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2017年2月27日月曜日

高齢者の浮腫(下肢浮腫)

・貧血、肝機能、腎機能、心臓、甲状腺などの全身疾患、関節疾患や骨盤内疾患、カルシウム拮抗薬、ストロングスタチン、漢方薬などの薬物が原因でないか調べる。
・高齢者のむくみの原因としては: 1)廃用症候群によるむくみ 2)変形性膝関節症によるむくみ(変形によるリンパ浮腫と,廃用症候群によるむくみ)が多い。
・採血(TP,AlbBUN,Creat,電解質、BNP)、尿検(蛋白、Na)、胸部レントゲン(心拡大)、必要があればエコー(心臓、肝臓、下肢静脈)、追加採血(甲状腺ホルモン)を行う。状況により、一日水分摂取量をチェックする。これらの検査で心臓、腎臓、肝臓、低栄養、下肢静脈瘤、Na水分過剰摂取がチェックでき、それに応じて治療を行う。もちろん患者の状態、家族の希望によりどこまで検査、治療するかは柔軟にする。
・精査治療が必要な原因が除外できて患者のADLに支障なければ利尿薬などの処方は必要ない。
・散歩(可能なら)、足踏み、下肢の挙上などを指導して経過観察をする。
・浮腫以外に主訴が目立たないのであれば低アルブミンによる血管内の水分保持機能の低下を第一に考え、栄養改善、特にアルブミンの特異増加アミノ酸として最近話題のBCAA(分岐鎖アミノ酸)であるロイシン、イソロイシン、バリンを含む食品(例えば鶏肉など)の摂取を指導する。
・寝たきりの症例では浮腫が高度になると踵に褥瘡もできる。下腿の高度浮腫例で踵に褥瘡が出来始めたので浮腫改善も見込んでアキレス腱あたりに柔らかい枕をひいて踵を浮かしたら、その枕が当たる部分に褥瘡ができてしまうことも。きつ過ぎず、緩すぎない弾性ストッキングを使用すると浮腫が軽減、褥瘡も改善することあり。
・意外と見落としがちなのが、靴下や股引のゴムによる絞扼による下肢浮腫。
・ロキソニン(NSAIDs)やリリカを止めてみる。2割、3割という発症率で浮腫の原因となる。ジェイゾロフトの副作用に末梢性浮腫があり。
・パーキンソン病にてよく見られる。特に、DA処方例ではよく認める。 DAを変更して、改善した例も多い。
・多数の老人に下肢の浮腫を認め、ビタミンB1欠乏を調査対象の8割近くに認めることも。
・片側下肢のみの浮腫を来した場合はDVTの検索をする。色調は典型的な赤黒いものではなくむしろ白いことも。家族の協力が得られればNOAC投与数ヶ月で改善されることも。
・原因薬剤は日本心臓財団のHPの「副作用として浮腫を生じる薬剤にはどういうものがありますか」を参考にする。

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