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2017年1月14日土曜日

褥瘡について①

褥瘡:
全身状態の反映したもの
評価を継続する
適切な治療介入
医療材料、薬剤の処方

できやすい人:
OHスケール、在宅K式スケール:体動ができない、栄養状態が悪い(低Alb、貧血、浮腫)、骨突出がある、介護環境が悪い(清拭が不十分、ギャッジアップでの皮膚のずれ、排泄後のおしめ交感が遅れる)、関節拘縮

予防:
・体圧分散寝具(仙骨部とベッドの間に手を入れてみる)
・ポジショニングの工夫
・適度な体位変換(本来は2時間おきだが。。。夜中起きたら1回変換してと言う。3時間おきくらい。)

3日間くらい高熱で動けない→褥瘡できてしまった!
まずは以下をチェック
・褥瘡の局所状態の評価:designR
①depth(d:真皮まで、D:皮下組織)
真皮までなら毛穴が見える→治癒まで2-3週間
毛穴がない、黄色っぽいなら皮下組織まで達している→肉芽ができないとなおらない、2-3か月かかる
黒い壊死を伴うものは感染を起こしやすいので除去する
不整形の紫色も注意、より深くなってくることも
黄、黒、紫はピンセットでつまんでハサミで除去していく
膿があれば排膿する
出血してくれば中止し、カルスタット、ソープサン、アルゴダームなどの被覆材を貼っておく
②exudate(浸出液:ドレッシング交感の頻度 e:1日1回、E:1日2回以上)
浸出液が多い場合はイソジンシュガーパスタ、カデックス軟膏、ゲーベンクリームなど感染予防の軟膏を使う
肉芽形成促進はアルキサ軟膏、オルセノン軟膏、フィブラストスプレー
③size(大きさ:長径cm×最大径cm、s:100未満、S:100以上)
④infection(感染徴候、i:なし、I:あり
⑤granulation tissue(g:50%以上、G:50%以下)
⑥necrotic tissue(n:なし、N:あり)
⑦pocket(p:なし、P:あり)
・栄養状態
・介護環境や事情

認知症に伴う自律神経障害とパーキンソンニズム

認知症
・認知機能低下
・BPSD(周辺症状)
・自律神経障害
・パーキンソンニズム

☆自律神経障害
①循環器系:血圧変動
 ・起立性低血圧:立ちくらみ、頭重感、失神(→転倒の危険性)
  治療:急に立ち上がらないように、降圧剤を中止する、下肢に弾性ストッキング、交感神経系刺激薬(塩酸ミトドリン、ドロキシドパ、メシル酸アメジニウム)、血管拡張抑制薬(塩酸プロプラノロール)、血漿増量薬(フルドロコルチソン)
 ・食後性低血圧:食事を食べているとき、食後にぼーっとしてくる、眠くなる→そのときに血圧測定を、誤嚥、窒息の危険性
  治療:少量頻回の食事にする、たくさん一度に食べない、ゆっくりよく噛んで。食前に短時間作用型の昇圧剤(塩酸ミトドリン)
 ・臥位高血圧:起立性低血圧の人が寝ると血圧が急上昇する(立ち上がると60台、寝ると180台など)
  低血圧を起こしやすい要因(脱水、便秘、いきみ、高温環境)を避ける
  治療:頭部の挙上20-30度
②泌尿器系:排尿障害
 ・畜尿機能障害(DLBに多い)
  →頻尿、尿意切迫、尿失禁
   夜間頻尿は高齢者では2回を超える場合→睡眠不足~認知機能低下
 ・排出機能障害 カテーテルを入れてどれくらい残っているか
  →排尿困難、残尿、尿閉
 治療
 畜尿障害:
 抗コリン薬(プロピベリン、トルテロジン、イミダフェナシン、ソリフェナシン)、Ca拮抗薬(フラボキサート)、三環系抗うつ薬(アミトリプチリン)
 排出障害:
 α1遮断薬(タムスロシン、ウラピジル、ナフトピジル)、抗ChE薬(ジスチグミン)
③消化器系
 ・便秘、麻痺性イレウス、胃排出機能低下(DLBでレボドパの効果減弱)、糞便性の閉塞性イレウス
  治療:食物繊維と水分をよくとる、消化管運動障害をきたしうる薬剤を控える、便秘薬(酸化マグネシウム、センノシド)、消化管運動促進薬(ドンペリドン、モサプリド、大建中湯)
  不溶性食物繊維は便の量を多くして消化管刺激→とりすぎると閉塞の原因なので不溶性食物繊維:水溶性食物繊維が2:1になるように摂取する
④発汗障害:過多、減少
 ・下半身の発汗が低下し、その代わりに上半身の発汗が過多になる
  治療:発汗過多による脱水、うつ熱になりやすい→冷やすこと、適宜下着のとりかえ、水分摂取を心がける、湿疹対策
  →交感神経系の障害の証拠。他の自律神経障害がないかチェックする。
⑤呼吸器系:高炭酸換気応答障害
 DLBに多い、高炭酸換気応答検査で調べる。CO2ナルコーシスの可能性もあり。呼吸抑制作用のある薬物の使用に注意する。

☆錐体外路症状
・認知症患者のQOLを低下させる原因として錐体外路症状がある。
・DLB、PSP、皮質基底核変性症、アルツハイマー病(しばしば見かける)、脳血管性認知症、正常圧水頭症、慢性硬膜外血種で生じうる。
・震える、うまく歩けない、転びやすくなる等。
・錐体路:皮質脊髄路、皮質延髄路
 錐体外路:基底核と視床、脳幹の神経核を結ぶ経路(錐体路以外)
・認知症(脳萎縮)が原因のParkinsonism:筋固縮、振戦、無動、姿勢反射障害
①歩きづらさ
PD:前かがみ、歩幅狭い、小刻み
PSP:バランスが悪い、後ろに倒れる
すくみ足;PD、PSP、脳血管性Parkinsonism、正常圧水頭症
いったん止まるとなかなか1歩が出ない
診察が終わって、立ち上がるが、なかなか動き出せないのはすくみ足の症状

抗パーキンソン病薬
すくみ足にはドロキシドパ有効
歩くスペースを確保
障害物をなくす
手すり
段差をなくすor段差に目印
椅子やベッドの硬さや高さを調節

感覚刺激を利用する
音楽や掛け声が一歩を踏み出しやすくなる
トイレなどの狭いところでの方向転換が難しい→床に米のマークのテープをつけると方向転換しやすい
歩くときは歩くことに集中する
杖を使うことに気を取られて、転びやすくなることもある
②飲み込みづらさ
反復唾液嚥下テスト
のどぼとけ(喉頭隆起)に指をあてる
から嚥下を30秒間に3回以上できればOK
抗パーキンソン病薬
嚥下訓練:鼻から域を大きく吸って止める→から嚥下した後に勢いよく息を吐きだす
首を前に倒す
飲み物を飲むときはストロー使うとよい
首を少し回すと頸椎による咽頭、食道の圧迫解除
水分にとろみをつけると通過速度を遅くして嚥下反射が遅れている人の誤嚥を防ぐ
喉頭蓋に食物がたまる場合は水分と食事を交互に摂取する
食べやすい食器
スプーンやフォークを使う
③ウェアリングオフ現象
薬の効いているときと効いていないことがある
なまけているのではない
④仮面様顔貌
感情がないのではない

・薬剤性Parkinsonismを除外する
両側性、姿勢反射障害やすくみ足など歩行障害が目立つ、月単位でPDより亜急性に進行、Lドーパの効果が乏しい
抗精神病薬(リスパダールなど)、抗うつ薬、制吐剤の他にバルプロ酸、ラニチジン、Ca拮抗薬、アミオダロン、レセルピン、アンホテリシンBでも生じ得る
原因薬剤開始から1-3か月で生じ、原因薬物の中止で数か月かかることがある

2017年1月10日火曜日

主婦湿疹 (家婦湿疹)

主婦湿疹 (家婦湿疹)
1)治療  
⓪ワセリン塗布(サリチル酸ワセリン)  
①ステロイド外用、亜鉛華軟膏の重層、ひび割れにはデュオET  
例)・アンテベート軟膏1日2回単純塗布
   ・リンデロンVG軟膏+亜鉛華軟膏1日1回重曹塗布
②痒ければアレグラ
2)予防  
①ユベラ軟膏、冬に  
②ザーネ・ヒルドイド
例)・市販のザーネクリーム
   ・ヒルドイドソフト軟膏(0.3%)1日2-3回単純塗布
3)生活指導  
①手を濡れたままにしない  
②ゴム手袋の常用、綿手の併用 などでしょうか
注意)ハンドクリーム(界面活性剤)や尿素の入ったもの(ケラチナミン、ウレパール、ニベア)は禁忌

2017年1月6日金曜日

渡航地での感染対策

渡航地のリスク
感染症
渡航先の感染症で死ぬ原因は1.4%ほどだが、予防可能なので対策をとっておく
①経口感染症
・旅行者下痢症 20-40%
 原因菌:大腸菌、カンピロバクター、サルモネラ、エアロオナス、ピレジオモナス、赤痢菌、ノロウィルス、ロタウィスル、ジアルジア、クリプトスポリジウム。硬水での下痢もあるので注意。
・A型肝炎 0.04%
・腸チフス 0.03%(東南アジア、中央西アフリカ)
(対策)
・水道水は飲まないこと
・氷も入れない(氷=水道水)
・生ものは避ける
・ペットボトルの水も安全ではない
・炭酸入りのミネラルウォーターはより安心
・屋台は避ける
・フルーツは自分で剥く(ナイフはトランクに入れれば持っていくことができる)
・ワクチン:A型肝炎、腸チフス、コレラ
・予防内服:ロペラミドの事前処方、経口補水液
・水分が取れず脱水傾向あるとき、血便、高熱併発しているときは現地の医療機関受診を
②vector borne disease
<蚊>
・マラリア 0.2-3%(アフリカ)
 蚊は雨季に多い。マラリアノの媒介蚊は夕方~夜に活動する。
 ワクチンはないが予防内服はある(トラベルクリニックに紹介を)
 中国、台湾、マレーシア、パキスタン、アフリカ、メキシコ、南米など温かい地域はすべてマラリアの流行地
・デング熱、チクングニア熱 1%
 媒介蚊は日中に活動
・黄熱病
・日本脳炎
・ウエストナイル熱
(対策)
・肌の露出を減らす
・帽子、靴、靴下の着用
・宿泊施設には網戸があるか
・虫よけの使用(DEET含有のもの、10%濃度(日本製)なら1-2時間持続、20%以上なら4時間持続、洋服の上からも散布しておく、首の後ろ、耳の後ろ、効果は濃度に関係なし)
<ダニ>
・ダニ脳炎 0.01%(中欧)
・ライム病
(対策)
・草原や森林地帯を避ける
・ダニは草の先にいて、人間が通りかかると飛び移って血を吸うため、肌の露出を避ける、ウエスト、わきの下、足指をかまれやすいのでカバーする。
・虫よけの使用(蚊と同様)
<他>
・サシガメ:シャーガス病(南米)
・サシチョウバエ:リーシュマニア(パキスタンから地中海沿岸、南米)
・ツェツェバエ:アフリカ睡眠病(アフリカ)
③性行為感染症
・B型肝炎 0.005%
・HIV感染症 0.002%
(対策)
・現地で針治療を受けない、入れ墨しない、麻薬に手を出さない
④その他
・狂犬病 0.4%
 日本、オーストラリア、北欧以外はすべて感染の可能性あり
 犬、サル、コウモリに噛まれて感染し、発症すれば100%死亡する
 ワクチンは日本での認可ワクチンはないのでトラベルクリニックで輸入のワクチンを接種する

2017年1月5日木曜日

低用量ピルについて

低用量ピルについて
・月経周期をコントロールする
・体重増加はない
・自費診療
・排卵抑制、頸管粘液の低下、着床障害の作用で避妊効果
・少量E+少量Pで服用中は卵巣は休憩する
・月経量は少なく、月経痛も軽い
・絶対妊娠していなならいつから飲み始めても構わない
・土日の月経を避けたれば日曜日から飲み始める
・血栓症リスクはヤーズやマーベロンで高い(特にヤーズでは死亡例も出ている)
・低用量ピル初回処方問診シートがるのでチェックする(15本以上の喫煙、高血圧、DM、前兆を伴う片頭痛などなど)
・不正出血、頭痛、悪心、浮腫は3か月で消失するが、ひどい時は他のピルに変更する
・血栓症は処方開始後1年以内が多い
・ACHESの症状があれば緊急受診(abdominal pain、chest pain、headache、extremity leg pain、sight change)する

インスリン導入に関して

<インスリン導入>
☆目標
・発症早期、60歳以下、低血糖なしではA1c6%未満を目指す
・8年以上のDM歴、合併症あり、低血糖を起こしやすい、治療意欲が低い場合は7-9%を目指す
☆インスリン導入の条件
・A1c10%、空腹時250、随時300以上
・コントロール不良で体重減少がある場合
・高齢者で内服困難な場合
・一時的な糖毒性の場合
・ケトンが1+以上ならemergency
・1型DM
・SPIDDM 成人になってから抗GAD抗体が陽性になったもの。これまで内服でコントロール可能だったのに、急にコントロールが悪くなっていく場合
・肝機能、腎機能異常があるとき
・SU薬が最大投与量の半分量を投与している場合(SUの受容体は最大投与量の半分で全部占拠されている→最大投与量に近づけても効果は上がらない)
・SUがはじめは効いていたがだんだん効かない場合(二次無効)
・インスリン分泌能が低下している場合
 血中Cペプチド
 空腹時0.5ng/ml以下
 随時1.0ng/ml以下
 ならインスリン分泌能低と考える
☆インスリン導入に関して考えること
・本人が打てるか(認知症ないか?)
・家族が協力できるか
・インスリン治療を受け入れることができるか
・低血糖に対応ができるか
・インスリン薬価、指導管理料が払えるか
・インスリン導入の絶対禁忌はなし
☆専門医へ相談すべき状況
・1型DM、SPIDDM
・高血糖クライシス
・居次期防でコントロール困難
・妊娠が判明
☆導入時の心理的ハードルをクリアする
・実際の針、デモ機を見せる(こんなに細くて楽な針ですよ、30-32G)→それほど痛くない、怖くない
・ほかの医者が見てもインスリン治療だと思います
・井戸水が枯れると大変、今は膵臓を休めましょう
・1日1回だけやってみましょう→面倒でもない、生活制限は少ない
・最終手段ではない、早期から考慮される自然な治療→一生打つ必要はない
☆導入の手順
①BOT basal supported oral therapy
・内服薬に1日1回の持効型を加える
・持効型4-8単位1日1回から始める
・受け入れやすい、低血糖リスクが比較的低い
・1日1回の自己注射でも保険で血糖自己測定を行える
・生活が不規則でも導入しやすい
・SU剤はhalf-maxまで減量か少量なら中止
・SMBGは朝食前に1回のみ
・ただし、食事が1回、まるまる抜けることがある人、皮下注の時間が1時間以上ずれる人は導入は難しい
②BOTでも無理な場合は、
持効型+追加インスリン1回
持効型+追加インスリン2回
持効型+追加インスリン3回
と増やしていく
(超即効型を使う場合はSUやグリニドは中止する)
③BSスパイクがある場合
・1番食事量が多いところに超即効型のインスリンを2-4単位食直前に接種
・グリニド薬1錠ずつ各食直前に追加
・DPP-4阻害薬を追加
ただし、SUとグリニドは両方同じSU受容体を占拠するので、併用しても意味がない
☆ビグアナイド薬を使わない場合
・70歳以上(慎重投与)
・腎機能低下
・脱水になりやすい人
・シックデイ
・アルコール多飲者
・ショック
・心不全
・呼吸不全

2017年1月1日日曜日

医学部での勉強の仕方

☆医学部での勉強の仕方
<教養、基礎編>
・今振り返れば、というところを記載してます。
・教養はほぼどうでもいい。通ることが目的。意外とここで留年する。友達を作っておこう。
・基礎は解剖、生理、薬理あたりが臨床に直結する。
・解剖はビデオ(解剖全体を解説したビデオがある)やアプリ(バーチャルで解剖ができるアプリがある)で予習しておくとよい。全体像を掴んでから、講義や実習に望むことが大切。特になにも把握せずに実習に行っても、必要な構造を見落としてしまう。
・解剖は骨の各部の名称や筋の起始停止を闇雲に覚えようとするとかなり大変なので、過去問を入手しどの程度のレベルまで覚える必要があるのかを確認しておく。筋の起始停止はおおよその筋の位置関係を知っておけばよいと思う(○×形式のテストが大半だと思う)。
・生理や薬理は範囲が広いので講義を受けた後に詳細を成書で詰めるのがよい。生理はガイトン、薬理は標準がよかった。生理はステップ内科の該当範囲を読んでもよかったとも思う。
・病理、微生物学、法医学、公衆衛生は通りさえすればいいかなとも思う。どれも突き詰めると大変だが、実際の臨床ではあまり活用しないというか。
・基礎学科用に医師国家試験予備校からオンデマンドビデオがオンラインで見れるのでそれを利用してもよい。
<臨床編>
・医師国家試験に関して言えば内科が8割を占める。
・内科、産婦人科、小児科は講義の前にステップシリーズで予習するか、医師国家試験予備校のオンデマンドビデオを見て概要を掴んでおくとよい。大学にもよるが、医師国家試験だけを考えるなら講義に出る必要はない。が、専門医に直接教えをがっつり受けれる機会は臨床過程しかないので、出て損はないと思う。質問するのもよいだろう。学生レベルの質問なら大抵答えてくれる。貴重。
・外科は実習が大切。術後管理をどのようにしているかなど積極的に実習に臨む。将来外科に進まないからという態度はいけない(自分にとって不利益)。
(続く)