメ→生体肝移植
・胆管細胞癌:肝門部胆管癌では閉塞性黄疸、その他は肝硬変合併なく、症状もない、CEA,CA19-9は上昇
・転移性肝癌:大腸癌の肝転移は高分化型腺癌なので肝切除行う、胃癌転移は低分化なのでしない
・肝血管腫:やわらかいので胆道系酵素↑や黄疸なし、dynamicCTで辺縁から造影されプーリングが長い、血管造影でcotton wool、症状(DICなど)があればカテーテル塞栓の後、肝切除
・肝嚢胞:やわらかいので胆道系酵素↑や黄疸なし、エコーで内部の無エコー、大きいものは穿刺廃液しエタノール注射
・肝膿瘍:
Entamoeba histolytica:右葉、単発性、腸管症状あるのは半分、血清アメーバ抗体、膿瘍穿刺液がアンチョビペースト状、治療はメトロニダゾールで治る
大腸菌/クレブシエラ/嫌気性桿菌/腸球菌:多発性、胆管炎から続発し予後不良、治療はPTCドレナージで減圧+抗菌薬
・肝包虫症:エキノコッカス、北海道居住歴、卵殻状石灰化、治療は肝切除
・自己免疫性肝炎(AIH):成人女性、HLA-DR4+、LE細胞+SLE症状ならルポイド肝炎、抗核抗体、抗平滑筋抗体、肝硬変に進行、治療はステロイド、免疫抑制剤
・PBC:中年女性、CNSDC、抗ミトコンドリア抗体、25%でAIHの抗核抗体が+、胆汁うっ滞→血清Cu↑、黄疸に先行するかゆみ、黄色腫、骨粗鬆症(∵VitD吸収↓)、橋本病やSjogrenの合併、治療はウルソデオキシコール酸(ステロイド禁忌)
・PSC:成人男性、数珠状胆管、消長をくりかえす閉塞性黄疸、UC合併、自己抗体は陰性、治療は胆道ドレナージ、ステント留置、肝移植
・胆石
①コ石は高脂血症(DM,IVH,妊娠,ソマトスタチノーマ)が原因で胆嚢内→脂肪食で誘発される右季肋部の疝痛発作、胆嚢炎(壁が肥厚)あれば収縮能↓で痛みないことも
②ビ石は胆道感染が原因で胆道内→持続的な右季肋部痛と閉塞性黄疸
③黒色石は溶血(人工弁、肝硬変)が原因で胆道内
コ石は5F(fatty,female,forty,fertile多産,fair白人)、コ石が胆道内に出て行く場合やビ石が胆嚢内にできることもある、純コ石は割面が放射状、混成石は中は放射状,外は層状でrim sign、混合石は放射,層状が混合でベンツ徴候、ビ石は層状、エコーはacoustic shadow
・Murphy徴候:右季肋部を押さえて吸気すると痛みで途中で止まる
 Mirizzi徴候:胆嚢内胆石なのに、石が胆嚢管に嵌頓して総胆管を圧迫し閉塞性黄疸を起こしたもの
・胆石治療
胆嚢内胆石:コ石が多いので胆汁酸製剤(石灰化なし、15mm以下、胆嚢収縮正常)、ESWL(3cm4個以内、胆嚢収縮正常)、腹腔鏡下胆嚢摘出術(胆嚢癌の原因なのでsilent stoneでも胆摘)
胆道内胆石:まず胆道ドレナージ、ESWL、内視鏡下乳頭切開(術後は上行性感染起こしやすい)、内視鏡下乳頭バルーン拡張、腹腔鏡下胆管切開
肝内胆石→経皮経肝胆石除去、肝切除
・胆道炎:急性閉塞性化膿性胆管炎AOSC、到命率高い、Charcot3徴→悪寒戦慄伴う発熱、黄疸、腹痛、Reynolds5徴→Charcot3徴+ショック、意識障害、治療は緊急ドレナージ+抗菌薬
・胆管癌:膵胆管合流異常の合併、CA19-9陽性、治療はまずPTCドレナージで減黄、その後手術(上部は肝合併切除、下部はPD=膵頭十二指腸切除)、ゲムシタビン
・Vater乳頭部癌:高齢男性、動揺性黄疸(胆道系酵素、直ビも動揺)、閉塞性膵炎、消化管出血→膵頭部領域癌では比較的早期発見
・胆嚢癌:高齢女性、原因は胆嚢内胆石、膵胆管合流異常、陶器様胆嚢、2cm以上、辺縁不整、acoustic shadowなし、CEA、CA19-9、発見時は進行し予後不良、治療は開腹し胆嚢摘出+リンパ節隔清、ゲムシタビン
・胆嚢ポリープ:胆嚢癌との鑑別が必要、10mm以上なら癌を疑って胆嚢摘出、腺腫性ポリープは癌化する、コレステロールポリープは癌化なし、
・先天性胆道閉鎖症CBA:遷延性黄疸(病的黄疸=24h以内ではない)、胎便は正常、生後2M以内に葛西手術(肝門部胆管空腸吻合術)をしないと死ぬ、肝内胆管閉塞では葛西手術無効
・先天性胆道拡張症CBD:発症は2才~50才の女性、膵胆管合流異常が基礎、triasは腹痛、黄疸、腹部腫瘤、治療は総胆管や胆嚢が癌化するので拡張胆管胆嚢切除
・急性膵炎:CTで黒ければ壊死性、白ければ浮腫性
毛細血管透過性亢進でhypovolmic shock、ARDS(左側胸水)、ARF、Ht↑、DIC→Cullen徴候(臍が赤い)、Grey-Turner徴候(左側腹部が赤い)
膵外分泌酵素が血管内流入で血中/尿中/胸水中アミラーゼ↑、脂肪溶解→高脂血症,アシドーシス,低Caでテタニー、麻痺性イレウス(colon cut-off,sentinel loop)、仮性膵嚢胞(2-3週後)
インスリン分泌↓でBS↑
原因は大量飲酒でVater浮腫、乳頭部結石嵌頓、腹部外傷、ERCP、ムンプス
治療は絶飲絶食、胃液吸引、PPI、ショックに輸液とステロイド、FOY(メシル酸ガベキサート)、抗菌薬静注
・慢性膵炎:原因は酒、胆道疾患、自己免疫。セクレチン試験でHCO3↓、BT-PABA試験で尿中PABA↓、耐糖能異常、ERCPで膵管数珠状拡張、単純Xpで膵に一致した石灰化、治療は禁酒、脂肪食制限、消化不良にはリパーゼ経口投与、DMにはインスリン、膵石にはESWL
・自己免疫性膵炎:PSCの膵管版、高齢男性、無痛性閉塞性黄疸で発症、IgG4、自己抗体+、ステロイド有効
・膵癌:CA19-9↑、CEA、hypovascular、腹腔動脈浸潤あれはⅢ、遠隔転移あればⅣ、Ⅰ/Ⅱは外科手術、Ⅲ/Ⅳはゲムシタビン、TS-1、緩和ケア
 膵頭部:多い(2/3)、閉塞性黄疸、Courvoisier徴候、乳頭部癌は消長する黄疸、減黄してPD
 体尾部:神経を巻き込んで疼痛激しい、急に耐糖能異常、左上腹部血管雑音、体尾部脾合併切除
・膵嚢胞:上皮が増殖した真性と膵炎後の仮性、真性にはIPMTやMCNがある、症状は腹痛、腹部腫瘤、仮性は中に膵液→破裂でショック、治療は真性は癌化するので摘出、仮性は自然消失しない時は嚢胞空腸吻合術
・膵粘液性嚢胞腫瘍MCN:膵管の嚢胞状拡張、中年女性、体尾部、卵巣様間質組織、癌化するので体尾部切除、膵漿液性嚢胞腫瘍なら癌化はまれ
・膵管内乳頭粘液性腫瘍IPMT:膵管の嚢胞状拡張、高齢男性、頭部、膵管鏡でイクラ状、内視鏡でVater乳頭部開大、癌化するのでPD
・膵島腫瘍:hypervascular、尾部に多い、インスリノーマのみ良性、他は悪性
 インスリノーマ:Wipple3徴(BS<50、中枢症状、ブドウ糖で劇的回復)
 グルカゴノーマ:DM、壊死性遊走性皮膚炎
 ガストリノーマ:MENⅠに合併、Z-E症候群(水様性下痢、多発性難治性潰瘍、BAO↑、BAO/MAO>0.6、セクレチン試験でガストリン↑)、治療は摘出できなければH2ブロッカー、PPI、ソマトスタチンアナログ
 ソマトスタチノーマ:インスリン↓→DM、CCK-PZ↓→脂肪性下痢/胆石、ガストリン↓→胃酸↓
 VIPoma:WDHA症候群(水様性下痢、低K、無酸症)