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2013年7月17日水曜日

<胸痛>
★まず心電図とモニターを装着し、胸写をとる。明らかなST変化あれば直ちに循環器call。
☆胸痛あるのに、ST変化なければ、見逃すと危険な胸部大動脈解離、肺塞栓、緊張性気胸、食道破裂を除外する。
 ・胸部大動脈解離ないか見るために、胸写や造影CTを行う。
 ・肺塞栓ないか見るために、下肢の把握痛ないか、SpO2の低下(90%前後であることが多い)、危険因子(寝たきり、肥満、ピル、骨盤手術)探す。
 ・ショックバイタルなら緊張性気胸も頭の片隅に入れる。ショックバイタル、気管偏位、片側呼吸音低下なら緊張性気胸として、両側乳頭を結ぶ線と中腋下線の交点を尖刃で切開し、ペアンでとりあえず胸腔に孔を空ける。
 ・食道破裂(Boerhaave症候群)は頻回嘔吐の後に起きる、胸写やCTで左胸水あり。
☆胸痛と共に、1mm以上のST変化やCRP↑伴わない白血球上昇あればミオコールスプレー1回噴霧、抗血小板薬3剤(バイアスピリン100mg,プレタール(シロスタゾール)100mg,アンプラーグ(サルポグレラート/5-HT2遮断薬)100mg)を2錠ずつ噛み砕いてもらい、採血でCPK,CKMB,TropT/Iを測定し、心エコーで壁運動の低下の有無、EF、心嚢液貯留ないか見る。
☆症状消失し、VSAの時はニトロペン舌下錠0.3mg3回分処方し、後日循環器受診を指示。
☆PCI後1年以内に再狭窄がくることは稀。PCI後に不安になって架空の胸痛で受診する人が多い。
☆CKMB上昇はCPKの1割以上でないと有意にはとれない。TropT/IはACS,uAPの他、心不全,腎不全でも陽性になる(自然崩壊のTropT/Iが排泄されないため)。
☆食後であれば胆石発作とGERDの除外する。
☆痩せ型長身の若年男性では自然気胸かも。
☆冷や汗、激痛で何もない人もいる(精神疾患や以前の受診歴をチェックする)。
☆肋間神経痛は肋骨下端を触診する。肋軟骨炎(Tietze症候群)、剣状突起炎、大胸筋筋肉痛なども胸痛きたす。
☆感冒様症状が続き、その後CPK↑TropT↑壁運動低下あれば心筋炎か(心筋炎で心拡大はこない)。
☆他に誘因や症状なくEF低下とLVDd拡張であればDCM。
☆Af tachycardiaやPSVTによる動悸を胸痛という人もいる。
☆変な心電図は以前の分を取り寄せて比較する。

cf)胸部大動脈解離の除外
 ①CXRで上縦隔の拡大(8cm以上)
 ②血圧の左右差
 ③移動する背部痛
 3項目全てが除外されれば大動脈解離がある可能性は7%
 ・CXRで大動脈外縁と石灰化の距離が6mm以上であれば解離を疑う
 ・大動脈解離の99%以上でD-dimer0.5μg/ml以上になる(感度99%以上)
 ・ただし、D-dimerが0.5μg/ml以下でも半分は大動脈解離の可能性がある(特異度は50%弱)

cf)肺塞栓の除外
 ・Wells criteria
  下肢腫脹or下肢把握痛 3点
  肺塞栓以外に考えられない 3点
  心拍数が100以上 1.5点
  過去4週以内に3日以上の臥床or手術 1.5点
  DVT/PEの既往 1.5点
  血痰 1点
  過去半年以内のがん 1点
 ・DVTの可能性
  Wells criteria  6> 2-6 >2
  d-dimer陽性 50% 20% 5%
        陰性 10% 1% 0.5%

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