痙攣
<痙攣>
★まず止める。呼吸停止に備えてバッグバルブマスクを用意してから、ホリゾン(ジアゼパム)10mg/2mlを0.5Aを点滴ライン側管からショットで投与する。痙攣が止まるまで2回まで繰り返す。1時間様子みて止まらないならもう0.5A。
☆止まったら、再発予防にアレビアチン(フェニトイン)250mg/5mL1Aを生食100mlに溶いて30分で投与する。
☆癲癇は2回目の痙攣発作時に言う。初回痙攣は癲癇と言わないこと。
☆老人初発の多くは、Alzheimerに合併する老人性癲癇(症候性癲癇の1つ)。
☆麻痺のない共同偏視は脳梗塞後の症候性癲癇の可能性あり。
☆いびき様呼吸で、乳酸アシドーシスあれば痙攣を起こしている可能性がある。
☆中年初発では、脳腫瘍、AVMなどを考慮し、頭部CTを行う。
☆若年者の癲癇は熱性痙攣の既往や癲癇の家族歴、頭部外傷歴を聞くこと。
☆他にアルコール離脱(osmを測定する)、低血糖、高血糖、尿毒症(BUN/Cr)、陳旧性脳出血/脳梗塞病変による牽引、低Na、低Mg、低Ca、甲状腺機能↑↓、低酸素、SAH、脳炎、脳卒中、薬物中毒の痙攣(乳酸アシドーシスあれば三環系抗うつ薬を疑う)。
☆痙攣ではCPKが300-2000程度、軽度の乳酸アシドーシスあり。
☆癲癇(2回目の痙攣)なら車の運転は2年間禁止。
☆入院させて、デパゲンR(バルプロ酸の徐方剤)800㎎分2朝夕食後を投与する。服用できないなら、アレビアチン(フェニトイン)250mg/5mL1Aを生食100mlに溶いて1日3回から開始。
☆有効血中濃度:カルバマゼピン4-12μg/ml、バルプロ酸50-100μg/ml。意識レベル低下あれば採血し、減量する(頭部CTやMRIは必要)。
★まず止める。呼吸停止に備えてバッグバルブマスクを用意してから、ホリゾン(ジアゼパム)10mg/2mlを0.5Aを点滴ライン側管からショットで投与する。痙攣が止まるまで2回まで繰り返す。1時間様子みて止まらないならもう0.5A。
☆止まったら、再発予防にアレビアチン(フェニトイン)250mg/5mL1Aを生食100mlに溶いて30分で投与する。
☆癲癇は2回目の痙攣発作時に言う。初回痙攣は癲癇と言わないこと。
☆老人初発の多くは、Alzheimerに合併する老人性癲癇(症候性癲癇の1つ)。
☆麻痺のない共同偏視は脳梗塞後の症候性癲癇の可能性あり。
☆いびき様呼吸で、乳酸アシドーシスあれば痙攣を起こしている可能性がある。
☆中年初発では、脳腫瘍、AVMなどを考慮し、頭部CTを行う。
☆若年者の癲癇は熱性痙攣の既往や癲癇の家族歴、頭部外傷歴を聞くこと。
☆他にアルコール離脱(osmを測定する)、低血糖、高血糖、尿毒症(BUN/Cr)、陳旧性脳出血/脳梗塞病変による牽引、低Na、低Mg、低Ca、甲状腺機能↑↓、低酸素、SAH、脳炎、脳卒中、薬物中毒の痙攣(乳酸アシドーシスあれば三環系抗うつ薬を疑う)。
☆痙攣ではCPKが300-2000程度、軽度の乳酸アシドーシスあり。
☆癲癇(2回目の痙攣)なら車の運転は2年間禁止。
☆入院させて、デパゲンR(バルプロ酸の徐方剤)800㎎分2朝夕食後を投与する。服用できないなら、アレビアチン(フェニトイン)250mg/5mL1Aを生食100mlに溶いて1日3回から開始。
☆有効血中濃度:カルバマゼピン4-12μg/ml、バルプロ酸50-100μg/ml。意識レベル低下あれば採血し、減量する(頭部CTやMRIは必要)。
眩暈
<眩暈>
★回転性眩暈(vertigo)か浮遊感(diziness/presyncope)か区別する。
★”世の中がぐるぐる回ってる”、”景色が横に流れる”、”意識は遠のかない”は、回転性眩暈(vertigo)。
★”意識が遠のく”、”目の前が真っ暗になる”、”ふらつく”は、浮遊感diziness/presyncope)。
☆”ふらついて倒れた”は意識消失があれば失神で、意識消失なければ眩暈として対処する。
☆vertigoではほとんどが内耳性だが小脳脳幹病変をr/oする。
☆diziness/presyncopeは心血管性失神(AR/AS,AVB,SSS,除脈伴ったAf,HOCM)と起立性失神(出血/貧血/脱水)をr/oする。
☆内耳性(vertigo) ・頭位変換で眼振出るならBPPVかも。じっとしてるとおさまる水平性眼振あり。
・BPPVなら飛行機は避ける!
・風邪が先行し、耳鳴り難聴ないなら前庭神経炎かも。
・SSRI、抗ヒスタミン薬、降圧薬利尿薬、抗癲癇薬も原因となる。
・内耳の循環改善にアデホスLコーワ2A、シチコリン1A、シアノコバラミン1A、メイロン1Aを生食100mlに溶いて30分で投与する(眩暈点滴セット)。入院後は1日2回投与。メイロンはラクテックに入れるとCaと結合して沈殿するので注意。
・嘔吐にはプリンペラン(メトクロプラミド)10mg2mL 1Aをi.v.かナウゼリン(ドンペリドン)坐薬10mg、アタラックスP(H1拮抗薬)1A i.v.、ノバミン(プロクロルペラジン)5mg/1mL 1A i.m.、リンデロン(ベタメタゾン)坐薬0.5mgなど。
・指鼻試験正常、回内回外運動正常、体幹失調なし、麻痺なし、構音障害なし、眼振なし、複視なし、で眩暈点滴セットで症状消失したなら、ベタヒスチンメシル12mg(メタヒスロン)12mg3錠、セファドール25mg3 錠、ナウゼリン5mg3錠分3毎食後で処方し、近日中に耳鼻科受診を指示し帰宅。
・耳鳴り難聴あれば、初発なら突発性難聴か繰り返すならメニエール病か。
☆小脳脳幹性(vertigo) ・眩暈点滴セットでも改善しないなら、小脳脳幹の出血を否定するために頭部CTを行う。小脳出血ではほとんどに頭痛がある。
・急性期の梗塞の場合はCTでは検出できないので、頭部MRIを行う。PICA領域がほとんど。
・1hr以内の超急性期はDWIでも検出できないのでMRAも行う。椎骨脳底動脈解離を否定するためにBIPAS(ビーパス)というMRIのモードで撮影してみるとよい。
・小脳の脳卒中は話せないくらいの嘔吐が続き、そのうちMalloryWeissを起こす。吐血すれば血圧は下がるが、この場合は高いか正常のまま⇒GIFよりCT/MRIを。もしくは眩暈改善時に歩けるかチェック(小脳虫部梗塞では体幹失調が出るだけで指鼻や回内回外など正常のことも多い。
☆diziness/presyncope ・失神の場合に準じる。
・後ろに振り向いたときに浮遊感が起きるなら椎骨脳底動脈血流不全の可能性あるため、後日脳外科受診を指示。
cf)回転性眩暈で以下の項目がどれにも該当しなければ耳鼻科疾患として帰宅可能(1項目でも該当すればDWI施行を)
・顔面や四肢に自覚的な感覚障害がある
・他覚的な温痛覚障害がある
・指鼻試験、膝踵試験で左右差がある
・単脚立位が閉眼で不可能である
・眼裂の狭小化、左右差がある
・暗所下で瞳孔に左右差がある
★回転性眩暈(vertigo)か浮遊感(diziness/presyncope)か区別する。
★”世の中がぐるぐる回ってる”、”景色が横に流れる”、”意識は遠のかない”は、回転性眩暈(vertigo)。
★”意識が遠のく”、”目の前が真っ暗になる”、”ふらつく”は、浮遊感diziness/presyncope)。
☆”ふらついて倒れた”は意識消失があれば失神で、意識消失なければ眩暈として対処する。
☆vertigoではほとんどが内耳性だが小脳脳幹病変をr/oする。
☆diziness/presyncopeは心血管性失神(AR/AS,AVB,SSS,除脈伴ったAf,HOCM)と起立性失神(出血/貧血/脱水)をr/oする。
☆内耳性(vertigo) ・頭位変換で眼振出るならBPPVかも。じっとしてるとおさまる水平性眼振あり。
・BPPVなら飛行機は避ける!
・風邪が先行し、耳鳴り難聴ないなら前庭神経炎かも。
・SSRI、抗ヒスタミン薬、降圧薬利尿薬、抗癲癇薬も原因となる。
・内耳の循環改善にアデホスLコーワ2A、シチコリン1A、シアノコバラミン1A、メイロン1Aを生食100mlに溶いて30分で投与する(眩暈点滴セット)。入院後は1日2回投与。メイロンはラクテックに入れるとCaと結合して沈殿するので注意。
・嘔吐にはプリンペラン(メトクロプラミド)10mg2mL 1Aをi.v.かナウゼリン(ドンペリドン)坐薬10mg、アタラックスP(H1拮抗薬)1A i.v.、ノバミン(プロクロルペラジン)5mg/1mL 1A i.m.、リンデロン(ベタメタゾン)坐薬0.5mgなど。
・指鼻試験正常、回内回外運動正常、体幹失調なし、麻痺なし、構音障害なし、眼振なし、複視なし、で眩暈点滴セットで症状消失したなら、ベタヒスチンメシル12mg(メタヒスロン)12mg3錠、セファドール25mg3 錠、ナウゼリン5mg3錠分3毎食後で処方し、近日中に耳鼻科受診を指示し帰宅。
・耳鳴り難聴あれば、初発なら突発性難聴か繰り返すならメニエール病か。
☆小脳脳幹性(vertigo) ・眩暈点滴セットでも改善しないなら、小脳脳幹の出血を否定するために頭部CTを行う。小脳出血ではほとんどに頭痛がある。
・急性期の梗塞の場合はCTでは検出できないので、頭部MRIを行う。PICA領域がほとんど。
・1hr以内の超急性期はDWIでも検出できないのでMRAも行う。椎骨脳底動脈解離を否定するためにBIPAS(ビーパス)というMRIのモードで撮影してみるとよい。
・小脳の脳卒中は話せないくらいの嘔吐が続き、そのうちMalloryWeissを起こす。吐血すれば血圧は下がるが、この場合は高いか正常のまま⇒GIFよりCT/MRIを。もしくは眩暈改善時に歩けるかチェック(小脳虫部梗塞では体幹失調が出るだけで指鼻や回内回外など正常のことも多い。
☆diziness/presyncope ・失神の場合に準じる。
・後ろに振り向いたときに浮遊感が起きるなら椎骨脳底動脈血流不全の可能性あるため、後日脳外科受診を指示。
cf)回転性眩暈で以下の項目がどれにも該当しなければ耳鼻科疾患として帰宅可能(1項目でも該当すればDWI施行を)
・顔面や四肢に自覚的な感覚障害がある
・他覚的な温痛覚障害がある
・指鼻試験、膝踵試験で左右差がある
・単脚立位が閉眼で不可能である
・眼裂の狭小化、左右差がある
・暗所下で瞳孔に左右差がある
ふらつき
<ふらつき>
★曖昧な主訴であり、失神、眩暈、全身倦怠感のことあり。
★必要あれば採血、頭部CT/MRI、心電図など。
☆”ふらついて倒れた”は”倒れるときあぶないと思いましたか?”と聞くこと。⇒失神なら思わないし、drop attackや小脳病変なら思ったはず。
☆浮遊感あれば心血管性前失神(AR/AS,AVB,SSS,除脈伴ったAf,HOCM)、起立性前失神(出血/貧血/脱水)、椎骨脳底動脈血流不全、回転性眩暈あれば小脳脳幹/内耳を検索する。
☆全身倦怠感ならACTH,コルチゾール,fT3,fT4,TSH(ACTH単独欠損やSheehan症候群が見つかるかも)を測定。
☆Cushing症候群の診断:真夜中の12時にデカドロン0.5mg2錠を服用し、朝一番のコルチゾールを測定し、5以下なら正常となる(同時にACTHも測定すればよい)
★曖昧な主訴であり、失神、眩暈、全身倦怠感のことあり。
★必要あれば採血、頭部CT/MRI、心電図など。
☆”ふらついて倒れた”は”倒れるときあぶないと思いましたか?”と聞くこと。⇒失神なら思わないし、drop attackや小脳病変なら思ったはず。
☆浮遊感あれば心血管性前失神(AR/AS,AVB,SSS,除脈伴ったAf,HOCM)、起立性前失神(出血/貧血/脱水)、椎骨脳底動脈血流不全、回転性眩暈あれば小脳脳幹/内耳を検索する。
☆全身倦怠感ならACTH,コルチゾール,fT3,fT4,TSH(ACTH単独欠損やSheehan症候群が見つかるかも)を測定。
☆Cushing症候群の診断:真夜中の12時にデカドロン0.5mg2錠を服用し、朝一番のコルチゾールを測定し、5以下なら正常となる(同時にACTHも測定すればよい)
呼吸困難(SpO2の低下)
<呼吸困難(SpO2の低下)>
☆急速に生じた喘鳴、SpO2低下、両側肺水腫はACSやたこつぼ型心筋症の可能性あり。まずは心電図/TropT/ラピチェックを。
cf)超急性期のACSはT波増高から始まるので注意。必ず前回心電図との比較を。
cf)アナフィラキシーなら皮疹から生じるはず。
・夜間のSat低下は、
①痰詰まり⇒呼吸数↑
②過鎮静(リスパダール、セレネース、バルプロ酸など)⇒呼吸数↓
③CO2ナルコーシス(COPDある場合)⇒呼吸数↓
④肺炎⇒呼吸数↑
⑤心筋梗塞、敗血症など血圧低下⇒呼吸数↑
cf)Satの変化は呼吸数で代償しきれなくなった時に起こるため、呼吸数の変化がより鋭敏。
呼吸数増加:
①代謝性アシドーシスに対する呼吸代償
②組織酸素需要量の増大
③交感神経興奮状態(心因性の過喚起症候群を含む)
呼吸数低下:
①呼吸中枢抑制(麻薬・鎮静薬,CO2ナルコーシス,中枢神経障害)
☆胸部誘導でのnegativeT、SpO2 89%くらいの低下、頻脈、PaCO2低下、AST/ALT/LDH上昇のどれかがあれば、下肢浮腫がなくても、心エコーで右室拡大の有無を確認する(PE/DVTの否定)。
⇒抗癌治療中など凝固亢進状態がある場合は造影CTでPEなくても末梢性のPEの場合があるため、必ず心エコーでPA圧を測定してもらう。
☆PE/DVTによるSpO2の低下は酸素投与で容易に改善するが、見逃すと右心不全が進みCPAになる。
★酸素化悪い時は、躊躇せずにバッグ換気⇒挿管をする。酸素化不良を漫然と放置しない。
★血圧低下時はSpO2が低く出るので、上気道狭窄音がなく、胸郭が上がっていればバッグ換気はOK。
★入れ歯をとった時は挿管位置は口角20㎝でOK(普通は22cm)。
★挿管困難(CI:cannot intubate)は怖いが換気困難(CV:cannot ventilateはもっと怖い(CVCI)→バッグ換気OKなら挿管は待てる。
★バッグ換気で酸素化悪い時は、頚部の聴診と送気したバッグを握ったまま保持しPCVにする。
★バッグバルブマスク(アンビューとも言う)はFiO2が100%にはならないが、ジャクソンリースは酸素10L/分にすれば100%になる。リザーバーマスクも酸素10L/分なら100%になる。⇒この時のPaO2/FiO2を計算して300以下ならALI,200以下ならARDS。
★挿管の確認はまず左肺⇒胃部(胃泡音が強すぎて左肺の呼吸音と間違うことがある)。
☆喀痰/呼吸音左右で低下⇒喀痰による上気道閉塞や無気肺。胸部CTにて気管支閉塞を確認できれば、気管支鏡にて吸痰施行。
☆咳痰/発熱⇒肺炎
・A-DROP(BP90以下/SpO2 90以下/BUN21以上/意識レベル低下/男70女75才以上)3つ以上該当以上なら入院適応。
・採血、胸写、胸部CTを。
・室内気でSpO2が93%切るようなら痰培、血培2セット採取し入院。
・寝たきりの誤嚥は炎症が肺底部に見られるはず。
☆透析中でBUN↑Cr↑⇒溢水(尿毒症)
・DWを患者かかかりつけクリニックに聞いて、緊急透析(3時間3L程度)。
・血圧が高くて、心不全もあるならミリスロール原液を2mlショットし、2ml/hrで持続投与。
・血中浸透圧>尿中浸透圧なら溢水状態。
☆wheeze/BNP増加/pitting edema/CXRで上肺野中心の左右対称な肺鬱血(心拡大目立たなくてもbutterfly shadow=CXRで左右対称、上下肺野が白い)⇒急性心不全か慢性心不全の急性増悪
cf)Cheyne-Stokes呼吸について
・無呼吸と頻呼吸の繰り返し。
・脳卒中、うっ血性心不全、重度の腎臓疾患、肺炎、中毒、全身麻酔、乏血、失神、瀕死時。
・酸素化不良⇒頻呼吸⇒CO2低下⇒無呼吸⇒CO2上昇⇒
⇒脳卒中:呼吸中枢が障害されてCO2上昇の感知が遅延するため無呼吸が続く
⇒慢性心不全:心拍出量が低下し高CO2の動脈が呼吸中枢へくまで時間がかかるためCO2上昇の感知が遅延するため無呼吸が続く
・胸痛あれば、胸痛の対応に準じる。
・慢性心不全の急性増悪で血圧が高い(140mmHg以上)ならミリスロール原液を2mlショットし、2ml/hrで持続投与。効果ないならBiPAP(胸腔内圧を上げて静脈還流を減らす効果)。
・ショックバイタル(EF40%以下)なら心原性ショックの対応に準じる。ドパミンキット600/200mL1袋5-10γ(体重50㎏で5-10ml/hr、5γ以下はrenal dose)、ドブポン0.3%注シリンジ50ml(ドブトレックス)1筒5-10γ(体重50㎏で5-10ml/hr)、DOA:DOB=1:1で合計20γ以下にする。βblockerを使っておりカテコラミンに反応が悪いときはミルリーラ原液(10mg/10ml)を1ml/hrから開始。
・肺鬱血重篤なら入院後は5%ブドウ糖500ml/day ・低Alb時はアルブミナーを投与。
・自覚症状が軽快したら、点滴offし内服薬に速やかに切り替える。
・心機能が低いが改善傾向見られるなら、1-2日かけてそれぞれの投与量を半減させていく。
・心不全の治療薬
①高血圧があればARB+利尿剤(フルイトラン1mg) ②血圧がそんなに高くなければACE阻害剤(レニベース5-10mg/日、意外と空咳多い) ③利尿剤はラシックス単剤よりもアルダクトン併用(ルブラック4-8mg/日+セララ50-100mg/日⇒セララはDM禁忌)。腎機能悪い時はKに注意する。
④虚血か収縮低下があればβ遮断薬。アーチストが使いやすい。2.5mg→5mg→10mgと増量。 突然死のリスクは低容量でも予防効果があるが、DCMなどでは用量依存的にEFの改善が見込める。Afのレートコントロールにも使えるがアーチストは意外とレートが下がらないことがあるのでメインテートにする。
⑤Afがあればジキタリス(ジゴシン0.125-0.25mg/日)も考慮するが、虚血心、VPCやNSVT頻発では例使用しない。
⑥coronary risk factorが高ければ、クレストール+アスピリン+PPI。
⑦栄養指導を受けてもらうこと。塩分制限は絶対必要。
⑧V2受容体拮抗薬(サムスカ15mg)は集合管から水だけ抜くので、肺水腫くりかえし、BiPAP中、透析寸前に使うと良い。
☆長期の喫煙歴/慢性咳嗽痰/滴状心/やせ⇒COPDの急性増悪
・喘息の治療と同様だが、リンデロン4mg(0.4%)+5%ブドウ糖20mlを1日2回とBaseに感染症あるかもしれないのでCTRX1g1日1回投与し、軽快すれば1週間かけてリンデロンは半減し中止。
・SpO2が89%以上になる程度でO2は2L/分程度までとする。
・肺線維症では僅かな体動でPaO2が30mmHg以上も低下することがある。頻回測定が必要。
・O2を2L/分にしても、SpO2が改善しないときは、PaCO2とpHの関係から、高PaCO2が慢性か急性かを判断し、慢性的ならO2流量を上げるとCO2ナルコーシスから呼吸停止になることがあるため、BiPAP を導入する(それでも無理なら挿管することになるが、人工呼吸器が離脱できなくなることを家族に話した上でそうするか決めてもらう)。
・底流量の酸素投与でしのげたなら急性増悪の原因(多くは感染症)の治療を行う。
☆発作既往/wheeze/心拡大なし/BNP増加なし/CTにて肺異常なし⇒喘息
・ソルメルコート125㎎(プリドール)1Vを生食100mlに溶かして30分かけて投与。超音波ネブライザーでベネトリン吸入液0.5%0.5ml+ビソルボン吸入液0.2%2ml+生食5mL2A(3mlでも可)を3回繰り返す。
・アスピリン喘息ではソルメルコートなどのコハク酸エステル型ステロイドは喘息を誘発するためリン酸エステル型ステロイドであるリンデロンやデカドロン4-8mgに変更する。
・室内気でSpO2が93%以上ならフルタイド100ディスカス60ブリスター1個1日2回30回分、メプチン10μgエアー100吸入5mL1キット発作時30回分、キプレス10㎎1錠1日1回寝る前、ムコソルバン15㎎3錠1日3回毎食後を処方し、帰宅。
☆SpO2が91%程度/100回/分以上の頻脈/女性/下腿圧痛/肥満/ピル/喫煙/骨盤手術歴⇒DVT/PEかも
・まずは心エコー。
・心エコーで右室拡大あれば造影CTする(D-dimer陰性なら否定的)
・ワーファリン5㎎1錠分1朝食後、ヘパリンNa(1000単位/ml)5mlショット後、ヘパリンNa(1000単位/ml)15mlを生食100mlに溶いて5ml/hrで持続投与開始。
・ワーファリン投与期間:原因が除去できたら3ヶ月、原因不明なら6ヶ月、ProteinS/C欠損/癌/膠原病など原因が一生ものなら一生。
・大きな肺炎でCRP陰性、Dダイマー上昇を見ると肺梗塞を疑うが、大きな肺梗塞なら肺主幹動脈の閉塞があるはず。
☆長身痩せ型/喫煙歴/若年男性⇒自然気胸
・胸痛→呼吸困難
・正面CXRで正常でも前面気胸かもしれないのでCTを。
・両側乳頭を結ぶ線と中腋下線の交点で肋骨上縁をキシロカイン10mlで陰圧をかけながら穿刺しつつ麻酔し、気泡が逆流したところが胸腔内なので、そこから少し針を戻して胸膜を6ml使って麻酔する。麻酔部を尖刃で切開し、ペアンでとりあえず胸腔に孔を空け、18-24Fr(フレンチ)の太さのトロッカー(チェストチューブ)を挿入し、12cmH2Oで持続吸引する。
☆血圧低下/発疹発赤/気道狭窄音⇒アナフィラキシーショック
・まず生食全開投与し、ボスミン0.3mg/0.3mlを大腿外側にi.m. ・ポララミン5mg1A、ラニチジン(ザンタック)100mg1A、ソルメルコート(プリドール)125mg1Aを生食100mlに溶いて30分かけて投与。
☆血圧低下/気管偏位/片側胸郭膨隆/片側呼吸音低下⇒緊張性気胸
・両側乳頭を結ぶ線と中腋下線の交点を尖刃で切開し、ペアンでとりあえず胸腔に孔を空ける。
☆体動時の著明な息切れ⇒間質性肺炎
・RA/SLE/PMDM/サルコイドーシス/カリニ
cf)RAの活動性はCRPとMMP-3でみる。
☆最近の引っ越し/好中球↑LDH↑/空咳⇒過敏性肺臓炎
☆好酸球増多⇒ChurgStrauss(IgE↑MPO-ANCA陽性)かABPA(IgE↑アスペルギルス抗原↑)。PSL内服必要。呼吸器科コンサルトを。
☆鳥の飼育歴⇒オウム病?
☆原因不明なら肺高血圧症かも
・心エコーで肺動脈圧を測定。
・COPD/SLE/PMDM/Sjogren/甲状腺↑↓に合併する。
☆急速に生じた喘鳴、SpO2低下、両側肺水腫はACSやたこつぼ型心筋症の可能性あり。まずは心電図/TropT/ラピチェックを。
cf)超急性期のACSはT波増高から始まるので注意。必ず前回心電図との比較を。
cf)アナフィラキシーなら皮疹から生じるはず。
・夜間のSat低下は、
①痰詰まり⇒呼吸数↑
②過鎮静(リスパダール、セレネース、バルプロ酸など)⇒呼吸数↓
③CO2ナルコーシス(COPDある場合)⇒呼吸数↓
④肺炎⇒呼吸数↑
⑤心筋梗塞、敗血症など血圧低下⇒呼吸数↑
cf)Satの変化は呼吸数で代償しきれなくなった時に起こるため、呼吸数の変化がより鋭敏。
呼吸数増加:
①代謝性アシドーシスに対する呼吸代償
②組織酸素需要量の増大
③交感神経興奮状態(心因性の過喚起症候群を含む)
呼吸数低下:
①呼吸中枢抑制(麻薬・鎮静薬,CO2ナルコーシス,中枢神経障害)
☆胸部誘導でのnegativeT、SpO2 89%くらいの低下、頻脈、PaCO2低下、AST/ALT/LDH上昇のどれかがあれば、下肢浮腫がなくても、心エコーで右室拡大の有無を確認する(PE/DVTの否定)。
⇒抗癌治療中など凝固亢進状態がある場合は造影CTでPEなくても末梢性のPEの場合があるため、必ず心エコーでPA圧を測定してもらう。
☆PE/DVTによるSpO2の低下は酸素投与で容易に改善するが、見逃すと右心不全が進みCPAになる。
★酸素化悪い時は、躊躇せずにバッグ換気⇒挿管をする。酸素化不良を漫然と放置しない。
★血圧低下時はSpO2が低く出るので、上気道狭窄音がなく、胸郭が上がっていればバッグ換気はOK。
★入れ歯をとった時は挿管位置は口角20㎝でOK(普通は22cm)。
★挿管困難(CI:cannot intubate)は怖いが換気困難(CV:cannot ventilateはもっと怖い(CVCI)→バッグ換気OKなら挿管は待てる。
★バッグ換気で酸素化悪い時は、頚部の聴診と送気したバッグを握ったまま保持しPCVにする。
★バッグバルブマスク(アンビューとも言う)はFiO2が100%にはならないが、ジャクソンリースは酸素10L/分にすれば100%になる。リザーバーマスクも酸素10L/分なら100%になる。⇒この時のPaO2/FiO2を計算して300以下ならALI,200以下ならARDS。
★挿管の確認はまず左肺⇒胃部(胃泡音が強すぎて左肺の呼吸音と間違うことがある)。
☆喀痰/呼吸音左右で低下⇒喀痰による上気道閉塞や無気肺。胸部CTにて気管支閉塞を確認できれば、気管支鏡にて吸痰施行。
☆咳痰/発熱⇒肺炎
・A-DROP(BP90以下/SpO2 90以下/BUN21以上/意識レベル低下/男70女75才以上)3つ以上該当以上なら入院適応。
・採血、胸写、胸部CTを。
・室内気でSpO2が93%切るようなら痰培、血培2セット採取し入院。
・寝たきりの誤嚥は炎症が肺底部に見られるはず。
☆透析中でBUN↑Cr↑⇒溢水(尿毒症)
・DWを患者かかかりつけクリニックに聞いて、緊急透析(3時間3L程度)。
・血圧が高くて、心不全もあるならミリスロール原液を2mlショットし、2ml/hrで持続投与。
・血中浸透圧>尿中浸透圧なら溢水状態。
☆wheeze/BNP増加/pitting edema/CXRで上肺野中心の左右対称な肺鬱血(心拡大目立たなくてもbutterfly shadow=CXRで左右対称、上下肺野が白い)⇒急性心不全か慢性心不全の急性増悪
cf)Cheyne-Stokes呼吸について
・無呼吸と頻呼吸の繰り返し。
・脳卒中、うっ血性心不全、重度の腎臓疾患、肺炎、中毒、全身麻酔、乏血、失神、瀕死時。
・酸素化不良⇒頻呼吸⇒CO2低下⇒無呼吸⇒CO2上昇⇒
⇒脳卒中:呼吸中枢が障害されてCO2上昇の感知が遅延するため無呼吸が続く
⇒慢性心不全:心拍出量が低下し高CO2の動脈が呼吸中枢へくまで時間がかかるためCO2上昇の感知が遅延するため無呼吸が続く
・胸痛あれば、胸痛の対応に準じる。
・慢性心不全の急性増悪で血圧が高い(140mmHg以上)ならミリスロール原液を2mlショットし、2ml/hrで持続投与。効果ないならBiPAP(胸腔内圧を上げて静脈還流を減らす効果)。
・ショックバイタル(EF40%以下)なら心原性ショックの対応に準じる。ドパミンキット600/200mL1袋5-10γ(体重50㎏で5-10ml/hr、5γ以下はrenal dose)、ドブポン0.3%注シリンジ50ml(ドブトレックス)1筒5-10γ(体重50㎏で5-10ml/hr)、DOA:DOB=1:1で合計20γ以下にする。βblockerを使っておりカテコラミンに反応が悪いときはミルリーラ原液(10mg/10ml)を1ml/hrから開始。
・肺鬱血重篤なら入院後は5%ブドウ糖500ml/day ・低Alb時はアルブミナーを投与。
・自覚症状が軽快したら、点滴offし内服薬に速やかに切り替える。
・心機能が低いが改善傾向見られるなら、1-2日かけてそれぞれの投与量を半減させていく。
・心不全の治療薬
①高血圧があればARB+利尿剤(フルイトラン1mg) ②血圧がそんなに高くなければACE阻害剤(レニベース5-10mg/日、意外と空咳多い) ③利尿剤はラシックス単剤よりもアルダクトン併用(ルブラック4-8mg/日+セララ50-100mg/日⇒セララはDM禁忌)。腎機能悪い時はKに注意する。
④虚血か収縮低下があればβ遮断薬。アーチストが使いやすい。2.5mg→5mg→10mgと増量。 突然死のリスクは低容量でも予防効果があるが、DCMなどでは用量依存的にEFの改善が見込める。Afのレートコントロールにも使えるがアーチストは意外とレートが下がらないことがあるのでメインテートにする。
⑤Afがあればジキタリス(ジゴシン0.125-0.25mg/日)も考慮するが、虚血心、VPCやNSVT頻発では例使用しない。
⑥coronary risk factorが高ければ、クレストール+アスピリン+PPI。
⑦栄養指導を受けてもらうこと。塩分制限は絶対必要。
⑧V2受容体拮抗薬(サムスカ15mg)は集合管から水だけ抜くので、肺水腫くりかえし、BiPAP中、透析寸前に使うと良い。
☆長期の喫煙歴/慢性咳嗽痰/滴状心/やせ⇒COPDの急性増悪
・喘息の治療と同様だが、リンデロン4mg(0.4%)+5%ブドウ糖20mlを1日2回とBaseに感染症あるかもしれないのでCTRX1g1日1回投与し、軽快すれば1週間かけてリンデロンは半減し中止。
・SpO2が89%以上になる程度でO2は2L/分程度までとする。
・肺線維症では僅かな体動でPaO2が30mmHg以上も低下することがある。頻回測定が必要。
・O2を2L/分にしても、SpO2が改善しないときは、PaCO2とpHの関係から、高PaCO2が慢性か急性かを判断し、慢性的ならO2流量を上げるとCO2ナルコーシスから呼吸停止になることがあるため、BiPAP を導入する(それでも無理なら挿管することになるが、人工呼吸器が離脱できなくなることを家族に話した上でそうするか決めてもらう)。
・底流量の酸素投与でしのげたなら急性増悪の原因(多くは感染症)の治療を行う。
☆発作既往/wheeze/心拡大なし/BNP増加なし/CTにて肺異常なし⇒喘息
・ソルメルコート125㎎(プリドール)1Vを生食100mlに溶かして30分かけて投与。超音波ネブライザーでベネトリン吸入液0.5%0.5ml+ビソルボン吸入液0.2%2ml+生食5mL2A(3mlでも可)を3回繰り返す。
・アスピリン喘息ではソルメルコートなどのコハク酸エステル型ステロイドは喘息を誘発するためリン酸エステル型ステロイドであるリンデロンやデカドロン4-8mgに変更する。
・室内気でSpO2が93%以上ならフルタイド100ディスカス60ブリスター1個1日2回30回分、メプチン10μgエアー100吸入5mL1キット発作時30回分、キプレス10㎎1錠1日1回寝る前、ムコソルバン15㎎3錠1日3回毎食後を処方し、帰宅。
☆SpO2が91%程度/100回/分以上の頻脈/女性/下腿圧痛/肥満/ピル/喫煙/骨盤手術歴⇒DVT/PEかも
・まずは心エコー。
・心エコーで右室拡大あれば造影CTする(D-dimer陰性なら否定的)
・ワーファリン5㎎1錠分1朝食後、ヘパリンNa(1000単位/ml)5mlショット後、ヘパリンNa(1000単位/ml)15mlを生食100mlに溶いて5ml/hrで持続投与開始。
・ワーファリン投与期間:原因が除去できたら3ヶ月、原因不明なら6ヶ月、ProteinS/C欠損/癌/膠原病など原因が一生ものなら一生。
・大きな肺炎でCRP陰性、Dダイマー上昇を見ると肺梗塞を疑うが、大きな肺梗塞なら肺主幹動脈の閉塞があるはず。
☆長身痩せ型/喫煙歴/若年男性⇒自然気胸
・胸痛→呼吸困難
・正面CXRで正常でも前面気胸かもしれないのでCTを。
・両側乳頭を結ぶ線と中腋下線の交点で肋骨上縁をキシロカイン10mlで陰圧をかけながら穿刺しつつ麻酔し、気泡が逆流したところが胸腔内なので、そこから少し針を戻して胸膜を6ml使って麻酔する。麻酔部を尖刃で切開し、ペアンでとりあえず胸腔に孔を空け、18-24Fr(フレンチ)の太さのトロッカー(チェストチューブ)を挿入し、12cmH2Oで持続吸引する。
☆血圧低下/発疹発赤/気道狭窄音⇒アナフィラキシーショック
・まず生食全開投与し、ボスミン0.3mg/0.3mlを大腿外側にi.m. ・ポララミン5mg1A、ラニチジン(ザンタック)100mg1A、ソルメルコート(プリドール)125mg1Aを生食100mlに溶いて30分かけて投与。
☆血圧低下/気管偏位/片側胸郭膨隆/片側呼吸音低下⇒緊張性気胸
・両側乳頭を結ぶ線と中腋下線の交点を尖刃で切開し、ペアンでとりあえず胸腔に孔を空ける。
☆体動時の著明な息切れ⇒間質性肺炎
・RA/SLE/PMDM/サルコイドーシス/カリニ
cf)RAの活動性はCRPとMMP-3でみる。
☆最近の引っ越し/好中球↑LDH↑/空咳⇒過敏性肺臓炎
☆好酸球増多⇒ChurgStrauss(IgE↑MPO-ANCA陽性)かABPA(IgE↑アスペルギルス抗原↑)。PSL内服必要。呼吸器科コンサルトを。
☆鳥の飼育歴⇒オウム病?
☆原因不明なら肺高血圧症かも
・心エコーで肺動脈圧を測定。
・COPD/SLE/PMDM/Sjogren/甲状腺↑↓に合併する。
人工呼吸器について
cf)人工呼吸器について
・換気モードについて
①CPAP:ずっと一定の陽圧(PEEP)をかけるだけ
②PSV:自発吸気時に陽圧をかけるだけ、無呼吸の恐れあり
③A/C:自発呼吸をひろって換気、自発呼吸ないときは強制換気、設定以上の換気を行うことあり→頻呼吸→静脈還流↓
④SIMV:自発呼吸をひろって換気、自発呼吸ないときは強制換気、設定回数以上は換気しない
⑤CMV:一定間隔で強制換気、自発呼吸が全くないとき
⑥NIPPV:挿管なしの人工呼吸器、フェイスマスク、吸気/呼気ともに陽圧をかける、呼気時の陽圧はPEEPと同じ、NIPPV専用機がBiPAP、適応はCOPD/喘息/CHF ①~⑤は人工呼吸器のモードで、従量式か従圧式かを選ぶ(従量式は換気量保てるが圧損傷あり、しかし圧波形で状態みれるのでICUではこちら。従圧式は換気量低下あるが圧を設定値以下にするので圧損傷ないため手術室ではこちら。)
・人工呼吸器の設定
①換気モード:PSVかSIMVか
②FiO2は100%からスタート、PF比からPaO2を80mmHgに保つ
③PEEPは3-5cmH20 ④1回換気量は8-10cc/kg、呼吸回数は10-12回/分、プラトー圧が30cmH2O以上なら6cc/kgにする
⑤他はデフォルト値
・NIPPVの設定:IPAP10cmH2O、EPAP5cmH2Oからスタート、PaCO2↓したいときはIPAPを上げる、PaO2↑したいときはFiO2上げる
注意)
SIMVでアラームがうるさい時は、自発呼吸あるか注意する。
CPAPに変更し、PEEP5,PS5-10くらいに設定してみる。
・換気モードについて
①CPAP:ずっと一定の陽圧(PEEP)をかけるだけ
②PSV:自発吸気時に陽圧をかけるだけ、無呼吸の恐れあり
③A/C:自発呼吸をひろって換気、自発呼吸ないときは強制換気、設定以上の換気を行うことあり→頻呼吸→静脈還流↓
④SIMV:自発呼吸をひろって換気、自発呼吸ないときは強制換気、設定回数以上は換気しない
⑤CMV:一定間隔で強制換気、自発呼吸が全くないとき
⑥NIPPV:挿管なしの人工呼吸器、フェイスマスク、吸気/呼気ともに陽圧をかける、呼気時の陽圧はPEEPと同じ、NIPPV専用機がBiPAP、適応はCOPD/喘息/CHF ①~⑤は人工呼吸器のモードで、従量式か従圧式かを選ぶ(従量式は換気量保てるが圧損傷あり、しかし圧波形で状態みれるのでICUではこちら。従圧式は換気量低下あるが圧を設定値以下にするので圧損傷ないため手術室ではこちら。)
・人工呼吸器の設定
①換気モード:PSVかSIMVか
②FiO2は100%からスタート、PF比からPaO2を80mmHgに保つ
③PEEPは3-5cmH20 ④1回換気量は8-10cc/kg、呼吸回数は10-12回/分、プラトー圧が30cmH2O以上なら6cc/kgにする
⑤他はデフォルト値
・NIPPVの設定:IPAP10cmH2O、EPAP5cmH2Oからスタート、PaCO2↓したいときはIPAPを上げる、PaO2↑したいときはFiO2上げる
注意)
SIMVでアラームがうるさい時は、自発呼吸あるか注意する。
CPAPに変更し、PEEP5,PS5-10くらいに設定してみる。
血ガスについて
血ガスの評価方法
①pHが7.40±0.05以下ならアシドーシス、以上ならアルカローシス
②PaCO2は酸性物質で正常値は40±5mmHg、HCO3は塩基性物質で正常値は24±2mEq/L
③pHがアシドーシスなら、PaCO2↑かHCO3↓のはずであり、PaCO2↑ならアシドーシスの原因は呼吸性、HCO3↓ならアシドーシスの原因は代謝性
pHがアルカローシスなら、PaCO2↓かHCO3↑であり、PaCO2↓ならアシドーシスの原因は呼吸性、HCO3↑ならアシドーシスの原因は代謝性
∴要するに、pH変化の原因がPaCO2なら呼吸性、pH変化の原因がHCO3なら代謝性
④pH変化の原因がPaCO2で、HCO3が異常値なら代償、正常値なら非代償
pH変化の原因がHCO3で、PaCO2が異常値なら代償、正常値なら非代償
(代償の結果、pHが正常範囲になることはなくても”代償された”と言う)
例)pH,PaCO2,HCO3の組み合わせは全部で18通り
pH↑PaCO2↑HCO3↑:代償された代謝性アルカローシス
pH↑PaCO2↑HCO3↓:ありえない
pH↑PaCO2↑HCO3→:ありえない
pH↑PaCO2↓HCO3↑:混合性アルカローシス(呼吸性+代謝性)
pH↑PaCO2↓HCO3↓:代償された呼吸性アルカローシス
pH↑PaCO2↓HCO3→:非代償の呼吸性アルカローシス
pH↑PaCO2→HCO3↑:非代償の代謝性アルカローシス
pH↑PaCO2→HCO3↓:ありえない
pH↑PaCO2→HCO3→:ありえない
pH↓PaCO2↑HCO3↑:代償された呼吸性アシドーシス
pH↓PaCO2↑HCO3↓:混合性アシドーシス(呼吸性+代謝性)
pH↓PaCO2↑HCO3→:非代償の呼吸性アシドーシス
pH↓PaCO2↓HCO3↑:ありえない
pH↓PaCO2↓HCO3↓:代償された代謝性アシドーシス
pH↓PaCO2↓HCO3→:ありえない
pH↓PaCO2→HCO3↑:ありえない
pH↓PaCO2→HCO3↓:非代償の代謝性アシドーシス
pH↓PaCO2→HCO3→:ありえない
⑤アニオンギャップ(AG=Na+K-(CL+HCO3))を計算する。正常範囲は10-15mEq/L。
注意)血ガス評価で鑑別できる病態
☆Metabolic Acidosis (Anion Gap)
MUDPILES・Methanol ・Uremia ・Diabetic Ketoacidosis (check serum ketones) ・Propylene Glycol (in BZD drips) or Paraldehydes ・Isoniazid ・Lactic Acidosis (check serum lactate) ・Ethylene Glycol (anti-freeze) ・Salycylates
GOLDMARK・Glycols (ethylene or propylene) ・Oxoporin (reflects fatty liver damage from glutathione consumption, e.g. acetaminophen toxicity) ・L-Lactate ・D-Lactate (bacterial form) ・Methanol ・Aspirin (salycylate) ・Renal Failure (BUN uremia) ・Ketoacidosis
☆Metabolic Acidosis (Non-Anion Gap)
GI Loss・Diarrhea / Laxatives ・Fistula, (pancreatic, biliary) ・Uretero-intestinal diversion (ileal conduit)
Renal Loss・Renal Tubular Acidosis (Type 1 Distal or Type 2 Proximal) ・Renal Failure ・Hyper-kalemia
Exogenous Acid・HCl ・Amino Acids
FUSED CARS・Fistula (pancreatic, biliary) ・Uretero-gastric conduit ・Saline admin (dilutional acidosis) ・Endocrine (hyper-PTH) ・Diarrhea ・Carbonic anhydrase inhibitor (acetazolamide) ・Ammonium chloride ・Renal tubular acidosis ・Spironolactone
☆Metabolic Alkalosis
Alkaline Input・Bicarbonate Infusion ・Hemodialysis ・Calcium Carbonate ・Parenteral Nutrition
Proton Loss・GI Loss (vomiting, NG suction) ・Renal loss ・Diuretics ・Mineralocorticoids
☆Respiratory Acidosis
Airway Obstruction・Foreign body, aspiration ・OSA (obstructive sleep apnea) ・Laryngo- or broncho-spasm
Neuromuscular・Myasthenia gravis ・Hypokalemic periodic paralysis ・Guillain-Barre ・Botulism, Tetanus ・Hypo-kalemia, hypo-phosphatemia ・Cervical spine injury ・Morbid obesity ・Polio, MS, ALS
Central・Drugs (opiates, sedatives) ・Oxygen treatment in acute hypercapnia ・Brain trauma or stroke
Pulmonary・Pulmonary edema ・Asthma ・Pneumonia ・ARDS ・COPD ・Pulmonary Fibrosis
Mechanical Ventilation
☆Respiratory Alkalosis
Hypoxia・High altitude ・CHF ・Pulmonary Embolism
Lung Disease・Pulmonary fibrosis ・Pulmonary edema ・Pneumonia
Drugs・Progesterone ・Nicotine
Stimulation of Respiratory Drive・Psychogenic ・Neurologic (pontine tumor) ・Sepsis ・Pregnancy ・Mechanical ventilation
cf)急性か慢性か
・COPDの急性増悪時のpHが7.30,PaCO2が55mmHgな場合:PaCO2が1mmHg変化すると、pHが0.008変化する。平常時のpHを7.40とすると、pHが7.40-7.30=0.1変化しているため、PaCO2は0.1/0.008=12.5変化していることになり、もとのPaCO2は55-12.5=42.5mmHgと推測できる。
・PaCO2上昇があるのにpHが正常であれば慢性的な高CO2血症、PaCO2上昇がありpHがアシデミアであれば急性の高CO2血症。
cf)静脈血で代用できるか?
・ABGとVBGの変換
pH:VBGはABGより0.02-0.04高い(◎)
HCO3:VBGはABGより1-2mEq/L高い(○)
PCO2:VBGはABGより3-8mmHg高い(○)
∴PaO2やSaO2をみる以外はVBGでもかまわないのでは?
Kelly.A.M. Can venus blood gas analysis replace arterial in emergency medical care
Emerg Med Australias 2010.22(6) 493-8
①pHが7.40±0.05以下ならアシドーシス、以上ならアルカローシス
②PaCO2は酸性物質で正常値は40±5mmHg、HCO3は塩基性物質で正常値は24±2mEq/L
③pHがアシドーシスなら、PaCO2↑かHCO3↓のはずであり、PaCO2↑ならアシドーシスの原因は呼吸性、HCO3↓ならアシドーシスの原因は代謝性
pHがアルカローシスなら、PaCO2↓かHCO3↑であり、PaCO2↓ならアシドーシスの原因は呼吸性、HCO3↑ならアシドーシスの原因は代謝性
∴要するに、pH変化の原因がPaCO2なら呼吸性、pH変化の原因がHCO3なら代謝性
④pH変化の原因がPaCO2で、HCO3が異常値なら代償、正常値なら非代償
pH変化の原因がHCO3で、PaCO2が異常値なら代償、正常値なら非代償
(代償の結果、pHが正常範囲になることはなくても”代償された”と言う)
例)pH,PaCO2,HCO3の組み合わせは全部で18通り
pH↑PaCO2↑HCO3↑:代償された代謝性アルカローシス
pH↑PaCO2↑HCO3↓:ありえない
pH↑PaCO2↑HCO3→:ありえない
pH↑PaCO2↓HCO3↑:混合性アルカローシス(呼吸性+代謝性)
pH↑PaCO2↓HCO3↓:代償された呼吸性アルカローシス
pH↑PaCO2↓HCO3→:非代償の呼吸性アルカローシス
pH↑PaCO2→HCO3↑:非代償の代謝性アルカローシス
pH↑PaCO2→HCO3↓:ありえない
pH↑PaCO2→HCO3→:ありえない
pH↓PaCO2↑HCO3↑:代償された呼吸性アシドーシス
pH↓PaCO2↑HCO3↓:混合性アシドーシス(呼吸性+代謝性)
pH↓PaCO2↑HCO3→:非代償の呼吸性アシドーシス
pH↓PaCO2↓HCO3↑:ありえない
pH↓PaCO2↓HCO3↓:代償された代謝性アシドーシス
pH↓PaCO2↓HCO3→:ありえない
pH↓PaCO2→HCO3↑:ありえない
pH↓PaCO2→HCO3↓:非代償の代謝性アシドーシス
pH↓PaCO2→HCO3→:ありえない
⑤アニオンギャップ(AG=Na+K-(CL+HCO3))を計算する。正常範囲は10-15mEq/L。
注意)血ガス評価で鑑別できる病態
☆Metabolic Acidosis (Anion Gap)
MUDPILES・Methanol ・Uremia ・Diabetic Ketoacidosis (check serum ketones) ・Propylene Glycol (in BZD drips) or Paraldehydes ・Isoniazid ・Lactic Acidosis (check serum lactate) ・Ethylene Glycol (anti-freeze) ・Salycylates
GOLDMARK・Glycols (ethylene or propylene) ・Oxoporin (reflects fatty liver damage from glutathione consumption, e.g. acetaminophen toxicity) ・L-Lactate ・D-Lactate (bacterial form) ・Methanol ・Aspirin (salycylate) ・Renal Failure (BUN uremia) ・Ketoacidosis
☆Metabolic Acidosis (Non-Anion Gap)
GI Loss・Diarrhea / Laxatives ・Fistula, (pancreatic, biliary) ・Uretero-intestinal diversion (ileal conduit)
Renal Loss・Renal Tubular Acidosis (Type 1 Distal or Type 2 Proximal) ・Renal Failure ・Hyper-kalemia
Exogenous Acid・HCl ・Amino Acids
FUSED CARS・Fistula (pancreatic, biliary) ・Uretero-gastric conduit ・Saline admin (dilutional acidosis) ・Endocrine (hyper-PTH) ・Diarrhea ・Carbonic anhydrase inhibitor (acetazolamide) ・Ammonium chloride ・Renal tubular acidosis ・Spironolactone
☆Metabolic Alkalosis
Alkaline Input・Bicarbonate Infusion ・Hemodialysis ・Calcium Carbonate ・Parenteral Nutrition
Proton Loss・GI Loss (vomiting, NG suction) ・Renal loss ・Diuretics ・Mineralocorticoids
☆Respiratory Acidosis
Airway Obstruction・Foreign body, aspiration ・OSA (obstructive sleep apnea) ・Laryngo- or broncho-spasm
Neuromuscular・Myasthenia gravis ・Hypokalemic periodic paralysis ・Guillain-Barre ・Botulism, Tetanus ・Hypo-kalemia, hypo-phosphatemia ・Cervical spine injury ・Morbid obesity ・Polio, MS, ALS
Central・Drugs (opiates, sedatives) ・Oxygen treatment in acute hypercapnia ・Brain trauma or stroke
Pulmonary・Pulmonary edema ・Asthma ・Pneumonia ・ARDS ・COPD ・Pulmonary Fibrosis
Mechanical Ventilation
☆Respiratory Alkalosis
Hypoxia・High altitude ・CHF ・Pulmonary Embolism
Lung Disease・Pulmonary fibrosis ・Pulmonary edema ・Pneumonia
Drugs・Progesterone ・Nicotine
Stimulation of Respiratory Drive・Psychogenic ・Neurologic (pontine tumor) ・Sepsis ・Pregnancy ・Mechanical ventilation
cf)急性か慢性か
・COPDの急性増悪時のpHが7.30,PaCO2が55mmHgな場合:PaCO2が1mmHg変化すると、pHが0.008変化する。平常時のpHを7.40とすると、pHが7.40-7.30=0.1変化しているため、PaCO2は0.1/0.008=12.5変化していることになり、もとのPaCO2は55-12.5=42.5mmHgと推測できる。
・PaCO2上昇があるのにpHが正常であれば慢性的な高CO2血症、PaCO2上昇がありpHがアシデミアであれば急性の高CO2血症。
cf)静脈血で代用できるか?
・ABGとVBGの変換
pH:VBGはABGより0.02-0.04高い(◎)
HCO3:VBGはABGより1-2mEq/L高い(○)
PCO2:VBGはABGより3-8mmHg高い(○)
∴PaO2やSaO2をみる以外はVBGでもかまわないのでは?
Kelly.A.M. Can venus blood gas analysis replace arterial in emergency medical care
Emerg Med Australias 2010.22(6) 493-8
嘔吐
<嘔吐>
☆若年者のほとんどは黄ブ菌の食あたりやウィルス性胃腸炎の部分症状。
☆嘔吐のみの若い人は急性虫垂炎/DKAかも。
☆中年以降は心筋梗塞と大動脈解離に注意する。
☆嘔吐したらCl低下でHCO3上昇(下痢はHCO3低下)。
☆内服は無理なら3号液などの点滴を行う。血圧低下や洞性頻脈あるときは外液投与を。
☆嘔吐の原因:
・急性胃腸炎⇒数日後に水溶性下痢、プリンペラン1A i.v.,ミヤBM3g分3,ナウゼリン坐薬
・GRED⇒タケプロン,ランソプラゾール,オメプラール等。ラクテック混注は沈殿する。
・脳圧↑⇒瞳孔左右差,Cushing sign ・小脳出血⇒頭部CT/MRI
・片頭痛⇒マクサルト1錠(5HT1作動薬) ・前庭系⇒アタラックスP、H1拮抗薬
・DKA⇒BS↑、尿中ケトン体↑、代謝性アシドーシス。生食とインスリン持続投与。
・妊娠悪阻⇒ブドウ糖+B1を投与。頭部CT/MRIでaxial(水平断)で両側視床にhigh intesity、coronal(冠状断、額に平行なスライス)で扁桃体や海馬の萎縮ないか見る。(ちなみに額と直行するスライスはsagital) ・尿閉⇒膀胱充満でも嘔気くることあり。下腹部痛+嘔気が多い。臍周囲の腹痛+嘔気は腸閉塞を考慮。
・腸閉塞⇒腹部術歴ある老人。プリンペランは禁忌。NG挿入で50cmH20-30秒-30秒の設定で胃液を回収し悪化を防ぐ。腸閉塞があり、小腸と盲腸と上行結腸の拡張なら麻痺性イレウスで急性虫垂炎や憩室穿孔を探し、小腸だけの拡張なら外ヘルニア(鼠径ヘルニア/大腿ヘルニア/閉鎖孔ヘルニア)や癒着性イレウス(closed loopやbeak sign)を探し、盲腸や上行結腸だけの拡張と下行結腸の虚脱なら大腸癌等の閉塞を探す(⇒便潜血)。
☆EDチューブ挿入時は座位で頸部を前屈気味にすると良い。挿入の確認は必ず胸写と聴診で行う(意識障害や認知症でむせもない場合は、気管支深く入っていれば聴診で異常とらえられないことあり)。ガイドワイヤーを抜去すると映らないので、入れたまま(抜去してたら再度ガイドワイヤーを留置して)撮影する(留置しなおす時にも使える)。ガイドワイヤーを抜く時は、水を通さないと抜けないことに注意する。
cf)EDチューブは栄養の注入のみ、胃管=NGチューブ=Magenチューブ=レビン(チューブ)=Margenゾンデは栄養の注入だけでなくドレナージにも使う。
cf)マーゲンチューブが入りにくい場合は冷蔵庫で冷やすとよい。
☆若年者のほとんどは黄ブ菌の食あたりやウィルス性胃腸炎の部分症状。
☆嘔吐のみの若い人は急性虫垂炎/DKAかも。
☆中年以降は心筋梗塞と大動脈解離に注意する。
☆嘔吐したらCl低下でHCO3上昇(下痢はHCO3低下)。
☆内服は無理なら3号液などの点滴を行う。血圧低下や洞性頻脈あるときは外液投与を。
☆嘔吐の原因:
・急性胃腸炎⇒数日後に水溶性下痢、プリンペラン1A i.v.,ミヤBM3g分3,ナウゼリン坐薬
・GRED⇒タケプロン,ランソプラゾール,オメプラール等。ラクテック混注は沈殿する。
・脳圧↑⇒瞳孔左右差,Cushing sign ・小脳出血⇒頭部CT/MRI
・片頭痛⇒マクサルト1錠(5HT1作動薬) ・前庭系⇒アタラックスP、H1拮抗薬
・DKA⇒BS↑、尿中ケトン体↑、代謝性アシドーシス。生食とインスリン持続投与。
・妊娠悪阻⇒ブドウ糖+B1を投与。頭部CT/MRIでaxial(水平断)で両側視床にhigh intesity、coronal(冠状断、額に平行なスライス)で扁桃体や海馬の萎縮ないか見る。(ちなみに額と直行するスライスはsagital) ・尿閉⇒膀胱充満でも嘔気くることあり。下腹部痛+嘔気が多い。臍周囲の腹痛+嘔気は腸閉塞を考慮。
・腸閉塞⇒腹部術歴ある老人。プリンペランは禁忌。NG挿入で50cmH20-30秒-30秒の設定で胃液を回収し悪化を防ぐ。腸閉塞があり、小腸と盲腸と上行結腸の拡張なら麻痺性イレウスで急性虫垂炎や憩室穿孔を探し、小腸だけの拡張なら外ヘルニア(鼠径ヘルニア/大腿ヘルニア/閉鎖孔ヘルニア)や癒着性イレウス(closed loopやbeak sign)を探し、盲腸や上行結腸だけの拡張と下行結腸の虚脱なら大腸癌等の閉塞を探す(⇒便潜血)。
☆EDチューブ挿入時は座位で頸部を前屈気味にすると良い。挿入の確認は必ず胸写と聴診で行う(意識障害や認知症でむせもない場合は、気管支深く入っていれば聴診で異常とらえられないことあり)。ガイドワイヤーを抜去すると映らないので、入れたまま(抜去してたら再度ガイドワイヤーを留置して)撮影する(留置しなおす時にも使える)。ガイドワイヤーを抜く時は、水を通さないと抜けないことに注意する。
cf)EDチューブは栄養の注入のみ、胃管=NGチューブ=Magenチューブ=レビン(チューブ)=Margenゾンデは栄養の注入だけでなくドレナージにも使う。
cf)マーゲンチューブが入りにくい場合は冷蔵庫で冷やすとよい。
急性胃腸炎
<急性胃腸炎>
<注意!!>
下痢の訴えで、実は軟便、臍周囲の鈍痛、食欲なしは虫垂炎!!
虫垂が長くて臍あたりまで来ていると考えるべし!!
もしくは腸捻転や絞扼!!痛みの部位に一致する腸管の狭窄/狭小化と口側の軽度拡張、少量腹水あれば疑うこと。痛みは強いはず。
☆嘔吐、臍周囲の腹痛、水様性下痢のtriasが揃って初めてウィルス性胃腸炎と診断できる。
☆嘔吐から始まって水様性下痢になるのが普通。
☆嘔吐が激しく、食べられないときは補液するのが親切。
☆39度以上の発熱、濃粘血便、激しい腹痛、しぶり腹(tenesums)のどれかがあれば細菌性腸炎を疑って、ミヤBM3g分3、ホスミシン250mg4錠分4処方する。重篤であれば便培養と赤痢アメーバの抗体検査をする(セキリアメーバAB:FA)。
☆老人の脱水でGFR低下時は入院を。
☆水様性下痢、腹痛、嘔吐のtriasがそろってない時は、虫垂炎、子宮外妊娠、腸閉塞(特に絞扼性)、出血性胃潰瘍を否定すること。
☆ウィルス性の胃腸炎なら2~3日で治る。整腸剤のミヤBM3包分3~12T/3x、ブチブロン1T頓服、下痢止めのロペラミド2T分2を処方し帰宅。
☆3~5日前くらいにイカ、サバを食べたのならアニサキスIgG抗体を測定する。
☆腸炎が長引いているのならアレルギー反応かもしれないのでIgE indexを調べる。
☆食あたりの発症時間
・黄色ブドウ球菌:おにぎりなど、2〜3時間
・サルモネラ:鶏卵、鶏肉など、6〜72時間
・ウェルシュ菌:カレーなど、12時間
・腸炎ビブリオ:生魚など、6〜20時間
・カンピロバクター:食肉(特に鶏肉)など、2〜3日
・病原性大腸菌:井戸水、多種の食物、3〜5日
<注意!!>
下痢の訴えで、実は軟便、臍周囲の鈍痛、食欲なしは虫垂炎!!
虫垂が長くて臍あたりまで来ていると考えるべし!!
もしくは腸捻転や絞扼!!痛みの部位に一致する腸管の狭窄/狭小化と口側の軽度拡張、少量腹水あれば疑うこと。痛みは強いはず。
☆嘔吐、臍周囲の腹痛、水様性下痢のtriasが揃って初めてウィルス性胃腸炎と診断できる。
☆嘔吐から始まって水様性下痢になるのが普通。
☆嘔吐が激しく、食べられないときは補液するのが親切。
☆39度以上の発熱、濃粘血便、激しい腹痛、しぶり腹(tenesums)のどれかがあれば細菌性腸炎を疑って、ミヤBM3g分3、ホスミシン250mg4錠分4処方する。重篤であれば便培養と赤痢アメーバの抗体検査をする(セキリアメーバAB:FA)。
☆老人の脱水でGFR低下時は入院を。
☆水様性下痢、腹痛、嘔吐のtriasがそろってない時は、虫垂炎、子宮外妊娠、腸閉塞(特に絞扼性)、出血性胃潰瘍を否定すること。
☆ウィルス性の胃腸炎なら2~3日で治る。整腸剤のミヤBM3包分3~12T/3x、ブチブロン1T頓服、下痢止めのロペラミド2T分2を処方し帰宅。
☆3~5日前くらいにイカ、サバを食べたのならアニサキスIgG抗体を測定する。
☆腸炎が長引いているのならアレルギー反応かもしれないのでIgE indexを調べる。
☆食あたりの発症時間
・黄色ブドウ球菌:おにぎりなど、2〜3時間
・サルモネラ:鶏卵、鶏肉など、6〜72時間
・ウェルシュ菌:カレーなど、12時間
・腸炎ビブリオ:生魚など、6〜20時間
・カンピロバクター:食肉(特に鶏肉)など、2〜3日
・病原性大腸菌:井戸水、多種の食物、3〜5日
下痢
<下痢>
<注意!!>
下痢の訴えで、実は軟便、臍周囲の鈍痛、食欲なしは虫垂炎!!
虫垂が長くて臍あたりまで来ていると考えるべし!!
もしくは腸捻転や絞扼!!痛みの部位に一致する腸管の狭窄/狭小化と口側の軽度拡張、少量腹水あれば疑うこと。痛みは強いはず。
☆数週続く慢性下痢は赤痢アメーバ、ランブル鞭毛虫、乳頭不耐症、UC、クローンを考慮。
☆ミヤBM3包分3、ロペミン2錠分2(CDトキシン、ベロトキシン検査を同時にしておく)、ORS(水1Lに小さじ1杯5gの塩と大さじ1杯15gの砂糖)で尿回数が5-7回になるようにする。
☆軟便を水様性下痢ということがある。
☆細菌性であっても抗生剤はキャリア化や増悪を助長するので投与しない。細菌性疑えば便培養を。カンピロバクターならアジスロマイシン(マクロライド)(NQは耐性多い)。赤痢アメーバならST合剤。
☆感染性胃腸炎の原因
・おにぎり、手弁当→黄ブ菌、セレウス菌、潜伏6時間、毒素で嘔吐中心、発熱なし
・サラダ、魚介類(カキ)→ノロウィルス、潜伏1日、毒素で嘔吐中心、発熱なし(カキによるA型肝炎は摂取30日後に発症)
・いずし→サルモネラ、潜伏1日、毒素で嘔吐中心、発熱なし
・夏の海産物→腸炎ビブリオ、潜伏2日、感染型で発熱と下痢中心
・生の鶏/牛肉→カンピロバクター、潜伏5日、感染型で発熱と下痢中心、血便のことも、便培養(特殊な培地)、GBSの原因
・肉、生野菜→HUS、潜伏7日、感染型で発熱と下痢中心、血便のことも、便培養、腎機能と血算
☆カンピロバクター、エルシニア、O-157はCRP著増の水様性下痢を来すことがある。
☆水様性下痢に腎機能障害、血小板減少を見たら、塗抹標本で破砕赤血球を探す。あればHUSかTTPで血漿交換療法。
☆潰瘍性大腸炎(UC)とクローン病(CD)(IBD:UC,CD)
・10から20歳代で慢性の下痢、腹痛、体重減少、貧血があれば疑う。
・UCでは粘血便、下痢がメイン。CDは血便は稀で若年なのに痔核や痔ろう、肛門周囲膿瘍、腸閉塞が見られる。
・UCの内視鏡所見:軽度がびまん性に血管透見が消失し顆粒状粘膜、中等症では浅い潰瘍が散在、易出血性、膿性粘液付着、高度は著名な自然出血、深掘れ潰瘍、島状残存粘液。
・CDの内視鏡所見は多発する縦走潰瘍、敷石像、アフタ。
・UCの重症度分類:重症は排便1日6回以上、便潜血3+、37.5度以上、脈拍90回以上、Hb10以下、赤沈30mm以上(正常は10±5)のうち4項目以上陽性。軽度は排便1日4回以下、便潜血+から-、発熱/貧血/頻脈/赤沈亢進なし。中等度は高度ど軽度の間。
・CDの重症度分類:軽度はCDAIが150から220、合併症なし、CRPはわずかな上昇、重度はCDAIが450以上、腸閉塞や膿瘍あり、CRPが高度上昇、治療反応なし。中等度は軽度と重度の間。
・UCの治療は経口5-ASA(ペンタサ、アサコール)2g/日以上、もしくはSASP(サラゾピリン)3-4g/日に5-ASA注腸(ペンタサ)1g/日もしくはステロイド注腸を加える。無効ならPSL30-40mg内服。緊急性あるときは白血球除去療法や免疫抑制剤(AZA:イムラン、6-MP:ロイケリン)。直腸型ならサラゾピリン座薬も可。
・CDの治療は軽度は5-ASA、中等度はPSL40mg内服を1週間で減量、離脱できないときはAZAや6-MPを追加。緊急性あるときは顆粒球除去療法。重度はPSL40-60mg静注。
・ステロイド長期使用例ではCMV、抗生剤使用例ではC.difficile、生物学的製剤や免疫抑制剤使用例では腸結核やB型肝炎再燃に注意すること。
・感染性腸炎は長くて1週間程度(ただし、アメーバ腸炎は同性愛者で見られ長期に続く)。
・IBSでは便潜血は陰性。
<注意!!>
下痢の訴えで、実は軟便、臍周囲の鈍痛、食欲なしは虫垂炎!!
虫垂が長くて臍あたりまで来ていると考えるべし!!
もしくは腸捻転や絞扼!!痛みの部位に一致する腸管の狭窄/狭小化と口側の軽度拡張、少量腹水あれば疑うこと。痛みは強いはず。
☆数週続く慢性下痢は赤痢アメーバ、ランブル鞭毛虫、乳頭不耐症、UC、クローンを考慮。
☆ミヤBM3包分3、ロペミン2錠分2(CDトキシン、ベロトキシン検査を同時にしておく)、ORS(水1Lに小さじ1杯5gの塩と大さじ1杯15gの砂糖)で尿回数が5-7回になるようにする。
☆軟便を水様性下痢ということがある。
☆細菌性であっても抗生剤はキャリア化や増悪を助長するので投与しない。細菌性疑えば便培養を。カンピロバクターならアジスロマイシン(マクロライド)(NQは耐性多い)。赤痢アメーバならST合剤。
☆感染性胃腸炎の原因
・おにぎり、手弁当→黄ブ菌、セレウス菌、潜伏6時間、毒素で嘔吐中心、発熱なし
・サラダ、魚介類(カキ)→ノロウィルス、潜伏1日、毒素で嘔吐中心、発熱なし(カキによるA型肝炎は摂取30日後に発症)
・いずし→サルモネラ、潜伏1日、毒素で嘔吐中心、発熱なし
・夏の海産物→腸炎ビブリオ、潜伏2日、感染型で発熱と下痢中心
・生の鶏/牛肉→カンピロバクター、潜伏5日、感染型で発熱と下痢中心、血便のことも、便培養(特殊な培地)、GBSの原因
・肉、生野菜→HUS、潜伏7日、感染型で発熱と下痢中心、血便のことも、便培養、腎機能と血算
☆カンピロバクター、エルシニア、O-157はCRP著増の水様性下痢を来すことがある。
☆水様性下痢に腎機能障害、血小板減少を見たら、塗抹標本で破砕赤血球を探す。あればHUSかTTPで血漿交換療法。
☆潰瘍性大腸炎(UC)とクローン病(CD)(IBD:UC,CD)
・10から20歳代で慢性の下痢、腹痛、体重減少、貧血があれば疑う。
・UCでは粘血便、下痢がメイン。CDは血便は稀で若年なのに痔核や痔ろう、肛門周囲膿瘍、腸閉塞が見られる。
・UCの内視鏡所見:軽度がびまん性に血管透見が消失し顆粒状粘膜、中等症では浅い潰瘍が散在、易出血性、膿性粘液付着、高度は著名な自然出血、深掘れ潰瘍、島状残存粘液。
・CDの内視鏡所見は多発する縦走潰瘍、敷石像、アフタ。
・UCの重症度分類:重症は排便1日6回以上、便潜血3+、37.5度以上、脈拍90回以上、Hb10以下、赤沈30mm以上(正常は10±5)のうち4項目以上陽性。軽度は排便1日4回以下、便潜血+から-、発熱/貧血/頻脈/赤沈亢進なし。中等度は高度ど軽度の間。
・CDの重症度分類:軽度はCDAIが150から220、合併症なし、CRPはわずかな上昇、重度はCDAIが450以上、腸閉塞や膿瘍あり、CRPが高度上昇、治療反応なし。中等度は軽度と重度の間。
・UCの治療は経口5-ASA(ペンタサ、アサコール)2g/日以上、もしくはSASP(サラゾピリン)3-4g/日に5-ASA注腸(ペンタサ)1g/日もしくはステロイド注腸を加える。無効ならPSL30-40mg内服。緊急性あるときは白血球除去療法や免疫抑制剤(AZA:イムラン、6-MP:ロイケリン)。直腸型ならサラゾピリン座薬も可。
・CDの治療は軽度は5-ASA、中等度はPSL40mg内服を1週間で減量、離脱できないときはAZAや6-MPを追加。緊急性あるときは顆粒球除去療法。重度はPSL40-60mg静注。
・ステロイド長期使用例ではCMV、抗生剤使用例ではC.difficile、生物学的製剤や免疫抑制剤使用例では腸結核やB型肝炎再燃に注意すること。
・感染性腸炎は長くて1週間程度(ただし、アメーバ腸炎は同性愛者で見られ長期に続く)。
・IBSでは便潜血は陰性。
吐血、下血、血便
<吐血、下血、血便>
☆フォロー中にBUNが上昇してきたときは消化管出血を疑うこと。Crが同時に上昇していても、出血による脱水が合併しているのかもしれないので、単なる脱水と即断しないこと。
☆咳の結果出た喀血、嘔吐の繰り返しで出た吐血、下痢の繰り返しで出た鮮血便は粘膜損傷の事が多い。軽症ならトランサミン処方で経過観察でも可。
☆吐血の色
・茶褐色~黒色⇒胃や食道からの慢性出血(炎症,潰瘍,腫瘍) ・鮮血⇒茶褐色の嘔吐を繰り返しているうちにMallory-Weisseを起した、GERD、静脈瘤(肝硬変)など
☆下血の色と出血部位
・真っ黒⇒上部、下血と言う。胃十二指腸潰瘍(PUGa/D)、胃癌、GERDなどを疑う。最終飲食時刻を聴取し緊急内視鏡の準備。
・暗赤色⇒下部、血便と言う。憩室出血は腹痛なし、右or左下腹部痛は憩室炎、CTで憩室ないなら虚血性腸炎(腹痛とともに普通便から徐々に軟便となり最後に下痢状の血便になる)、腹痛や炎症反応軽度、経口摂取可能ならクラビット100mg5錠分1処方し帰宅も可。大腸癌の場合もあるのでCFは必ず勧めること。
・真っ赤⇒血便と言う。直腸潰瘍(長期臥床、E入りキシロカインを含んだガーゼを直腸に充填し帰宅)、痔核(陥頓による痛みがなければヘモレックス軟膏2g処方し帰宅)、肛門周囲膿瘍(痔瘻ないか造影CTをすること)、裂肛(ヘモレックス軟膏2g処方し帰宅)。Hb低下あれば大腸癌かも。CFは必ず勧めること。
☆20代前後ならクローン病(+腹痛、下痢)やUC(+腹痛)も(どちらも高齢者でもピークあり)。血沈とHbのチェック。CFは必須。
☆初期対応
・普段より血圧低下、頻脈、じとっとした皮膚(冷汗)あればルート確保し、ラクテック+チチナ1A+リカバリン1A、オメプラール1A+生食100ml点滴(生食20mlに溶いて静注も可)。
・モニター装着、血ガスでHb/Lac/pH/BEチェックして、ふらつき/頻脈/起立性低血圧/Hb低いならRCCオーダーと輸血同意書を取っておく。
・肝硬変による静脈瘤の可能性低いならNGで上か下か確認してもよい。鼻出血でも黒色便になるし、NGでも胃からか鼻からかは分からない。慢性出血で嘔吐を繰り返しての吐血はMalloryWeisse症候群の可能性あり。
・基本は緊急内視鏡。
・入院になるならCA19-9とCEA/ピロリ抗体/クロス血/入院時採血セット/ECG/胸写/入院時指示。
☆緊急でないならゆっくり病歴(最終飲食時刻、喫煙、アルコール)、身体所見(明らかな下血なければ直腸診と便潜血)、憩室炎で下腹部痛あるときは炎症反応上がる(なければ憩室症)。
☆内視鏡操作メモ
・右梨状陥凹(モニタの左側)に来たら、カメラを下向きにして、本体を持っている左手を右上に持ち上げてカメラをそっと押すと入る。
・SDJではスコープを持っている右手で反時計に回しながら挿入する。
・十二指腸の1st portionに入ったらカメラを上向きにして、本体を持っている左手首を巻き込むように右に回すと2nd portionに入るので、少しカメラを引き戻すとさらに入っていく。
・食道に入ったらまず洗浄する。食道の血管がなくなっているところがSDJ。
・胃内の血管が透けて見えるところは萎縮性胃炎。
・胃内でJターンしたときにニュースカレークを吸引する。
注)便が黒いからと言って消化管出血とは限らない!
・鉄剤やマドパ(レボドパ)+マグミット内服中も便が黒くなる。マグミットに内服してると下痢状にもなり、タール便と紛らわしい。鉄剤による黒色便はやや緑がかっており、あまり臭くないのが特徴で、鉄剤を休薬すると3日程度で色が戻る。
注)メネシット、マグミット内服中で口腔内に黒色物が付着し、吐血と間違うことあり。
☆フォロー中にBUNが上昇してきたときは消化管出血を疑うこと。Crが同時に上昇していても、出血による脱水が合併しているのかもしれないので、単なる脱水と即断しないこと。
☆咳の結果出た喀血、嘔吐の繰り返しで出た吐血、下痢の繰り返しで出た鮮血便は粘膜損傷の事が多い。軽症ならトランサミン処方で経過観察でも可。
☆吐血の色
・茶褐色~黒色⇒胃や食道からの慢性出血(炎症,潰瘍,腫瘍) ・鮮血⇒茶褐色の嘔吐を繰り返しているうちにMallory-Weisseを起した、GERD、静脈瘤(肝硬変)など
☆下血の色と出血部位
・真っ黒⇒上部、下血と言う。胃十二指腸潰瘍(PUGa/D)、胃癌、GERDなどを疑う。最終飲食時刻を聴取し緊急内視鏡の準備。
・暗赤色⇒下部、血便と言う。憩室出血は腹痛なし、右or左下腹部痛は憩室炎、CTで憩室ないなら虚血性腸炎(腹痛とともに普通便から徐々に軟便となり最後に下痢状の血便になる)、腹痛や炎症反応軽度、経口摂取可能ならクラビット100mg5錠分1処方し帰宅も可。大腸癌の場合もあるのでCFは必ず勧めること。
・真っ赤⇒血便と言う。直腸潰瘍(長期臥床、E入りキシロカインを含んだガーゼを直腸に充填し帰宅)、痔核(陥頓による痛みがなければヘモレックス軟膏2g処方し帰宅)、肛門周囲膿瘍(痔瘻ないか造影CTをすること)、裂肛(ヘモレックス軟膏2g処方し帰宅)。Hb低下あれば大腸癌かも。CFは必ず勧めること。
☆20代前後ならクローン病(+腹痛、下痢)やUC(+腹痛)も(どちらも高齢者でもピークあり)。血沈とHbのチェック。CFは必須。
☆初期対応
・普段より血圧低下、頻脈、じとっとした皮膚(冷汗)あればルート確保し、ラクテック+チチナ1A+リカバリン1A、オメプラール1A+生食100ml点滴(生食20mlに溶いて静注も可)。
・モニター装着、血ガスでHb/Lac/pH/BEチェックして、ふらつき/頻脈/起立性低血圧/Hb低いならRCCオーダーと輸血同意書を取っておく。
・肝硬変による静脈瘤の可能性低いならNGで上か下か確認してもよい。鼻出血でも黒色便になるし、NGでも胃からか鼻からかは分からない。慢性出血で嘔吐を繰り返しての吐血はMalloryWeisse症候群の可能性あり。
・基本は緊急内視鏡。
・入院になるならCA19-9とCEA/ピロリ抗体/クロス血/入院時採血セット/ECG/胸写/入院時指示。
☆緊急でないならゆっくり病歴(最終飲食時刻、喫煙、アルコール)、身体所見(明らかな下血なければ直腸診と便潜血)、憩室炎で下腹部痛あるときは炎症反応上がる(なければ憩室症)。
☆内視鏡操作メモ
・右梨状陥凹(モニタの左側)に来たら、カメラを下向きにして、本体を持っている左手を右上に持ち上げてカメラをそっと押すと入る。
・SDJではスコープを持っている右手で反時計に回しながら挿入する。
・十二指腸の1st portionに入ったらカメラを上向きにして、本体を持っている左手首を巻き込むように右に回すと2nd portionに入るので、少しカメラを引き戻すとさらに入っていく。
・食道に入ったらまず洗浄する。食道の血管がなくなっているところがSDJ。
・胃内の血管が透けて見えるところは萎縮性胃炎。
・胃内でJターンしたときにニュースカレークを吸引する。
注)便が黒いからと言って消化管出血とは限らない!
・鉄剤やマドパ(レボドパ)+マグミット内服中も便が黒くなる。マグミットに内服してると下痢状にもなり、タール便と紛らわしい。鉄剤による黒色便はやや緑がかっており、あまり臭くないのが特徴で、鉄剤を休薬すると3日程度で色が戻る。
注)メネシット、マグミット内服中で口腔内に黒色物が付着し、吐血と間違うことあり。
便潜血について
cf)便潜血について
・化学潜血反応では肉、魚、緑黄色野菜、鉄剤で偽陽性になりやすい
・免疫学的潜血反応では上部からの出血ではHbが分解されて偽陰性になりやすい、大腸癌スクリーニングに最適。鉄剤では偽陽性にならない。
・化学潜血反応では肉、魚、緑黄色野菜、鉄剤で偽陽性になりやすい
・免疫学的潜血反応では上部からの出血ではHbが分解されて偽陰性になりやすい、大腸癌スクリーニングに最適。鉄剤では偽陽性にならない。
吐血で緊急内視鏡適応でない場合
cf)吐血で緊急内視鏡適応でない場合(Glasgow-Blatchford
scoreも参考にしよう):
①十二指腸穿孔
②発症24hr以降
③腹痛が限局的
④造影剤の漏出なし
cf)Glasgow-Blatchford score BUN:6.5-8(2)/8-10(3)/10-25(4)/25-(6),Hb男12-13(1)/10-12(3)/-10(6),Hb女10-12(1)/-10(6),SBP100-109(1)/90-99(2)/-90(3)/脈拍100-(1),タール便あり(1),失神あり(2),肝疾患あり(2),心疾患あり(2)⇒0点なら緊急GIFは必要なし
①十二指腸穿孔
②発症24hr以降
③腹痛が限局的
④造影剤の漏出なし
cf)Glasgow-Blatchford score BUN:6.5-8(2)/8-10(3)/10-25(4)/25-(6),Hb男12-13(1)/10-12(3)/-10(6),Hb女10-12(1)/-10(6),SBP100-109(1)/90-99(2)/-90(3)/脈拍100-(1),タール便あり(1),失神あり(2),肝疾患あり(2),心疾患あり(2)⇒0点なら緊急GIFは必要なし
過換気症候群
<過換気症候群>
☆アタラックスP1A筋注→セレネース1A筋注(セレネースは投与直後は不穏になることあり、効果発現まで20分程度。鎮静されると舌根沈下の恐れあるためSpO2低下時はまず側臥位にする、それでも低下なら鼻カニューラで2L程度酸素投与、無理ならnasal airway挿入、ホリゾンと異なり呼吸停止はない)
cf)筋注の方法:
上腕の三角筋をつかんで垂直に青針(23G)の3分の2程度までの深さまで穿刺する。
☆不安性障害やパニック発作によるものが多いが、原因検索を忘れないこと。DVT/PE、SAHなど。若年者でSpO2 93%は異常!ふくらはぎの痛みや張りがなかったかを聴取、心電図で右心負荷(胸部誘導でのnegativeT)がないかチェックする!
☆アタラックスP1A筋注→セレネース1A筋注(セレネースは投与直後は不穏になることあり、効果発現まで20分程度。鎮静されると舌根沈下の恐れあるためSpO2低下時はまず側臥位にする、それでも低下なら鼻カニューラで2L程度酸素投与、無理ならnasal airway挿入、ホリゾンと異なり呼吸停止はない)
cf)筋注の方法:
上腕の三角筋をつかんで垂直に青針(23G)の3分の2程度までの深さまで穿刺する。
☆不安性障害やパニック発作によるものが多いが、原因検索を忘れないこと。DVT/PE、SAHなど。若年者でSpO2 93%は異常!ふくらはぎの痛みや張りがなかったかを聴取、心電図で右心負荷(胸部誘導でのnegativeT)がないかチェックする!
不眠症
<不眠症>
☆デパス0.5㎎1錠+マイスリー(ゾルピデム)5㎎2錠就寝前頓服を3日分処方でとりあえずはOK。
☆効果ないならウィンタミン(クロルプロマジン)12.5mg1錠就寝前頓服を3日分処方。
☆それでも効果ないならベゲタミンB0.5錠就寝前頓服を3日分処方。
☆抑鬱状態なら抑肝散7.5g/3x、ミラドール50㎎3T/3xを処方する。
☆不眠の原因検索もせずに初診や時間外で28日分を処方するのは禁忌。
☆後日の内科受診を指示(精神科と言うと過剰反応する人がいるので)。
☆デパス0.5㎎1錠+マイスリー(ゾルピデム)5㎎2錠就寝前頓服を3日分処方でとりあえずはOK。
☆効果ないならウィンタミン(クロルプロマジン)12.5mg1錠就寝前頓服を3日分処方。
☆それでも効果ないならベゲタミンB0.5錠就寝前頓服を3日分処方。
☆抑鬱状態なら抑肝散7.5g/3x、ミラドール50㎎3T/3xを処方する。
☆不眠の原因検索もせずに初診や時間外で28日分を処方するのは禁忌。
☆後日の内科受診を指示(精神科と言うと過剰反応する人がいるので)。
頸椎捻挫
<頸椎捻挫>
☆神経所見に異常なければ、後日整形受診を指示。
☆念のため頚椎レントゲン(開口位と側面の2方向)か頚椎CTをとっておく。
☆ケンタン3T分3、ムコスタ3T分3、インテナンスシップ(かぶれる人はスミルスチックやインテバンクリーム)を処方する。2週間程度で治るが、人によっては長引くことがあると説明。
☆診断書は10日加療にする。
☆神経所見に異常なければ、後日整形受診を指示。
☆念のため頚椎レントゲン(開口位と側面の2方向)か頚椎CTをとっておく。
☆ケンタン3T分3、ムコスタ3T分3、インテナンスシップ(かぶれる人はスミルスチックやインテバンクリーム)を処方する。2週間程度で治るが、人によっては長引くことがあると説明。
☆診断書は10日加療にする。
高血圧
<高血圧>
☆血圧を測って、普段より高いので、不安になってくる人が多い。
☆視野異常、嘔気嘔吐、他の神経所見なければ、収縮期200mmHg以下であれば降圧は不要。
☆体調が悪いから血圧が高いのであって、血圧が高いから体調が悪いのではないこと、血圧を不用意に下げると脳梗塞の危険性もあること、を説明する。
☆希望が強い場合は、点滴と安静指示。
☆浮遊感、眩暈で来院することがあるので、その場合は頭部CTを。
☆200以上の高血圧で他に症状ないなら降圧薬の飲み忘れもあるぞ。
☆降圧薬を使う前に、2次性高血圧除外のためにBNP、アルドステロン、レニン活性、コルチゾール、ACTH、C3分画(アドレナリン、ノルアドレナリン、ドパミン)、PAC/PRA比の測定と、腎血管エコーを行うこと。
cf)C3分画の採血は30分安静臥床後、そのまま採血すること。
注)
・高圧目標は高齢者、冠動脈疾患、脳血管障害既往では140/90未満、DM、CKDは130/80未満。
・ARB、CCB、利尿剤によらず心血管イベントは降圧度の応じてリスクが下がる。薬の種類は無関係。
・投与方法は、朝1回では朝の血圧が高いときは就寝前1回や夕方投与にする、1日2回投与に分割する。RA系は早朝に亢進する。もしくは、朝にARB、就寝前にCCBなど。
・血圧は夜間睡眠中に下がるのが正常で、睡眠中に上昇するのはriser、下がらないのはnon-dipperで心血管イベント増加につながる。副交感神経優位になり、代償的にRAA系が亢進しすぎるとriserになる。
・少量サイアザイド(ヒドロクロロサイアザイド6.25mg)併用でNa排泄を促進させるとよい。
・減塩指導の1例:加工品を減らす、漬物は浅漬けや酢漬け、味噌汁は1日1杯、小ぶりの汁椀にする、ラーメンは止める、減塩の調味料、1食2gまで
・非ジヒドロピリジン系CCB+β拮抗薬は徐脈や房室ブロックに注意。ARB/ACEI+抗アルドステロン薬は高K血症に注意。
・NSAIDsは利尿薬、β拮抗薬、ACEIの降圧効果を減弱させる。
・H2拮抗薬はチトクロームP450を阻害し、CCBやβ拮抗薬の降圧効果を増強する。
・ジゴキシンは非ジヒドロピリジン系CCBの併用で血中濃度が上昇する。
・夏場、高齢者にRA系抑制薬+利尿薬の組み合わせは脱水から腎性腎不全になることがある。
・グレープフルーツはチトクロームを抑制し、ジヒドロピリジン系CCBの作用を増強させる。
・リファンピシンはチトクロームを誘導し、ジヒドロピリジン系CCBの作用を減弱させる。
・DM合併例では、ARBやACEIを第1選択とするが、降圧作用が不十分で腎機能障害あるとき(Cr2-3)は増量せずに、CCBを追加する。
・CKDでも高血圧による腎硬化症や多発嚢胞腎は体血管の血圧と糸球体血圧は相関が少ない。一方、DM性腎症や糸球体腎炎では全身血圧が正常でも糸球体血圧は上昇し、糸球体硬化を引き起こし、限外濾過係数を低下させ、さらに糸球体血圧が上昇する。
・糸球体への前負荷を蛋白制限で減少させ、後負荷をRA系抑制薬で減少させる。
⇒CCBで血圧を下げても、充分に降圧しないと糸球体保護にはならず、RA系で降圧効果が不十分でも糸球体血圧が下がり糸球体保護につながる場合がある(ただし、Crが3を超えると糸球体血流の低下を招き、さらなる腎機能低下を招く可能性あり)
⇒腎硬化症や多発嚢胞腎ではCKDでも140/90未満を目標にすればよいが、DM性腎症や糸球体腎炎では125/75未満を目標とする。
・脳卒慢性期の降圧目標は、140/90未満、両側頚動脈高度狭窄、脳主幹動脈閉塞の場合は下げすぎに注意。ラクナ梗塞や脳出血既往ではさらに下げる。CCB.ACEI/ARB,利尿薬など。
・心不全合併例では、HFrEF(HF with reduced EF=収縮不全)とHFpEF(HF with preserved EF=拡張不全)に分ける。EF低下とは40-50%以下を指す。
・HFpEFは高齢女性、高血圧、DM、Afで多い。
・心不全ではRA系が亢進しているので、ACEIやARB投与により過度の降圧や腎機能障害を生じやすいので、通常量の25%程度から開始する。
・β拮抗薬は幅広い重症度の心不全患者に予後改善効果がある。カルベジロールとビソプロロールなど。ごく少量から開始し、体重、胸部X線、BNPをモニタリングしながら使用する。
・利尿薬で臓器鬱血を軽減させ、長時間作用型ジヒドロピリジン系CCBで降圧させる。
・拡張不全における臓器鬱血には利尿薬が有効。頻脈やAfがあれば心拍コントロールを行う。
・冠攣縮性APにはβ拮抗薬単独は禁忌なので、機序が不明な場合や、冠動脈狭窄と攣縮がともに関与している場合は、長時間作用型CCBが第1選択となる。140/90未満が目標血圧。
・心筋梗塞既往ではRA系抑制薬とβ拮抗薬の組み合わせがよい。130/80未満の厳格な血圧コントロールが重要。
cf)高血圧治療ガイドライン2009若年者、中年者:診察血圧130/85未満、家庭血圧125/80未満
高齢者:診察血圧140/90未満、家庭血圧135/85未満
DM,CKD,心筋梗塞後:診察血圧130/80未満、家庭血圧125/75未満
脳血管障害後:診察血圧140/90、家庭血圧135/85正常高値130-139/85-89
I度高血圧:140-159/90-99
II度高血圧:160-179/100-109
III度高血圧:180以上/110以上
リスク第3層(DM,CKD,心血管病):正常高値以上で全て高リスク
リスク第2層(CKD,心血管病のうち1-2個orメタボ):正常高値以上で中等リスク、II度高血圧以上で高リスク
リスク第1層(危険因子なし):I度高血圧以上で低リスク、II度高血圧以上で中等リスク、III度高血圧以上で高リスク
低リスクなら3ヶ月以内の指導でも140/90以上なら降圧薬開始
中等リスクなら1ヶ月以内の指導でも140/90以上なら降圧薬開始
高リスクなら直ちに降圧薬開始
☆血圧を測って、普段より高いので、不安になってくる人が多い。
☆視野異常、嘔気嘔吐、他の神経所見なければ、収縮期200mmHg以下であれば降圧は不要。
☆体調が悪いから血圧が高いのであって、血圧が高いから体調が悪いのではないこと、血圧を不用意に下げると脳梗塞の危険性もあること、を説明する。
☆希望が強い場合は、点滴と安静指示。
☆浮遊感、眩暈で来院することがあるので、その場合は頭部CTを。
☆200以上の高血圧で他に症状ないなら降圧薬の飲み忘れもあるぞ。
☆降圧薬を使う前に、2次性高血圧除外のためにBNP、アルドステロン、レニン活性、コルチゾール、ACTH、C3分画(アドレナリン、ノルアドレナリン、ドパミン)、PAC/PRA比の測定と、腎血管エコーを行うこと。
cf)C3分画の採血は30分安静臥床後、そのまま採血すること。
注)
・高圧目標は高齢者、冠動脈疾患、脳血管障害既往では140/90未満、DM、CKDは130/80未満。
・ARB、CCB、利尿剤によらず心血管イベントは降圧度の応じてリスクが下がる。薬の種類は無関係。
・投与方法は、朝1回では朝の血圧が高いときは就寝前1回や夕方投与にする、1日2回投与に分割する。RA系は早朝に亢進する。もしくは、朝にARB、就寝前にCCBなど。
・血圧は夜間睡眠中に下がるのが正常で、睡眠中に上昇するのはriser、下がらないのはnon-dipperで心血管イベント増加につながる。副交感神経優位になり、代償的にRAA系が亢進しすぎるとriserになる。
・少量サイアザイド(ヒドロクロロサイアザイド6.25mg)併用でNa排泄を促進させるとよい。
・減塩指導の1例:加工品を減らす、漬物は浅漬けや酢漬け、味噌汁は1日1杯、小ぶりの汁椀にする、ラーメンは止める、減塩の調味料、1食2gまで
・非ジヒドロピリジン系CCB+β拮抗薬は徐脈や房室ブロックに注意。ARB/ACEI+抗アルドステロン薬は高K血症に注意。
・NSAIDsは利尿薬、β拮抗薬、ACEIの降圧効果を減弱させる。
・H2拮抗薬はチトクロームP450を阻害し、CCBやβ拮抗薬の降圧効果を増強する。
・ジゴキシンは非ジヒドロピリジン系CCBの併用で血中濃度が上昇する。
・夏場、高齢者にRA系抑制薬+利尿薬の組み合わせは脱水から腎性腎不全になることがある。
・グレープフルーツはチトクロームを抑制し、ジヒドロピリジン系CCBの作用を増強させる。
・リファンピシンはチトクロームを誘導し、ジヒドロピリジン系CCBの作用を減弱させる。
・DM合併例では、ARBやACEIを第1選択とするが、降圧作用が不十分で腎機能障害あるとき(Cr2-3)は増量せずに、CCBを追加する。
・CKDでも高血圧による腎硬化症や多発嚢胞腎は体血管の血圧と糸球体血圧は相関が少ない。一方、DM性腎症や糸球体腎炎では全身血圧が正常でも糸球体血圧は上昇し、糸球体硬化を引き起こし、限外濾過係数を低下させ、さらに糸球体血圧が上昇する。
・糸球体への前負荷を蛋白制限で減少させ、後負荷をRA系抑制薬で減少させる。
⇒CCBで血圧を下げても、充分に降圧しないと糸球体保護にはならず、RA系で降圧効果が不十分でも糸球体血圧が下がり糸球体保護につながる場合がある(ただし、Crが3を超えると糸球体血流の低下を招き、さらなる腎機能低下を招く可能性あり)
⇒腎硬化症や多発嚢胞腎ではCKDでも140/90未満を目標にすればよいが、DM性腎症や糸球体腎炎では125/75未満を目標とする。
・脳卒慢性期の降圧目標は、140/90未満、両側頚動脈高度狭窄、脳主幹動脈閉塞の場合は下げすぎに注意。ラクナ梗塞や脳出血既往ではさらに下げる。CCB.ACEI/ARB,利尿薬など。
・心不全合併例では、HFrEF(HF with reduced EF=収縮不全)とHFpEF(HF with preserved EF=拡張不全)に分ける。EF低下とは40-50%以下を指す。
・HFpEFは高齢女性、高血圧、DM、Afで多い。
・心不全ではRA系が亢進しているので、ACEIやARB投与により過度の降圧や腎機能障害を生じやすいので、通常量の25%程度から開始する。
・β拮抗薬は幅広い重症度の心不全患者に予後改善効果がある。カルベジロールとビソプロロールなど。ごく少量から開始し、体重、胸部X線、BNPをモニタリングしながら使用する。
・利尿薬で臓器鬱血を軽減させ、長時間作用型ジヒドロピリジン系CCBで降圧させる。
・拡張不全における臓器鬱血には利尿薬が有効。頻脈やAfがあれば心拍コントロールを行う。
・冠攣縮性APにはβ拮抗薬単独は禁忌なので、機序が不明な場合や、冠動脈狭窄と攣縮がともに関与している場合は、長時間作用型CCBが第1選択となる。140/90未満が目標血圧。
・心筋梗塞既往ではRA系抑制薬とβ拮抗薬の組み合わせがよい。130/80未満の厳格な血圧コントロールが重要。
cf)高血圧治療ガイドライン2009若年者、中年者:診察血圧130/85未満、家庭血圧125/80未満
高齢者:診察血圧140/90未満、家庭血圧135/85未満
DM,CKD,心筋梗塞後:診察血圧130/80未満、家庭血圧125/75未満
脳血管障害後:診察血圧140/90、家庭血圧135/85正常高値130-139/85-89
I度高血圧:140-159/90-99
II度高血圧:160-179/100-109
III度高血圧:180以上/110以上
リスク第3層(DM,CKD,心血管病):正常高値以上で全て高リスク
リスク第2層(CKD,心血管病のうち1-2個orメタボ):正常高値以上で中等リスク、II度高血圧以上で高リスク
リスク第1層(危険因子なし):I度高血圧以上で低リスク、II度高血圧以上で中等リスク、III度高血圧以上で高リスク
低リスクなら3ヶ月以内の指導でも140/90以上なら降圧薬開始
中等リスクなら1ヶ月以内の指導でも140/90以上なら降圧薬開始
高リスクなら直ちに降圧薬開始
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