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2017年1月5日木曜日

インスリン導入に関して

<インスリン導入>
☆目標
・発症早期、60歳以下、低血糖なしではA1c6%未満を目指す
・8年以上のDM歴、合併症あり、低血糖を起こしやすい、治療意欲が低い場合は7-9%を目指す
☆インスリン導入の条件
・A1c10%、空腹時250、随時300以上
・コントロール不良で体重減少がある場合
・高齢者で内服困難な場合
・一時的な糖毒性の場合
・ケトンが1+以上ならemergency
・1型DM
・SPIDDM 成人になってから抗GAD抗体が陽性になったもの。これまで内服でコントロール可能だったのに、急にコントロールが悪くなっていく場合
・肝機能、腎機能異常があるとき
・SU薬が最大投与量の半分量を投与している場合(SUの受容体は最大投与量の半分で全部占拠されている→最大投与量に近づけても効果は上がらない)
・SUがはじめは効いていたがだんだん効かない場合(二次無効)
・インスリン分泌能が低下している場合
 血中Cペプチド
 空腹時0.5ng/ml以下
 随時1.0ng/ml以下
 ならインスリン分泌能低と考える
☆インスリン導入に関して考えること
・本人が打てるか(認知症ないか?)
・家族が協力できるか
・インスリン治療を受け入れることができるか
・低血糖に対応ができるか
・インスリン薬価、指導管理料が払えるか
・インスリン導入の絶対禁忌はなし
☆専門医へ相談すべき状況
・1型DM、SPIDDM
・高血糖クライシス
・居次期防でコントロール困難
・妊娠が判明
☆導入時の心理的ハードルをクリアする
・実際の針、デモ機を見せる(こんなに細くて楽な針ですよ、30-32G)→それほど痛くない、怖くない
・ほかの医者が見てもインスリン治療だと思います
・井戸水が枯れると大変、今は膵臓を休めましょう
・1日1回だけやってみましょう→面倒でもない、生活制限は少ない
・最終手段ではない、早期から考慮される自然な治療→一生打つ必要はない
☆導入の手順
①BOT basal supported oral therapy
・内服薬に1日1回の持効型を加える
・持効型4-8単位1日1回から始める
・受け入れやすい、低血糖リスクが比較的低い
・1日1回の自己注射でも保険で血糖自己測定を行える
・生活が不規則でも導入しやすい
・SU剤はhalf-maxまで減量か少量なら中止
・SMBGは朝食前に1回のみ
・ただし、食事が1回、まるまる抜けることがある人、皮下注の時間が1時間以上ずれる人は導入は難しい
②BOTでも無理な場合は、
持効型+追加インスリン1回
持効型+追加インスリン2回
持効型+追加インスリン3回
と増やしていく
(超即効型を使う場合はSUやグリニドは中止する)
③BSスパイクがある場合
・1番食事量が多いところに超即効型のインスリンを2-4単位食直前に接種
・グリニド薬1錠ずつ各食直前に追加
・DPP-4阻害薬を追加
ただし、SUとグリニドは両方同じSU受容体を占拠するので、併用しても意味がない
☆ビグアナイド薬を使わない場合
・70歳以上(慎重投与)
・腎機能低下
・脱水になりやすい人
・シックデイ
・アルコール多飲者
・ショック
・心不全
・呼吸不全

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