中年以降の突然発症の激痛
急性薬物中毒
骨折
胸痛
胸部大動脈解離の除外
肺塞栓の除外
心電図のpitfall
腹痛
上腹部痛
右季肋部痛
左季肋部痛
右下腹部痛
左下腹部痛
下腹部痛
腹部全体痛
臍の痛み
腰痛
頭痛
髄膜炎
ステロイド力価
頚部痛
軽症頭部外傷
意識障害
TIAでの入院基準
頭部MRIの見方
血糖値とNaの関係
失神
弁膜症の手術適応
痙攣
眩暈
ふらつき
呼吸困難(SpO2の低下)
人工呼吸器について
血ガスについて
嘔吐
急性胃腸炎
下痢
吐血、下血、血便
便潜血について
吐血で緊急内視鏡適応でない場合
過換気症候群
不眠症
頸椎捻挫
高血圧
鼻出血
かぜ
妊娠中のインフルエンザについて
咽頭痛
尿管結石
発熱
敗血症性ショック
蕁麻疹
動悸
Afでの抗凝固療法開始基準
頻脈性不整脈の鑑別
徐脈
蜂窩織炎/壊死性筋膜炎
裂創/切創
爪の外傷
動物咬傷
指趾切断
多発外傷
熱中症
しびれ
こむらがえり
臀部痛
粉瘤
異物
気道異物
鼠径ヘルニア
肩こり
肘内障
顎関節脱臼
関節痛/骨痛
義歯誤飲
熱傷
慢性咳嗽
歩行障害
呂律困難
麻痺
体重減少・食思不振、いつもと違う
血算の異常
CPA高血糖
自己抜去(PEG/フォーリー/胃管/気管カニューレ)
脂質異常
糖尿病
入院させた後に気をつけること
胸腔ドレーンの入れ方
中心静脈留置カテーテルの入れ方
ステロイドテーパリングの方法
CFやGFで癌が見つかった時のムンテラ
針刺し時の血液検査
CTの読み方
イレウス管留置方法
CFのフォローアップ期間
結核の診断と結核が見つかった時の対応
ポリペク後の抗血小板薬の再開時期
間質性肺炎の分類と治療
ウィルス性肝炎の治療
胃炎の京都分類
インスピロンの設定について
内視鏡時の抗凝固薬、抗血小板薬の取り扱い
輸入感染症
調理師の便培養陽性
経口投与抗生剤のバイオアベイラビリティ
脂肪肝
PEG患者の嘔吐
健診で尿潜血陽性が出た場合
内視鏡の肉眼分類
胃瘻交換
終末期の予後予測ツール
酸素指示
浮腫の原因
PSAについて
IVH後に肝機能異常をきたした場合
CEA軽度上昇について
カテ熱(CRBSI)について
ワクチンについて
ペースメーカー植え込みや胃瘻患者の死後対応
医療区分について
感染対策(インフルエンザ、ノロ、MRSAなど)
梅毒検査について
免疫抑制、化学療法開始時のHBV再活性化リスク評価について
悪性症候群について
S型アミラーゼ上昇時の鑑別
胃癌のABC検診
ALP高値について
CD関連腸炎での隔離の方法と隔離解除について
療養病院での肺炎、心不全管理
療養病院でのIVH管理まとめ
終末期で高Na血症なのに浮腫や胸水が生じる理由
終末期で痰詰まりによる死亡の場合の死亡診断書やICについて
繰り返す水疱
人工呼吸器アラーム対応
高齢者の強い皮膚掻痒感/かゆみ
抗生剤のMICについて
尿量減少時の対応
生食ロックとヘパリンロック
潜在性甲状腺機能低下症
CVポートで点滴漏れが生じたとき
健診でγGTPのみ上昇している場合
半減期と投与間隔
HTLV-1について
ダイエット薬について
EDについて
AGAについて
中年以降の突然発症の激痛
<中年以降の突然発症の激痛>
★突然発症の背部、腹部、下腹部の激痛は血管病変をまず考え、造影CTを行う。
★中年、高血圧、喫煙歴、抗癌療法中の背部痛では、まず大動脈解離を否定する。
☆解離はまず除痛と降圧。除痛はソセゴン(ペンタゾシン)を痛みが止まるまで10A(1Aは15mg/1ml)まで頻回投与。降圧はラジストン(ニカルジピン)1㎎/1mlを頻回静注、ニカルジピン10mg10ml2Aを生食20mlに溶いて5ml/hrから持続投与開始。
☆既往なければ、除痛と降圧しながら、すぐに造影CTに行くこと。激痛=痛い痛いとずっと言っている状態。
☆突然の激痛の例
・突然の頭部の激痛+Cushing sign+意識障害⇒SAH(SAHでCPAになることあり!!心電図変化も来る! !)・突然の背部の激痛+収縮期200以上+喫煙歴⇒大動脈解離
・突然の腹部の激痛+腹部軟+ショックバイタル+喫煙歴⇒腹部大動脈破裂
・突然の腹部の激痛+腹部軟+ショックバイタル+Af/HD⇒SMA塞栓症
・突然の下腹部の激痛+腹部軟+ショックバイタル+喫煙歴⇒総腸骨動脈瘤破裂
☆”裂ける痛み”や”移動する痛み”と言う場合は少ない。”イタイ、イタイ”と唸っていて、冷や汗を伴って、応答もきちんとできない、意識混濁の場合が多い。
cf)StandfordB型解離の手術適応:
片肺換気、肺切除も伴うのでそもそもriskの高い手術であり、内科的治療の方が成績が良い。
①破裂したとき、②偽腔に流入があり55㎜以上で破裂の危険性大(瘤は60㎜以上だが解離あれば5㎜マイナス)、③CA/SMA/IMA噛んでる時(腎動脈噛んでるときは大抵片側であり後腹膜操作となりrisk大なので緊急手術にならない)
★突然発症の背部、腹部、下腹部の激痛は血管病変をまず考え、造影CTを行う。
★中年、高血圧、喫煙歴、抗癌療法中の背部痛では、まず大動脈解離を否定する。
☆解離はまず除痛と降圧。除痛はソセゴン(ペンタゾシン)を痛みが止まるまで10A(1Aは15mg/1ml)まで頻回投与。降圧はラジストン(ニカルジピン)1㎎/1mlを頻回静注、ニカルジピン10mg10ml2Aを生食20mlに溶いて5ml/hrから持続投与開始。
☆既往なければ、除痛と降圧しながら、すぐに造影CTに行くこと。激痛=痛い痛いとずっと言っている状態。
☆突然の激痛の例
・突然の頭部の激痛+Cushing sign+意識障害⇒SAH(SAHでCPAになることあり!!心電図変化も来る! !)・突然の背部の激痛+収縮期200以上+喫煙歴⇒大動脈解離
・突然の腹部の激痛+腹部軟+ショックバイタル+喫煙歴⇒腹部大動脈破裂
・突然の腹部の激痛+腹部軟+ショックバイタル+Af/HD⇒SMA塞栓症
・突然の下腹部の激痛+腹部軟+ショックバイタル+喫煙歴⇒総腸骨動脈瘤破裂
☆”裂ける痛み”や”移動する痛み”と言う場合は少ない。”イタイ、イタイ”と唸っていて、冷や汗を伴って、応答もきちんとできない、意識混濁の場合が多い。
cf)StandfordB型解離の手術適応:
片肺換気、肺切除も伴うのでそもそもriskの高い手術であり、内科的治療の方が成績が良い。
①破裂したとき、②偽腔に流入があり55㎜以上で破裂の危険性大(瘤は60㎜以上だが解離あれば5㎜マイナス)、③CA/SMA/IMA噛んでる時(腎動脈噛んでるときは大抵片側であり後腹膜操作となりrisk大なので緊急手術にならない)
急性薬物中毒
<急性薬物中毒>
★基本は、輸液(ラクテック120ml/hr程度)でwash out。
★薬剤による腎障害、肝障害の可能性、嘔吐による誤嚥性肺炎の可能性を説明する。
☆意識障害なければ活性炭をすぐに飲んでもらう。
☆意識障害あれば、気管挿管せずに活性炭を投与するのは禁忌(活性炭肺炎はARDS起こして予後不良)。
☆透析適応はI stumbleで覚える
(isopropranorol,salicylate,theophyline,uremia,methanol,barbiturate,βblocker,litium,ethyleneglycol)。
☆血中アルコール濃度(mg/dl)の推定は、OSM(mosm/L,mmol/L)=2Na+BS/18+BUN/2.8+C2H6O/4.6から計算できる(血中濃度が0.3g/dl,0.3%を超えると昏睡)。
☆痙攣発作+アシドーシスあれば三環系抗うつ薬疑う→メイロン,活性炭の繰り返し投与しないとCPA起こすことあり。
☆トライエージで判明する薬剤はアンフェタミン、メタンフェタミン、大麻、コカイン、ベンゾジアゼピン、バルビツール、三環系抗うつ薬、フェンシクリジン、オピオイド。アンフェタミンやメタンフェタミンは感冒薬(エフェドリンなど)や麻黄で偽陽性になることあり。オピオイドはリン酸コデイン(感冒薬含む)で偽陽性になることあり。
★基本は、輸液(ラクテック120ml/hr程度)でwash out。
★薬剤による腎障害、肝障害の可能性、嘔吐による誤嚥性肺炎の可能性を説明する。
☆意識障害なければ活性炭をすぐに飲んでもらう。
☆意識障害あれば、気管挿管せずに活性炭を投与するのは禁忌(活性炭肺炎はARDS起こして予後不良)。
☆透析適応はI stumbleで覚える
(isopropranorol,salicylate,theophyline,uremia,methanol,barbiturate,βblocker,litium,ethyleneglycol)。
☆血中アルコール濃度(mg/dl)の推定は、OSM(mosm/L,mmol/L)=2Na+BS/18+BUN/2.8+C2H6O/4.6から計算できる(血中濃度が0.3g/dl,0.3%を超えると昏睡)。
☆痙攣発作+アシドーシスあれば三環系抗うつ薬疑う→メイロン,活性炭の繰り返し投与しないとCPA起こすことあり。
☆トライエージで判明する薬剤はアンフェタミン、メタンフェタミン、大麻、コカイン、ベンゾジアゼピン、バルビツール、三環系抗うつ薬、フェンシクリジン、オピオイド。アンフェタミンやメタンフェタミンは感冒薬(エフェドリンなど)や麻黄で偽陽性になることあり。オピオイドはリン酸コデイン(感冒薬含む)で偽陽性になることあり。
骨折
<骨折>
★基本的に緊急性は低いのでシップとギプス包帯で固定し、翌日の整形外科受診を指示する(顔面なら口腔外科受診)。
☆開放骨折、血流障害、神経障害あれば即日整形受診すること。また、小児も顆上骨折や足関節の骨折は皮膚障害を起こすこともあり、即日整形受診を。
☆次のことを説明する。
・レントゲンで見えない骨折もあるが今は時間外で人手が足りず詳しい検査ができにくいこと
・荷重がかかってずれてきて初めてわかる骨折もあること
・小児は骨化が進んでいないため骨折が見えないことがある
☆レントゲンで自発痛、圧痛、叩打痛があるところを入念に見る(前後上下も)
☆肋骨骨折を探すときは必ず胸部正面も撮影し、血胸がないか見ること。
☆上腕の外旋時痛は上腕骨頚部骨折の可能性あり。
☆下顎骨は脱臼あればすぐに整復する。顎関節の左右差ないか見て、脱臼無く2横指開口できれば後日口腔外科受診を指示。
☆小児の肘の骨折は4方向+両側、関節周囲の脂肪組織の盛り上がり(fat pad sign)あれば骨折
☆外顆骨折は転位強ければ整形call。上腕骨遠位端の骨化は外(1才)→最内(5才)→内(10才)。
☆壁を殴って中手骨骨折→転位を直してからMPを曲げてPIP/DIPをまっすぐにして固定する。
☆開放骨折、神経障害、血流障害あればすぐに整形callを。
☆CTの骨条件なら骨が重なり合うところの骨折が良く分かる(膝関節、足関節、手関節、頚椎、骨盤、頭蓋骨、頬骨、下顎骨など)。
☆顔面の骨折は髄液漏や神経所見なしなら後日口腔外科受診を指示。
☆転位のない骨折はソフトシーネやオルソグラスで固定し、後日整形外科受診を指示。
☆脱臼(転位)、感覚運動障害、血流障害(5P症状)あればすぐに整形外科call。
☆5P症状のない開放骨折はとりあえず創閉鎖し、後日整形外科受診を指示。
☆拘縮、麻痺がある場合の骨折対応(療養病院での骨折対応)
・末梢の動脈の拍動を確認。
・受傷原因の精査(多くは体転時に無理な姿勢になり自重が加わり、関節拘縮があり外力の逃げ場がないためと思われる)。
・麻痺、拘縮があれば手術適応はなし。
・患肢を正常位に戻して、湿布を貼り弾性包帯を巻いておく。あまり強く巻きすぎないこと。末梢動脈の拍動を確認する。末梢動脈にマジックで印をつけて、包帯交換時に拍動を必ず確認してもらうこと。
・院内に整形外科医がいない場合は、整形外科を受診するかを家族に聞く(麻痺、拘縮がある場合は手術適応にはならないことを伝え、転位しているので保存的に診た場合は骨折したままであること、痛みの程度、血管損傷はないことetcを説明する)。ムンテラの結果、整形外科は受診せずに院内でできる範囲で対応を希望されれば、その旨を必ずカルテに記載しておく。
★基本的に緊急性は低いのでシップとギプス包帯で固定し、翌日の整形外科受診を指示する(顔面なら口腔外科受診)。
☆開放骨折、血流障害、神経障害あれば即日整形受診すること。また、小児も顆上骨折や足関節の骨折は皮膚障害を起こすこともあり、即日整形受診を。
☆次のことを説明する。
・レントゲンで見えない骨折もあるが今は時間外で人手が足りず詳しい検査ができにくいこと
・荷重がかかってずれてきて初めてわかる骨折もあること
・小児は骨化が進んでいないため骨折が見えないことがある
☆レントゲンで自発痛、圧痛、叩打痛があるところを入念に見る(前後上下も)
☆肋骨骨折を探すときは必ず胸部正面も撮影し、血胸がないか見ること。
☆上腕の外旋時痛は上腕骨頚部骨折の可能性あり。
☆下顎骨は脱臼あればすぐに整復する。顎関節の左右差ないか見て、脱臼無く2横指開口できれば後日口腔外科受診を指示。
☆小児の肘の骨折は4方向+両側、関節周囲の脂肪組織の盛り上がり(fat pad sign)あれば骨折
☆外顆骨折は転位強ければ整形call。上腕骨遠位端の骨化は外(1才)→最内(5才)→内(10才)。
☆壁を殴って中手骨骨折→転位を直してからMPを曲げてPIP/DIPをまっすぐにして固定する。
☆開放骨折、神経障害、血流障害あればすぐに整形callを。
☆CTの骨条件なら骨が重なり合うところの骨折が良く分かる(膝関節、足関節、手関節、頚椎、骨盤、頭蓋骨、頬骨、下顎骨など)。
☆顔面の骨折は髄液漏や神経所見なしなら後日口腔外科受診を指示。
☆転位のない骨折はソフトシーネやオルソグラスで固定し、後日整形外科受診を指示。
☆脱臼(転位)、感覚運動障害、血流障害(5P症状)あればすぐに整形外科call。
☆5P症状のない開放骨折はとりあえず創閉鎖し、後日整形外科受診を指示。
☆拘縮、麻痺がある場合の骨折対応(療養病院での骨折対応)
・末梢の動脈の拍動を確認。
・受傷原因の精査(多くは体転時に無理な姿勢になり自重が加わり、関節拘縮があり外力の逃げ場がないためと思われる)。
・麻痺、拘縮があれば手術適応はなし。
・患肢を正常位に戻して、湿布を貼り弾性包帯を巻いておく。あまり強く巻きすぎないこと。末梢動脈の拍動を確認する。末梢動脈にマジックで印をつけて、包帯交換時に拍動を必ず確認してもらうこと。
・院内に整形外科医がいない場合は、整形外科を受診するかを家族に聞く(麻痺、拘縮がある場合は手術適応にはならないことを伝え、転位しているので保存的に診た場合は骨折したままであること、痛みの程度、血管損傷はないことetcを説明する)。ムンテラの結果、整形外科は受診せずに院内でできる範囲で対応を希望されれば、その旨を必ずカルテに記載しておく。
胸痛
<胸痛>
☆高齢者の心筋梗塞、半分は無痛性。なんとなく元気がない、AST,ALT上昇、血圧低下など見られたら必ず心電図を。
☆喫煙歴or高血圧or中年以上男性で、以下3つのうちどれかを訴えた場合は、必ず心電図を!
・右でも左でも胸の痛み(しめつけられる、むかむかする、押さえつけられる)
・運動時痛のように見える右でも左でも両側でも肩の痛み
・嘔気または気分不良
☆ST変化は隣接する誘導で1mm以上であれば有意とする。
☆胃痛か狭心痛か判別できない時(STが1mmを超えない程度に上昇or低下しているが、TropTやラピチェックは陰性の場合など)はニトロペン舌下錠0.3mgを投与し、15分後に心電図再検する。帰宅させる場合は狭心痛の可能性が否定できないため、後日の循環器受診とニトロペン舌下錠0.3mg3回分を処方する。
☆突然生じた両側肺水腫を見たら、心筋梗塞を念頭に置くこと!!!
★狭心痛で採血、心電図、心エコーが正常なら、冠動脈造影のために後日循環器受診してもらうために紹介状を書くこと。
★まず心電図とモニターを装着し、胸写をとる。明らかなST変化あれば直ちに循環器call。
☆胸痛あるのに、ST変化なければ、見逃すと危険な胸部大動脈解離、肺塞栓、緊張性気胸、食道破裂を除外する。
・胸部大動脈解離ないか見るために、胸写や造影CTを行う。pCTでもdencityの違いや大動脈内の石灰化で解離がわかることがある。
・肺塞栓ないか見るために、下肢の把握痛ないか、SpO2の低下(90%前後であることが多い)、危険因子(下肢静脈瘤、1か月以内のフライト、寝たきり、喫煙、肥満、ピル、骨盤手術)を探す。PEによる右心不全があれば心電図変化(胸部誘導でのnegativeT)や右室拡大(UCG/CT)、D-dimer上昇を認める。
・Ⅱ,Ⅲ,aVfのST変化ある下壁梗塞では徐脈になりやすい。
・ショックバイタルなら緊張性気胸も頭の片隅に入れる。ショックバイタル、気管偏位、片側呼吸音低下なら緊張性気胸として、両側乳頭を結ぶ線と中腋下線の交点を尖刃で切開し、ペアンでとりあえず胸腔に孔を空ける。
・食道破裂(Boerhaave症候群)は頻回嘔吐の後に起きる、胸写やCTで左胸水あり。
☆胸痛と共に、1mm以上のST変化やCRP↑伴わない白血球上昇あればミオコールスプレー1回噴霧、抗血小板薬3剤(バイアスピリン100mg,プレタール(シロスタゾール)100mg,アンプラーグ(サルポグレラート/5-HT2遮断薬)100mg)を2 錠ずつ噛み砕いてもらい、採血でCPK,CKMB,TropT/I,ラピチェック(H-FABP)を測定し、心エコーで壁運動の低下の有無、EF、心嚢液貯留ないか見る。
☆症状消失し、VSAの時はニトロペン舌下錠0.3mg3回分処方し、後日循環器受診を指示。
☆PCI後1年以内に再狭窄がくることは稀。PCI後に不安になって架空の胸痛で受診する人が多い。
☆CKMB上昇はCPKの1割以上でないと有意にはとれない。TropT/IはACS,uAPの他、心不全,腎不全でも陽性になる(自然崩壊のTropT/Iが排泄されないため)。
☆食後であれば胆石発作とGERDの除外する。
☆痩せ型長身の若年男性では自然気胸かも。
☆冷や汗、激痛で何もない人もいる(精神疾患や以前の受診歴をチェックする)。
☆肋間神経痛は肋骨下端を触診する。肋軟骨炎(Tietze症候群)、剣状突起炎、大胸筋筋肉痛なども胸痛きたす。
☆感冒様症状が続き、その後CPK↑TropT↑壁運動低下あれば心筋炎か(心筋炎で心拡大はこない)。
☆他に誘因や症状なくEF低下とLVDd拡張であればDCM。
☆Af tachycardiaやPSVTによる動悸を胸痛という人もいる。
☆変な心電図は以前の分を取り寄せて比較する(ST変化なくても新たに生じた脚ブロックはACSの可能性大)。
☆心筋梗塞の超急性期の心電図を見逃さないこと!!
☆高齢者の心筋梗塞、半分は無痛性。なんとなく元気がない、AST,ALT上昇、血圧低下など見られたら必ず心電図を。
☆喫煙歴or高血圧or中年以上男性で、以下3つのうちどれかを訴えた場合は、必ず心電図を!
・右でも左でも胸の痛み(しめつけられる、むかむかする、押さえつけられる)
・運動時痛のように見える右でも左でも両側でも肩の痛み
・嘔気または気分不良
☆ST変化は隣接する誘導で1mm以上であれば有意とする。
☆胃痛か狭心痛か判別できない時(STが1mmを超えない程度に上昇or低下しているが、TropTやラピチェックは陰性の場合など)はニトロペン舌下錠0.3mgを投与し、15分後に心電図再検する。帰宅させる場合は狭心痛の可能性が否定できないため、後日の循環器受診とニトロペン舌下錠0.3mg3回分を処方する。
☆突然生じた両側肺水腫を見たら、心筋梗塞を念頭に置くこと!!!
★狭心痛で採血、心電図、心エコーが正常なら、冠動脈造影のために後日循環器受診してもらうために紹介状を書くこと。
★まず心電図とモニターを装着し、胸写をとる。明らかなST変化あれば直ちに循環器call。
☆胸痛あるのに、ST変化なければ、見逃すと危険な胸部大動脈解離、肺塞栓、緊張性気胸、食道破裂を除外する。
・胸部大動脈解離ないか見るために、胸写や造影CTを行う。pCTでもdencityの違いや大動脈内の石灰化で解離がわかることがある。
・肺塞栓ないか見るために、下肢の把握痛ないか、SpO2の低下(90%前後であることが多い)、危険因子(下肢静脈瘤、1か月以内のフライト、寝たきり、喫煙、肥満、ピル、骨盤手術)を探す。PEによる右心不全があれば心電図変化(胸部誘導でのnegativeT)や右室拡大(UCG/CT)、D-dimer上昇を認める。
・Ⅱ,Ⅲ,aVfのST変化ある下壁梗塞では徐脈になりやすい。
・ショックバイタルなら緊張性気胸も頭の片隅に入れる。ショックバイタル、気管偏位、片側呼吸音低下なら緊張性気胸として、両側乳頭を結ぶ線と中腋下線の交点を尖刃で切開し、ペアンでとりあえず胸腔に孔を空ける。
・食道破裂(Boerhaave症候群)は頻回嘔吐の後に起きる、胸写やCTで左胸水あり。
☆胸痛と共に、1mm以上のST変化やCRP↑伴わない白血球上昇あればミオコールスプレー1回噴霧、抗血小板薬3剤(バイアスピリン100mg,プレタール(シロスタゾール)100mg,アンプラーグ(サルポグレラート/5-HT2遮断薬)100mg)を2 錠ずつ噛み砕いてもらい、採血でCPK,CKMB,TropT/I,ラピチェック(H-FABP)を測定し、心エコーで壁運動の低下の有無、EF、心嚢液貯留ないか見る。
☆症状消失し、VSAの時はニトロペン舌下錠0.3mg3回分処方し、後日循環器受診を指示。
☆PCI後1年以内に再狭窄がくることは稀。PCI後に不安になって架空の胸痛で受診する人が多い。
☆CKMB上昇はCPKの1割以上でないと有意にはとれない。TropT/IはACS,uAPの他、心不全,腎不全でも陽性になる(自然崩壊のTropT/Iが排泄されないため)。
☆食後であれば胆石発作とGERDの除外する。
☆痩せ型長身の若年男性では自然気胸かも。
☆冷や汗、激痛で何もない人もいる(精神疾患や以前の受診歴をチェックする)。
☆肋間神経痛は肋骨下端を触診する。肋軟骨炎(Tietze症候群)、剣状突起炎、大胸筋筋肉痛なども胸痛きたす。
☆感冒様症状が続き、その後CPK↑TropT↑壁運動低下あれば心筋炎か(心筋炎で心拡大はこない)。
☆他に誘因や症状なくEF低下とLVDd拡張であればDCM。
☆Af tachycardiaやPSVTによる動悸を胸痛という人もいる。
☆変な心電図は以前の分を取り寄せて比較する(ST変化なくても新たに生じた脚ブロックはACSの可能性大)。
☆心筋梗塞の超急性期の心電図を見逃さないこと!!
胸部大動脈解離の除外
cf)胸部大動脈解離の除外
①CXRで上縦隔の拡大(8cm以上)
②血圧の左右差
③移動する背部痛
3項目全てが除外されれば大動脈解離がある可能性は7% ・CXRで大動脈外縁と石灰化の距離が6mm以上であれば解離を疑う
・大動脈解離の99%以上でD-dimer0.5μg/ml以上になる(感度99%以上)
・ただし、D-dimerが0.5μg/ml以下でも半分は大動脈解離の可能性がある(特異度は50%弱)
注)胸部大動脈解離、腹部大動脈瘤、肺塞栓を除外する一番は造影CT。しかし腎障害がある場合は、検査前に300ml(心不全あるときは150ml)生食をボーラス投与し、検査後は1ml/kg/hrで12時間生食投与。造影剤は50-100mlにする(ヨード含有量が300mg/dlの造影剤の場合)
①CXRで上縦隔の拡大(8cm以上)
②血圧の左右差
③移動する背部痛
3項目全てが除外されれば大動脈解離がある可能性は7% ・CXRで大動脈外縁と石灰化の距離が6mm以上であれば解離を疑う
・大動脈解離の99%以上でD-dimer0.5μg/ml以上になる(感度99%以上)
・ただし、D-dimerが0.5μg/ml以下でも半分は大動脈解離の可能性がある(特異度は50%弱)
注)胸部大動脈解離、腹部大動脈瘤、肺塞栓を除外する一番は造影CT。しかし腎障害がある場合は、検査前に300ml(心不全あるときは150ml)生食をボーラス投与し、検査後は1ml/kg/hrで12時間生食投与。造影剤は50-100mlにする(ヨード含有量が300mg/dlの造影剤の場合)
この記事の感度・特異度の解釈が間違っていると思うのですがいかがでしょうか。
「D-dimerが0.5μg/ml以下でも半分は大動脈解離の可能性がある(特異度は50%弱)」とありますが、特異度50%というのは「大動脈解離がない人でもD-dimer<0.5μg/mlとなる人は50%」つまりD-Dimer高値でも大動脈解離とは限らないという意味です。
また、感度99%以上とは対偶を取ると「D-Dimer<0.5μg/mlであれば大動脈解離である可能性は1%未満」となり、D-Dimer低値であれば大動脈解離はほぼ否定できるという意味です。
「D-dimerが0.5μg/ml以下でも半分は大動脈解離の可能性がある(特異度は50%弱)」とありますが、特異度50%というのは「大動脈解離がない人でもD-dimer<0.5μg/mlとなる人は50%」つまりD-Dimer高値でも大動脈解離とは限らないという意味です。
また、感度99%以上とは対偶を取ると「D-Dimer<0.5μg/mlであれば大動脈解離である可能性は1%未満」となり、D-Dimer低値であれば大動脈解離はほぼ否定できるという意味です。
肺塞栓の除外
cf)肺塞栓の除外
・Wells criteria 下肢腫脹or下肢把握痛 3点
肺塞栓以外に考えられない 3点
心拍数が100以上 1.5点
過去4週以内に3日以上の臥床or手術 1.5点
DVT/PEの既往 1.5点
血痰 1点
過去半年以内のがん 1点
・DVTの可能性
Wells criteria 6> 2-6 >2 d-dimer陽性 50% 20% 5% 陰性 10% 1% 0.5%
・Wells criteria 下肢腫脹or下肢把握痛 3点
肺塞栓以外に考えられない 3点
心拍数が100以上 1.5点
過去4週以内に3日以上の臥床or手術 1.5点
DVT/PEの既往 1.5点
血痰 1点
過去半年以内のがん 1点
・DVTの可能性
Wells criteria 6> 2-6 >2 d-dimer陽性 50% 20% 5% 陰性 10% 1% 0.5%
心電図のpitfall
cf)心電図のpitfall
・ST変化は基本は2㎜以上
・下壁梗塞ではreciprocal changeが70%で見られる(特にaVLのST低下)
・下壁梗塞を見たら右側誘導(左にある胸部誘導をすべて右に対称移動)で右室梗塞がないかを見る
→特にⅢのST上昇が高いときは右室梗塞疑う
→右室梗塞があれば上行大動脈の解離を探す(StandfordAではRCAを噛みやすい)
・V1-3のST低下とR増高あれば後壁梗塞を疑って、背中の誘導も(V7-8)。
・LAD狭窄ではV1-4でT波が上がって、下がっての2峰性
・良性早期再分極(benign early repolarization)では①若い人、②V2-5のST上昇、③四肢誘導のみは稀、④経時変化なし、⑤ミラーイメージなし
・心外膜炎のST上昇もイラーイメージなし。ⅡⅢaVfでPRが基線より下があれば心外膜炎。
・高KのテントTは左右対称でツンツン、頻脈/除脈→T波増高→wideQRS ・中枢神経病変ではV1-4で巨大陰性T波(giant cerebral T) ・RBBBはV1でM字型+ウサギ耳型陰性T波
・LBBBはV6でM字型+ウサギ耳型陰性T波
・脚ブロックのときはST変化評価できない→新たに脚ブロックが出たときは虚血疑う。
・PEではSⅠQⅢTⅢが有名だが、V1-3のnegativeTの方が有用→心エコーで右室拡大ないか見る→あれば胸部造影CT
cf)健診で偶然見つけた場合に循環器紹介が絶対必要な波形
・下壁梗塞ではreciprocal changeが70%で見られる(特にaVLのST低下)
・下壁梗塞を見たら右側誘導(左にある胸部誘導をすべて右に対称移動)で右室梗塞がないかを見る
→特にⅢのST上昇が高いときは右室梗塞疑う
→右室梗塞があれば上行大動脈の解離を探す(StandfordAではRCAを噛みやすい)
・V1-3のST低下とR増高あれば後壁梗塞を疑って、背中の誘導も(V7-8)。
・LAD狭窄ではV1-4でT波が上がって、下がっての2峰性
・良性早期再分極(benign early repolarization)では①若い人、②V2-5のST上昇、③四肢誘導のみは稀、④経時変化なし、⑤ミラーイメージなし
・心外膜炎のST上昇もイラーイメージなし。ⅡⅢaVfでPRが基線より下があれば心外膜炎。
・高KのテントTは左右対称でツンツン、頻脈/除脈→T波増高→wideQRS ・中枢神経病変ではV1-4で巨大陰性T波(giant cerebral T) ・RBBBはV1でM字型+ウサギ耳型陰性T波
・LBBBはV6でM字型+ウサギ耳型陰性T波
・脚ブロックのときはST変化評価できない→新たに脚ブロックが出たときは虚血疑う。
・PEではSⅠQⅢTⅢが有名だが、V1-3のnegativeTの方が有用→心エコーで右室拡大ないか見る→あれば胸部造影CT
cf)健診で偶然見つけた場合に循環器紹介が絶対必要な波形
引用元:http://kompas.hosp.keio.ac.jp/contents/medical_info/science/201405.html
腹痛
<腹痛>
☆アシドーシス、ブスコパン無効の腹痛、痛い痛いと言い続けている(発症6時間以上)、痛くて体を動かせない、腹壁が固い、腸雑音が低下ないし減弱のうち2つ以上あれば、腸管壊死の可能性が高い。絶対に外科コンサルトを行う。
★若年者の腹痛では、急性虫垂炎、子宮外妊娠(妊娠反応陰性の外妊破裂などありえない)、絞扼性腸閉塞(closed loopを示唆するbeak sign/gaslessな小腸拡張/腹水/腸管膜の造影)、鼠径ヘルニア陥頓は絶対に見逃さないようにする。
★どんなに若くて元気そうでもniveauあればNG挿入し入院させる(free airと同じくらいniveauは危険なものである)。
★腸管壊死や血栓は単純CTでウィンドウレベル(WL)60/ウィンドウ幅(WW)40にするとよくわかる(SAHはWL/WWとも35)。出血はL40/W250、free airはL-600/W1500でよくわかる。
★腹痛は、部位、年齢、血便血尿の有無、危険因子(喫煙/飲酒/ワーファリン/Af/外傷)を聞く。
★腹部診察では、鼠径部の膨隆がないか見る。
★腹単と検尿を必ずすること。
☆腹痛では、尿検査は必須。膵炎なら尿中アミラーゼ上昇、DKAなら尿中ケトン体陽性、胆道閉塞なら尿中UBG陰性(正常は±)、急性肝炎は尿bil陽性、尿管結石なら尿中赤血球5個/HPF以上、子宮外妊娠なら妊娠反応陽性、PIDなら尿中白血球5個/HPF以上。
☆アシドーシス、ブスコパン無効の腹痛、痛い痛いと言い続けている(発症6時間以上)、痛くて体を動かせない、腹壁が固い、腸雑音が低下ないし減弱のうち2つ以上あれば、腸管壊死の可能性が高い。絶対に外科コンサルトを行う。
★若年者の腹痛では、急性虫垂炎、子宮外妊娠(妊娠反応陰性の外妊破裂などありえない)、絞扼性腸閉塞(closed loopを示唆するbeak sign/gaslessな小腸拡張/腹水/腸管膜の造影)、鼠径ヘルニア陥頓は絶対に見逃さないようにする。
★どんなに若くて元気そうでもniveauあればNG挿入し入院させる(free airと同じくらいniveauは危険なものである)。
★腸管壊死や血栓は単純CTでウィンドウレベル(WL)60/ウィンドウ幅(WW)40にするとよくわかる(SAHはWL/WWとも35)。出血はL40/W250、free airはL-600/W1500でよくわかる。
★腹痛は、部位、年齢、血便血尿の有無、危険因子(喫煙/飲酒/ワーファリン/Af/外傷)を聞く。
★腹部診察では、鼠径部の膨隆がないか見る。
★腹単と検尿を必ずすること。
☆腹痛では、尿検査は必須。膵炎なら尿中アミラーゼ上昇、DKAなら尿中ケトン体陽性、胆道閉塞なら尿中UBG陰性(正常は±)、急性肝炎は尿bil陽性、尿管結石なら尿中赤血球5個/HPF以上、子宮外妊娠なら妊娠反応陽性、PIDなら尿中白血球5個/HPF以上。
上腹部痛
<上腹部痛>
・若年⇒急性虫垂炎の可能性を念頭に。
①喫煙/NSAID/ストレスあり
AGMLか慢性活動性胃炎かも⇒ひどい時はオメプラール20mg 1Vを生食100mlに溶かして30分かけて静注し、ランソプラゾール(タケプロン)15mg2錠朝食後7日分を処方し経過見る。H2blockerは内服後2~3時間で十分な胃酸分泌抑制、PPIは2~3日後に強力な胃酸分泌抑制効果(→即効性を期待するならH2blocker)。
②発熱あり
急性虫垂炎の前駆症状かも⇒採血と腹部エコーするか、ひどくなければ右下腹部痛になってきたらすぐに来院するように指示。特に関連痛が示唆されるとき(漠然とした痛み、倦怠感強い)。急性虫垂炎初期は右下腹部痛はないこともあり、あっても軽度で鈍痛。しかし100%食欲なく、倦怠感も強い。
③月経不順あり
Fits-Hugh-Curtisかも⇒下腹部痛から半月程して上腹部痛きたす。排尿時痛ないか聞く、検尿検査、クラミジア感染ないか抗体チェック。クラビット100mg5錠分1を5日分処方し、後日、婦人科受診を指示。
④嘔気や嘔吐あり
ブ菌性食あたりかウィルス性胃腸炎初期⇒ミヤBM3g分3を処方し経過見る。水溶性下痢がなければウィルス性胃腸炎とは断定できない。他の上腹部痛の原因がないことを確認する。
DKAかも⇒尿中ケトン体、デキスターをチェック。
・中年⇒AOSCの可能性を念頭に。
①喫煙/NSAID/ストレスあり
胃潰瘍、胃癌、十二指腸潰瘍かも⇒体重減少の有無を聞く。PPI処方し、必ずGIF予約。
②肥満あり
GERDかも⇒PPI処方とGIF予約。腹単で食道裂孔ヘルニアが分かることも。
③喫煙/HTN/HL/DMあり
まずACSを否定する。
☆ST変化は隣接する誘導で1mm以上であれば有意とする。
☆胃痛か狭心痛か判別できない時(STが1mmを超えない程度に上昇or低下しているが、TropTやラピチェックは陰性の場合など)はニトロペン舌下錠0.3mgを投与し、15分後に心電図再検する。帰宅させる場合は狭心痛の可能性が否定できないため、後日の循環器受診とニトロペン舌下錠0.3mg3回分を処方する。
・老人
①ワーファリン/バイアスピリン/プラザキサ:
出血性胃潰瘍かも⇒頻脈やふらつき/気分不良あれば、レクタールをして黒色便や便潜血ないかチェックする。何もなければPPI処方して、GIF予約。
・右季肋部痛や左季肋部痛を上腹部痛と言っていることがある。特に飲酒歴や喫煙歴がない場合(胆石発作や総胆管結石初期の見逃しが多い。胆嚢炎やAOSCなら発熱あり気づくが。単純CTと採血は推奨)。
・若年⇒急性虫垂炎の可能性を念頭に。
①喫煙/NSAID/ストレスあり
AGMLか慢性活動性胃炎かも⇒ひどい時はオメプラール20mg 1Vを生食100mlに溶かして30分かけて静注し、ランソプラゾール(タケプロン)15mg2錠朝食後7日分を処方し経過見る。H2blockerは内服後2~3時間で十分な胃酸分泌抑制、PPIは2~3日後に強力な胃酸分泌抑制効果(→即効性を期待するならH2blocker)。
②発熱あり
急性虫垂炎の前駆症状かも⇒採血と腹部エコーするか、ひどくなければ右下腹部痛になってきたらすぐに来院するように指示。特に関連痛が示唆されるとき(漠然とした痛み、倦怠感強い)。急性虫垂炎初期は右下腹部痛はないこともあり、あっても軽度で鈍痛。しかし100%食欲なく、倦怠感も強い。
③月経不順あり
Fits-Hugh-Curtisかも⇒下腹部痛から半月程して上腹部痛きたす。排尿時痛ないか聞く、検尿検査、クラミジア感染ないか抗体チェック。クラビット100mg5錠分1を5日分処方し、後日、婦人科受診を指示。
④嘔気や嘔吐あり
ブ菌性食あたりかウィルス性胃腸炎初期⇒ミヤBM3g分3を処方し経過見る。水溶性下痢がなければウィルス性胃腸炎とは断定できない。他の上腹部痛の原因がないことを確認する。
DKAかも⇒尿中ケトン体、デキスターをチェック。
・中年⇒AOSCの可能性を念頭に。
①喫煙/NSAID/ストレスあり
胃潰瘍、胃癌、十二指腸潰瘍かも⇒体重減少の有無を聞く。PPI処方し、必ずGIF予約。
②肥満あり
GERDかも⇒PPI処方とGIF予約。腹単で食道裂孔ヘルニアが分かることも。
③喫煙/HTN/HL/DMあり
まずACSを否定する。
☆ST変化は隣接する誘導で1mm以上であれば有意とする。
☆胃痛か狭心痛か判別できない時(STが1mmを超えない程度に上昇or低下しているが、TropTやラピチェックは陰性の場合など)はニトロペン舌下錠0.3mgを投与し、15分後に心電図再検する。帰宅させる場合は狭心痛の可能性が否定できないため、後日の循環器受診とニトロペン舌下錠0.3mg3回分を処方する。
・老人
①ワーファリン/バイアスピリン/プラザキサ:
出血性胃潰瘍かも⇒頻脈やふらつき/気分不良あれば、レクタールをして黒色便や便潜血ないかチェックする。何もなければPPI処方して、GIF予約。
・右季肋部痛や左季肋部痛を上腹部痛と言っていることがある。特に飲酒歴や喫煙歴がない場合(胆石発作や総胆管結石初期の見逃しが多い。胆嚢炎やAOSCなら発熱あり気づくが。単純CTと採血は推奨)。
右季肋部痛
<右季肋部痛>
・上腹部痛と訴えることがある。
・中年
①肥満女性+食後発症
胆嚢炎かも⇒発熱、Murphy陽性なら採血し、腹部エコーか造影CTを。急性胆嚢炎で発症72時間以内なら早期ラパコレ(腹腔鏡下胆嚢摘出術)。痛みが軽度で、SIRS徴候や採血でCRPやWBC上昇が軽度なら翌日外科受診を指示。炎症もなく胆石だけなら胆石発作(GBcolic)かも(→心窩部痛=上腹部痛=胃痛を主訴で来院のことあり)。
②食後発症:
総胆管結石かも⇒発熱、Murphy陽性なら採血し、腹部エコーか造影CTを。AOSCを見逃したくないので、SIRS徴候や直接ビリルビン上昇あれば入院を。結石がなく、痛みも消失したならpassing stoneかもしれない。EST後は胆管内airや胆管拡張があることが多く、逆行性感染もあるので、胆汁排泄促進のウルソ、腸管蠕動促進のガスモチンを処方するとよい。
③過度の飲酒歴
急性肝炎かも。採血でGOT、GPTを測定。200を超えてくると危ないので入院。肝細胞癌は痛くない。
・胆管炎:炎症反応↑+胆道系酵素↑、しかしT-BiL↑なし
AOSC:炎症反応↑+胆道系酵素↑+T-BiL↑ 胆嚢炎:炎症反応↑+CTやエコーでの胆嚢周囲の毛羽立ち(胆道系酵素やT-BiL↑はないことが多い)。胆泥により一時的にT-BiL上昇あり(もしくはpassing stoneか)
・ID-BiL優位の黄疸は溶血か血栓(抗癌剤使用中の門脈血栓/SMV血栓が多い)
・TACE後、RFA後、ERCP後に疼痛、発熱あるのはよくある。
・上腹部痛と訴えることがある。
・中年
①肥満女性+食後発症
胆嚢炎かも⇒発熱、Murphy陽性なら採血し、腹部エコーか造影CTを。急性胆嚢炎で発症72時間以内なら早期ラパコレ(腹腔鏡下胆嚢摘出術)。痛みが軽度で、SIRS徴候や採血でCRPやWBC上昇が軽度なら翌日外科受診を指示。炎症もなく胆石だけなら胆石発作(GBcolic)かも(→心窩部痛=上腹部痛=胃痛を主訴で来院のことあり)。
②食後発症:
総胆管結石かも⇒発熱、Murphy陽性なら採血し、腹部エコーか造影CTを。AOSCを見逃したくないので、SIRS徴候や直接ビリルビン上昇あれば入院を。結石がなく、痛みも消失したならpassing stoneかもしれない。EST後は胆管内airや胆管拡張があることが多く、逆行性感染もあるので、胆汁排泄促進のウルソ、腸管蠕動促進のガスモチンを処方するとよい。
③過度の飲酒歴
急性肝炎かも。採血でGOT、GPTを測定。200を超えてくると危ないので入院。肝細胞癌は痛くない。
・胆管炎:炎症反応↑+胆道系酵素↑、しかしT-BiL↑なし
AOSC:炎症反応↑+胆道系酵素↑+T-BiL↑ 胆嚢炎:炎症反応↑+CTやエコーでの胆嚢周囲の毛羽立ち(胆道系酵素やT-BiL↑はないことが多い)。胆泥により一時的にT-BiL上昇あり(もしくはpassing stoneか)
・ID-BiL優位の黄疸は溶血か血栓(抗癌剤使用中の門脈血栓/SMV血栓が多い)
・TACE後、RFA後、ERCP後に疼痛、発熱あるのはよくある。
左季肋部痛
<左季肋部痛>
・上腹部痛と訴えることがある。
・中年
①過度飲酒歴or腹部外傷歴or総胆管結石orTG高値:
急性膵炎かも⇒造影CTと採血をする。(1)膵臓腫大(周囲の脂肪織の炎症像)、(2)上腹部痛or左季肋部痛、(3)AMY上昇のうち2項目で膵炎と診断される。小児は腹部打撲、男は酒、女は石の病歴を必ず聞く事。CTで膵腫大あっても周囲脂肪組織の炎症像なければ急性膵炎とは言えない
(膵石灰化は逆に慢性膵炎のサイン)。輸液はラクテック160-250ml/hr、メロペン1g生食100mlに溶いて30分で投与を1日2回、痛み強いのでソセゴン1A i.v.もしくはオピスタン35mg4Aを生食20mlに溶いて1ml/hr、レペタン0.2㎎/1mL 12Aを0.5ml/hrから開始、採血して腎機能問題なければ造影腹部CTを。
・ワーファリンコントロール不良
脾梗塞ないか腹部エコー、造影CTする。
・上腹部痛と訴えることがある。
・中年
①過度飲酒歴or腹部外傷歴or総胆管結石orTG高値:
急性膵炎かも⇒造影CTと採血をする。(1)膵臓腫大(周囲の脂肪織の炎症像)、(2)上腹部痛or左季肋部痛、(3)AMY上昇のうち2項目で膵炎と診断される。小児は腹部打撲、男は酒、女は石の病歴を必ず聞く事。CTで膵腫大あっても周囲脂肪組織の炎症像なければ急性膵炎とは言えない
(膵石灰化は逆に慢性膵炎のサイン)。輸液はラクテック160-250ml/hr、メロペン1g生食100mlに溶いて30分で投与を1日2回、痛み強いのでソセゴン1A i.v.もしくはオピスタン35mg4Aを生食20mlに溶いて1ml/hr、レペタン0.2㎎/1mL 12Aを0.5ml/hrから開始、採血して腎機能問題なければ造影腹部CTを。
・ワーファリンコントロール不良
脾梗塞ないか腹部エコー、造影CTする。
右下腹部痛
<右下腹部痛>
☆痛みの部位に一致する腸管の狭窄/狭小化と口側の軽度拡張、少量腹水があれば絞扼性腸閉塞にまではなっていない捻転や絞扼かも。腸管の細くなっているところを探すこと!
・若年
①発熱あり
急性虫垂炎⇒造影CTを。盲腸の拡張+小腸拡張あれば麻痺性イレウスで穿孔の可能性あり。free airや腹水もチェックする。Migration of pain(1点),Anorexia(1点),Nausea(1点),Tenderness inRLQ(2点),Rebound(1点),ElevatedBT(1点),Leukocytosis(2点),Shift(1点)とし、7点以上なら感度93%特異度85%で虫垂炎。
注意)保存的療法での虫垂炎切除術を要する累積再発率は、1年、2年、3年、5年追跡時でそれぞれ9%、12%、12%、13%であり、8年後の虫垂切除術の未実施率は86±1.3%であった。
②尿潜血陽性
尿管結石かも⇒単純CTで結石の大きさを調べる。8mm以下なら自然排石を待つ。それ以上なら翌日泌尿器科受診を指示。
③妊娠反応陽性
子宮外妊娠かも⇒腹部エコーとともに婦人科call。腹部エコーは排尿の前にしないと見えにくい。高感度妊娠反応が陰性なら外妊が否定できるわけではないが、緊急性は少ない。2,3日後の妊反でも陰性ならほぼない。妊娠反応陰性の外妊破裂などありえない(妊娠反応が陰性な段階の大きさの受精卵が原因で卵管破裂しないという意味)。
④月経不順
PID(卵巣炎)かも、排卵時痛か?
cf)女性で骨盤内に盲端のabscessに見えるものがあれば、子宮留膿腫や卵巣膿瘍や卵巣嚢腫を考える。
⑤若年女性で七転八倒する激痛
卵巣茎捻転かも⇒卵巣が30㎜以上で造影不良と周囲の濃度上昇、卵管の一部狭窄
・中年、老人
①発熱あり
急性虫垂炎かも
②尿潜血陽性
尿管結石かも
③尿潜血陽性+Af/透析中
腎梗塞かも⇒造影CT ④血便あり
憩室炎(発熱+腹痛)、憩室出血(腹痛なし、ワーファリン内服あり)か虚血性腸炎(軟便→下血のパターン、腹痛もあり)かも
⑤高血圧や喫煙歴あり
右総腸骨動脈瘤破裂かも
<女性の右下腹部痛>
・妊娠反応陰性+卵巣腫大(3-4cm以上)+骨盤内血性腹水(30HU以上)→黄体出血
・妊娠反応陽性+骨盤内血性腹水(30HU以上)→子宮外妊娠
・片側の卵巣腫大(多くは6cm以上)→卵巣茎捻転
cf)・左(右)卵巣からの出血でも右(左)下腹部と訴えることもある。
・単純CTでもhighに見える腹水は血腫。
・増殖期(1-2週間)→排卵→黄体期(2週間/体温上昇)→月経
・排卵時に少し出血したり痛みがあることもある(卵胞出血、排卵時痛)。
・黄体は正常でも3-4cmになることがある。
・卵巣出血は排卵時の卵胞出血か、黄体期中期(最終月経初日から20日)の黄体出血が多い。
・黄体出血は左側はS状結腸がクッションになるので右側に多い。経過観察で自然出血することが多い。
・妊娠反応陽性なら子宮外妊娠が多い。出血性ショックになることもある。救急搬送が必要。
・月経周期について
増殖期は約14日だが個人差あり、黄体期は全員14日
内膜:増殖期①②→分泌期③④→月経⑤
卵巣:卵胞期①②→黄体期③④
①FSH↑により卵胞発育→卵胞周囲の顆粒膜細胞からE分泌
②E↑↑→GnRH↑↑→LHサージ→排卵、E↑により子宮内膜機能層増殖
③排卵後の卵胞が黄体になり、P分泌
④Pは代謝亢進(体温上昇)、子宮内膜機能層増殖をstop&保持
⑤黄体が白体化しP↓、子宮内膜機能層剥離(月経)
☆痛みの部位に一致する腸管の狭窄/狭小化と口側の軽度拡張、少量腹水があれば絞扼性腸閉塞にまではなっていない捻転や絞扼かも。腸管の細くなっているところを探すこと!
・若年
①発熱あり
急性虫垂炎⇒造影CTを。盲腸の拡張+小腸拡張あれば麻痺性イレウスで穿孔の可能性あり。free airや腹水もチェックする。Migration of pain(1点),Anorexia(1点),Nausea(1点),Tenderness inRLQ(2点),Rebound(1点),ElevatedBT(1点),Leukocytosis(2点),Shift(1点)とし、7点以上なら感度93%特異度85%で虫垂炎。
注意)保存的療法での虫垂炎切除術を要する累積再発率は、1年、2年、3年、5年追跡時でそれぞれ9%、12%、12%、13%であり、8年後の虫垂切除術の未実施率は86±1.3%であった。
②尿潜血陽性
尿管結石かも⇒単純CTで結石の大きさを調べる。8mm以下なら自然排石を待つ。それ以上なら翌日泌尿器科受診を指示。
③妊娠反応陽性
子宮外妊娠かも⇒腹部エコーとともに婦人科call。腹部エコーは排尿の前にしないと見えにくい。高感度妊娠反応が陰性なら外妊が否定できるわけではないが、緊急性は少ない。2,3日後の妊反でも陰性ならほぼない。妊娠反応陰性の外妊破裂などありえない(妊娠反応が陰性な段階の大きさの受精卵が原因で卵管破裂しないという意味)。
④月経不順
PID(卵巣炎)かも、排卵時痛か?
cf)女性で骨盤内に盲端のabscessに見えるものがあれば、子宮留膿腫や卵巣膿瘍や卵巣嚢腫を考える。
⑤若年女性で七転八倒する激痛
卵巣茎捻転かも⇒卵巣が30㎜以上で造影不良と周囲の濃度上昇、卵管の一部狭窄
・中年、老人
①発熱あり
急性虫垂炎かも
②尿潜血陽性
尿管結石かも
③尿潜血陽性+Af/透析中
腎梗塞かも⇒造影CT ④血便あり
憩室炎(発熱+腹痛)、憩室出血(腹痛なし、ワーファリン内服あり)か虚血性腸炎(軟便→下血のパターン、腹痛もあり)かも
⑤高血圧や喫煙歴あり
右総腸骨動脈瘤破裂かも
<女性の右下腹部痛>
・妊娠反応陰性+卵巣腫大(3-4cm以上)+骨盤内血性腹水(30HU以上)→黄体出血
・妊娠反応陽性+骨盤内血性腹水(30HU以上)→子宮外妊娠
・片側の卵巣腫大(多くは6cm以上)→卵巣茎捻転
cf)・左(右)卵巣からの出血でも右(左)下腹部と訴えることもある。
・単純CTでもhighに見える腹水は血腫。
・増殖期(1-2週間)→排卵→黄体期(2週間/体温上昇)→月経
・排卵時に少し出血したり痛みがあることもある(卵胞出血、排卵時痛)。
・黄体は正常でも3-4cmになることがある。
・卵巣出血は排卵時の卵胞出血か、黄体期中期(最終月経初日から20日)の黄体出血が多い。
・黄体出血は左側はS状結腸がクッションになるので右側に多い。経過観察で自然出血することが多い。
・妊娠反応陽性なら子宮外妊娠が多い。出血性ショックになることもある。救急搬送が必要。
・月経周期について
増殖期は約14日だが個人差あり、黄体期は全員14日
内膜:増殖期①②→分泌期③④→月経⑤
卵巣:卵胞期①②→黄体期③④
①FSH↑により卵胞発育→卵胞周囲の顆粒膜細胞からE分泌
②E↑↑→GnRH↑↑→LHサージ→排卵、E↑により子宮内膜機能層増殖
③排卵後の卵胞が黄体になり、P分泌
④Pは代謝亢進(体温上昇)、子宮内膜機能層増殖をstop&保持
⑤黄体が白体化しP↓、子宮内膜機能層剥離(月経)
左下腹部痛
<左下腹部痛>
☆痛みの部位に一致する腸管の狭窄/狭小化と口側の軽度拡張、少量腹水があれば絞扼性腸閉塞にまではなっていない捻転や絞扼かも。腸管の細くなっているところを探すこと!
・若年
①便が何日も出ていない
便秘かも⇒腹単で便貯留確認。フォルセニド2T分1寝る前、重症時はマグラックス330㎎6錠分3(カマグは腎不全には禁忌)、ラキソベロン10滴を水で薄めて寝る前、レシカルボン坐薬1個5回分処方し帰宅。激痛のこともあるが、排便で消失する。
cf)風邪薬で便秘になることがある。冬に毎年便秘になるならそうかも!
②尿潜血陽性
尿管結石かも⇒単純CTで結石の大きさを調べる。8mm以下なら自然排石を待つ。それ以上なら翌日泌尿器科受診を指示。
③妊娠反応陽性
子宮外妊娠かも⇒腹部エコーとともに婦人科call。腹部エコーは排尿の前にしないと見えにくい。高感度妊娠反応が陰性なら外妊が否定できるわけではないが、緊急性は少ない。2,3日後の妊反でも陰性ならほぼない。妊娠反応陰性の外妊破裂などありえない。
④月経不順
PID(卵巣炎)かも
cf)女性で骨盤内に盲端のabscessに見えるものがあれば、子宮留膿腫や卵巣膿瘍や卵巣嚢腫を考える。
⑤若年女性で七転八倒する激痛
卵巣茎捻転かも
・中年、老人
①尿潜血陽性
尿管結石かも
②血便あり
憩室炎(腹痛あり)、憩室出血(腹痛なし、ワーファリン内服中など)か虚血性腸炎(軟便→下血のパターン、腹痛あり)かS状結腸捻転(腹単でcoffee beanないか見る)かも。腹痛が治まっていないなら造影CTを。憩室があっても周囲の炎症像がなければ憩室炎とは言えない。憩室も捻転もなければ虚血性腸炎だったのかも。
③尿潜血陽性+Af/透析中
腎梗塞かも⇒造影CT ④怒責をきっかけに発症
S状結腸穿孔かも(腹壁ソフトな場合も多い)→CTでのS状結腸周囲のfree airを見つけること。
cf)排便時の怒責をきっかけに生じた下腹痛が典型症状。もともと便秘や憩室がある場合が多いが、大腸癌が背景にある場合が多い。腹部が硬いとは限らないことも注意。高齢者に多いので同時に腹部大動脈瘤を認める場合もあるが、血栓閉塞型やextravasationないときは大腸穿孔を見逃さないこと。
⑤高血圧や喫煙歴あり
左総腸骨動脈瘤破裂かも
<女性の左下腹部痛>
・妊娠反応陰性+卵巣腫大(3-4cm以上)+骨盤内血性腹水(30HU以上)→黄体出血
・妊娠反応陽性+骨盤内血性腹水(30HU以上)→子宮外妊娠
・片側の卵巣腫大(多くは6cm以上)→卵巣茎捻転
cf)・左(右)卵巣からの出血でも右(左)下腹部と訴えることもある。
・単純CTでもhighに見える腹水は血腫。
・増殖期(1-2週間)→排卵→黄体期(2週間/体温上昇)→月経
・排卵時に少し出血したり痛みがあることもある(卵胞出血、排卵時痛)。
・黄体は正常でも3-4cmになることがある。
・卵巣出血は排卵時の卵胞出血か、黄体期中期(最終月経初日から20日)の黄体出血が多い。
・黄体出血は左側はS状結腸がクッションになるので右側に多い。経過観察で自然出血することが多い。
・妊娠反応陽性なら子宮外妊娠が多い。出血性ショックになることもある。救急搬送が必要。
・月経周期について
増殖期は約14日だが個人差あり、黄体期は全員14日
内膜:増殖期①②→分泌期③④→月経⑤
卵巣:卵胞期①②→黄体期③④
①FSH↑により卵胞発育→卵胞周囲の顆粒膜細胞からE分泌
②E↑↑→GnRH↑↑→LHサージ→排卵、E↑により子宮内膜機能層増殖
③排卵後の卵胞が黄体になり、P分泌
④Pは代謝亢進(体温上昇)、子宮内膜機能層増殖をstop&保持
⑤黄体が白体化しP↓、子宮内膜機能層剥離(月経)
☆痛みの部位に一致する腸管の狭窄/狭小化と口側の軽度拡張、少量腹水があれば絞扼性腸閉塞にまではなっていない捻転や絞扼かも。腸管の細くなっているところを探すこと!
・若年
①便が何日も出ていない
便秘かも⇒腹単で便貯留確認。フォルセニド2T分1寝る前、重症時はマグラックス330㎎6錠分3(カマグは腎不全には禁忌)、ラキソベロン10滴を水で薄めて寝る前、レシカルボン坐薬1個5回分処方し帰宅。激痛のこともあるが、排便で消失する。
cf)風邪薬で便秘になることがある。冬に毎年便秘になるならそうかも!
②尿潜血陽性
尿管結石かも⇒単純CTで結石の大きさを調べる。8mm以下なら自然排石を待つ。それ以上なら翌日泌尿器科受診を指示。
③妊娠反応陽性
子宮外妊娠かも⇒腹部エコーとともに婦人科call。腹部エコーは排尿の前にしないと見えにくい。高感度妊娠反応が陰性なら外妊が否定できるわけではないが、緊急性は少ない。2,3日後の妊反でも陰性ならほぼない。妊娠反応陰性の外妊破裂などありえない。
④月経不順
PID(卵巣炎)かも
cf)女性で骨盤内に盲端のabscessに見えるものがあれば、子宮留膿腫や卵巣膿瘍や卵巣嚢腫を考える。
⑤若年女性で七転八倒する激痛
卵巣茎捻転かも
・中年、老人
①尿潜血陽性
尿管結石かも
②血便あり
憩室炎(腹痛あり)、憩室出血(腹痛なし、ワーファリン内服中など)か虚血性腸炎(軟便→下血のパターン、腹痛あり)かS状結腸捻転(腹単でcoffee beanないか見る)かも。腹痛が治まっていないなら造影CTを。憩室があっても周囲の炎症像がなければ憩室炎とは言えない。憩室も捻転もなければ虚血性腸炎だったのかも。
③尿潜血陽性+Af/透析中
腎梗塞かも⇒造影CT ④怒責をきっかけに発症
S状結腸穿孔かも(腹壁ソフトな場合も多い)→CTでのS状結腸周囲のfree airを見つけること。
cf)排便時の怒責をきっかけに生じた下腹痛が典型症状。もともと便秘や憩室がある場合が多いが、大腸癌が背景にある場合が多い。腹部が硬いとは限らないことも注意。高齢者に多いので同時に腹部大動脈瘤を認める場合もあるが、血栓閉塞型やextravasationないときは大腸穿孔を見逃さないこと。
⑤高血圧や喫煙歴あり
左総腸骨動脈瘤破裂かも
<女性の左下腹部痛>
・妊娠反応陰性+卵巣腫大(3-4cm以上)+骨盤内血性腹水(30HU以上)→黄体出血
・妊娠反応陽性+骨盤内血性腹水(30HU以上)→子宮外妊娠
・片側の卵巣腫大(多くは6cm以上)→卵巣茎捻転
cf)・左(右)卵巣からの出血でも右(左)下腹部と訴えることもある。
・単純CTでもhighに見える腹水は血腫。
・増殖期(1-2週間)→排卵→黄体期(2週間/体温上昇)→月経
・排卵時に少し出血したり痛みがあることもある(卵胞出血、排卵時痛)。
・黄体は正常でも3-4cmになることがある。
・卵巣出血は排卵時の卵胞出血か、黄体期中期(最終月経初日から20日)の黄体出血が多い。
・黄体出血は左側はS状結腸がクッションになるので右側に多い。経過観察で自然出血することが多い。
・妊娠反応陽性なら子宮外妊娠が多い。出血性ショックになることもある。救急搬送が必要。
・月経周期について
増殖期は約14日だが個人差あり、黄体期は全員14日
内膜:増殖期①②→分泌期③④→月経⑤
卵巣:卵胞期①②→黄体期③④
①FSH↑により卵胞発育→卵胞周囲の顆粒膜細胞からE分泌
②E↑↑→GnRH↑↑→LHサージ→排卵、E↑により子宮内膜機能層増殖
③排卵後の卵胞が黄体になり、P分泌
④Pは代謝亢進(体温上昇)、子宮内膜機能層増殖をstop&保持
⑤黄体が白体化しP↓、子宮内膜機能層剥離(月経)
下腹部痛
<下腹部痛>
☆痛みの部位に一致する腸管の狭窄/狭小化と口側の軽度拡張、少量腹水があれば絞扼性腸閉塞にまではなっていない捻転や絞扼かも。腸管の細くなっているところを探すこと!
①尿が出るがチョロチョロしか出ない
尿閉かも⇒腹部エコーで尿貯留を確認し、導尿。必要なら尿道カテーテル留置し、翌日泌尿器科受診を指示。
cf)前立腺断面のサイズ
左右径35mm、前後径20mm、上下径25mm程度が正常上限。
cf)風邪薬で尿閉になることがある。冬に毎年尿閉になるならそうかも!
②精神科にかかっている
尿閉かも
cf)若年女性なら排卵時痛や子宮筋腫を除外すること。
③怒責をきっかけに発症
S状結腸穿孔かも(腹壁ソフトな場合も多い)→CTでのS状結腸周囲のfree airを見つけること。
cf)排便時の怒責をきっかけに生じた下腹痛が典型症状。もともと便秘や憩室がある場合が多いが、大腸癌が背景にある場合が多い。腹部が硬いとは限らないことも注意。高齢者に多いので同時に腹部大動脈瘤を認める場合もあるが、血栓閉塞型やextravasationないときは大腸穿孔を見逃さないこと。
④高血圧や喫煙歴あり
腹部大動脈瘤切迫破裂かも(造影でも瘤部分highにならない場合は血栓閉塞型。S状結腸穿孔の可能性も考えること)
☆痛みの部位に一致する腸管の狭窄/狭小化と口側の軽度拡張、少量腹水があれば絞扼性腸閉塞にまではなっていない捻転や絞扼かも。腸管の細くなっているところを探すこと!
①尿が出るがチョロチョロしか出ない
尿閉かも⇒腹部エコーで尿貯留を確認し、導尿。必要なら尿道カテーテル留置し、翌日泌尿器科受診を指示。
cf)前立腺断面のサイズ
左右径35mm、前後径20mm、上下径25mm程度が正常上限。
cf)風邪薬で尿閉になることがある。冬に毎年尿閉になるならそうかも!
②精神科にかかっている
尿閉かも
cf)若年女性なら排卵時痛や子宮筋腫を除外すること。
③怒責をきっかけに発症
S状結腸穿孔かも(腹壁ソフトな場合も多い)→CTでのS状結腸周囲のfree airを見つけること。
cf)排便時の怒責をきっかけに生じた下腹痛が典型症状。もともと便秘や憩室がある場合が多いが、大腸癌が背景にある場合が多い。腹部が硬いとは限らないことも注意。高齢者に多いので同時に腹部大動脈瘤を認める場合もあるが、血栓閉塞型やextravasationないときは大腸穿孔を見逃さないこと。
④高血圧や喫煙歴あり
腹部大動脈瘤切迫破裂かも(造影でも瘤部分highにならない場合は血栓閉塞型。S状結腸穿孔の可能性も考えること)
腹部全体痛
<腹部全体痛>
・ブスコパン無効な痛み、体位変換できない痛みは腸管壊死/解離の可能性あり造影CTが必要。
①頻回嘔吐+手術歴
腸閉塞⇒手術歴がない場合は鼠径部を必ず見ること。
cf)腸閉塞
・便秘による腸閉塞は滅多にない(浣腸は禁忌)。結腸の腸閉塞は大腸がんのサイン。
・麻痺性イレウスと腸炎の区別は難しい。
・エコーで拡張腸管の蠕動がないこと、腹水があること、gaslessな拡張があることなどが絞扼性を疑う。
・閉塞性、癒着性、絞扼性にしろ閉塞起点があるはず(閉塞性は腫瘍や腸重積、癒着性は索状物によるbeak sign、絞扼性は腸捻転など)。なければ麻痺性(SMA塞栓症、虫垂炎、PID、穿孔)となるが、全体的に腸壁の肥厚が見られれば腸炎(腸炎による麻痺性イレウスとも考えられる)
・絞扼性が否定的なら、イレウス管を十二指腸内に留置し、パントール20-100mgを点内に入れて持続投与すれば蠕動でイレウス管が進むので小腸内の減圧はできる。時折イレウス管の位置を腹単で確認する。大腸癌による閉塞の場合は、CFでステントを留置し、排便させて食事摂取を早めに行わせること。早期からのリハビリも重要。
・癒着性イレウスに対し、NGチューブから胃内容物を吸引した後に、ガストログラフィンを50-100ml注入し、6-24時間後に撮影し、右横行結腸に造影剤が認められれば、感度92%、特異度93%で手術治療なしで治療可能と判断できる。
cf)腸重積の原因:大人は腫瘍、子供はMeckel憩室、Peutz-Jeghersなど。腸重積は乳幼児だけの疾患ではない!!
②板状硬
消化管穿孔かも⇒造影CTして、free airや腹水貯留ないか見ること。上部消化管穿孔でのNG留置は愛護的に行い、airも少量で確認すること。あまり勢いよく長い距離挿入したり、airを多く入れ過ぎると穿孔を増悪させるので注意。下部消化管穿孔は腫瘍、憩室の他に老人では誘因なく起こる(便秘でいきんだ後に憩室が穿孔起こすことあり)。
cf)腸管穿孔を見逃さないためにairを強調するWL(WC)80、WW1200くらいに変更して見るとよい。初期は腸管壁に沿ってfree airが見られることが多い(WL:window level,WC:window center,WW:window width)。
③腹部軟+喫煙/高血圧
腹部大動脈瘤破裂かも⇒腹部エコー、造影CT
cf)腹部大動脈瘤の切迫破裂や破裂は腹部の筋性防御はみられない。筋性防御はまず腸管穿孔を考えること。
cf)腹部大動脈瘤破裂について
・腰痛を初発とする腹部大動脈瘤破裂は比較的慢性的な経過を取り見逃しやすい。
・体動によらない腰背部痛、血圧低下、嘔吐は腹部大動脈瘤破裂or切迫破裂の徴候。
・closed rapture(破裂による出血が後腹膜腔にとどまった状態)ではタンポナーデ効果によって一時的に出血が抑えられ、血圧が回復することがある。ショック+嘔吐で来院し血圧回復の場合、迷走神経反射と勘違いしAAAを見逃しやすい!
cf)腹部大動脈瘤
・大動脈瘤は腹部大動脈3cm以上もしくは正常の1.5倍以上
・胸骨下端から臍までが腹部大動脈、胸骨下端と臍の間に腎動脈
・触診するときは腎動脈より上か下かが重要、5cm超えても4人に1人は触知しない、3-4cmで30%程度が触知
・有病率5% ・破裂すると半分がその場で死亡、病院に到着しても半分が死亡
・危険因子は喫煙、高血圧、家族歴
・破裂リスク:
①紡錘状よりも嚢状の方が破裂リスク大
②3-4cmでは年間2cm、4-5cmでは年間3cm、5cm以上は年間5cm以上進行する
③破裂のリスクは、4cm:1.5%/年、5cm:6.5%/年、6cm:10%/年
・経過観察の目安
4cm以下なら年1回、4-5cmなら年2回、5cm以上なら専門医コンサルト(無症状でも)
④腹部軟+Af/透析
SMA塞栓症かも⇒造影CT。Af患者の腹痛は絶対に疑うこと。
・ブスコパン無効な痛み、体位変換できない痛みは腸管壊死/解離の可能性あり造影CTが必要。
①頻回嘔吐+手術歴
腸閉塞⇒手術歴がない場合は鼠径部を必ず見ること。
cf)腸閉塞
・便秘による腸閉塞は滅多にない(浣腸は禁忌)。結腸の腸閉塞は大腸がんのサイン。
・麻痺性イレウスと腸炎の区別は難しい。
・エコーで拡張腸管の蠕動がないこと、腹水があること、gaslessな拡張があることなどが絞扼性を疑う。
・閉塞性、癒着性、絞扼性にしろ閉塞起点があるはず(閉塞性は腫瘍や腸重積、癒着性は索状物によるbeak sign、絞扼性は腸捻転など)。なければ麻痺性(SMA塞栓症、虫垂炎、PID、穿孔)となるが、全体的に腸壁の肥厚が見られれば腸炎(腸炎による麻痺性イレウスとも考えられる)
・絞扼性が否定的なら、イレウス管を十二指腸内に留置し、パントール20-100mgを点内に入れて持続投与すれば蠕動でイレウス管が進むので小腸内の減圧はできる。時折イレウス管の位置を腹単で確認する。大腸癌による閉塞の場合は、CFでステントを留置し、排便させて食事摂取を早めに行わせること。早期からのリハビリも重要。
・癒着性イレウスに対し、NGチューブから胃内容物を吸引した後に、ガストログラフィンを50-100ml注入し、6-24時間後に撮影し、右横行結腸に造影剤が認められれば、感度92%、特異度93%で手術治療なしで治療可能と判断できる。
cf)腸重積の原因:大人は腫瘍、子供はMeckel憩室、Peutz-Jeghersなど。腸重積は乳幼児だけの疾患ではない!!
②板状硬
消化管穿孔かも⇒造影CTして、free airや腹水貯留ないか見ること。上部消化管穿孔でのNG留置は愛護的に行い、airも少量で確認すること。あまり勢いよく長い距離挿入したり、airを多く入れ過ぎると穿孔を増悪させるので注意。下部消化管穿孔は腫瘍、憩室の他に老人では誘因なく起こる(便秘でいきんだ後に憩室が穿孔起こすことあり)。
cf)腸管穿孔を見逃さないためにairを強調するWL(WC)80、WW1200くらいに変更して見るとよい。初期は腸管壁に沿ってfree airが見られることが多い(WL:window level,WC:window center,WW:window width)。
③腹部軟+喫煙/高血圧
腹部大動脈瘤破裂かも⇒腹部エコー、造影CT
cf)腹部大動脈瘤の切迫破裂や破裂は腹部の筋性防御はみられない。筋性防御はまず腸管穿孔を考えること。
cf)腹部大動脈瘤破裂について
・腰痛を初発とする腹部大動脈瘤破裂は比較的慢性的な経過を取り見逃しやすい。
・体動によらない腰背部痛、血圧低下、嘔吐は腹部大動脈瘤破裂or切迫破裂の徴候。
・closed rapture(破裂による出血が後腹膜腔にとどまった状態)ではタンポナーデ効果によって一時的に出血が抑えられ、血圧が回復することがある。ショック+嘔吐で来院し血圧回復の場合、迷走神経反射と勘違いしAAAを見逃しやすい!
cf)腹部大動脈瘤
・大動脈瘤は腹部大動脈3cm以上もしくは正常の1.5倍以上
・胸骨下端から臍までが腹部大動脈、胸骨下端と臍の間に腎動脈
・触診するときは腎動脈より上か下かが重要、5cm超えても4人に1人は触知しない、3-4cmで30%程度が触知
・有病率5% ・破裂すると半分がその場で死亡、病院に到着しても半分が死亡
・危険因子は喫煙、高血圧、家族歴
・破裂リスク:
①紡錘状よりも嚢状の方が破裂リスク大
②3-4cmでは年間2cm、4-5cmでは年間3cm、5cm以上は年間5cm以上進行する
③破裂のリスクは、4cm:1.5%/年、5cm:6.5%/年、6cm:10%/年
・経過観察の目安
4cm以下なら年1回、4-5cmなら年2回、5cm以上なら専門医コンサルト(無症状でも)
④腹部軟+Af/透析
SMA塞栓症かも⇒造影CT。Af患者の腹痛は絶対に疑うこと。
臍の痛み
<臍の痛み>
腹部手術後であれば、尿膜管の膿瘍の可能性あり。悪臭のある汁が出ていないか注意してみること。
腹部手術後であれば、尿膜管の膿瘍の可能性あり。悪臭のある汁が出ていないか注意してみること。
腰痛
<腰痛>
☆片側性によるものは尿管結石を考慮。腰痛と同側の股関節の鈍痛は腎盂腎炎による放散痛のことあり。
☆稀に帯状疱疹のこともあり。水疱に先行して痛みが出ることがある。
★red flag(1か月以上持続、50歳以上、安静時痛、ステロイド使用、体重減少、癌、神経症状)ないか聞く。
★FACET(facet=椎間関節の意味)がないか探す。
①fructure(脊椎圧迫骨折、骨盤骨折、仙尾骨骨折)
・圧迫骨折は高齢者の尻餅で起きやすい。叩打痛ないか⇒あればレントゲン撮影し、叩打痛のところを入念に見る。叩打痛のない圧迫骨折は陳旧性。新鮮圧迫骨折はSTIRでhigh/T1low。圧迫骨折あれば整形入院させ、圧迫が進行しないように水平位を保つ。コルセット装着し1か月の安静後、リハビリ開始。痛み止めはカロナール200㎎9T/3x→トラムセット3T/3x。それでも痛いなら硬膜外ブロック(ペイン外来consult)。
・骨盤骨折があれば必ず造影CTを行い、現在の出血がないか確認する。骨盤骨折は入院。
・仙骨尾骨の骨折は保存的に見るしかないので、痛み止めを処方し翌日整形外科受診を指示。
②aorta(腹部大動脈の瘤や解離)
・移動する痛み、高血圧既往、腹部拍動性腫瘤あれば、腹部エコーを行う。
・3割は腹部拍動性腫瘤がないこともある。
cf)腹部大動脈瘤破裂について
・腰痛を初発とする腹部大動脈瘤破裂は比較的慢性的な経過を取り見逃しやすい。
・体動によらない腰背部痛、血圧低下、嘔吐は腹部大動脈瘤破裂or切迫破裂の徴候。
・closed rapture(破裂による出血が後腹膜腔にとどまった状態)ではタンポナーデ効果によって一時的に出血が抑えられ、血圧が回復することがある。
cf)腹部大動脈瘤の壁在血栓と解離性腹部大動脈瘤の違いについて
・腹部大動脈瘤(AAA)の血管を取り囲むようなLDAは壁在血栓であることが多い。破裂の危険性とともに血栓が末梢に飛んで足壊疽などの危険性もあり。
・血管を取り囲む血栓が三日月状で単純CTにてhighに見えた場合はcrescent sign陽性で切迫破裂の危険性がある。
・壁在血栓は内膜の内側に動脈硬化で生じたもの、解離は中膜が解離して偽腔となり血液が流入したもの。内膜の石灰化が大動脈内に見えた場合は解離の可能性あり。
・真性AAA>50mm-55mm、限局解離を伴うAAA>45-50mmが手術適応。
③compression(ヘルニアや脊柱管狭窄)
・夜間痛(脊柱由来の痛みは、筋肉が弛緩する夜中に起きやすい)、痺れ、尻の中央を押すと足先まで痛みが放散(坐骨神経痛)、膀胱直腸障害ないか見る。両下肢の運動も感覚もまだらに障害される。運動だけ完全に障害されるのは脳血管障害。
④epidural abscess ・腰椎の手術歴+DM+発熱では常に考慮する。ワーファリン使用中の血腫の時もある。
・全身状態が悪い時や採血してCRP2ケタやWBC上昇あれば入院させる。ロセフィン(セフトリアキソン)2gを生食100mlに溶いて30分で投与を1日1回。
⑤tumor ・体重減少、乳癌や前立腺癌既往あれば入院させてMRIを行う。
・腰椎の左右のpedicleが消えていれば骨転移の可能性あり。
☆FACETがなければ急性腰痛症(脊柱起立筋の筋膜炎や棘間靭帯炎etc)としてケンタン(ロキソプロフェン)60mg1錠とムコスタ(レバミピド)100mg1錠を疼痛時頓服で処方する(腎機能低下あればカロナール(アセトアミノフェン)100mg3錠、透析中であれば逆にケンタンで良い)。暖めて動けるなら少々痛くても動くようにして、硬いベッドは避けるようにと指示する。
☆シップはインテナースシップ1袋など。かぶれるという人にはインテバンクリーム1%50mlやスミルスチックを処方する。
☆片側性によるものは尿管結石を考慮。腰痛と同側の股関節の鈍痛は腎盂腎炎による放散痛のことあり。
☆稀に帯状疱疹のこともあり。水疱に先行して痛みが出ることがある。
★red flag(1か月以上持続、50歳以上、安静時痛、ステロイド使用、体重減少、癌、神経症状)ないか聞く。
★FACET(facet=椎間関節の意味)がないか探す。
①fructure(脊椎圧迫骨折、骨盤骨折、仙尾骨骨折)
・圧迫骨折は高齢者の尻餅で起きやすい。叩打痛ないか⇒あればレントゲン撮影し、叩打痛のところを入念に見る。叩打痛のない圧迫骨折は陳旧性。新鮮圧迫骨折はSTIRでhigh/T1low。圧迫骨折あれば整形入院させ、圧迫が進行しないように水平位を保つ。コルセット装着し1か月の安静後、リハビリ開始。痛み止めはカロナール200㎎9T/3x→トラムセット3T/3x。それでも痛いなら硬膜外ブロック(ペイン外来consult)。
・骨盤骨折があれば必ず造影CTを行い、現在の出血がないか確認する。骨盤骨折は入院。
・仙骨尾骨の骨折は保存的に見るしかないので、痛み止めを処方し翌日整形外科受診を指示。
②aorta(腹部大動脈の瘤や解離)
・移動する痛み、高血圧既往、腹部拍動性腫瘤あれば、腹部エコーを行う。
・3割は腹部拍動性腫瘤がないこともある。
cf)腹部大動脈瘤破裂について
・腰痛を初発とする腹部大動脈瘤破裂は比較的慢性的な経過を取り見逃しやすい。
・体動によらない腰背部痛、血圧低下、嘔吐は腹部大動脈瘤破裂or切迫破裂の徴候。
・closed rapture(破裂による出血が後腹膜腔にとどまった状態)ではタンポナーデ効果によって一時的に出血が抑えられ、血圧が回復することがある。
cf)腹部大動脈瘤の壁在血栓と解離性腹部大動脈瘤の違いについて
・腹部大動脈瘤(AAA)の血管を取り囲むようなLDAは壁在血栓であることが多い。破裂の危険性とともに血栓が末梢に飛んで足壊疽などの危険性もあり。
・血管を取り囲む血栓が三日月状で単純CTにてhighに見えた場合はcrescent sign陽性で切迫破裂の危険性がある。
・壁在血栓は内膜の内側に動脈硬化で生じたもの、解離は中膜が解離して偽腔となり血液が流入したもの。内膜の石灰化が大動脈内に見えた場合は解離の可能性あり。
・真性AAA>50mm-55mm、限局解離を伴うAAA>45-50mmが手術適応。
③compression(ヘルニアや脊柱管狭窄)
・夜間痛(脊柱由来の痛みは、筋肉が弛緩する夜中に起きやすい)、痺れ、尻の中央を押すと足先まで痛みが放散(坐骨神経痛)、膀胱直腸障害ないか見る。両下肢の運動も感覚もまだらに障害される。運動だけ完全に障害されるのは脳血管障害。
④epidural abscess ・腰椎の手術歴+DM+発熱では常に考慮する。ワーファリン使用中の血腫の時もある。
・全身状態が悪い時や採血してCRP2ケタやWBC上昇あれば入院させる。ロセフィン(セフトリアキソン)2gを生食100mlに溶いて30分で投与を1日1回。
⑤tumor ・体重減少、乳癌や前立腺癌既往あれば入院させてMRIを行う。
・腰椎の左右のpedicleが消えていれば骨転移の可能性あり。
☆FACETがなければ急性腰痛症(脊柱起立筋の筋膜炎や棘間靭帯炎etc)としてケンタン(ロキソプロフェン)60mg1錠とムコスタ(レバミピド)100mg1錠を疼痛時頓服で処方する(腎機能低下あればカロナール(アセトアミノフェン)100mg3錠、透析中であれば逆にケンタンで良い)。暖めて動けるなら少々痛くても動くようにして、硬いベッドは避けるようにと指示する。
☆シップはインテナースシップ1袋など。かぶれるという人にはインテバンクリーム1%50mlやスミルスチックを処方する。
頭痛
<頭痛>
注意)SAHを疑うならCTで異常なくとも、MRI flair,T2star,MRAを行い、動脈瘤の有無を見ること。特に、CTでの明らかな出血がないが、脳溝の減少など脳浮腫の所見が認められた場合などはMRAを撮影するか、CTデータとともに脳神経外科に翌日受診を指示すること(救急で受診させてもいいくらい)。最悪なのはCTで明らかな出血を認めないminor leakageを見逃して再破裂させることである。
⇒50歳以上、48時間以上続く、嘔吐伴う、後頚部痛伴う、いつもの頭痛と違う場合はCT所見が陰性でも翌日の脳神経外科を受診するよう指示すること。
★危険な頭痛のred flagはSNOOP(systemic disease,neurological,onset suddenly,older,pattern change)。
★まず、発熱あれば髄膜炎、なければSAHを否定する。「いつもの頭痛と違いはありますか?」と聞く。
・痛い痛いとうるさい人より、もう何も言いたくないという感じ、倦怠感が強い頭痛、なんとなくぼんやり(JCSⅠ-1)して小さい声で”痛い~痛い~”としきりに言っている場合はSAHかもしれない(頭痛以外に、そもそも吐き気や倦怠感などの症状も強いから)。
・片方だけの肩こり、今までにない痛み、片足だけよく躓く、等ないか。sudden onsetとは限らない。
・突然始まる頭痛は注意する。問診で、患者がかなり具体的に頭痛が始まった状況を説明できる場合(階段の3段目をあがろうとしていた、とか、テレビを見ていて○○のCMが始まって少ししたとき、とか)。
・髄膜炎は造影MRIで脳溝や脳槽が高信号になる。
★発熱が原因の頭痛かもしれないので、胸写と尿検査(特に若年女性)をしておく。
☆女性ホルモン剤(避妊薬、月経困難症治療)服用中は頭蓋内静脈洞血栓症による頭痛もあり得る。長期服用でもここ最近の服用開始でもあり得る。
☆次に、脳内病変(巣症状)、緑内障(瞳孔散瞳左右差、片側充血、まぶたの上から押さえるとカチカチ)、巨細胞性側頭炎(ESR↑)を否定する。
☆片頭痛は、片方の頭痛+嘔気+光過敏+動けない+既往+片頭痛の家族歴。
☆cutaneous allodynia(皮膚を触るだけで痛い)は、片頭痛の最重症型で片麻痺(かたまひ)になる人もいるので注意する。
☆緊張型頭痛は、後頭部や両側前頭部の痛み。肩こりやストレスが誘引。片頭痛に併発することもある。
☆片頭痛や緊張型頭痛はテルネリンやマクサルト(リザトリプタン)10mg1錠を疼痛時頓服で処方する。マクサルトは高血圧や脳梗塞既往には禁忌。
☆群発頭痛は片側で中年男性+興奮気味+結膜充血+流涙+鼻汁。ケンタン(ロキソニン)60mg1錠とムコスタ(レバミピド)100mg1錠を疼痛時の頓服で処方する。
☆痛みを感じない時間があれば神経痛かも。特に帯状疱疹に伴う大後頭神経痛は発疹あればバルトレックス(バラシクロビル)500mg2錠分2を5日分処方する。
注意)SAHを疑うならCTで異常なくとも、MRI flair,T2star,MRAを行い、動脈瘤の有無を見ること。特に、CTでの明らかな出血がないが、脳溝の減少など脳浮腫の所見が認められた場合などはMRAを撮影するか、CTデータとともに脳神経外科に翌日受診を指示すること(救急で受診させてもいいくらい)。最悪なのはCTで明らかな出血を認めないminor leakageを見逃して再破裂させることである。
⇒50歳以上、48時間以上続く、嘔吐伴う、後頚部痛伴う、いつもの頭痛と違う場合はCT所見が陰性でも翌日の脳神経外科を受診するよう指示すること。
★危険な頭痛のred flagはSNOOP(systemic disease,neurological,onset suddenly,older,pattern change)。
★まず、発熱あれば髄膜炎、なければSAHを否定する。「いつもの頭痛と違いはありますか?」と聞く。
・痛い痛いとうるさい人より、もう何も言いたくないという感じ、倦怠感が強い頭痛、なんとなくぼんやり(JCSⅠ-1)して小さい声で”痛い~痛い~”としきりに言っている場合はSAHかもしれない(頭痛以外に、そもそも吐き気や倦怠感などの症状も強いから)。
・片方だけの肩こり、今までにない痛み、片足だけよく躓く、等ないか。sudden onsetとは限らない。
・突然始まる頭痛は注意する。問診で、患者がかなり具体的に頭痛が始まった状況を説明できる場合(階段の3段目をあがろうとしていた、とか、テレビを見ていて○○のCMが始まって少ししたとき、とか)。
・髄膜炎は造影MRIで脳溝や脳槽が高信号になる。
★発熱が原因の頭痛かもしれないので、胸写と尿検査(特に若年女性)をしておく。
☆女性ホルモン剤(避妊薬、月経困難症治療)服用中は頭蓋内静脈洞血栓症による頭痛もあり得る。長期服用でもここ最近の服用開始でもあり得る。
☆次に、脳内病変(巣症状)、緑内障(瞳孔散瞳左右差、片側充血、まぶたの上から押さえるとカチカチ)、巨細胞性側頭炎(ESR↑)を否定する。
☆片頭痛は、片方の頭痛+嘔気+光過敏+動けない+既往+片頭痛の家族歴。
☆cutaneous allodynia(皮膚を触るだけで痛い)は、片頭痛の最重症型で片麻痺(かたまひ)になる人もいるので注意する。
☆緊張型頭痛は、後頭部や両側前頭部の痛み。肩こりやストレスが誘引。片頭痛に併発することもある。
☆片頭痛や緊張型頭痛はテルネリンやマクサルト(リザトリプタン)10mg1錠を疼痛時頓服で処方する。マクサルトは高血圧や脳梗塞既往には禁忌。
☆群発頭痛は片側で中年男性+興奮気味+結膜充血+流涙+鼻汁。ケンタン(ロキソニン)60mg1錠とムコスタ(レバミピド)100mg1錠を疼痛時の頓服で処方する。
☆痛みを感じない時間があれば神経痛かも。特に帯状疱疹に伴う大後頭神経痛は発疹あればバルトレックス(バラシクロビル)500mg2錠分2を5日分処方する。
髄膜炎
<髄膜炎>
☆疑わしい頭痛+発熱+項部硬直はまず採血。意識清明でCRP正常ならあまり考えなくて良い。
☆乳幼児の発熱、意識障害、痙攣は髄膜炎を考えるが、Hibと肺炎球菌(PCV13)接種歴あればまず細菌性髄膜炎は否定的。
☆抗血小板薬単剤なら腰椎穿刺しても良い。2剤以上や抗凝固療法中はしない(脳外科や神経内科consult)。
☆若年者の項部硬直はやはり腰椎穿刺を躊躇しない事。
☆腰椎穿刺での出血は、硬膜外腔にある静脈叢からのもの。出血による巨大硬膜外血腫とそれに伴う脊髄神経圧迫を起こす。
☆髄液所見が正常でもヘルペス脳炎は否定できない。
☆髄膜炎の治療はステロイドから投与開始し、4剤投与する。
・オルガドロン3.8㎎1ml 2Aを生食50mlに溶いて30分かけて1日4回
・セフィローム1g(CTRX,ロセフィン)2瓶を生食50mlに溶いて30分かけて1日2回
・バンコマイシン0.5g1瓶を生食50mlに溶いて60分かけて(急速静注するとred neck syndrome)1日4回
・アシクロビル250㎎(ゾビラックス)2Aを生食50mlに溶いて30分かけて1日3回
☆無菌性であれば髄液のHSV-IgM,HSV-IgGを測定し、症状が強い時は、細菌性も考慮し、HSV抗体価の結果は時間がかかるのでゾビラックス250mgを生食100mlに溶いて1時間で投与を1日3回、ロセフィン1gを生食100mlに溶いて30分で投与を1日2回、グリセレブ200mlを1時間で投与を1日2回、ソルメルコート500mg,ラニチジン100mgを生食100mlに溶いて30分で投与を1日1回を行う。
☆疑わしい頭痛+発熱+項部硬直はまず採血。意識清明でCRP正常ならあまり考えなくて良い。
☆乳幼児の発熱、意識障害、痙攣は髄膜炎を考えるが、Hibと肺炎球菌(PCV13)接種歴あればまず細菌性髄膜炎は否定的。
☆抗血小板薬単剤なら腰椎穿刺しても良い。2剤以上や抗凝固療法中はしない(脳外科や神経内科consult)。
☆若年者の項部硬直はやはり腰椎穿刺を躊躇しない事。
☆腰椎穿刺での出血は、硬膜外腔にある静脈叢からのもの。出血による巨大硬膜外血腫とそれに伴う脊髄神経圧迫を起こす。
☆髄液所見が正常でもヘルペス脳炎は否定できない。
☆髄膜炎の治療はステロイドから投与開始し、4剤投与する。
・オルガドロン3.8㎎1ml 2Aを生食50mlに溶いて30分かけて1日4回
・セフィローム1g(CTRX,ロセフィン)2瓶を生食50mlに溶いて30分かけて1日2回
・バンコマイシン0.5g1瓶を生食50mlに溶いて60分かけて(急速静注するとred neck syndrome)1日4回
・アシクロビル250㎎(ゾビラックス)2Aを生食50mlに溶いて30分かけて1日3回
☆無菌性であれば髄液のHSV-IgM,HSV-IgGを測定し、症状が強い時は、細菌性も考慮し、HSV抗体価の結果は時間がかかるのでゾビラックス250mgを生食100mlに溶いて1時間で投与を1日3回、ロセフィン1gを生食100mlに溶いて30分で投与を1日2回、グリセレブ200mlを1時間で投与を1日2回、ソルメルコート500mg,ラニチジン100mgを生食100mlに溶いて30分で投与を1日1回を行う。
ステロイド力価
cf)ステロイド力価(コルチゾール:アルドステロン) ・ソルコーテフ/サクシゾン(ヒドロコルチゾン)⇒1:1 プレドニン(プレドニゾロン)⇒4:0.8 ソルメルコート/ソルメドロール(メチルプレドニゾロン)⇒5:0 リンデロン(ベタメタゾン)⇒25:0 オルガドロン/デカドロン(デキサメタゾン)⇒25:0 ・コルチゾールは体内で1日20mg分泌される。
頚部痛
<頚部痛>
☆片側性の頚部腫脹で発熱あるときは化膿性リンパ節炎を疑う。齲歯や副鼻腔炎がないか見ること。CRP高値の場合は膿瘍の可能性もあり、造影CTが必要。小児で発熱、化膿性リンパ節炎あれば結膜、舌、指先を見よ(川崎病)。
☆関節リウマチでは環軸椎亜脱臼ないか見ておく。
☆化膿性リンパ節炎ではなく、歯槽膿漏による反応性のリンパ節腫脹のこともあり。
☆片側性の頚部腫脹で発熱あるときは化膿性リンパ節炎を疑う。齲歯や副鼻腔炎がないか見ること。CRP高値の場合は膿瘍の可能性もあり、造影CTが必要。小児で発熱、化膿性リンパ節炎あれば結膜、舌、指先を見よ(川崎病)。
☆関節リウマチでは環軸椎亜脱臼ないか見ておく。
☆化膿性リンパ節炎ではなく、歯槽膿漏による反応性のリンパ節腫脹のこともあり。
軽症頭部外傷
<軽症頭部外傷>
☆ステープラーで本処置する前にガーゼで仮処置をし頭部CTを施行する(ステープラーでartifactになってしまうため)。
☆老人なら頭部CTを行い、慢硬予防に1ヵ月後の脳外科受診を指示する。
☆CTはTraumaABCDEsのうち1つあれば行う。
①toddler:よちよち歩き2歳以下のたんこぶ
②repeated vomitting
③accelerated headache
④unknown mechanism:受傷機転不明
⑤multiple trauma
⑥amnesia:健忘
⑦alteredLOC:意識消失や意識障害
⑧batterd child:虐待
⑨convulsion:痙攣
⑩drug/EtOH:抗凝固薬など
⑪elderly
⑫skull fx sign:頭蓋底骨折
☆脳震盪は数秒の意識消失なら1週間は運動禁止(second impact synd)。
☆頭蓋底骨折の徴候は、①パンダの目、②耳介後部血腫(battle sign)、③二重丸の鼻血
☆頭部CTで血腫はCT値が50程度(ROIで囲んで、Max,Min,Avgを見る)。血腫は骨条件で写らなくなる。骨条件で映れば石灰化。
☆乳幼児は顔色いいか、号泣あるか、機嫌よいか、目線合うか、手足動かすかで判断する。
☆脳出血や脳挫傷あれば、痙攣予防としてホストイン静注(体重50㎏で12mlを生食48mlに溶いて18分で投与)、止血剤としてチチナ,リカバリン静注。受傷後1,3,6,12時間後に頭部CTをfollowし、意識レベル低下、アニソコ、出血の拡大(硬膜下血腫の増大や血腫の増大→脳溝の減少→正中偏位→瞳孔左右差)があれば脳外科callしグリセオール投与。不穏時はホリゾン/ドロミカム/プロポフォールで鎮静(頭部外傷では不穏になりやすい)。
☆ステープラーで本処置する前にガーゼで仮処置をし頭部CTを施行する(ステープラーでartifactになってしまうため)。
☆老人なら頭部CTを行い、慢硬予防に1ヵ月後の脳外科受診を指示する。
☆CTはTraumaABCDEsのうち1つあれば行う。
①toddler:よちよち歩き2歳以下のたんこぶ
②repeated vomitting
③accelerated headache
④unknown mechanism:受傷機転不明
⑤multiple trauma
⑥amnesia:健忘
⑦alteredLOC:意識消失や意識障害
⑧batterd child:虐待
⑨convulsion:痙攣
⑩drug/EtOH:抗凝固薬など
⑪elderly
⑫skull fx sign:頭蓋底骨折
☆脳震盪は数秒の意識消失なら1週間は運動禁止(second impact synd)。
☆頭蓋底骨折の徴候は、①パンダの目、②耳介後部血腫(battle sign)、③二重丸の鼻血
☆頭部CTで血腫はCT値が50程度(ROIで囲んで、Max,Min,Avgを見る)。血腫は骨条件で写らなくなる。骨条件で映れば石灰化。
☆乳幼児は顔色いいか、号泣あるか、機嫌よいか、目線合うか、手足動かすかで判断する。
☆脳出血や脳挫傷あれば、痙攣予防としてホストイン静注(体重50㎏で12mlを生食48mlに溶いて18分で投与)、止血剤としてチチナ,リカバリン静注。受傷後1,3,6,12時間後に頭部CTをfollowし、意識レベル低下、アニソコ、出血の拡大(硬膜下血腫の増大や血腫の増大→脳溝の減少→正中偏位→瞳孔左右差)があれば脳外科callしグリセオール投与。不穏時はホリゾン/ドロミカム/プロポフォールで鎮静(頭部外傷では不穏になりやすい)。
意識障害
<意識障害>
★デキスターで血糖値測定し、緊急一般の採血(T-bil,Cre,BUN,TKB,Na,K,Ca,Mg,TSH,freeT3/T4,ACTH,cortisol,CRP,WBC,neutrophil,)と頭部CT, 頭部MRIを行う。項部硬直あれば腰椎穿刺も必要(老人は筋鉤縮あれば全部の方向で首が硬い)。
☆頭部MRIではMRAで椎骨-脳底、内頚 2本、ACA/MCA/PCAを必ず確認する。T1からDWIまで全ての画像を見る。T1/T2で梗塞でもDWIでなければ陳旧性脳梗塞。
☆常に失神と意識障害の両面から考える。
☆JCSの記載はJCSⅠ-3-A/R/I(aparic安静/restless暴れている/incontinence尿失禁)等の様にする。
☆意識障害+心機能低下なら心原性ショック以外は頭(意識障害)を優先する。
★まず低血糖否定。血糖値50以下なら、50プロツッカー(50%ブドウ糖液20ml)2A+アリナミン(ビタミンB1)2ml5A静注。
注)ビオタメジン1V中にチアミン(ビタミンB1)は100mg含むので1日1Vでよい(シーパラ1A2ml中にチアミンは10mg)
★原因がはっきりしないときは脳波検査を行うこと。
☆眩暈、嘔吐、後頸部痛伴うものはDWI、MRA、頸椎2方向(CTでも可能)が必要。
☆頸椎で椎間板が狭小化している頸椎の上下に頚部前屈位ですべり症が起きる可能性がある(あれば椎骨脳底動脈系のTIAの疑いが強い)。頸椎正面で頚動脈の石灰化が見えることもある。
☆AIUEOTIPS
①Alcohol⇒Wernicke脳症忘れるな、B1を1日100mg投与する(ビタメジン1Vを輸液に混注する)。
②Insulin⇒DKA、HONK、低血糖
③Uremia⇒尿毒症、劇症肝炎(→BUNが保たれているか、脳症の程度、凝固系、胆嚢浮腫で経過見る。アミノレバン以外のアミノ酸は使わないこと。エルネオパは×。補液はブドウ糖ベースで。)
④Encephalopathy⇒特発性/症候性癲癇、脳炎、高血圧性脳症
⑤Electrolytes⇒低Na血症、高Ca血症
⑥Endocrine⇒下垂体、甲状腺、副腎
⑦Trauma
⑧Temperature
⑨Infection⇒sepsisないかSIRSチェック。髄膜炎は呼びかけで開眼するが傾眠傾向。
⑩Psychiatry⇒drop hand test、”手で開眼させても話すとぱっと閉じる”
⑪Porphilia
⑫Seizure⇒痙攣の目撃がないか。2回目以降なら癲癇(原因分かれば症候性癲癇、原因不明なら特発性癲癇)。痙攣後は意識混濁や発熱が見られることがある。痙攣現場を目撃していない場合、抗痙攣薬の減量による痙攣後の意識障害なのか、抗痙攣薬の増量による過鎮静なのかを血中濃度を見ること。
⑬Stroke⇒TIA(ABCD2スコア:エービーシーディースクエアスコア)
⑭SAH⇒瞳孔左右差+交代性片麻痺あればテント切痕ヘルニアの可能性あり、緊急脳外科call。外傷性であれば部分的SAH、動脈瘤破裂では心電図異常も出るし、CPAにもなる。頭痛は激痛とは限らず、意識混濁とともに痛い痛いと小さな声でずっとうなっている印象。
★デキスターで血糖値測定し、緊急一般の採血(T-bil,Cre,BUN,TKB,Na,K,Ca,Mg,TSH,freeT3/T4,ACTH,cortisol,CRP,WBC,neutrophil,)と頭部CT, 頭部MRIを行う。項部硬直あれば腰椎穿刺も必要(老人は筋鉤縮あれば全部の方向で首が硬い)。
☆頭部MRIではMRAで椎骨-脳底、内頚 2本、ACA/MCA/PCAを必ず確認する。T1からDWIまで全ての画像を見る。T1/T2で梗塞でもDWIでなければ陳旧性脳梗塞。
☆常に失神と意識障害の両面から考える。
☆JCSの記載はJCSⅠ-3-A/R/I(aparic安静/restless暴れている/incontinence尿失禁)等の様にする。
☆意識障害+心機能低下なら心原性ショック以外は頭(意識障害)を優先する。
★まず低血糖否定。血糖値50以下なら、50プロツッカー(50%ブドウ糖液20ml)2A+アリナミン(ビタミンB1)2ml5A静注。
注)ビオタメジン1V中にチアミン(ビタミンB1)は100mg含むので1日1Vでよい(シーパラ1A2ml中にチアミンは10mg)
★原因がはっきりしないときは脳波検査を行うこと。
☆眩暈、嘔吐、後頸部痛伴うものはDWI、MRA、頸椎2方向(CTでも可能)が必要。
☆頸椎で椎間板が狭小化している頸椎の上下に頚部前屈位ですべり症が起きる可能性がある(あれば椎骨脳底動脈系のTIAの疑いが強い)。頸椎正面で頚動脈の石灰化が見えることもある。
☆AIUEOTIPS
①Alcohol⇒Wernicke脳症忘れるな、B1を1日100mg投与する(ビタメジン1Vを輸液に混注する)。
②Insulin⇒DKA、HONK、低血糖
③Uremia⇒尿毒症、劇症肝炎(→BUNが保たれているか、脳症の程度、凝固系、胆嚢浮腫で経過見る。アミノレバン以外のアミノ酸は使わないこと。エルネオパは×。補液はブドウ糖ベースで。)
④Encephalopathy⇒特発性/症候性癲癇、脳炎、高血圧性脳症
⑤Electrolytes⇒低Na血症、高Ca血症
⑥Endocrine⇒下垂体、甲状腺、副腎
⑦Trauma
⑧Temperature
⑨Infection⇒sepsisないかSIRSチェック。髄膜炎は呼びかけで開眼するが傾眠傾向。
⑩Psychiatry⇒drop hand test、”手で開眼させても話すとぱっと閉じる”
⑪Porphilia
⑫Seizure⇒痙攣の目撃がないか。2回目以降なら癲癇(原因分かれば症候性癲癇、原因不明なら特発性癲癇)。痙攣後は意識混濁や発熱が見られることがある。痙攣現場を目撃していない場合、抗痙攣薬の減量による痙攣後の意識障害なのか、抗痙攣薬の増量による過鎮静なのかを血中濃度を見ること。
⑬Stroke⇒TIA(ABCD2スコア:エービーシーディースクエアスコア)
⑭SAH⇒瞳孔左右差+交代性片麻痺あればテント切痕ヘルニアの可能性あり、緊急脳外科call。外傷性であれば部分的SAH、動脈瘤破裂では心電図異常も出るし、CPAにもなる。頭痛は激痛とは限らず、意識混濁とともに痛い痛いと小さな声でずっとうなっている印象。
TIAでの入院基準
TIAでの入院基準
cf)ABCD2スコア(エービーシーディースクエアスコア)・TIAでの入院基準
A(Age):60歳以上なら1点
B(BP):SBP140以上またはDBP90以上で1点
C(Clinical symptom):片麻痺あれば2点、構音障害あれば1点
D(Duration):持続時間が60分以上なら2点、10-59分なら1点、10分未満なら0点
D(DM):糖尿病あれば1点
・4点以上で2日以内の脳梗塞発症リスクが4%なので入院(脳外科病院へ転送する)
・48時間以内の脳梗塞発症率
0-3点:1% 4-5点:4% 6-7点:8%
cf)TIAについて
・TIA後3か月以内に15%が脳梗塞を発症し、半数が48時間以内。
・症状は脳梗塞と同様。
例)「片側の顔面と手足が動かない、しびれる」「片方の目が見えない、物が二重に見える」「言葉が出ない、ろれつが回らない、人の話が理解できない」
・持続時間は10分前後。
・手のしびれのみは頚椎症や肩こり。手と口の両方のしびれがあればTIA。
・失神のみは循環器へ紹介(迷走神経反射や不整脈)。TIAでの失神は稀で、他の神経症状を伴う。失神がないからといってTIAを否定するのは大間違い!!
・過去にけいれんの既往がないか。あれば神経内科へ紹介。
・非心原性TIAの発症48時間以内はアスピリン160-300mg。発症予防はアスピリン75-150mgかクロピドグレル75mg(なければシロスタゾール200mg、チクロピジン200mg)。
・非弁膜症性の心原性TIAではワーファリン。70歳未満はPTINR2.0-3.0、70歳以上は1.6-2.6。
・頸動脈狭窄が70%以上ある場合はCEA(脳外科紹介)。50%未満ではCEA適応外。
・禁煙、適切な体重維持と運動。飲酒は適量であれば良い。
cf)ABCD2スコア(エービーシーディースクエアスコア)・TIAでの入院基準
A(Age):60歳以上なら1点
B(BP):SBP140以上またはDBP90以上で1点
C(Clinical symptom):片麻痺あれば2点、構音障害あれば1点
D(Duration):持続時間が60分以上なら2点、10-59分なら1点、10分未満なら0点
D(DM):糖尿病あれば1点
・4点以上で2日以内の脳梗塞発症リスクが4%なので入院(脳外科病院へ転送する)
・48時間以内の脳梗塞発症率
0-3点:1% 4-5点:4% 6-7点:8%
cf)TIAについて
・TIA後3か月以内に15%が脳梗塞を発症し、半数が48時間以内。
・症状は脳梗塞と同様。
例)「片側の顔面と手足が動かない、しびれる」「片方の目が見えない、物が二重に見える」「言葉が出ない、ろれつが回らない、人の話が理解できない」
・持続時間は10分前後。
・手のしびれのみは頚椎症や肩こり。手と口の両方のしびれがあればTIA。
・失神のみは循環器へ紹介(迷走神経反射や不整脈)。TIAでの失神は稀で、他の神経症状を伴う。失神がないからといってTIAを否定するのは大間違い!!
・過去にけいれんの既往がないか。あれば神経内科へ紹介。
・非心原性TIAの発症48時間以内はアスピリン160-300mg。発症予防はアスピリン75-150mgかクロピドグレル75mg(なければシロスタゾール200mg、チクロピジン200mg)。
・非弁膜症性の心原性TIAではワーファリン。70歳未満はPTINR2.0-3.0、70歳以上は1.6-2.6。
・頸動脈狭窄が70%以上ある場合はCEA(脳外科紹介)。50%未満ではCEA適応外。
・禁煙、適切な体重維持と運動。飲酒は適量であれば良い。
頭部MRIの見方
cf)頭部MRIの見方
・DWIでhigh/ADC活性DWIでiso-low(orDWIでhigh/Flareでlow)なら新鮮脳梗塞
・T1low/T2highなら陳旧性脳梗塞
・T1/T2/T2starでlowなら陳旧性出血
・脳梗塞:1週過ぎからT1でlow、T2でhighになってくる。DWIはすぐにhighになっていき1日後がピーク、1週後にiso、そこからlowになっていく
・脳出血:T1では1週から1カ月の間だけhighで他の期間はiso、T2は1日から1週はlow、1週から1カ月の間はhighで他の期間はiso
cf)脳梗塞発症時間の推定
・DWIでhigh、FLAIRでhighなしなら発症3hr以内(FLAIRでhighになるのは6hr以降)
・CTで脳梗塞がはっきりわかるのは8hr以降。∴脳梗塞の症状がありCTですでにLDAがある場合は別の部位に脳梗塞を起こしている可能性がある!CTのLDAにすぐに飛びつかないこと!
・DWIでhigh/ADC活性DWIでiso-low(orDWIでhigh/Flareでlow)なら新鮮脳梗塞
・T1low/T2highなら陳旧性脳梗塞
・T1/T2/T2starでlowなら陳旧性出血
・脳梗塞:1週過ぎからT1でlow、T2でhighになってくる。DWIはすぐにhighになっていき1日後がピーク、1週後にiso、そこからlowになっていく
・脳出血:T1では1週から1カ月の間だけhighで他の期間はiso、T2は1日から1週はlow、1週から1カ月の間はhighで他の期間はiso
cf)脳梗塞発症時間の推定
・DWIでhigh、FLAIRでhighなしなら発症3hr以内(FLAIRでhighになるのは6hr以降)
・CTで脳梗塞がはっきりわかるのは8hr以降。∴脳梗塞の症状がありCTですでにLDAがある場合は別の部位に脳梗塞を起こしている可能性がある!CTのLDAにすぐに飛びつかないこと!
右頭頂葉脳梗塞(超急性期と12時間後のDWI)
血糖値とNaの関係
cf)血糖値とNaの関係
BSが100mg/dl上昇すると、Naは1.6mEq/L低下する。低血糖が改善するとNaは上昇してくる。
BSが100mg/dl上昇すると、Naは1.6mEq/L低下する。低血糖が改善するとNaは上昇してくる。
失神
<失神>
★失神とは、数秒~数分の意識消失で自然に完全回復するもの、を指す。”ふらついて倒れた” 、”すぐに自然に意識が戻った”と言うことが多い。
☆常に意識障害と失神の両面を考える。
☆原因がはっきりしないときは入院させてホルター心電図を行うこと。
☆新しく降圧薬やβブロッカーが処方されてないかチェックする。→起立性低血圧による失神
☆症候性癲癇を否定するためには痙攣の有無に関して周囲の目撃証言が重要になる。
☆冷汗、嘔気、眩暈(浮遊感)、ふらつきなどの前駆症状がない場合や仰臥位失神では、心血管性失神(AVB,SSS,AS/AR,除脈を伴ったAf,HOCMなど)を考えて、心電図、採血、胸写をして、CHESSがなければ帰宅可能(congestive heart failure,Ht<30%,EKG,SBP<90mmHg,shortness of breath)。
☆前駆症状あれば、ほとんどが迷走神経反射や起立性失神(出血、貧血、脱水)。洞性頻脈や起立負荷でふらつき、嘔気、20以上の脈拍と血圧変化ないかチェックする。
☆食事中の失神は迷走神経反射だが、ホルターでSSSやAVBが見つかることあり(抗ヒスタミン薬/ジキタリス/βブロッカー使用歴ないかcheck)。
☆迷走神経反射にはアトロピン0.5mgを輸液に混注して点滴も良い。
☆失神の原因としてのTIAは1%であり、ほとんどない(大脳皮質や脳幹を支配する大きな血管が詰まって再開通などありえないし、脳底動脈閉塞なら麻痺や小脳症状が必ずあるはず)。
☆Afと徐脈はTIAよりも心血管性を強く疑うパターン。
☆TIAによる意識障害は少なくとも30分以上持続するし、他の麻痺など神経所見を必ず伴う。それでもTIAを疑うなら、MRA,DWI,頸椎XRを行う。
★失神とは、数秒~数分の意識消失で自然に完全回復するもの、を指す。”ふらついて倒れた” 、”すぐに自然に意識が戻った”と言うことが多い。
☆常に意識障害と失神の両面を考える。
☆原因がはっきりしないときは入院させてホルター心電図を行うこと。
☆新しく降圧薬やβブロッカーが処方されてないかチェックする。→起立性低血圧による失神
☆症候性癲癇を否定するためには痙攣の有無に関して周囲の目撃証言が重要になる。
☆冷汗、嘔気、眩暈(浮遊感)、ふらつきなどの前駆症状がない場合や仰臥位失神では、心血管性失神(AVB,SSS,AS/AR,除脈を伴ったAf,HOCMなど)を考えて、心電図、採血、胸写をして、CHESSがなければ帰宅可能(congestive heart failure,Ht<30%,EKG,SBP<90mmHg,shortness of breath)。
☆前駆症状あれば、ほとんどが迷走神経反射や起立性失神(出血、貧血、脱水)。洞性頻脈や起立負荷でふらつき、嘔気、20以上の脈拍と血圧変化ないかチェックする。
☆食事中の失神は迷走神経反射だが、ホルターでSSSやAVBが見つかることあり(抗ヒスタミン薬/ジキタリス/βブロッカー使用歴ないかcheck)。
☆迷走神経反射にはアトロピン0.5mgを輸液に混注して点滴も良い。
☆失神の原因としてのTIAは1%であり、ほとんどない(大脳皮質や脳幹を支配する大きな血管が詰まって再開通などありえないし、脳底動脈閉塞なら麻痺や小脳症状が必ずあるはず)。
☆Afと徐脈はTIAよりも心血管性を強く疑うパターン。
☆TIAによる意識障害は少なくとも30分以上持続するし、他の麻痺など神経所見を必ず伴う。それでもTIAを疑うなら、MRA,DWI,頸椎XRを行う。
弁膜症の手術適応
cf)弁膜症の手術適応
①AS ・ASC(APあれば5年、syncopeあれば3年、鬱血性心不全あれば2年の予後) ・4m/s以上、圧較差40mmHg以上、弁口面積1cm2以下のいずれかで手術適応
・有症状やEF50%以下で放置すると心筋症が進む
・めまい、ふらつきで来院することがある
・AVR>TAVR>内科治療、術後30日の脳梗塞発生率はTAVRで5%、AVRで2.5%
②AR ・有症状、EF50%以下、LVDs55mm以上、LVDd75mm以上のいずれかで手術適応
③MR/MS ・有症状、EF60%以下、心房細動、いずれかで手術適応
①AS ・ASC(APあれば5年、syncopeあれば3年、鬱血性心不全あれば2年の予後) ・4m/s以上、圧較差40mmHg以上、弁口面積1cm2以下のいずれかで手術適応
・有症状やEF50%以下で放置すると心筋症が進む
・めまい、ふらつきで来院することがある
・AVR>TAVR>内科治療、術後30日の脳梗塞発生率はTAVRで5%、AVRで2.5%
②AR ・有症状、EF50%以下、LVDs55mm以上、LVDd75mm以上のいずれかで手術適応
③MR/MS ・有症状、EF60%以下、心房細動、いずれかで手術適応
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